機動隊、行政院占拠の学生を排除
立法院を占拠する学生がさらに行政院を占拠したことで、警察当局は24日午前0時から実力行使に出て学生23人を逮捕した。もみ合いで学生や警官など30人以上が負傷した。学生200人は23日午後8時、行政院に向かって乱入した。それに続いた1000人の学生が行政院の前庭に座り込んだが、4時間後には機動隊に排除された。一方、学生たちは立法院を占拠する穏健派と行政院に向かった過激派に分裂したもようだ。これまで指揮していた林飛帆氏と陳為廷氏、「公民1985行動連盟」は穏健派。一部過激派は彼らのことを「学園祭」と批判していた。
台湾国会:大陸との経済協定で「審議終了」を撤回、協定締結を否決
台湾国営通信社の中央社によると、台湾の国会に相当する立法院の内政委員会など8つの常設委員会が24日、合同審議を行い、大陸との間のサービス貿易協定について、行政院(政府)に対して「撤回し、大陸側とは改めて交渉するを求める」決議を行った。同会議に与党国民党の代表(議員)はすべて欠席した。
同協定は台湾の世論を二分する政治上の大問題だった。立法院でも議論は白熱していた。内政委員会では国民党所属議員が17日、「3カ月審議して立法院として反対の結論を出せなかった場合には審議終了として、行政院(政府)が当初提案の通りに手続きを進めることができる」という規則をもとに「審議終了」を宣言した。
同宣言に対して野党は一斉に猛反発。宣言を認めないとする意見が出された。さらに学生など同協定反対派の不満が爆発し、立法院議場の占拠などにつながった。
内政委員会など連合で開いた24日の審議は「審議終了宣言」を含めて17日の審議をすべて無効とした。行政院に対しては大陸側と合意済みのサービス貿易協定を撤回し、大陸側と改めて協議をするように求めた。
馬政権は既存の法規のもとでのサービス貿易協定の発効を目指していたが、24日の審議は、大陸側との協定締結などについて監督メカニズムを持たせる新法を定めてから、改めて審議することにすると決めた。
同会議に国民党議員は全員が欠席した。民進党議員は全員が賛成した。
行政院の孫立群報道官は、「行政院各部会の官員は立法院を尊重する」と述べた。ただし「立法院の議案の進行と解釈、認定は議員の職権であり、行政院の口出しはうまくいかない」など、不満をにじませる言い方もした。
台湾のインターネットでは、「号外!! 反サービス貿易協定が大きな成果!! 協定が撤回されたぞ!!」などの書き込みが相次いでいる。
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◆解説◆
馬英九政権は、大陸とのサービス貿易協定の早期発効を目指したが、大混乱を引き起こした上に失敗したことになる。
馬英九政権は同問題以外にも、原発の建設と存続という世論を二分する問題を抱えている。特に、建設中の第四原発(核四)の是非については2013年3月に「8月を目途に住民投票を行う」と表明しながら、住民投票について言及しなくなったことで、批判がなおさら高まった。
反対派の中には「私はもともと原発に反対していただけだった。ところがあなたが(核四の建設を)強行しようとするものだから、私は反馬英九になった」と明言する人もいる。
台湾では11月29日に主要7地域の主張を決める「七合一選挙」が実施される。2016年には次期総統選がある。国民党内部も「一丸」というわけでなく、馬英九総統と“二人三脚”で、民進党からの政権奪回などを戦ってきた王金平立法院院長も党籍抹消処分を受けるなどの混乱が発生している(裁判所が処分保全の仮処分)。
馬政権が「七合一選挙」に惨敗した場合、総統選との関係もあり「選挙に勝てない党の顔」とみなされ、国民党内で「馬英九降ろし」が発生する可能性もある。
馬総統、中台貿易取り決めに理解求める
