週刊文春により不倫疑惑が報じられたタレントのベッキー(31)と、ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル・川谷絵音(27)。これまで清純キャラを売りにしてきたベッキーにとって、騒動の代償はあまりに大きかった。CM契約を結んでいる10社のうち、コンビニ大手のローソンはベッキー出演のCMを一時取りやめ。1月末の契約満了を待ってそのまま事実上の“降板”となるケースもあり、順風満帆かに思われたタレント人生において最大の危機を迎えている。一方、相手の川谷はというと、ネット上で激しいバッシングの嵐にさらされているものの、仕事の面ではこれといった影響がなさそうに見える。
上智大学教授(メディア論)の碓井広義さんによれば、この差は“メディア露出度の違い”にあるという。
「ベッキーさんの主戦場はテレビだから、主要視聴者層である主婦の反感を買うようなことをすると、致命傷になります。一方の川谷さんはCM出演も、テレビのレギュラー番組もない。一時的に音楽番組への出演は減るでしょうが、今や音楽番組はプロモーションの一環にすぎないので、さほど影響はないでしょう。バッシングをしている人たちも、その多くはもともとバンドのCDを買っていない人たちなので、セールスが下がることも考えにくい」(碓井さん・以下「」内同)
今いるファンが離れてしまうことはないだろうか。
「バンド名からして人を喰ったようなところがあるので、イメージは崩壊していません。ファンが一気に離れるようなことはないと思います。現時点での仕事上のマイナスというと、せいぜい『今年の紅白には選ばれない』ということくらいですが、それも今時のアーティストにとっては痛くも痒くもありません。今回の真相が報道の通り不倫であるとするならば、“両成敗”にはなっていないようですね(笑い)」
奇しくも1月13日発売のゲスの極み乙女。ニューアルバムのタイトルは『両成敗』。まるで川谷自身の状況とリンクするかのようである。妻帯者でありながら人気タレントと逢瀬を重ね、仕事上のダメージはほぼゼロ。不倫騒動をきっかけにバンドの楽曲を試しに聴いてみたという人が少なからずいたことを考えると、騒動はむしろプラスに働いているようにも思える。
過去にもMr.Childrenの桜井和寿、GLAYのTERU、布袋寅泰など不倫を報じられたミュージシャンはいるが、音楽活動に大きく影響することなく活動を続け、今やこの3人は日本を代表するアーティストとして君臨している。ミュージシャンはいい音楽を作っていれば、不倫など私生活の騒動の影響を受けにくいというのはそうした例からも明らかだ。川谷もこの“ミュージシャン特権”により逃げおおせるのだろうか。
「離婚など個人的な問題を抱えることになるでしょうし、今後しばらくは女性を胸キュンさせるような詞を作りにくくなるかもしれませんが、音楽家はテレビに出ることが仕事ではないので川谷さんも過去の例と同じ流れに乗ると思います」
ベッキーは「芸能界引退危機」という声さえ出ているが、川谷はまさに“逃げ得状態”ということになる。
「不倫は男性側が結婚しているパターンが多く、女性側は『妻から男を盗んだ』というイメージを持たれやすい。それだけでなくベッキーさんの場合は、会見の内容もよくなかった。説明がなく、『ごめんなさい』で済まそうとしているように映りました。せめて一言、『好きになってしまった』などと言えばよかった。事務所の指示もあったのかもしれませんが、今は事実をうやむやにするより正直に言ってしまったほうがいい時代。あの会見は後々、ボディーブローのように効いてきます」
1月15日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)での出演が予定されている川谷は、騒動について何か語るのだろうか。