ベテラン日本ガイド、中国人の自尊心を傷つけた2つのアドバイスとは?
日本の華字紙・中文導報の20日付の報道によると、中国と日本の関係が悪化しているにも関わらず、昨年9月以降、日本を訪れる中国人客は増加傾向にあるという。
9月に訪日した中国人は前年同月比28.4%増の15万6201人。10月は同74%増の12万1555人で、11月には96%増の10万1900人、12月は84.8%増の9万6700人だった。中国人客の旺盛な消費力に、日本の旅行業界関係者やメディアは驚いている。
こうした中、昨年10月に中国からツアーで日本を訪れたというネットユーザーがこのほど、日本旅行の様子をつづった文章を公開した。各地をめぐり、とても満足した様子だが、ショックなこともあったという。それは日本に到着してすぐ、ガイドに言われた2つのこと。「自尊心がひどく傷ついた」という。
このガイドは台湾・高雄出身の中年男性で、ベテランのようだった。バスに乗ると、彼は私たちに言い聞かせるように話し始めた。言われたのはこんなことだ。
この後、買い物に行きますが、私から皆さんに2つ、お願いがあります。
まず1つ目は、買い物をしてお釣りをもらった時、透かしてみたり、お札を手でガサガサ確認しないこと。絶対にやめてくださいね。日本の造幣技術は世界最高水準なので、偽札はありません。人を疑わないでくださいね。中国人の国際的なイメージにかかわります。
もうひとつは、買い物をする時に値切らないでほしいということ。500円だったら「490円にしろ」と言わないでください。お店の人が510円を要求することはないので、安心してくださいね。いいですか? 皆さん。中国人の顔をつぶすことがないように注意してくださいよ。
ガイドの男性にここまで言われて、私は恥ずかしくなり、自尊心が傷ついた。もし彼が「街を歩く時にはバッグを前に抱えてください」と言ったのであれば、私たちも良く知っていることなので、こんなにばつの悪い気持になることはなかっただろう
「強み」さえあれば、中小・ベンチャーでも大手企業とも対等に取り引きができる
■「強み」さえあれば、企業の大小は関係ない
海外では「強み」があれば、企業の大小、経験の有無は関係ないという事例です。主張すべき「強み」をしっかり見極めて、相手に伝えることが大切です。「強み」をしっかり主張し、その製品が採用する側が求めているもので、すぐにビジネスを始めることができます。つまり、たとえ中小企業であっても、または設立間もないベンチャー企業であっても、関係ないのです。
一方、日本国内では大手企業に自社製品を紹介し、採用してもらうことはなかなかたいへんです。製品の良し悪しだけではく、採用までにプロセスに企業の実績、経営者の経歴、銀行との取り引き実績など、企業の信用に関する書類の提出を求められ、やっとのことでアカウントを作ってもらったといった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?日本国内で大手企業に自社のアカウントを作ってもらうということはたいへんなことです。
写真をご覧ください。左手に座っている男性は台湾の大手セキュリティ会社の会長です。この会社はセキュリティ分野で実績を持つ台湾を代表するソフトベンダーです。右手に並んで座っているのは日本のベンチャー企業の若手経営者グループです。これは台北で開催されるCOMPUTEXを視察したときのことです。
COMPUTEXとは毎年6月に台北で開催されるIT分野の展示会です。台湾製品の買い付けを目的に世界中から3万5千人のバイヤーが集まる展示会で、毎年日本から視察グループを組み、視察に訪れています。現地では展示会の視察だけではなく、企業訪問を企画したり、台湾人経営者との交流の機会を設けたり、アジアでのビジネス展開を支援する活動を行っています。
本来は展示会で出展ブースを訪問し、ここで製品説明を受ける予定だったが、ブースで迎えてくれたセキュリティ会社会長のC氏は全員を展示会場に隣接するホテルのレストランに招待してくれて、C氏を囲んでビジネスランチを兼ねたミーティングとなりました。
■「会社の『強み』を1分間で話してください・・・」
なごやかなムードでおしゃべりをしながらまずは食事を済ませて、さあこれからミーティングというときに、C氏は開口一番、こんなことを言いました。
「みなさん、それぞれの会社の『強み』を1分間で説明してください・・・」
表敬訪問のつもりでいた日本側の若手経営者グループはちょっと戸惑ったような表情。いきなり「1分で『強み』を・・・」と言われても、十分に整理ができないまま、ポイントを絞り込んだ会社紹介ができずにミーティングが進みました。
