米アーカンソー州ホープ市にあるビル・クリントン元米大統領の生家で25日早朝、火災が発生し、建物の一部が焼けた。警察は放火とみて捜査を進めている。
地元警察トップのJ.R.ウィルソン氏によると、同日午前3時17分、付近を通りかかった車の運転手から2階建ての家の裏側が燃えているとの通報があった。外壁の下側の部分から燃え広がったとみられ、炎は約2.4メートルの高さまで達した。消防がすぐに鎮火し、建物の形状に問題はないという。
負傷者の情報は伝えられていない。
ウィルソン氏は、現場に漂う臭いから、燃焼促進剤が使われた可能性があると述べた。
国立史跡にも指定されている同家の管理人は声明で、火災は家の1区画で収まったと発表。現時点では、損傷の程度や出火原因については分かっておらず、家は一時閉鎖されるという。
火災による損傷のほかにも、玄関前の歩道やドアにスプレーで落書きが書かれる被害が発生。歩道には黒い塗料で、「haha」の省略形としてテキストメッセージで使われる「55」の数字が書かれていたほか、ドアにはスプレーで「XX」と書かれ、しかめ面の大きな顔から長い舌が突き出ている様子が描かれていたという。
ウィルソン氏によると、捜査官は付近の監視カメラの映像を集めているほか、国立公園局も出火原因を調査。連邦捜査局(FBI)からの協力の申し出もあるという。
アーカンソー州のウェブサイトによると、家はビル・クリントン氏の祖父母が所有していたもので、同氏は1946年に生まれてからの4年間をこの家で過ごした。2011年に国立史跡に指定されている。