馬英九総統は23日、総統府で記者会見を行い、中国とのサービス貿易取り決めが立法院で承認されなければ、国際的な信用を失うばかりか貿易自由化の努力を無にし、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や東アジア包括的経済連携(RCEP)への参加に大きな影響を与えると述べた。サービス貿易取り決めは「台湾を中心に、人民に有利に」の原則の下で締結したと語り、台湾の利益は損失よりも大きいと説明。今後進められる審議の過程でさらなる詳細がわかるだろうと語った。
TPPとRCEP参加、「日本も協力を」=馬総統
馬英九総統は21日、台湾のTPPとRCEP参加に向けて、日本の協力を望むとの考えを示した。日本からの訪問団の表敬訪問を受けた際に語った。馬総統はこの日、総統府で前外相の玄葉光一郎衆院議員と自民党青年局の松本洋平局長が率いる訪台団とそれぞれ会談した。RCEPの参加国である日本はTPP交渉に参加しているが、台湾もこれらの枠組みへの加盟を目指していることから、日本の経験を参考にしたいとして協力を望むと語った。
台湾系LCC2社、年内就航へ準備進める
復興航空(トランスアジア)傘下のLCCである威航(Vエア)はきょう24日、総経理と企業ロゴを発表する。一方、11月の就航を予定している中華航空傘下の台湾虎航(タイガーエアー台湾)は27日に乗組員の募集要項を発表する。総経理は4月中に発表されると見られている。
HTC、グーグルのタブレットを受託製造へ
外電によると、宏達国際電子(HTC)が華碩電脳(エイスース)に代わり、グーグルが打ち出す次世代「ネクサスタブレットPC」の受託生産を引き受けることになったもようだ。自社ブランド経営に集中して以来、タブレットPCの受託生産に踏み切るのは初めて。早ければ7月か8月には量産に入るという。この報道についてエイスースとHTCはコメントしていない。
六福グループ、ホテル改装で増収めざす
六福グループの六福客桟(台北市)の林静如総経理は21日、4月から全館の絨毯や家具などを一新して質を向上させると述べた。昨年の平均稼働率は85%、平均単価は1800台湾元、売上高は月額約1200万元だった。改装を機に宿泊料金を1割程度値上げするが、高い稼働率を維持して毎月200万元の増収をめざす。また、レストラン事業では、季節に合わせた新しい創作料理を打ち出して5%〜8%の増収を目標とする。
最も望む法定外休暇は「誕生日休み」
大手求職サイト「yes123」が発表した調査で、回答者の半数以上が法定休日以外に会社に提供してほしい休暇の第1位として「誕生日休暇」を挙げている。台湾では、法定休日が土曜か日曜日のいずれかと重なった場合、振替休日が設けられる措置が来年から実施される。これについては8割近くの回答者が消費の刺激につながるとみている。一方、最も望んでいる法定外休暇の上位3位は「誕生日休暇」(58%)、「寒波休暇」(39%)、「ボランティア休暇」(27%)だった。
台北のユーバイク、貸出ポイント160カ所へ増加
台北市の自転車シェアリングサービス「ユーバイク」の貸し出し拠点がさらに増えるこ。カク龍斌市長が20日、台湾に進出する欧州企業向けの講演で述べた。7月末には現在の158カ所から162カ所に増え、提供される自転車の台数は5000台を超える見込み。同サービスは2009年3月に市東部の信義区から始まり、累計利用者が年内に2000万人を超えるとみられている。
行政院での座り込み、放水車などで5時に排除
台湾海峡両岸サービス貿易協定に抗議する学生たちは23日夜に行政院の敷地内に突入。周囲にも大勢の人が集まった。行政院の敷地内では大量の学生たちが座り込み。一時は建物に侵入する学生も。警察は深夜12時過ぎから強制的な排除に乗り出し、仲間たちと腕を組んで横たわり、抵抗する学生たちを一人ずつ運び出した。しかし、警察は夜明けまでの排除を目指したが、断固として退去に応じない者も多く、手間取ったことから、午前5時半ごろに高圧放水車を使用。放水した上で学生たちを運び出すことで敷地内の抗議者をすべて排除することに成功した。
