京都市は、左京区の岡崎公園内に市電車両を改装した総合観光案内所「岡崎・市電コンシェルジュ」を12月5日に設置する。岡崎地域には文化・芸術施設や寺社など観光地が集積しているが観光案内の拠点がなく、十分な情報発信ができていなかった。案内所では観光客に多くの施設を巡ってもらうためモデルコースなどを提示して、地域内の周遊性を高める。
岡崎地域には6年かけて再整備した市動物園や人気展が相次ぐ市美術館、平安神宮や南禅寺など有名な寺社も多い。来年1月にはロームシアター京都(旧京都会館)もオープンする。ところが、市が2010年に行った岡崎地域の観光客へのアンケートで、訪問箇所数は「2カ所」が41%、「1カ所」が28%だった。今後案内するモデルコースでは2~3時間で最大八つのスポットを巡る例などを紹介する。
新しい案内所は、岡崎にかつて市電が走っていた歴史から市電車両を使い、公園の中心地にある府立図書館近くに設置する。京都検定1級合格者のボランティアガイドら2人が常駐し、周辺の見どころや展示内容、祭り、イベントなど最新の観光情報を紹介する。
火曜から日曜の午前9時半~午後6時に開所する。外国人観光客に対応するため、土日曜と祝日は英語を話せるガイドも配置する。市市民協働政策推進室は「岡崎の魅力を感じてもらえるように、観光客にとっての情報拠点の役割を果たしたい」と期待する。