(ヘンリー・ワースリー氏)
南極大陸で世界初の無支援単独横断を目指していた元英軍将校のヘンリー・ワースリー氏がゴールを目前にして死亡したことが26日までに分かった。55歳だった。
同氏は無支援、単独で約1460キロを踏破し、あと50キロ足らずで大陸横断を果たすところまで達していた。
出発から71日目の今月22日、猛吹雪の中で極度の疲労と脱水状態を示し、空路チリ最南端プンタアレナスの病院へ運ばれた。病院での診断は細菌性の腹膜炎だった。
ワースリー氏は、英探検家アーネスト・シャクルトンの南極大陸横断が失敗に終わってから100年がたった区切りに、英軍の負傷兵士らを支援するチャリティーとして横断を計画した。
現地からの最後のメッセージには「悲しいことだが、これで旅は終わりだ。ゴールは間近だった」と書いていた。
妻のジョアンナさんによると、同氏はすでにチャリティーの目標額10万ポンド(約1700万円)を達成していた。
同氏の友人で計画の後援者でもあった英国のウィリアム王子は、弟のヘンリー王子とともに訃報を悲しんでいると語り、同氏の「勇気と意志」をたたえた。