先月、93歳で亡くなった漫画家水木しげるさんをしのび、水木さんがデザインした「妖怪地(ようかいち)大凧」が5日、滋賀県東近江市八日市東本町の東近江大凧会館で公開された。2004年に「世界妖怪会議」の開催を記念して制作したもので、「目玉おやじ」のイラストや直筆サインも描かれている。
「八日市は妖怪地」の語呂合わせでまちおこしに取り組んでいた旧八日市市の実行委員会が、会議を盛り上げようと出席者の水木さんにデザインを依頼。縦5メートル、横4・8メートルの20畳敷で、青い光が降り注ぐ地球を目玉おやじなどの妖怪が取り囲む絵と「祝」の文字を組み合わせ、「世界妖怪会議の成功(青光)を祝う」とのメッセージを込めている。水木さんの原画をもとに地元の子どもたち約100人が制作した。
会議終了後は同館で保管されていたが、訃報を受けて急きょ展示を決定。傷んでいた骨組みなどを修復して館内に掲げられた。
展示では裏面に貼られた願い札も紹介しており、水木さんは「大福百個食べたい」「一日中寝る」というユーモラスな願いに加えて、「百二十才まで生きる」との目標を記していた。
実行委員長を務めていた堤吉男さん(57)は「実際に飛ぶところも水木さんに見てもらいたかったが、実現せず残念。何事も柔らかく受け入れる神様のような人だった」と振り返る。
展示は27日まで(9、16、22、24日は休館)。入館料300円。東近江大凧会館TEL0748(23)0081。