抗議者と警察との間ではあちこちで小規模の衝突もあり、けが人は付近の病院に送られた。また、最大野党・民進党の蘇貞昌・主席、蔡英文・前主席、謝長廷・元行政院長、游錫堃・元行政院長、台湾団結連盟の黄昆輝・主席らも途中から座り込みに加わった。馬英九・総統は24日午前8時45分に、呉敦義・副総統、江宜樺・行政院長らと、今後の対応に向けて会議を開き、話し合うと伝えられている。
行政院、学生の突入による機密流出を否定
台湾海峡両岸サービス協定に抗議して立法院を占拠する学生たちの一部が23日夜、行政院の敷地内に突入。2階にある行政院長の執務室にも6人が一時侵入し、パソコンが盗み出されたと伝えられた。行政院は深夜12時15分に緊急記者会見を開き、学生が侵入したのは行政院長執務室ではなく、となりの事務室だった他、パソコンや書類を盗み出されたこともないとして、機密の流出は起きていないと説明した。行政院の孫立群・スポークスマンは、「侵入されたが、ただちに阻止して退去させた」と話した。
孫・スポークスマンによると、この6人は警察が供述を取り、2階と3階に侵入した52人は1階に留置しており、警察に送られるという。また、1階には100人あまりが座り込みをしているということ。
孫・スポークスマンは、江宜樺・行政院長の話として、「学生運動がコントロールを失った。悲しい」と伝えた。江・行政院長は、市民は安全のため、立法院及び行政院に近づかないよう呼びかけると共に、強制退去させる場合は行動前に拡声器で呼びかけて注意を促すよう指示した。
台湾プロ野球が開幕、元大リーガーも
今年で25年目の台湾プロ野球が22日に開幕。開幕戦は台湾北部・新北市の新荘球場で、昨年の年間王者、統一セブンイレブンライオンズと台湾シリーズで敗れた義大ライノズが対戦した。ライオンズは8対4とリードした9回表に、米大リーグのロサンゼルス・ドジャースなどで活躍し、昨シーズン終盤にライオンズに加わった郭泓志・投手を投入。規定のため昨シーズンは公式戦、台湾シリーズとも出場できなかった左の速球派の郭・投手は10球で三者凡退にきってとり、台湾プロ野球でのデビューを飾った。最高速は149キロだった。
なお、23日には中信兄弟エレファンツがライオンズに2対0で勝利。今年エレファンツに入団した元阪神タイガースの林威助・選手は5回に2点目となる1点本塁打を左翼に放った。ラミーゴ・モンキーズは延長11回の末、4対3でライノズを下した。ライノズは開幕2連敗。モンキーズに移籍した元ヤクルト・スワローズの正田樹投手が先発、6回1失点で勝敗には関係なかった。
コロワイド、台湾しゃぶしゃぶ鍋市場に参入[商業]
外食大手のコロワイドは、日本国内で295店を展開するしゃぶしゃぶチェーン「しゃぶしゃぶ温野菜」の海外1号店を26日に台北市内に開業する。激戦の台湾鍋料理市場に参入し、多店舗展開を目指す。
1号店の立地は、20代の男女が多く集まる「東区」と呼ばれる繁華街に定めた。タ―ゲットとする顧客層は20〜40代。肉や野菜が食べ放題の基本メニューは299台湾元(約1,000円)、客単価は680元を想定し210万元の月商を目標とする。海外初出店地を台湾に決めた意図について、コロワイドグループの台湾子会社「東京牛角」の小島保幸董事長は、NNAに対し「台湾は鍋文化が根強く、当店のコンセプトが受け入れられやすいと考えた」と語った。特に女性を意識しており、「野菜食べ放題」(399元)などを訴求していく考え。牛肉は米国とオーストラリア産、豚肉は台湾産を使用。レタスなど野菜の大半を台湾で調達する。
台湾では季節を通して鍋を食べる習慣が根付いており、食べ放題を売りにしたチェーン店や1人でも食べられるしゃぶしゃぶ鍋店などが競合する。他社との差別化について、小島董事長は「価格面では他社を参考に設定した。また素材の新鮮さや丁寧な接客を前面に出し、顧客をつかみたい」と話す。9月に2店舗目を台北市内に出す予定で、当面2年間で台湾全域に20店を展開する方針だ。
芦田愛菜ちゃん「天才子役」ぶり、台湾メディアも納得!
