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サウジ、シーア派指導者ら47人処刑 イランと非難の応酬も

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サウジアラビア当局は2日、テロ容疑などで有罪判決を受けていた47人の死刑を一斉に執行したことを明らかにした。この中には、サウジ政府や王室を再三批判していたイスラム教シーア派の聖職者ニムル師も含まれており、イラン政府や人権団体などから批判を招いている。

国営イラン通信(IRNA)によれば、イラン政府はサウジの大使を首都テヘランに呼び、ニムル師の処刑に抗議。処刑に遺憾の意を示す声明を出し、大きな代償を支払うことになるとサウジ側に警告している。

イラン国営プレステレビは、外務省のホセイン・ジャベリ報道官の話として、「ニムル師のように政治的・宗教的目的を追求するのに言論以外の方法を持たない人物を処刑するのは、思慮のなさと無責任の深さを浮き彫りにするだけだ」と伝えた。

一方、国営サウジ通信(SPA)によれば、サウジ側もイランの大使を首都リヤドに呼び、相次ぐ声明に抗議。サウジ外務省はこの中で、イラン側の強い調子の声明について、明らかな内政干渉だとして批判した。

テヘランのサウジ大使館前では2日遅く、大規模なデモが発生。現地からの映像には、少なくとも1人が手製の爆弾を大使館に向け投げている様子が捉えられている。テヘラン在住のCNNプロデューサーによると、抗議者が建物内に入り、火を付けたほか、文書などを強奪した。逮捕者も出ているという。

ニムル師は2012年に逮捕され、宗派間の争いを扇動した罪などに問われていた。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、ニムル師への訴追内容が曖昧(あいまい)だとしていたほか、死刑判決についても「恐ろしい」と指摘。スンニ派が多数を占めるサウジ政府による、シーア派内の反体制派勢力への抑圧だとしている。

ニムル師は、サウジ東部のシーア派多数地域のモスク(イスラム教礼拝所)で、指導者を務めていた。2011年、北アフリカや中東諸国に広がった民主化運動「アラブの春」が勃発した際は、各地の反政府運動を公に支持した。

米国国務省は報道官を通じ、サウジに人権を保護し、平和的な抗議を認めるよう要請。同省のカービー報道官は、「我々は特に、ニムル師の処刑が宗派間の対立を悪化させるリスクがあることを懸念している。今は、この対立を緩和することが緊急に求められている時だ」と述べた。

EUのモゲリーニ外交安全保障上級代表(外相に相当)も今回の一斉処刑について声明を出し、特にニムル師の件は、「表現の自由や基本的な市民権、政治的権利」に関して懸念を招くものだと述べた。



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