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青学大、異次元連覇!名将“話術”で築いた「黄金時代」幕開け/箱根駅伝

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 第92回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場-東京・大手町)青学大が10時間53分25秒で2年連続2度目の総合優勝を飾った。1977年大会の日体大以来、39年ぶりに1区から一度もトップを譲らない往復完全Vを達成。復路も5時間27分30秒で昨年に続く2度目の制覇となった。就任12年目の原晋監督(48)の「魔法の言葉」によるチーム育成と掌握が、圧勝と快挙につながった。

 都心の空に青学大メンバーの声が響き渡った。アンカーの渡辺利典(4年)が、笑顔でゴールテープを切る。歓喜の輪が広がるなか、原監督が3度、宙に舞った。

 「ハッピー指数が300%に上がった。チーム青山の勝利。学生最強集団だと証明できた」

 2位の東洋大に3分4秒差をつけてスタートした山下りの6区(20・8キロ)。下りへの適性と、調子の良さから抜てきした小野田勇次(1年)の区間2位の快走で優勝を確信した。1区から約200キロも首位を守り抜き、1977年の日体大以来、39年ぶりとなる往復完全Vの快挙を成し遂げた。

 中国電力で現役引退後は営業職も経験した。空調設備の社内トップ売り上げを記録した実績もある自称『伝説の営業マン』は就任12年目。得意の話術で選手の心をつかむ。1年前に初めて箱根路を制した後、最初のミーティングで選手にこう諭した。

 「今度は監督じゃなく、4年生を中心に優勝を勝ち取れ。今度はおまえたちがヒーローになる番だ」

 講演依頼が殺到し昨年の前半は週の半分以上は練習に不在。スカウト時期には1週間、チームを空けるときも。業を煮やした3代目「山の神」こと神野大地主将(4年)は、夫人の美穂さん(48)に不満を漏らした。「私も言っているんだけどねえ」と返されて神野は、開き直った。「もう(自分たちで)やるしかない」。選手に自主性を生んだのも狙いの一つだった。

 メディアへの多くの露出は、一部選手から不安視され、周囲から批判を浴びることもあった。

 「ジュニア世代に陸上は楽しく夢があると発信しないと。それは優勝チームの監督の役割」

 意図を明確にすることで、選手も理解を示す。そんな手法もあれば、心を動かす言葉もあった。1年前、初の総合Vの立役者でありながら故障に泣いた神野が落ち込んだときは言葉で救った。

 「おまえはセンス型ではない。努力して戦える選手」

 神野は2日の往路5区で区間2位ながら復活を果たした。陸上を長く続けるつもりのなかった22歳は「将来は指導者になりたい気持ちが強くなった」と口にした。指揮官の言葉とカリスマ性が、チームの強さを生んだ。

 「箱根を走るだけじゃなくスピードと距離、両輪を強化する育成をしたい」

 今大会のメンバー10人中、6人が残る布陣だ。家族は連れ添って21年目の夫人だけで、子供はいない。“息子”たちとの共同生活は毎日午前5時起きでも刺激を与えてくれる。求心力十分の監督の下、黄金時代の幕開け。フレッシュグリーンのたすきが、さらに輝きを増していく。 


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