大手セキュリティ会社会長のC氏は、決して高飛車な態度ではなく、偉そうな素振りもまったく見せず、むしろとてもフレンドリーな表情とソフトな言葉遣いで、「みなさん、それぞれの会社の『強み』を1分間で説明してください」という発言でした。
そして、準備不足だったものの、各社の「強み」紹介のスピーチがひと通り終わった後も、次に「我社とどんな接点を持ちたいか・・・」、「COMPUTEXでどんな製品を探しているか・・・」、「アジアでどんなビジネスモデルを提案したいと思っているか・・・」などなど、C氏から直球の質問が続きました。
C氏の積極的な姿勢に日本側は終始圧倒されて、十分に日本側の意向を伝えることができずに1時間ほどのミーティングが終わりました。具体的なビジネスの話になるとは想定していなかったとはいえ、日本側の準備不足は否めません。帰国後の反省会でも、「もっと積極的にアプローチするべきだった」という声も聞かれました。
実は、大手セキュリティ会社会長のC氏は台湾のセキュリティ業界ではけっこうな有名人です。業界団体のまとめ役を勤めるなど、知る人ぞ知る産業会のキーパーソンです。普段は会いたくてもなかなかアポが取れない人物でもあります。このような人物がミーティングではまったく偉ぶるところもなく、実に気さくに応対してくれました。
■自社の「強み」を徹底的に見極めて、しっかり主張することが大切・・・
台湾企業や中国企業の経営者にはこういう人物がけっこう多く、ミーティングでも会社対会社の「型」にはまった形ではなく、「強み」は何か、何をしたいか、どんなビジネスモデルを考えているか、双方にとってのメリットは何かetc. ストレートに質問をぶつけてくます。
つまり、海外では「強み」があれば、企業の大小、経験の有無は関係ないのです。大切なのは自社の「強み」をしっかり認識しているかどうかということ。そして、その「強み」をしっかり主張できるかどうかということです。お互いの「本領」(強み)を徹底的に出し合い、手順や手続きにとらわれず一気にビジネスの接点を探し出そうとするわけです。
このコラムで以前に台湾企業に学ぶアジアビジネス、「三本主義」について書きました。こんなところにも台湾人の「本領主義」を垣間見ることができます。「三本主義」にはアジアでのビジネスに必要なエッセンスが濃厚に凝縮されています。台湾人が実践している「三本主義」を日本企業にも当てはめて考えてみた場合、皆さんの企業は果たしてどうでしょうか。実は、本人主義、本土主義、本領主義の「三本主義」は、裏返してみるとそのまま日本企業の「ウィークポイント」なのではないでしょうか?
韓国人売春婦、韓国語ができる警察官にあっさり罪を認める
台湾紙・自由時報は12日、台湾新北市板橋区で摘発された韓国籍のコールガールが頑なに売春を否定していたが、韓国語ができる警察官が聴取を始めるとあっさり売春を認めたと報じた。
記事によると、韓国籍のコールガール、金(キム)は当初、言葉が通じないためか、売春していたことを頑なに否定していた。だが、韓国語ができる警察官が聴取を始めると嬉しそうにおしゃべりを始め、あっさりと売春を認めた。この警察官は独学で3年間、韓国語を勉強しており、日常会話程度なら問題なく意思の疎通ができるという。
中国と台湾、首脳会談実現の可能性は?台湾側が打診
先日、台湾の王郁[王奇](ワン・ユーチー)大陸委員会主任が中国を訪問。中国本土の張志軍(ジャン・ジージュン)台湾事務弁公室主任と会談した。中台分断後初となる閣僚級会談という歴史的な“事件”となった。
次に期待が高まるのが中台トップの会談だ。台湾に帰還した王主任は14日、記者会見を開き、張主任に今秋に北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会談での馬英九(マー・インジウ)台湾総統と習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談について、相手側の考えをたずねたことを明かした。
張主任は適切ではないと回答。王主任はAPEC首脳会議での会談実現の可能性は低いとコメントした。現時点では他のプランもないという。
またこの議論の際、張主任は馬総統を「あなたがたの指導者」「馬さん」と表現。一方、王主任は「馬総統」と呼称したという。
必要なのは愛よりも体力? 長時間耐久キス大会開催/台湾・高
高雄市は15日、男性が女性を抱えたままキスする時間の長さを競うコンテスト「KISS久久活動」を開催、37分6秒間耐え抜いたカップルが1万台湾元(およそ3万4000円)相当の金のペアリングを勝ち取った。
