「プロ野球の試合をすることになったら、この座席からどうやって抜け出してトイレに行けばいいんだ?」
「電光掲示板を見るには望遠鏡が必要なのでは?」
来年から韓国プロ野球のネクセン・ヒーローズが使用する高尺スカイドーム(ソウル市九老区)に対する懸念が高まっている。高尺ドームは韓国野球史上初のドーム球場ということで野球ファンに歓迎されていたが、今月4日に韓国とキューバの代表チームによる強化試合の際に正式オープンして以降、「プロの球場としては不十分」「ファンにとっても選手にとっても不便な球場」「二度と来たくない球場」という声が上がっている。
大雨の中でも野球ができる韓国唯一のスタジアムである高尺ドームは、ソウル市が2713億ウォン(約290億円)という資金と6年間という時間を費やして建てた。ところが、実際に言ってみたファンはあまりにも不便なことが多いと不満を口にしている。高尺ドームの座席には一番多くて31席が一列に並んでおり、その真ん中の席から立って出る場合は15人に了解を求めなければならないという所がいくつもある。インターネット上では「おむつ(をして行かなければならない)座席」という皮肉も飛び交っていた。窮屈な座席のためにファウルが飛んできても逃げられないという安全上の問題も取りざたされている。
当初はドームではなくアマチュアのための一般球場として計画されたが、ハーフドームという提案を経てドーム球場に設計が変更されたことから、プロの試合をするにはふさわしくない施設・構造を持つことになった点も問題視されている。電光掲示板は小さすぎて「望遠鏡を持ってこなければ野球が見られない」という人もいる。内野と外野の座席が一つにつながっているほかのプロ用球場とは違い、高尺ドームは内野席と外野席が完全に分かれている奇妙な構造だ。スタジアムで一般のファンが利用できるエレベーターは一つだけなので、高齢者や障害者の出入りが不便だとの指摘も出ている。
建設当初から懸念されていたスタジアム周辺の交通渋滞も依然として解決されていない。キューバとの強化試合を観戦したチャン・ギジュンさん(34)は「ソウル・明洞の会社を車で出たが、渋滞に巻き込まれて到着まで1時間半以上かかった。交通渋滞は野球を見たいという思いから我慢できたが、観戦中も不便で本当に腹が立った」と言った。
韓国野球委員会(KBO)の許亀淵(ホ・グヨン)野球発展委員長は「高尺ドームはもともと開放型の一般球場にする計画だったが、ドーム球場を建てることになって設計が8回変更された。屋外に作るはずだった施設を屋内に作るには設計をすべて変えなければならないのが当然だが、継ぎはぎ式に設計だけ何度も変えたためにおかしくなってしまった」と指摘した。キム・ドンソン元大韓野球協会副会長は「アマチュア向け球場としての使用がふさわしいドーム球場だ」と話した。60」