(願い事を炮烙に記す参拝者たち)
節分行事が2日、京都市内の社寺で始まった。中京区の壬生寺では、人々が素焼きの炮烙(ほうらく)に家族の安寧を思い、願い事を記した。
「京都の裏鬼門」ともいわれる壬生寺では、境内や近くの通りに露店が軒を連ね、参拝者でにぎわった。
同寺の節分行事は、鎌倉時代から続く厄よけ行事として知られる。特に、炮烙に願い事を書いて奉納する行事が有名。
参拝者は、参道に特設されたテントで炮烙を買い求め、家族の年齢と性別に「家内安全」「無病息災」と墨書して寺に奉納した。大津市の女性(74)は、昨年に45歳の長男ががんを宣告されたといい「自分のことより長男がよくなってほしいと、炮烙に願いを込めました」と話した。
奉納した炮烙は、4月と10月に行われる壬生狂言の演目の一つ「炮烙割り」の舞台に使われる。