バレンタインデーにあわせて行われたこのイベントには学生など若い人を中心に46組のカップルが参加。女性は両足を地面につけてはいけないとするルールにより、男性は相手を抱えたまま長時間キスしなければならず、体力勝負のイベントとなった。
優勝したのは李韋震さんと王儷儒さんのカップルで、2人はそろって「疲れた」とコメント。王さんを長時間抱えた李さんは「両手がしびれてしまった」と想像以上に過酷だったコンテストを振り返ったが、ペアリングを手にして頑張ったかいがあったと喜びを語った。
野柳地質公園、秋吉台国定公園と姉妹関係締結
エジプト女王の頭のような形をしている奇岩や怪石で有名な景勝地・野柳地質公園(新北市万里区)と秋吉台国定公園(山口県美祢市)の観光・学術交流協定書調印式が15日、地質公園内で行われた。台湾で外国のジオパークと姉妹提携関係が結ばれるのはこれが初めて。
調印式には地質公園を運営する新空間国際の楊景謙社長と美祢市観光協会の山本勉会長が出席。山本氏は、3年前野柳を訪れた際、美しい自然の風景に感動し、秋吉台との相互交流の可能性を考えたとし、提案の実現にこぎつけ嬉しいと述べた。
美祢市の村田弘司市長は、台湾との観光交流推進のため、2012年7月から台北に観光交流事務所を設け、美祢市と山口県の観光スポットを紹介しており、今回の姉妹関係提携が双方の観光促進に寄与すればと期待を寄せた。
交通部観光局北海岸及び観音山国家風景区管理処の陳美秀処長(=写真右1)は、両公園の交流をきっかけに、室戸、糸魚川、山陰海岸、南伊豆半島とも交流に向けた話し合いが進んでおり、成果が期待できると語った。
台湾のスマホユーザー8割が携帯依存 アジア最多=グーグル調査
検索サイト最大手、グーグルが発表した「2013年台湾のスマートフォン利用者に関する習慣調査」によると、スマホユーザーの81%が携帯電話を常に手放さずにインターネットを通じて情報収集などをしており、その依存度はアジア太平洋1位となったことがわかった。
調査によると、台湾の携帯電話利用者のうち50%以上がスマホを所持しており、日本の割合を越えているという。よく使われるスマホ機能の上位3位はインスタントメッセンジャー、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、情報検索だった。
また、8割以上のユーザーが毎日インターネットを利用しているとされ、1日合計30分以上利用している人は56%、2時間以上と答えた利用者も22%に達した。
このほか、93%のスマホ利用者がSNSを使用しており、そのうち41%が友達と情報を“シェア”することが好きで、こちらはアジア第3位となった。
一方、スマホを使ってインターネットを楽しむのは男性よりも女性が多く、特に20〜34歳が最多だと指摘している。
台湾の移動通信システムはまもなく第4世代(4G)への転換期を迎えるが、60%以上の回答者がこれに期待感を示しており、エンターテイメント観賞、インスタントメッセンジャー、SNSなどを快適に楽しみたいとしているという。
稚魚が謎の好漁 ウナギ、今年は安い? 養殖業者の仕入れも順調
ウナギの養殖に使う稚魚シラスウナギの取引価格が、昨年の高騰から一転し急落している。昨シーズンは1キロ当たり300万円前後だったが、今年は漁獲高が回復し、現在では80万円前後と約3割の水準まで低下している。
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中国や台湾と取引する商社などによると、昨年11月時点のシラスウナギの輸入価格は1キロ当たり250万円以上と高止まりしていたが、今年に入り100万円を切った。
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国内でも九州、四国を中心に好漁で、養殖業者の仕入れは順調。昨年は、4月までに稚魚12トンが全国の養殖池に入ったが、今年はその量をすでに上回っているという。ただ、ウナギの生態は謎が多く、漁獲高が回復した理由も不明だ。
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活ウナギの卸価格は昨夏以降、1キロ当たり6千円前後と過去最高の水準。価格高騰に耐えきれず、閉業するウナギ店も相次いでいただけに「まずは一息付けた」(全国鰻蒲焼商組合連合会)との声が上がる。 .
とはいえ、7月の最需要期にウナギが安価に出回るかどうかは微妙だ。養殖ウナギの飼育には約半年かかる。多くの業者は「土用の丑の日」に間に合うよう、稚魚が高値のまま一定量仕入れたとみられるからだ。 .