20日、第6回沖縄国際映画祭に登場した女優の芦田愛菜が、台湾メディアのインタビューに応じた。「天才子役」たるゆえんを、回答の中にのぞかせている。
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20日、第6回沖縄国際映画祭に登場した女優の芦田愛菜が、台湾メディアのインタビューに応じた。「天才子役」たるゆえんを、回答の中にのぞかせている。 2014年3月20日、第6回沖縄国際映画祭に登場した女優の芦田愛菜が、台湾メディアのインタビューに応じた。「天才子役」たるゆえんを、回答の中にのぞかせている。NOWnewsが伝えた。
沖縄・宜野湾市で開幕した第6回沖縄国際映画祭で、行定勲監督の最新作「円卓」の上映会に主演の芦田愛菜が登場。台湾でも「天才子役」として高い知名度を持つ愛菜ちゃんが、台湾メディアのインタビューに応じた。
映画やドラマの脚本について、「クランクインの前には何回も読み、演じる人物の気持ちを考えます」と語った。仕上げとして母親の前で演じて見せ、どこを直せばいいか意見をもらうという。このため演技の師匠として、台湾メディアは「母親の作用が大きい」と報じている。
「円卓」では、偏屈で妄想が好きな小学3年生の琴子(こっこ)を演じている。愛菜ちゃん自身も「妄想が好き」と話しており、これも「天才子役」たる要素の一つか、と台湾メディアも興味津々の様子。さらに、「尊敬し目標とする女優は?」との突っ込んだ質問については、「目標は素晴らしい女優さんになること。誰のように、という女優さんはいません」とコメント。この回答がすでに、「大女優になる片りんをのぞかせている」と伝えている。
国会占拠の学生ら、授業ボイコット呼びかけ 首相らへの傷害告訴も
中国大陸との「サービス貿易取り決め」に反対する学生らによる立法院(国会)占拠は7日目を迎えた。一部反対者が23日夜、行政院(内閣)の建物に突入し、24日未明になって警官隊に強制排除された際、学生に多数のけが人が出た。学生団体の代表らはこれを受け、江宜樺行政院長(首相=写真)や王卓鈞警政署長などに対して傷害告訴をする構えを見せているほか、各学校の学生や教師らに対して自主的な授業放棄(ボイコット)を一斉に行うよう呼びかけている。
学生らの団体によると、24日午前7時の時点ですでに清華大学や政治大学など約20の学生組織や学科をはじめ、1500人以上の学生らが趣旨に賛同し署名したという。これに対し教育部は「これらは正しいやり方ではない」として、全ての学生の学習権を重視し、大学および学科による一方的な授業停止をしてはならないと自制を求めた。
反対派をめぐる最新情勢に対応するため、馬英九総統は24日午前、呉敦義副総統や江行政院長など政府関係省庁のトップを召集し協議を行った。江院長は協議後の会見で、「一部の学生団体が抗議活動の激化をはかり、行政院に侵入したことは理性的な集会の暴力化だ」と非難したほか、意図的な政権運営の妨害だとして「心が痛む」と述べた。
また、一部のメディアが警察の強制排除を「流血鎮圧」と報じたことについては「事実を大きく歪曲している」と否定、国民に対して間違った言論の影響を受けないよう望むと語った。
NTTコムが企業向けクラウドメールを海外展開 まずアジアで開始
NTTコミュニケーションズは24日、企業向けメールサービス「Bizメール」の海外販売を始める、と発表した。当面アジアで展開する計画で、まず同日、台湾で販売を開始した。7月にはシンガポールとベトナムに広げる。今後は米国などでの販売も検討する。
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海外進出した日本企業の間で、現地拠点のメールシステムを早期に立ち上げたいというニーズが高まっており、これに対応する。Bizメールは、情報サービスをネットワーク経由で提供するクラウド技術を用いたメールシステムで、企業は自前でメールシステムを構築しなくてもメールを利用できる。
香港俳優チャップマン・トー、「台湾支持」にネットで集中攻撃!
2014年3月22日、香港の俳優チャップマン・トー(杜[シ文]澤)が、台湾の学生による立法院(国会)占拠騒動に支持を表明し、中国ネットユーザーの批判の的に。これに対抗して過激な発言を続けている。東森新聞網が伝えた。
映画「インファナル・アフェア」などでも知られ、俳優・歌手・司会者としてマルチな活躍を見せるチャップマン・トー。現在、台湾では中台間で結ばれたサービス貿易の自由化協定について、反対と審議やり直しを求める学生たちが立法院を占拠している。騒動は長期化の可能性を見せているが、チャップマンは自身のフェイスブックやインスタグラムのページで、「美しい台湾、頑張れ!」と学生支持の姿勢を表明。またたく間に「いいね」が2万件を超えたが、これを不快に思った中国のネットユーザーからの集中攻撃にさらされている。
