来年2月に米大統領選の初戦となる民主、共和両党の党員集会が開かれるアイオワ州で、共和党候補指名を目指すテッド・クルーズ上院議員の支持率が急上昇し、実業家ドナルド・トランプ氏を抜いて首位に立ったことが、最新の世論調査で分かった。
地元紙デモイン・レジスターとブルームバーグ・ポリティクスが12日に発表した調査結果によると、共和党党員集会に参加するとみられる有権者の間でクルーズ氏の支持率は31%と、両社が10月に実施した前回調査から21ポイントも上昇。トランプ氏の21%を大幅に上回った。
前回トップに立っていた元医師ベン・カーソン氏は13%と3位に転落し、マルコ・ルビオ上院議員は10%で前回と同じ4位。ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事は6%と、前回より1ポイント上昇した。
クルーズ陣営のアイオワ州担当責任者は「まだ課題はあるものの、我々のメッセージが確かに伝わりつつある」と述べた。クルーズ氏は同州でこの数カ月間、キリスト教福音派の牧師や信者らへの働き掛けに重点を置いてきた。
アイオワ州で大きな影響力を持つ福音派指導者のボブ・バンダー・プラーツ氏は10日、クルーズ氏への支持を表明した。大統領選に向けた同州の共和党党員大会では過去2回、同氏が支持した候補が勝利を収めている。
今回の調査は、トランプ氏がイスラム教徒の入国を禁止すべきだと発言した後の今月7~10日に共和党党員集会の参加予定者400人を対象に実施された。
CNNと調査機関ORCによる7日発表の調査では、トランプ氏が首位、クルーズ氏2位との結果が出ていた。トランプ氏は12日夜のツイートでCNNの結果を強調し、「デモイン・レジスターの調査は偏向している。信用するな」と呼び掛けた。
デモイン・レジスターは調査結果を伝える記事の中で、過去5回の大統領選をみても党員集会前に21ポイントの急上昇を記録した候補者はいなかったと指摘している。