大手スーパーのサミットは現在、レトルトパック入りのウナギかば焼き(国産、約100グラム)を1580円で販売。仕入れ価格が低下し、消費者が値下がりを実感できるようになるのは「秋口以降になるのでは」(広報)という。
台北市立美術館の収蔵品がアジア福岡美術館で展示
台北市立美術館(中山区)に収蔵する美術品13点がアジア福岡美術館(福岡市博多区)で開催中の「東京・ソウル・台北・長春−官展にみる近代美術」で特別展示されている。
台北市立美術館は以前からアジア福岡美術館や兵庫県立美術館などと長期的な協力関係を結んでおり、今回の特別展示もその一環として実施。台湾からは郭雪湖「円山付近」、陳進「手風琴」(アコーディオン)、林玉山「帰途」、陳慧坤「無題」など日本統治時代に活躍した画家の作品など13作が出品されている。
同美術館の黄海鳴館長は、日本で展示されている作品は現代アートの発展に大きな影響を与えた有名画家の手による台湾美術の粋を集めたものばかりとし、これを機に台湾芸術の素晴らしさを世界の人々に知ってもらえればと期待を示した。
この特別展示はアジア福岡美術館では3月18日までの開催だが、その後5月14日〜6月8日には府中市立美術館、6月14日〜7月21日には兵庫県立美術館に場所を移して行われる。
青森ねぶた「竜王」が新竹に再登場 迫力の動きで観衆魅了
年新竹県で開催された「台湾ランタンフェスティバル」に出展された青森ねぶたの「竜王」が15日、同県新埔鎮のイベントに再登場し町内を練り歩いた。地元高校生ら40人の手によって巨大な灯篭が動き出すと、集まった観衆からは大きな歓声が上がった。
「竜王」は高さ3.5メートル、長さ8メートル、幅3メートル。修復作業などを経て、14日の元宵節(旧暦1月15日)に合わせて行われた新埔でのランタンフェスティバルで再度お披露目された。
ねぶたは前進すると灯篭部分が動き出す仕組みで、沿道の観衆を圧倒させたほか、ハネトや囃子太鼓のチームは軽快なリズムとダンスでイベントを盛り上げた。
新竹県の邱鏡淳県長は元宵節の風習として北部では天灯(熱気球型のランタン)、南部では厄除けのロケット花火が有名だとしながら、新埔では練り歩くランタンを世界に向けてアピールしたい考えを示した。
新埔鎮の頼江海鎮長によると、新埔では約50年前まで毎年旧暦の1月20日になると住民らによってランタンパレードの祭りが開催されていたが、その後中止となり、2011年に復活を遂げたという。
「台湾統一」を目論む中国 馬政権の微妙なかじ取りの行方は?
台湾で対中国政策を主管する行政院大陸委員会の王(おう)郁(いく)●(=王へんに奇)(き)主任委員(44)が11日、初めて中国を訪れ、江蘇省南京市で、中国国務院台湾事務弁公室の張(ちょう)志(し)軍(ぐん)主任(いずれも閣僚級)との公式会談を行った。1949年の中台分断後初の主管官庁トップ同士による直接交流で、王氏は「両岸(中台)関係は新たな章に入った」と意義を強調。今後当局間の直接交流の常態化が予想されるが、将来の「台湾統一」をめざす中国が、台湾の馬英九政権に対し「政治対話」進展を求めて加えてゆく圧力の前で、中国からは経済的うまみをひきだしつつも、政治的には一線を画したい台湾側の微妙なかじ取りの行方が注目されている。
「中華民国」への言及
「国父・孫中山(孫文(そんぶん))先生が創建されたアジア初の民主共和国−中華民国はすでに103年を迎えた」
公式会談翌日の12日、南京市内で中台がともに「国父」とする孫文(1866〜1925年)の陵墓「中(ちゅう)山(ざん)陵(りょう)」を参拝した際、王氏はこう語った。11日の会談で王氏と張氏は互いに「主任」「主委」(主任委員)と官職の肩書で呼び合ったが、「中華民国」は伏せられ、王氏の参拝身分も単に「大陸委員会主任委員」だったことから、王氏の「中華民国」への言及は台湾では大きく取り上げられた。
「中台の対等な立場が会談の前提であることを、野党をはじめ台湾社会向けに強くアピールしたかったのだろう」と台湾の識者は分析する。
王氏は祭文の中に「宝島台湾」「正視現実」などの言葉もちりばめた。
第二次大戦後の国共内戦の結果、49年の中華人民共和国樹立をもって「中華民国は滅亡した」とする中国側を刺激しかねない場面でもあったが、会談の席上以外の発言のためか中国側は問題視しなかった。
