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非暴力に徹した台湾<330大抗議>

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市民50万人が総統府前埋め尽くす


手にヒマワリを持ち、黒い服を着た市民50万人(警政署発表では11万6000人)が30日、総統府前のケタガラン大道を埋め尽くし、口々に「中台サービス貿易協定撤回、民主主義を護れ」と訴えた。集会終了間際、バンドの「消火器(FIRE EX)」がこの運動のために創作した「島嶼天光」がうたわれ、多くの参加者を感動させた。警察と軍は大群衆を前になすすべもなかったが、集会は平和裏に終わった。リーダーの林飛帆氏は「きょうで終わったわけではない」と叫び、継続して訴えていくことを確認し、解散した。

ヒマワリ運動の支援者、米有力紙に意見広告

学生らの立法院占拠が続くなか、台湾の有志がインターネット上で募金活動を行い、米紙ニューヨーク・タイムズ国際版に、学生運動に関する意見広告を29日付で掲載した。この広告は米国国内版にも掲載される。広告は一面、運動のシンボルカラーの黒で、右下に座り込みの学生らが警察の放水に耐えている写真を配している。冒頭では「私たちは台湾の学生です。中華民国立法院を平和的で理性的な方法で占拠しました。苦労して手に入れた民主主義を守るためです」「私たちと共に黎明の到来を見守っていてください」で始まり、今台湾で何が起こっているかを説明している。

台隆が「東急ハンズ」改装、東京駅店と同形態

生活雑貨販売大手「HANDS台隆手創館」は台北微風店の改装工事を行う。投資額は2000台湾万元。親会社である東急ハンズの東京駅店と姫路店で導入している売り場形態に改装し、東京と同じ買い物空間を提供する。リニューアル後は10のテーマエリアを作り、面白みのある多元的な空間で買い物が楽しめるようになると説明している。

アンバサダー、レストランやデリで出店攻勢

老舗ホテルの国賓大飯店(アンバサダー)は、傘下の新ブランド「amba」ホテルの支店を3年連続で3店舗オープンさせるほか、アメリカンレストランの「1Bite2Go」の3店目を5月に台北市信義区でオープンする。1Bite2Goとパン販売の「le bouquet」などホテル外の店舗を中心に、近く約100人を新規に採用するという。初任給は平均2万6000台湾元。

韓国人旅行者が35万人=過去最高

交通部観光局によると、2013年に台湾を訪問した韓国人観光客が35万人を上回って過去最高を更新した。今年に入っても好調で、1〜2月は前年同期比97%増の10万人を突破している。韓国人旅行者が増加する背景には、平均年齢74歳という韓国大御所俳優らの海外旅行のエピソードを紹介する地元のテレビ番組「花よりじいさん」の台湾編が昨年8月に韓国で放映され大きく注目されたこともあると言われている。今年は40万人突破が見込まれている。

国立公園内に禁煙エリア=罰金は最大1万元

国民健康署は28日、4月1日から国立公園のうち観光客の多い範囲を禁煙エリアと喫煙エリアに分けると発表した。その他の公園・緑地でも指定場所以外での喫煙は禁止され、違反すれば、2000台湾元から最高で1万元の罰金が科せられる。この措置は各地の国家公園、国家自然公園、風景特定区、森林遊楽区などのうち、指定エリアでの喫煙が禁止されるというもので、喫煙エリアでのみ喫煙が可能。

外国人の滞在延長、申請条件を緩和

内政部は27日、外国人の滞在延長申請などの条件を緩和する考えを発表した。 台湾に累計10年合法的に滞在し、毎年270日を超える滞在事実がある場合、16歳未満の時に来台し毎年270日を超える滞在事実がある場合、もしくは、台湾で出生して累計10年で合法的に滞在し毎年183日を超える滞在の事実がある場合、満20歳に達した外国人には3年間の居留延期と再延期が1回だけ認められる。さらに、海外から人材を呼び込むため、外国人留学生の卒業後の滞在延長と、これまで最大90日だった専門職労働者の任期満了後の台湾滞在延長期間をいずれも最大6カ月間とすることが決まっている。

「ワンピース」特別展、台湾で今夏開催

人気マンガ「ワンピース」の特別展「原画×映像×体感 航海王 台湾」が、7月1日〜9月22日に台北の華山文創園区で開催される。台北の特別展では原作者の尾田栄一郎さん監修の下、「麦わら一味」の世界が台湾で再現され、豊富な原画や映像、大型フィギュアなどが入場者を迎え入れる予定。また、今月26日に台湾のファンに向けて公開された特別イラストには、小籠包やマンゴーカキ氷、伝統楽器の琵琶などを手に持ったキャラクターが描かれている。

