エジプトのピラミッドの内部構造を3Dスキャンなどの最新技術で調べるプロジェクトが先月から始まった。これまでに得られたデータから、世界最大のクフ王のピラミッドなどに未知の空洞が存在する可能性が浮上している。
ピラミッドの「透視」に挑戦するこのプロジェクトはカイロ大学工学部と、先端技術を活用した文化遺産保存に取り組む非営利組織(NPO)、HIP研究所が主導。「4500年前の謎だからといって解けないはずはない」をモットーに、2016年末までの予定で研究を進めている。
プロジェクト始動から2週間後にエジプト考古省が発表したところによると、赤外線サーモグラフィーで調べたピラミッドの熱分布に変則的な部分があることが分かった。
特に首都カイロ郊外のギザにあるクフ王のピラミッドでは、東側の側面に周囲と温度が大きく異なる一画が見つかった。これよりひと回り小さいカフラー王のピラミッドや、さらに約20キロ南方のダハシュールにある2つのピラミッドにも、温度の異なる部分があった。
これは内部に空洞があることを意味している可能性があり、研究チームはさらにデータ分析などを進める構えだという。