事実、台湾では独立志向の強い最大野党、民主進歩党の反応も比較的穏やかだった。今会談を「準政治対話」とし、台湾側が求めていた中国当局に台湾人が拘束された場合の「領事面会権」などで具体的進展がなかったと指摘する一方、「両岸当局関係の正常化は民進党政権時以来の主張」とし「双方が対等な立場と尊厳を守り対話のメカニズムを構築してゆくことで合意したことは評価する」と前向きに受け止めた。
「活路外交」支える前提
「もはや両岸関係は後戻りはできない。政権奪還を狙う民進党も中国との対話は重視せざるをえない」と台湾の与党・中国国民党の幹部は指摘する。事実、民進党では台湾独立を掲げる党綱領をはじめ、対中政策の見直しが急務となっている。
2008年の馬英九政権発足後、台湾は中台間の自由貿易協定に相当する経済協力枠組み協定(ECFA)を10年に締結するなど、経済を軸に対中関係の改善を進めてきた。現在台湾の貿易総額トップは対中国で、中国で働く「台商」(台湾人ビジネスマン)は100万人以上、人的往来も年間800万人にのぼるとされる。
中国との関係改善を進める一方で台湾は「活路外交」を掲げ、日本と11年に投資取り決め、13年には尖閣諸島(沖縄県石垣市)問題の絡む海域での漁業取り決めを締結。13年、ニュージーランドやシンガポールとも自由貿易協定に相当する経済協定を結んだ。
「中国大陸との良好な関係が無用の障害(中国による干渉)を生じさせなかった」と国民党幹部。今後、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)や、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)加盟をめざす台湾にとって、中国との安定した関係は「不可欠だ」という。
対等な関係構築に自信
「それゆえに台湾が中国大陸にのみ込まれるという危惧は短絡的だ。むしろ今後は中国大陸にこそ変化が求められてゆく」と先の国民党幹部は指摘する。
王氏は12日、南京大学の講演で、民主主義という台湾の「核心的価値観」を誇ったが、大陸委員会によると台湾の住民2300万人のうち85%が「現状維持」を望んでいるとされる。「中台接近の結果、多様な価値観が存在する台湾の自由な社会や民主主義が中国大陸に与える影響は小さくない」と国民党幹部。「大陸側は、選挙による政権交代も考慮して台湾と向き合わねばならず、台湾の統治権などでも一定程度の理解を示さざるを得なくなるはず」と、より対等な関係が構築されてゆくことに自信と期待をにじませていた。
東京「世界らん展」開催 台湾ブースを駐日代表が激励
台北駐日経済文化代表処の沈斯淳代表が15日、東京ドームで開催されている世界らん展日本大賞2014の台湾ブースを視察に訪れ、関係者らを激励した。会場のメインステージでは台湾の小中学生がパフォーマンスを行ったほか、台湾応援ゆるキャラ「タイワンダー☆」も登場し好評を博した。
会場を訪れた沈代表は、温室の改良、販売経路の開拓などの取り組みに触れ、台湾らんの競争力の高さを強調。また、取材メディアからタイワンダー☆のテーマソング「南の島のタイワンダー☆」が歌えるかと聞かれ、「見たい、食べたい、行きたいわん」と披露した。
台湾らん栽培発展協会の高紀清理事長は「アベノミクス効果で日本経済が回復し、台湾らんの買い付けが増えれば」と語ったほか、台湾のらんが高い評価を受けていると指摘し、日本の品質に追いつき匹敵する勢いだと自信を述べた。
今回で24回目となるこのイベントには、世界21カ国・地域から約3000種、およそ10万株のらんが出展され、23日までの期間中には一日当たり2万人以上の入場者を見込んでいる。
<中台直接対話>政治分野の展開が焦点
1949年の中台分断後、互いに主権を認めていない中国と台湾が初めて臨んだ政府間の直接対話は、中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統の会談についても議論し、中台は新たな段階に大きく踏み出した。経済面での交流を深めてきた中台は、今回対話メカニズム構築で合意したことで、政治分野での展開が今後の焦点となる。
定期化されることになった閣僚級会談では中台首脳会談の実現を巡り、時期や形式などで駆け引きが続くとみられる。
