近ごろ、日本人が開発したある製品の話題が、中国のネットメディアを賑わしている。それは、ふわふわと宙に浮く不思議な盆栽、「空中盆栽」だ。ジブリ作品の人気が高いゆえ、日本人がミニ版の「ラピュタ」を作ったとも形容されている。
中国メディア・界面は1月28日、「日本人、今度は盆栽を飛ばす」と題し、日本の九州にあるアトリエが米国の新規事業支援サイト「キックスターター」に「Air Bonsai」(空中盆栽)なる品物を掲載したことを伝えた。同サイトに掲載されている説明をもとに、小さな盆栽の底部と、伊万里焼きの器との間に磁力を発生させ、盆栽を空中に浮かせて回転させることを紹介している。
植物を用いた伝統的な芸術である盆栽と科学のマリアージュ。浮遊させ、美しく回転させるために計算されたバランス感も、繊細さを重んじる和の芸術との親和性が高いように思える。では、このアイデアを見た中国のネットユーザーはどのような感想を抱いただろうか。
中国版ツイッター・微博(ウェイボー)に寄せられたコメントは「創意は無限だ」、「彼らは生活をとても愛しているように思う」、「面白い」、「プレゼントにピッタリ」など好意的なものが多かった。また、この原理を座禅に用いて瞑想中に浮き上がるようにしたらどうかといった新たなアイデアを提案する者もいた。
普段地球の引力によって地に足を着けて生活しているわれわれ人類は、「宙に浮く」という現象には神秘的なイメージを抱く傾向にある。それは日本人であっても中国人であっても同じだ。「パクリ」がすぐに出てきそうだと懸念する声も中国ネットユーザーからは聞かれたが、形として模倣品は作れたとしても、柔軟な思考力、そしてイメージを実現させる根気と熱意はそう簡単に「パクる」ことはできないはずである。