しかしチャップマンも、これら批判について弱腰にならず。「中国から出て行け!」の声に対し、「出来るものなら、僕が中国へ行くのを阻止してみろ」と堂々と言い放っている。このほか、「人民元を失うのは一時の問題。良心に背くのは一生の問題」「僕を批判している人は、90後(1990年代生まれ)がほとんど。まだ学生の身分で、社会の厳しさや理不尽さも知らず、ぬくぬくとしている人間が、盲目的に愛国を叫んでるだけ」「やっとお小遣いが出来たから、ネットカフェに行っていろいろ書き込んでるんだろ?」「こういう連中に、僕の映画は1元もお世話になっていない。だって、どうせ海賊版をダウンロードしてるんだから」などなど、かなり過激な発言が続いている。
チャップマンは香港メディアに対し、「思ったことを言っただけ」だと語っている。
台湾は「準クーデター」状態に陥っている=馬英九総統は辞職を迫られる可能性も
台湾で18日から民間団体と学生が、中台による「両岸サービス貿易協定」の批准に反対して立法院(国会)の議場を占拠している。23日には、一部の市民や学生が行政院に突入する事態へと発展している。
この問題について、時事評論員の胡忠信(フー・ジョンシン)氏は、「馬英九(マー・インジウ)総統が挑戦的な言葉遣いで学生たちとの対話を完全に拒否したことが学生たちの感情に火をつけた。事実上、台湾は“準クーデター”の状態もしくは“革命”の様相を呈してきたと言える」と指摘。
また、「馬総統と江宜樺(ジアン・イーホア)行政院長は民意を完全に無視している。近年の不景気と物価の上昇で、台湾の若者たちは将来自分たちが裏切られると感じ始めた。1986年にはフィリピン国民がマルコス大統領を政権から引きずり下ろした。馬総統がこの問題を適当に処理できなければ、全台湾人が彼の辞職を要求する事態にも発展しかねない」としている。
「KANO」の出演者迎えて台湾プロ野球の義大ライノズが開幕式
台湾プロ野球の義大ライノズが23日、高雄市内の澄清湖球場でラミゴモンキーズと行った開幕戦のオープニングで、大ヒット中の台湾映画「KANO」の出演者が登場し、集まった多くの野球ファンを沸かせた。
開幕式では「KANO」で野球部員を演じた曹祐寧(ツァオ・ヨウニン)ら10名の出演者が甲子園での試合を彷彿とさせるユニホーム姿で登場、場内ではあちこちから歓声が上がった。曹らは国歌斉唱の後ライノズの選手らと組んで始球式を行った。強打者の蘇正生を演じた陳勁宏(チェン・ジンホン=写真前列左)は憧れの林益全選手(前列右)と初対面。林選手は将来はぜひプロ入りして球界を盛り上げてくれればと出演者らを励ました。
曹のサインボールを拾ったファンには1万2000台湾元(約4万円)相当の義大ライノズ澄清湖スタジアムでのシーズン観戦チケットがプレゼントされるという企画ではKANOの出演者らがスタンドにサインボールを投球。曹がボールを場外に投げてファンを喜ばせた。
この後、チアリーディングチームのライノズガールズ12人がオープンカーに乗って登場、義大ライノズのマスコットも観衆席でファンと共に声援を送り、KANOにちなんで「英雄戦場、天下義大」などと書かれた幕を垂らすラジコンのヘリコプターを使った演出も行われた。
開幕式では陳啓イク(=日のしたに立)高雄市副市長、余政憲元内政部長らも列席し、KANOの出演者らと記念撮影。また、故障で出場できなかった高国輝選手がチームメイトに飲み物を振る舞うなどした。
KANO精神の復活へ 台北で中学、高校野球選手募集説明会が開催
台北市教育局は22日、10校の中学校と高校共同で野球選手募集説明会を開催した。台湾では日本統治時代の1931(昭和6)年に台湾から夏の甲子園野球大会に初出場し準優勝に輝いた嘉義農林学校(嘉農)の実話を元にした映画「KANO」が大ヒットしており、教育局ではこれを機に嘉農の野球精神を復活させたいと考えている。
この日台北市立大里高校で行われた共同説明会には中学校6校と高校4校がブースを設置、各学校の野球監督・コーチらがチームの沿革、野球育成環境、応募条件などを説明した。教育局は、全国初となるこの共同説明会を通じて、学生や保護者らに各学校の野球部の特徴などを理解してもらえればと話している。
「KANO」では近藤兵太郎監督に「泣くな」と言われ続け、歯を食いしばりながら練習に打ち込んできた嘉農選手たちの不屈の精神が観衆を感動させ、KANO精神こそが台湾野球の真骨頂だと評価されている。
説明会に訪れたある生徒はこの催しでは色々なチームを知って比較できると喜びを語り、野球が好きで入部に興味を持っている子供を持つという保護者の1人は、この機会にチームの資料収集ができてよかったと話した。