(頑丈なヘーベルハウス)・・・マンションとは施工先が違う
横浜市都筑区の大型マンションが傾いた問題で、10月20日、杭を施工した旭化成建材と親会社の旭化成が記者会見を開いた。浅野敏雄社長は「居住者にご迷惑をかけ、お詫び申し上げる」と深々と頭を下げ、謝罪した。
「あの会見が大きな潮目でした…。グループ会社を統括する親会社のトップが謝罪したので、その日を境にすごい勢いでクレームの電話が入るようになりました」
そう肩を落とすのは、旭化成グループの一社員だ。
「ウチの杭はどうなっている」という相談から、「サランラップはもう買わないからな!」など、実に幅広い内容の電話がかかってくるという。
「ただ、的外れなものも多くって、よくよく聞けば杭を打っていない戸建住宅だったり、よくよく聞いてみたら、ウチのグループが全くかかわっていない物件だったりという電話もありました(苦笑)。ただ、こうなってしまえば嵐が去るのを待つしかありませんから、丁寧な対応をしていますが…施工現場では看板にいたずら書きをされたりといった事例も増えてきているので、そういった話を聞くと胸が痛くなります」(前出・社員)
また会社からは、外出時にIDカードを首から下げないようにというお達しも出ているという。
「忘年会の予約なども社名はできるだけ伏せて、間違ってもお店の看板に“旭化成ご一行様”などと書かれないようにしろ、と言い合っています(苦笑)。建築現場や社用車のロゴも覆うように検討されていて、完全に日陰ものの扱いですよね。優良企業に就職できたと喜んでいた若手社員の中には、結構なショックを受けている子も多く、かわいそうでなりません」(前出・社員)
肩身が狭い毎日を過ごしているが、今はとにかく耐え忍ぶしか術はないと、社員同士で声を掛け合っているようだ。
「底なしに疑惑が広がっていくような報道を見ていると、トップの謝罪会見の時期は果たしてよかったのかどうか。ただ、今、ぼくたち社員は、そんなことを言っている時間はなく、とにかくみなさまに謝る以外何もできませんよね」(前出・社員)
※女性セブン2015年11月26日号