NHKは12月31日、『第66回NHK紅白歌合戦』(午後7時15分~11時45分)を放送する。
昨年大みそかの『紅白』の視聴率は、第1部(午後7時15分~8時55分)が35.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2部(9時~11時45分)が42.2%で、いずれも2013年より微減となった。今年もそれなりの高視聴率を獲得するだろうが、あえて『紅白』は見ない“アンチ紅白派”も少なくない。
ここにきて、唯一未確定だったフジテレビが大みそかの夜の番組詳細をようやく発表し、民放5局の『紅白裏番組』の全容が決定した。そこで、各局のラインナップを整理してみたい。
日本テレビは昨年まで5年連続で、『紅白裏番組』の民放トップを制している『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』をオンエアする。今年で10年目となる番組タイトルは『大晦日年越しスペシャル 絶対に笑ってはいけない名探偵24時!』(午後6時30分~深夜0時30分)。昨年は第1部(6時30分~9時)が18.7%、第2部(9時~深夜0時30分)が16.0%をマークしており、20%の大台超えを狙う。これまでの実績があるだけに、日テレの優勢は揺るがないだろう。
昨年、民放2位だったTBSは、5年目となった『史上最大の限界バトル KYOKUGEN2015』(午後6時~11時35分予定)を放送する。昨年は第1部(6時~6時30分)が9.9%.第2部(6時30分~8時30分)が8.3%、第3部(8時30分~10時10分)が9.0%、第4部(10時10分~11時35分)が3.4%と番組通して1ケタ台に終わった。
今年は恒例となったボクシング・井岡一翔の試合に加え、6年ぶりに一夜限定復帰する魔裟斗と山本“KID”徳郁との対戦が“売り”。今が旬の五郎丸歩(ラグビー)の出演も決まり、遠藤保仁(サッカー)と異種キック対決を行う。13年には井岡の試合で14.5%まで上げたことがあるだけに、『ガキ使』に、どこまで肉薄できるか?
テレビ朝日は2年連続で、『くりぃむVS林修! 年越しクイズサバイバー2015』(午後6時~深夜1時)をオンエア。昨年は『紅白』の放送が始まる前の第1部(6時~7時)こそ8.8%を取ったが、第2部(7時~11時45分)は5.9%、第3部(11時45分~深夜1時30分)は5.4%と惨敗しており、過度な期待はできそうにない。
ここ数年、『紅白』の裏で健闘しているテレビ東京は、『年忘れにっぽんの歌』(昨年は5.8%)とボクシング特番(昨年は5.6%)が定番だった。しかし、今年は『年忘れにっぽんの歌』が午後3時に移動。代わりにその枠では、『仰天パニックシアター~まさかの瞬間ビビる108連発大みそかSP!~』(午後5時55分~9時30分)を放送。同番組はビビる大木と中川翔子の司会で不定期放送されており、世界各国の衝撃的な映像や、思わず吹き出してしまう面白映像を紹介する。こちらは、大みそかの放送は初となるだけに全く未知数。
『プロボクシング THE BEST OF BEST 大晦日2大世界戦SP』(9時30分~11時30分)は、内山高志と田口良一のW世界戦を中継する。同局の大みそかのボクシング特番は5年目となり、ボクシングファンにすっかり定着した。秀でて高い視聴率は取れないだろうが、今年も5%前後は堅いだろう。
フジテレビは昨年、『THE FACE OF 2014 世界が選ぶ今年の顔!アワード』(午後6時~9時)が4.0%、『ワンピース エピソードオブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜』(9時~11時)が3.3%、『2014→2015 ツキたい人グランプリ~ゆく年つく年~』(11時~深夜2時)が2.5%と、いずれも5%すら取れず民放最下位。
なんとか現状打破を図りたいフジは、2005年の『PRIDE 男祭り 2005 頂-ITADAKI』以来、10年ぶりに格闘技中継『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND PRIX 2015』(仮)をオンエアする。放送時間は午後7時~11時45分で、『紅白』と丸かぶり。
『RIZIN』は『PRIDE』色の強いイベントで、大みそかの対戦カードで格闘技ファンではない人でも目を引きそうなのは、曙対ボブ・サップの12年ぶりの対決、元大関・把瑠都の総合デビュー戦(対戦相手はジェロム・レ・バンナ)あたり。玄人受けするカードとしては、エメリヤーエンコ・ヒョードルの復帰戦、山本アーセン(山本美憂の息子)対クロン・グレイシー(ヒクソン・グレイシーの息子)の2世対決が組まれている。
2008年北京五輪柔道100キロ超級・金メダリストの石井慧はヘビー級トーナメントに出場し、12月29日の1回戦(対戦相手はイリー・プロハースカ)で勝てば、大みそかの準決勝・決勝に進出できる。
かつて、『PRIDE』が『紅白』の裏で放送されていた頃は視聴率15%超えを記録していたが、当時とは格闘技を取り巻く環境が違い、ブームもとうの昔に去っている。カード的にも弱く、「夢をもう1度」というのは少々虫のいい話。たしかに、大みそかの格闘技中継を待ち望んでいたファンもいるだけに、10%前後は取れそうな雰囲気だが、TBS『KYOKUGEN』と足の引っ張り合いになりそう。だが、ここ数年、大みそかに低迷が続いたフジにとって、“爆死”は避けられそうだ。
果たして、民放5局の大みそか特番が、どの程度の視聴率を取るか、注目されるところだ。