「This will Be」「Our Love」などのヒット曲で知られるグラミー受賞歌手ナタリー・コールさんが12月31日夕方、入院先の病院で死去した。65歳だった。
1950年に生まれたコールさんは、戦後最も優れたジャズミュージシャンの1人であるナット・キング・コールを父に持ち、母はデューク・エリントンの楽団歌手だったマリア・コールという音楽一家で育った。
幼少期から父と音楽活動をともにし、大学卒業後にソロシンガーとしての活動を開始。1975年にデビューアルバム「Inseparable」の中の1曲「This Will Be」が大ヒットし、翌年のグラミー賞で最優秀新人賞を獲得した。
その後もヒットを連発するが、80年代に入ると売り上げの落ち込みや薬物依存により徐々に勢いを失う。しかし、リハビリを経て80年代末に再び脚光を浴びはじめ、1991年、亡き父の歌声の音源との「疑似共演」を果たしたアルバム「Unforgettable・・・with Love」が大ヒット。翌年のグラミー賞では最優秀レコード賞、最優秀アルバム賞などを受賞した。
しかし、2008年にC型肝炎による腎障害を発症。2009年5月に腎臓移植を受け、その後も音楽活動を続けていた。
コールさんは3度結婚し、2004年に3人目の夫ケネス・デュプリー氏と離婚した。