28日に“電撃出版”された小保方晴子・元理化学研究所研究員(32)が一連のSTAP細胞騒動を振り返った手記「あの日」(講談社)が、反響を広げている。
小保方氏らが新型万能細胞・STAP細胞の作成に成功したと、理研がメディアに明らかにしたのが2014年の1月28日。同じ28日に出版された小保方氏の手記は、発表当時からSTAP細胞問題を追ってきた米国の幹細胞研究者ポール・ナウフラー・カリフォルニア大デービス校准教授がブログで取り上げ、ウォールストリート・ジャーナル紙(電子版)も報じた。
国内では、STAP細胞の問題点を追及してきた研究者のアカウントとみられるツイッターが、第三者の投稿を転載している。「小保方氏の本は買うな」「講談社は生物系の研究者からボイコットされることを覚悟したほうがいい」といった厳しい声もある。
突然の手記発表に、サイエンス系ライターはこう話す。
「小保方さんはひっそりと隠れて、ほとぼりが冷めるころに、どこかの研究職に行くのかと思いました。それに科学者なら実験結果と論文で主張すべきなのに、まさか告発本を出すなんて…。また注目が集まり、しかも暴露する女性というレッテルが貼られ、もう研究職は難しいのでは。しかも若山教授を疑惑の人物としているとは」
小保方氏を主著者とするSTAP細胞論文については後に研究不正が認定され、「STAP細胞はありまぁす」と訴えた涙の釈明会見も実らず、論文は撤回された。理研の検証実験などで、STAP細胞の“正体”も胚性幹細胞(ES)が混入したものである可能性が高いと結論づけられた。
この間に生じたのが、論文共著者で小保方氏にとっては恩師にあたる若山照彦・山梨大教授(48)との実験用マウスなどをめぐる齟齬(そご)。「あの日」は若山氏への不信感を述べ立ててもいる。いち早く論文撤回を言いだし、検証実験への協力も拒否した若山氏は“愛弟子”の告発にどう答えるのか。
(東スポWeb)