台湾でM3.3以上の地震4回発生
22日未明から朝にかけて台湾の宜蘭と花蓮でマグニチュード3.3以上の地震が計4回発生したが、今のところ、目立った被害は報告されていない。
4回のうち、最大規模は午前4時25分頃、宜蘭県大同郷を震源とするマグニチュード5.4のもので、その2分後に震源地に近いところで最大震度3の余震があった。M5.4の地震が放出したエネルギーは広島原爆の約0.06発分に相当するという。(震度は台湾基準)
この地震はフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込むことにより生じたもので、中央気象局によると、本震の震源の深さは61.9キロで、最大震度5を観測した宜蘭県羅東での揺れは26.7秒と最も長く続いた。宜蘭県宜蘭市、桃園県三光市、新北市、台北市信義区、桃園県桃園市、新竹県竹東で震度4、台北市、新竹市、花蓮県太魯閣(タロコ)、苗栗県獅頭山、台中市徳基で震度3をそれぞれ観測した。
各地の被害状況については、IT関連の工場やハイテク企業が集中する新竹サイエンスパークでは、従業員の一時避難があっても、生産活動に影響を及ぼしたとの通報はなく、また台北地域の水がめである翡翠ダム(新北市)の安全性についても問題ないことが確認されている。
日本研究センター開設=知日派育成目指す―台湾大学
台湾大学は22日、人文、社会科学分野を中心とする「日本研究センター」を開設した。日本統治時代に教育を受けた「日本語世代」の多くが社会の第一線から退く中、日台の懸け橋となる次世代の知日派人材の育成に取り組む。
同センターは、日本の各分野に通じた若手を積極的に育成するとともに、日本、中国、韓国、欧米などの日本研究機関とも連携・交流し、国際日本学研究の一大拠点を目指す。対外連携の第1弾として、名古屋大学の「アジアの中の日本文化」研究センターと同日、学術交流協定を締結した。
「KANO」効果? 嘉義で台湾野球の特別展示 元中日・郭のスパイクも
嘉義県で21日、国立中正大学の体育館が「運動故事館」(スポーツ・ストーリーハウス)として再オープンした。日本統治時代の嘉義を舞台とした話題の野球映画、「KANO」が来週封切りになることもあって、台湾野球にスポットをあてた特別展示が行われた。
展示コーナーには、郭源治が中日時代の1994年に台湾出身の投手として「100勝100セーブ」を初めて達成した際に着用したスパイクや、同じく中日を経て2012年から米大リーグのオリオールズでプレーする陳偉殷(チェン・ウェイン)のサインボール、台湾プロ野球の初代「安打製造機」、鄭幸生(元三商タイガース)のバットなど、台湾野球の歩みを物語る87点が並ぶ。
「運動故事館」には、「スポーツ体験エリア」や「軽食エリア」、「ミュージアムショップ」なども設けられ、県内の新しいスポットとして期待される。
「KANO」PRで訪台の永瀬正敏、“台湾の愛娘”にメロメロ
俳優の永瀬正敏は主演映画「KANO」のPRのため、21日午後、台北入りした。市内の松山空港では台湾の人気子役で「KANO」で娘を演じた喬喬(チャオチャオ)の出迎えを受けた。
到着ロビーで待ち構えるメディアの多さに驚き、思わず一歩引いた永瀬だが、耳元に喬喬が「会いたかったのよ。お父さん」と囁くと顔をほころばせた。“親子”が一緒になったのはクランクアップから約1年ぶり。
永瀬のほか、この日は映画主題歌の「勇者的浪漫〜風になって〜」を歌う中孝介とRake(レイク)も来台し、22日には嘉義でのPRパレードやプレミア上映会に参加する。
<KANO> 1931(昭和6)年夏の甲子園で台湾勢として初めて準優勝した嘉義農林学校(嘉農)の栄光を描いた馬志翔監督の話題作。台湾では27日に公開される予定。
沖縄でアジア観光客争奪戦 LCC、外資系ホテルが展開加速
円安などを追い風に観光客数が増加している沖縄で、格安航空会社(LCC)と外資系ホテルが事業展開を加速させている。関西空港を拠点とするANAホールディングス(HD)グループのLCC、ピーチ・アビエーションは那覇空港を第2の拠点とし、東南アジアへの路線開設を目指す。2016年ごろにかけ外資系ホテルの新規開業も相次ぐ見通しで、観光客争奪戦は激化しそうだ。
