(新たなジハーディ・ジョンか?)
(ラマディに進攻したイラク軍 、 ISISが支配地域から撤退する場面も出てきている)
過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の新たな宣伝ビデオとされる映像が公開されたことが5日までに分かった。英国発音の英語を話す男がキャメロン英首相を脅迫する場面や、人質とみられる5人の殺害場面が続き、末尾では軍服姿の子どもが登場する。
男の話し方や服装は、ISISによる過去の人質殺害ビデオに登場した英国人、ムハンマド・エムワジ容疑者(通称ジハーディ・ジョン)を連想させるものだ。
ビデオの撮影地はISISが「首都」と称するシリア北部ラッカとされる。本物かどうかは確認されていないが、ISISがこれまでに公開したビデオと共通した特徴がみられる。
冒頭で5人の男性がそれぞれカメラに向かい、英国のためにスパイ行為をしていたと「告白」する。約10分半に及ぶビデオの大半は、この場面に費やされている。男性たちのほとんどはラッカ出身と話していた。
続いて5人が砂漠にひざまずく姿が映し出される。それぞれの背後に1人ずつ、覆面の戦闘員が立っている。
中央の戦闘員が英国発音の英語で話し始め、キャメロン首相を「ホワイトハウスの奴隷」「能なし」と呼んで批判。
さらに、英国民は「我々の足の下にある」と言い放ってカメラに銃を向け、「我々の国家はここに存続して聖戦を続け、国境を突破し、いつかお前たちの土地に攻め込みシャリア(イスラム法)で統治する」と脅迫した。
この男の話し方や服装は、ISISによる過去の人質殺害ビデオに登場した英国人、ムハンマド・エムワジ容疑者(通称ジハーディ・ジョン)を連想させる。エムワジ容疑者は昨年、米軍による空爆で死亡している。
新たなビデオの次の場面では、オレンジ色のつなぎを着せられた5人が後頭部を銃で撃たれて殺害された。
最後にISISのヘッドバンドを着けた軍服姿の子どもが登場し、遠くを指差しながら英語で「そちらのカーフィル(不信心者)を殺す」と宣言している。
英外務省の報道官は、ビデオの存在は認識していると述べた。内容を詳しく調べているという。
キャメロン首相は4日、「我々が相手にしているのがどれほどひどい集団かを改めて示す映像だ」と語った。
ISISは最近、幹部が相次いで殺害され、イラクの要衝ラマディを追われるなど、各方面で打撃を受けているとみられる。