学生グループのリーダー、「衝突は自制」

「台湾海峡両岸サービス貿易協定」に反対する学生グループは29日も引き続き立法院を占拠。30日には総統府前のケダガラン大通りなどで大規模なデモを行う。10万人以上が集まる見通し。

警備の警察との間で衝突が予想されることについて、学生グループの総指揮、林飛帆氏は、自警組織を増員するとして、衝突事件の発生は断固許さないとの態度を示した。林氏は、すでに確定しているルールとして、物を投げないこと、警察が設置したバリケードを引っ張らないことだとし、発生した場合はその場で制止し、認めることはないと強調した。林氏は、デモの目的は政府が前面に立って問題解決に乗り出すよう促すことだとし、破壊活動は決して許さず、警察に対する挑発行為や言語上の暴力も厳しく禁じていく考えを示した。

なお、30日のデモ警備のため、内政部警政署が各地から警官を動員する中、野党・民進党の陳菊・女史、頼清徳氏が市長を務める南部の高雄市と台南市は、警政署の要求に応じず、警官は出さない姿勢を示した。理由は、「民衆の鎮圧に使われるから」というものだったが、最終的には両市ともに280人の警官を派遣した。しかし、周辺の警戒勤務のみで、民衆を排除する必要があっても加わらないということ。

反サ-ビス貿易協定デモに両津勘吉あらわる

3月30日、台湾で大規模な反サービス貿易協定デモが起きた。台湾全土から続々と、この運動のシンボルである太陽花(ヒマワリ)を身に着けた人々が台北に集合した。 

参加者にはコスプレをしている者もおり、その中にはなんと『こち亀』の両津勘吉も混じっていた。

手には「反サービス貿易協定」と書かれたヒマワリ型の“盾”を持っている。
また、とある元立法院委員(元国会議員)がテレビ番組で、ヒマワリをバナナと見間違える発言をしたのを受けて、バナナのコスプレをした参加者も見られた。
今日のデモ参加者の統計は、警察側の発表によると11万6千人であるが、学生側の林飛帆代表によれば、午後4時の時点で約50万人が集まったと発表している。

馬総統、学生抗議デモを理性的と評価 国会占拠の解除を呼びかけ

中国大陸との「サービス貿易取り決め」の撤回を求める学生団体によって30日午後、総統府前で行われた参加者11万6000人(主催者側発表で50万人)の抗議活動を受け、総統府の李佳霏報道官は同日夜、事態が平和的で理性的に収束したことを馬英九総統は評価しており、人々の要求についてもしっかり耳を傾けたと述べた。

李報道官は学生らに対して憲政体制を尊重し、国会の正常な運営を回復するため一日も早く立法院の占拠を解いて退出するよう呼びかけるとともに、馬総統は学生らが代表を総統府に派遣し、前提条件抜きでサービス貿易取り決めの問題について対話を行うことを受け入れ、話し合いの全行程を公開する用意があるとした。

この日の抗議活動は午後7時40分過ぎに終了したが、最後に壇上でスピーチを行った学生団体の林飛帆代表は、台湾の代議制民主主義が党紀や個人の意思に縛られ機能しなくなり民意を反映していないとし、サービス貿易取り決めの撤回や取り決め監督条例の立法の後で審査を行うなどの要求に対し、馬総統が具体的な約束を何もしていない以上、立法院の占拠を終わらせるわけにはいかないと強調した。

日台スカラシップ 受賞者15人が帰国

 日本と台湾の若い世代の相互理解促進を目的とした「第11回日台文化交流 青少年スカラシップ」(主催=フジサンケイビジネスアイ、産経新聞社、共催=台湾・外交部、台北駐日経済文化代表処)の受賞学生15人が30日、台湾での6日間の研修旅行を終え帰国した。
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 中学生から大学生までの一行は、呉敦義副総統を表敬訪問したほか、地元の延平高級中学や東呉大学での授業に参加、学生の自宅でホームステイも経験した。台湾新幹線で台南に移動し、日本人技師、八田與一が建設に生涯をささげた烏山頭ダムも見学した。

中国紙が台湾の学生非難「民主ポイ捨て」、「経済の全地球化が分からぬおバカさん」

 中国共産党機関紙・人民日報系日刊紙の環球時報は31日付で、中国大陸との「サービス貿易協定」の問題などで馬英九政権批判を続けている台湾の学生らの動きを「民主を路上に投げ捨てるもの」と非難する記事を掲載した。、同記事は、協定に反対する台湾人を、“おバカさん”と表現した。

