複数の米当局者は30日までに、ロシア軍の戦闘機が今週、黒海上で米空軍の偵察機に約4.5メートルの距離まで異常接近していたことを明かした。米国防総省は「安全性を欠く」事態とみて調査を進めている。
米国防総省のマイケル・L・バルダンザ報道官は声明で、「2016年1月25日、米国の偵察機RC135Uが黒海上の公空で通常の経路を飛行していたところ、ロシアのSu27戦闘機に危険かつプロフェッショナルでない形でインターセプト(進路妨害)された」と述べた。
別の米軍当局者によれば、ロシア機は米軍機の右側に沿って飛行した後、「米軍機の制御」に支障を及ぼしかねない形で旋回したという。ロシア機が当時、武装していたかは不明。接近が起きたのはロシア沿岸から64キロあまり離れた地点だとしている。
ロシア機によるインターセプトは日常的に起こっており、大半は安全に行われている。ただ今回の接近は、14年に両国の同じ機体が接近した事例との類似点がみられる。
米国防総省の当局者によれば、このときの事例では、ロシアのSu27戦闘機がオホーツク海上で、米軍の偵察機RC135Uの機首から約30メートル以内の地点を飛行。当局者は当時、「この数十年で最も危険な接近行為の一つ」とし、「米国人乗組員の生命を危険にさらした」と述べていた。
ロシア機はこのとき、機体を傾けて同機の腹を見せ、米軍機の乗組員に搭載ミサイルを見せるような行動に出ていた。