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全日本空輸の貨物建屋の一部を改装して12年10月から使われている那覇空港のLCC専用ターミナルに今月10日、国際線施設がオープンした。従来は国内線のみで運用されていた。今回の投資額は約3億5000万円。建物の中に入ると、照明は決して多くなく、やや薄暗い。天井の波板屋根やダクトもむき出しのままという簡素な作りだ。
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LCC専用ターミナルは、全日空の親会社、ANAHDが所有者から運営を受託。国際線施設のでき映えについて、同社の芝田浩二執行役員は「飛行機に搭乗するまでの距離を短くしたほか、利用客の動線も工夫した。海外の老舗のLCC専用ターミナルと比べても遜色ない」と胸を張る。LCC専用ターミナルの利用客数は昨年、国内線のみで約40万人。ANAHDでは16年度に国際線と国内線の合計で200万人の利用を目指している。
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ピーチは昨年9月から那覇−台北(台湾)線を1日1往復で運航。従来はこの路線の搭乗手続きを国際線ターミナルで行っていたが、国際線施設のオープンを機にLCC専用ターミナルに変えた。那覇と関空などを結ぶ自社の国内線との乗り継ぎが便利になると見込んでおり、井上慎一最高経営責任者(CEO)は「LCCにとって1つのターミナルで国内線と国際線を運営することは、コストを下げてさらに手頃な運賃を出す上で重要な意味を持つ」と語る。
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ピーチは就航地を片道4時間程度としており、関空からでは東南アジアの都市に届かない。このため、那覇を第2の拠点とすることで「市場獲得地域を広げる」(井上CEO)狙いだ。台北線以外の那覇発着の国際線はベトナムやタイなどが候補に挙がりそうだが、平均搭乗率が70〜75%を確保できることなどを前提に検討する。
東芝、台湾高速新駅向けシステム受注
東芝は21日、台湾高速鉄道で2015年末までに新たに開業を予定している苗栗駅など3駅向けの放送・信号制御システムや案内表示装置などを受注したと発表した。受注額は約28億円。台湾高速鉄道ではすでに車両の電気品や変電システムなどを担当しており、設備の信頼性などが評価され、今回の単独受注につながったという。
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東芝は台湾で蓄積したノウハウなどを生かし、今後、新興国などで計画されている高速鉄道プロジェクトへの参画を目指す。
中国、機関投資家に台湾のデリバティブ投資を解禁へ
台湾の対中交渉窓口機関・海峡交流基金会は21日、中国政府が「適格国内機関投資家制度(QDII)」の規定を修正し、台湾の株式・先物取引所に上場する金融派生商品(デリバティブ)への投資を解禁すると表明した。
中国の対台湾窓口機関、海峡両岸関係協会との会合後に明らかにした。
QDII制度は、一定条件を満たした中国の機関投資家に海外市場への投資を認める制度。現在の規定では台湾株への投資は認められているが、台湾の株式デリバティブへの投資は認められていない。
紙製パンダの大群、台北のあちこちにお目見え 市民大喜び
台北市政府では野生動物保護について市民に理解を深めてもらおうと、絶滅危惧種の動物10種類のペーパークラフトの屋外公共アート展示が行われ、今月28日から市民広場や中正紀念堂でペーパークラフトのパンダ1600体や200体のタイワンツキノワグマ(台灣黒熊)などが巡回展示されることになっている。
