台湾労動部(労働省)が16日に発表した統計によると、従業員に給与を支払わず休暇を強制取得させる「無薪假(無給休暇)」を通知・実施した事業所は、11月15日時点で計45となった。実施の対象人数は5,292人で、前月末の1,218人と比べ4.3倍に増えた計算。5,000人を超えるのは2012年3月中旬以来で、景気の先行き不透明感が強まる中、無給休暇の実施に踏み切るケースが急増しているといえそうだ。
労動部は毎月15日と月末時点の無給休暇の実施状況を発表している。実施人数は今年3月末に192人まで減少していたが、4月以降は事業所数と共に次第に増加。9月末からは1,200人台で推移していた。11月15日時点の無給休暇の通知・実施事業所数は10月末比で12増え、2013年12月末以降、約2年ぶりに40を上回った。
現地メディアによると、労動部は無給休暇の実施事業所数と対象者数の増加について、液晶パネル大手の中華映管(CPT)が2,515人を対象とした無給休暇の実施を通知したためと説明。また、業種別では電子業が最多で、次いで製造業が多いなどと指摘している。今回の統計には、台南市で130人を対象に無給休暇を実施すると今月初めに決定したステンレスメーカー、千興不銹鋼の分も含まれるとみられている。