新北市瑞芳区の黄金博物館には、日本統治時代に建てられた複数の木造家屋がたたずむ。いずれも戦後に修復されたものだが、「雨戸」と「戸袋」は本来の用途がそのまま残され、厳しい自然環境から建物を守っている。
そもそも台湾の建物には基本的に雨戸はない。だが、黄金博物館がある台湾北東部は、夏には台風による暴風雨の脅威に、冬には北東から吹きつける季節風にさらされる。だからこそ、雨戸や戸袋の存在は欠かせない。風雨の前には警備員らが慣れた手つきで作業を進める。
作業時には、物珍しさから多くの人が集まる。南部・高雄から遊びに来たと話す男性は「日本家屋はこうやって台風から守るんですね。便利だし頑丈そうに感じます」と語りながら作業を見守った。