中国の地下鉄や路線バスを利用するさいには、日本同様、現金もしくはチャージ式交通カードで運賃を支払うようになっているが、このたびそのカードリーダーの音真似をして、無賃乗車を試みた“奇特な男性”が現れた。
中国メディア・河南電視台などによると、この一件は先日、河南省鄭州市の公共バス269路線で発生。ひとりの男性が乗車してきて、カードリーダーにカードを掲げた。するとカードリーダーの音が“ピッ”と鳴り、男性はそのまま車内奥へと進んでいったという。
しかし、バス運転手がカードリーダーの表示を確認したところ、きちんと支払いが行われていないことが発覚する。運転手は男性を呼び止め、再度カードを掲げるように伝えた。
男性が再びカードリーダーにカードを掲げると、やはり“ピッ”という読み取り成功の音。しかし、またもや支払いはきちんと行われておらず、不審に思った運転手が自身のカードを取り出して掲げてみたところ、こちらは問題なく読み取りに成功した。
こうなると、男性のカード自体に問題があるのは明らか。運転手が男性のカードを確認すると、驚くことにそれは交通カードではない別のカードで、“ピッ”という読み取り音は男性自らが発していた音であることも判明した。中国の路線バスのカードリーダーは垂直に立てられているものが多く、運転手側からはどのようなカードが用いられているのかはっきりと見えない盲点をついた行為だった。
運転手が事情を聞くと、男性は一銭も携帯しておらず、外は寒く家路も遠いことから、今回の“良からぬ行為”を思いついたことを正直に告白。運転手は哀れみを感じたのか、最終的に男性の運賃を立て替えてあげたという。