展示はフランスのアーティストに依頼して台北がアジア初の開催地となったもの。紙製のパンダは台湾に到着すると早速、20日未明4時半に台北市内を流れる基隆河のほとりの大佳河浜公園に400体余りが大集合。ベンガルヤマネコ(台灣石虎)をモチーフにしたオブジェと共に朝日を迎えた。
午後になると今度は場所を台北メトロ大安森林公園駅に移し、600体余りのパンダがホッキョクグマのオブジェとともに姿を現し、集まった市民らが競ってカメラに収めていた。
日本企業の台湾工場、供用開始へ ハイテク業の競争力向上に期待
各種光学薄膜成膜装置の製造などを手がける株式会社オプトラン社(埼玉県川越市)の台湾支社が22日、昨年台中工業区に建設した工場の竣工・供用開始式典を行う予定で、50〜100人の雇用創出が見込まれる。
台湾で50%以上の市場シェアを持つ同社は、光学薄膜などに対する世界的な需要増や台湾でのタッチパネルやスマートフォン向け薄膜製品の需要拡大などを踏まえて、アジアでの関連設備製造基地として台湾を選んだという。
投資額約1億台湾元(約3億4000万円)の新工場では今後、主にスマホ用の光学薄膜生産設備や自動車用薄膜電池のコーティング装置を製造することになる。
名古屋のNGO団体、台湾の観光地で3度目のゴミ拾い 深まる日台交流
名古屋市に本部を置く社会貢献活動のプロデュース団体「NGOアース」が3月2日、新竹県の景勝地、内湾でゴミ拾い活動を行うことがわかった。聯合報が21日付で報じた。
東日本大震災に対する台湾からの支援に感謝するため、同団体は2012年から台湾での清掃活動や田植えボランティアなど、いわゆる「台湾レンジャー」を行っており、お互いの気持ちが通い合う活動として3度目の開催に至った。
同日のイベントには地元の大学生らも参加。日本からのゴミ拾いレンジャーが戦隊ヒーローの格好をしているのに倣って、台湾側参加者は新竹の竹東をテーマとするアニメキャラクターの格好に扮したりして清掃活動に加わり、双方の交流促進に一役買う。
台湾と日本のホテル同士、ポイントサービスで提携へ
台湾の老舗ホテル、国賓大飯店(アンバサダーホテル)が20日、東急ホテルズ(本社:東京都渋谷区)との提携強化に向け、相手側での宿泊でもポイントが貯まるサービスを今年4月1日から始めると発表した。
このサービスは、両社の提携50周年記念キャンペーンの一環として実施されるもので、対象は双方の会員に限る。国賓大飯店の林興国COO(最高執行責任者)は、東急ホテルズの会員数が35万人もいるとした上で、今回の新しいサービスは安定した日本人客の獲得につながると自信を示した。
また、台北、新竹、高雄にある国賓大飯店の全店舗では今月24日から「ジャパンフード・フェスティバル」が催されることになり、20日の記者会見ではザ・キャピトルホテル東急の板長、柘植実さんが京料理の実演を行い注目を集めた。
七転び八起きの在日台湾人画家の先輩に憧れ、後輩ら絵本を創作
日本在住で嘉義出身の台湾人画家、張義雄さんが芸術への夢を叶えるまでの紆余曲折を絵本にした「在巴黎屋頂下:尋夢畫家張義雄」(パリの屋根の下:夢を探す画家・張義雄)がこのほど出版された。
これは嘉義市政府がより多くの人々に地元の文化や芸術の力を感じてもらおうと、数年前から現地出身の芸術家に関するエピソードなどを描く絵本シリーズ発行の一環で、これまですでに6冊出版されており、いずれもプロの絵本作家によるもの。
7冊目は張さんの母校、嘉義高校の後輩たちが、芸術の世界で優れた実績を残した先輩への憧れから創作に携わったもの。誰でもこの絵本を閲覧できるよう、将来的にはクラウド化される予定だが、今のところは各小中学校の児童生徒に読んでもらうためのキャンペーンが行われるという。
張さんは1914年生まれの100歳。高校2年の時、学校をさぼってフランス映画、「巴里の屋根の下」を見に行ったことがバレて退学処分を受けたのが芸術の世界に目覚めるきっかけとなった。日本の芸術学校の入学試験に5度失敗しても創作を諦めることなく1964年に日本に移住。1980年にパリへと転居、芸術関連の賞を受賞したことで、フランス政府から芸術家年金が支給された初めての台湾出身のアーティストとなった。再び日本に定住したのは2003年。