13日の非公式会談で、中台首脳会談の話を切り出したのは中国側の張志軍・国務院台湾事務弁公室主任(閣僚級)だった。ただ、会談の時期について台湾の対中政策を主管する行政院(政府)大陸委員会の王郁※(おういくき)主任委員(閣僚)が「APEC(アジア太平洋経済協力会議)が最適」と述べたのに対し、張氏は「APECは不適当」と表明したという。
APECは各国首脳が集い、国際的地位の向上を目指す台湾にとって参加は悲願だ。これに対し、中台統一を目指す中国は、首脳会談をテコに「平和協定」締結などを話し合う「政治対話」に台湾を引き込むことを目指す一方で、台湾総統が国際舞台に登場することには強い抵抗感がある。自ら掲げる「一つの中国」という原則と矛盾しかねないためだ。
中国が11日の公式会談ではなく、13日の非公式の場で首脳会談に関する議題を持ち出したのは、台湾は事前に公式会談で高度に政治的な問題は話さないとしていたため、中国側が配慮したとみられる。ただ、一方で中国側の立場からも、公式の場で議論して失敗に終わったら習政権の失策とみなされかねない。こうした思惑から中国側は非公式の場を作ったようだ。
首脳会談の議論は張氏訪台による第2回会談でさらに議論されるとみられる。ただし今後も「非公式」の形で進められる可能性が高い。張氏の訪台は今年上半期の予定で、台湾紙「聯合報」は今年4月の可能性を伝える。
一方、王氏は12日に江蘇省南京市で、「中華民国」建国の父で、国民党の創始者である孫文の墓に参拝した。参拝後、王氏は「中華民国」の存続と台湾統治の実態があることを強調した。
※は王へんに奇
日中間の歴史で熱い議論、「中国政府は日本の戦争賠償を全て放棄したわけではなかった」
華夏経緯網は7日、香港・中評社の報道を引用し、台湾海軍の退役少将が「8年間の抗戦でも南京大虐殺にしろ、中国は日本に多年にわたる辱めを受けたが、それは日中間の歴史的、民族的恨みがベースにある。今年、両国によるいかなる動きも相手からチェックされることになり、互いの神経をさらに敏感にさせることになる」と語る一方、日中間の摩擦は起きても戦争に発展する確率は高くないとの見解を示したことを伝えた。
日中関係が緊張するなか、中国のネットユーザーは日中間の歴史について熱い議論を交わしている。先日、ネット上に「中国政府はなぜ日本の戦争賠償を放棄したのか」との文章が掲載され、多くのネットユーザーの注目を集めた。その内容は、以下のとおり。
終戦後、日本の処理をめぐって主導権を握ったのは米国であり、日本の賠償問題に関しても米国が「操作」した。当時の国民党政府は、表面上は「4強」の一角でも、賠償問題における役割は限定的だった。
1945年のポツダム宣言で日本の賠償が明確化され、米国も当初賠償に対して積極的だった。46年3月の計画では日本の工業設備の30%を賠償の対象とし、うち15%を中国が得る予定だったが、ソ連との対立などの時局の変化によって米国が勝手に基準を下げていったのだ。結局、賠償が得られぬまま、49年5月に米国政府が日本による賠償停止を通達した。
戦後賠償は、米国によって頓挫させられたのだ。
当初賠償をもらう姿勢を見せていた国民党政府だったが、49年に内戦に敗れ台湾へ逃れて以降、米国の支援取り付けのため、さらには「中華人民共和国と講和を結ぶ」と吉田茂首相に脅されたことで態度を一転、賠償を放棄し、日本と講和を結んだ。「合法的政府」という一党の私利私欲のために、民族の大義を売ったのだ。
日本と中華人民共和国とは60年代に関係回復機運が高まったが、賠償問題の解決がカギとなった。70年代に入ると、田中角栄首相は訪中前に「適切な賠償額が提示されれば、賠償する用意がある」と語ったが、周恩来首相は「蒋介石より肝が小さいと思われたくない、寛容さを見せて日本を近づけさせたい、日本国民に苦しい生活を強いるのは友好関係のポリシーに反する」とし、賠償を放棄する指示を出したのだ。
かくして78年8月に「日中平和友好条約」が結ばれ、中国は日中人民の代々の友好と長期的な利益のために賠償要求を放棄した。
しかし、中国政府が放棄したのは1200億ドルの国家間賠償であり、1800億ドルの国民賠償請求については一切放棄を宣言していないことを指摘する必要がある。われわれには国際法によって日本から賠償を受け取るチャンスが残されているのだ。