独フォルクスワーゲン(VW)は3日、これまでに問題となっている排ガス不正とは別に、一部モデルの認証手続きで二酸化炭素(CO2)排出量と燃費の数字を実際より低く設定していたことが分かったと発表した。
発表によると、新たな不正が発覚したのはディーゼル車を中心とした約80万台。内訳の詳細などは公表されていない。対策費は約20億ユーロ(約2700億円)に上ると予想される。
VWは声明で「深い遺憾」の意を表し、各国の関係当局と直ちに話し合いを始める方針を示した。また今後の対策をできるだけ早く明確にし、対象車についてはCO2排出量のクラス分けを訂正すると表明した。車の安全性に影響はないという。
VWではすでに、ディーゼル車約1100万台で不正ソフトを使い、検査時の窒素酸化物(NOx)排出量を道路走行時よりも低く抑えていたことが発覚。前最高経営責任者(CEO)は辞任に追い込まれ、リコール(回収・無償修理)費用だけで67億ユーロを計上している。新たな不正は、これを受けた内部調査の過程で明らかになったという。
ミュラーCEOは3日の声明で「真実がすべてだ」と述べ、不正の全容解明に全力を挙げる構えを示した。