 環球時報および系列のニュースサイトである環球網は愛国論調が目立つメディアだ。西側諸国の民主主義についても通常は、「よいものではない」、「中国が受け入れる必要はまったくない」などと主張する。

  しかし、3月中旬に本格化した台湾おける「反馬英九」の動きについては、「民主を叫ぶ学生なのに、どの民主と法治の標準に照らして、騒いでいるのか」と批判。「学生の動きは台湾の民主を『路上に投げ捨てた』としか言えない」と、民主制度を「貴重なもの」であるような論調で、台湾の学生を非難した。

 サービス貿易協定については、「台湾に対して有利だということは、(野党であり、同協定に反対する)民進党もよく分かっている」と決めつけた上で、「反対運動の悲劇性はここにある。台湾の学生は、台湾(当局)が何かしようとすると、必ず反対し、悲憤慷慨する」と主張した。

 台湾経済については「長期わたり停滞」と指摘し、「その根源は、台湾が大陸との経済協力に真に取り組む度胸がないからだ」と主張。同時に「韓国に大きく水を開けられた」、「(自由貿易協定で原則合意するなど、中国との提携を強化しつつある)韓国は、台湾のようには心配していない」と、韓国を“大絶賛”した。

 さらに、馬英九政権に反対する台湾の人々を「台湾の学生と学生を支持する者の力量では、大陸との経済協力に取り組めないという病根を正視することができない」、「サービス貿易協定にケチをつけることで、台湾の前途に対する困惑と恐怖をまぎらわしている」、「このような情緒の排泄は、理性に全く欠くもので、不景気の際に時おり発生する、独特なヒステリーに支配されている」と酷評した。

 台湾社会について「格差が拡大している」、「貧しいものはますます貧しく、富めるものはますます富んでいく」と論じ、「台湾に、この直面する難題を解決する力はない」、「一部の者が、人の目をくらますスローガンを叫び、聞いているだけ」と、論評した。

 まるで、自国の問題点を指摘しているような、不思議な論調だが、かまわず掲載した。

 台湾ついてはさらに、「経済と総合実力で、世界と競争する力はない」、「イデオロギーを地域や全世界と競争する道具と看板にしている」と批判。「物事を処理する際に、自分の利益だけを考える」、「現在みられるように、商売をする際に、政治を“司令官”とする台湾は、全地球化が進む時代における“おバカさん”」と表現した。(編集担当:如月隼人)

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◆解説◆
 IMFの推計によると、台湾の2013年による経済成長率は2.19%。2009%はマイナス1.81%、10年は10.76%、11年は4.07%、12年は1.32%で、そう楽観できない状況が続いているのは事実だ。

 ただし、台湾のGDPは約4740億ドル(2012年、名目。以下同じ)で、1人あたりGDPは2万336ドル。一方の大陸はGDPが8兆2210億ドルで、1人当たりGDPは6071ドルだ。人口規模などを考えると、環球時報が強調するほど、台湾経済が落ち込んでいるわけではない。

 スイスに本部を置く国際経済フォーラム(WEF)が制度、インフラ、教育などの組み合わせて算出する国際競争力ランキング(2013年)では世界12位(日本は9位、中国は29位)だ。

 同じくスイスの国際経営開発研究所IMDが経済、財政、インフラなどの分野についての評価で、グローバル企業にとってのビジネス環境を算出する経済競争力ランキング(2013年)でも、台湾は第11位(日本は24位、中国は21位)にランクインした。いずれも中国よりもかなり高く評価されている。

非暴力に徹した台湾<330大抗議>、台北市長も「学生に感謝」


 馬英九政権が進める大陸側との「サービス貿易協定」の発効に反対して台湾台北市では3月30日、主催側発表によると参加者50万人の大規模な抗議デモが展開された。参加者一同が馬英九総統の政策と政治手法に断固として抗議したが、懸念されていた混乱は生じなかった。カク龍斌台北市長も、理性的な意見の表明だったとして、「(抗議運動に)参加したすべての学生に感謝する」とコメントした。(「カク」は「赤」におおざと)

 台湾では、馬英九政権が推進してきた大陸側との「サービス貿易協定」について、「台湾が中国に飲み込まれる恐れがある」として反対の声が上がっていた。一方で、経済を発展させる大きな力になるとの意見も強いことから、「サービス貿易協定」は世論を2分する大きな問題になった。

 反対派は、同協定に不明瞭な点が多く、馬英九政権もきちんとした説明をしていないと批判。政権側が、当初約束していた立法院(国会)における徹底審議の約束をひるがえし、「時間切れ」を理由に審議終了(事実上の可決)を宣言したことで態度を急速に硬化させた。

 馬英九総統に抗議する学生は3月30日、総統府前における抗議デモを企画。台北市内だけでなく、台湾各地から「民主主義の死を悼む」ための黒いシャツを身に着けた人が集まった。

 参加者は「退回服貿!(サービス貿易協定、撤回!)」などのシュプレヒコールを叫び、「美麗島」などの歌を合唱した。夕方になると、応援のために駆け付けたバンドが次々に登壇して歌い、雰囲気を盛り上げた。

 学生側の代表役である林飛帆さんは、午後7時半ごろ、改めて登壇。サービス貿易協定の撤回を求め、「今日で、終わりというわけではない」と宣言。デモ参加者全員とともに、馬英九総統に対して「きちんと対応せよ。具体的な承諾事項を示せ」、「立法措置を講じてから再審議せよ」、「民主主義を防衛しよう」、「人民は立ち上がった。台湾いは未来がある!」などと大声で唱和し、散会した。

 デモ参加者は主催者発表で50万人、警察側発表では人数が最も多かった午後4時時点で11万6000人だが、メディアは25万−35万人との見方を示している。

 デモが平和的に終了したことについて、カク龍斌台北市長は、「理性的な意見表明の方式だったと評価する。同時に、参加したすべても学生に対して、秩序維持のために努力したことを感謝する」と述べた。

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◆解説◆
 サービス貿易協定に反対する側が求める「立法措置」とは、政府(総統)が中国大陸側と合意した協定などについての国会審議についての法整備を指す。

 これまで中国大陸側との交渉は「外交ではない」との建て前があったため、国会でも「国内問題」と同様の扱いだった。国内問題の場合、審議を始めてから3カ月以内に国会としての「反対」の意思を示せなければ、「審議終了」として事実上の「可決」となる。

 馬英九政権(国民党)はサービス貿易協定について徹底的な審議を約束していたが、3月17日なり審議会の場で国民党議員が審議開始から3カ月が経過したとして「審議終了」を宣言したことで、反対派が態度を一気に硬化させた。

 台湾では1948年から1987年まで続いた「戒厳」時代。政権批判は極めて厳しく弾圧された。その後は民主化が進み、政権批判も可能になっていった。

 中国大陸側は1996年に実施された初の民選選挙で選出された李登輝総統、2000−08年年在職の陳水扁総統を「独立派」とみなし、対決姿勢を示した。そのため台湾側で、中国大陸との関係構築に関して、法的手続きの問題が注目を集めることはなかった。

 08年に就任した馬英九総統は、中国大陸との関係強化を積極的に進めた。経済活性化への効果が出たため当初は歓迎され、手続き上の問題は、やはりそれほど注目されなかった。

 サービス貿易協定は、中国側は80の分野、台湾側は64の分野について、相手側の資本進出などを認めるという、中国大陸と台湾の経済関係をかつてないほど大胆に「親密化」させる内容を盛り込んでいた。

 中国はこれまで上海自由貿易試験区などの例外を除き、外資系企業に対して電子商取引、娯楽、医療サービス分野にける進出を認めてこなかった。台湾側はサービス貿易協定で同分野の進出を認めさせるなど、「大きな譲歩」を引き出すことに成功したとされる。馬英九総統にとってかなりの「自信作」だったことは、想像するに難くない。

 しかし馬総統は、「中国の巨大資本の進出で、台湾の中小企業が壊滅的な打撃を受ける」、「中国人従業員が台湾に大量に滞在することで、雇用機会が失われる」、「台湾社会そのものが変質する」といった懸念にきちんと答えることをしなかった。

 しかも国会において、法や制度の不備をついた「裏技」を使って、実現のために強行突破しようとした。「民主主義の破壊」とのきわめて強い批判が出たのはそのためだ。

 台湾では1990年代ごろから、唯一の与党・国民党に所属する李登輝総統が社会の要望に応え、自らが主導する形で民主化が進んだ。人命の損失や大きな混乱を回避しつつ民主化を実現したことは、特筆に値する。

 一方で、それまでの独裁政党だった国民党は、絶対的な権力を手放した後も解体されたり大分裂することなく、ほぼそのままの勢力を保つことになった。民主化後も、それまで独裁・弾圧・恐怖政治を行ってきた政党がほぼそのままの形で最有力政党のひとつでありつづけたという点で、台湾の民主化は特異な「革命」だった。

 社会の安定をほぼ保ったまま実現できたという点で極めて高く評価できる台湾の民主化だが、元独裁政党だった国民党の内部には、「民主主義と相性の悪い体質」もかなり温存されてしまったとみることができる。






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