台湾の新生児、第1四半期は昨年比1割減
内政部が26日、新生児数に関する最新の統計を発表した。この統計によると、今年の第1四半期に生まれた赤ちゃんは4万8661人で、昨年同期比10.8%減だった。今年の新生児数は19万人と見込まれる。
内政部によると、各県市別の普通出生率は、台湾北部の新竹市の3 ‰(パーミル:人口 1,000 人に対する割合)が最高だった一方、台湾北部の港湾都市、基隆市が1.3 ‰で最低となった。昨年同時期との比較では、各県市ともに減少しており、離島の連江県の0. 5ポイント減が最大、そして南部の嘉義県の0. 4ポイント減がこれに続いた。
内政部は、今年第1四半期に生まれた新生児を100とした場合、実の父親あるいは実の母親が中国大陸(香港、マカオ地区を含む)、あるいは外国籍である新生児は8人だったと発表した。
内政部はまた、新生児の母親が中国大陸(香港、マカオ地区含む)の出身者である比率が、10年前の5.2%から3.9%に、そして新生児の母親が外国籍である比率も8.1%から2.8%へ減少したことを明らかにした。
なお、第1四半期の新生児の男女比は、女性を100とした場合、男性が107.5で、4年連続で男の子が108以下となった。男女比率の不均衡が改善されつつあることが伺える。
日本「M.&KYOKO」、高雄にアジア初出店
2009年に日本経済産業省の「ものづくり日本大賞」を受賞した山形県寒河江市の紡績ニット会社、佐藤繊維のブランド「M.&KYOKO」が、台湾南部、高雄市の大立精品デパートに出店した。
佐藤繊維の紡績糸は極めて高品質である事で知られ、アメリカのオバマ大統領の就任式の際、ミシェル・オバマ・夫人がで着用したイタリアのブランド、ニナリッチのカーディガンにも佐藤繊維の糸が使われていたという。
「M.&KYOKO」は、佐藤繊維の現社長で、テキスタイルデザイナーの佐藤正樹(MASAKI) さんと、夫人でスタイリングデザイナーの佐藤今日子(KYOKO)さんが設立したブランド。「M.&KYOKO」がアジアにテナントを出店するのは今回が初めてとなる。大立デパートでは26日から5月11日までセールを行う。
馬・総統:第四原発国民投票は安全検査完了後
馬英九・総統(右)は25日午前、総統府で最大野党・民進党の蘇貞昌・主席と会談。第四原子力発電所について激しく意見を戦わせたが、議論は平行線だった。
馬英九・総統が、第四原子力発電所に関する国民投票は、安全検査が完了して以降との考えを示した。馬英九・総統は25日、総統府で、最大野党・民進党の蘇貞昌・主席と会談した。
台湾北部・新北市で建設中の第四原発をめぐって政府は昨年から、その建設中止の可否を問う国民投票を実施し、その結果を受け入れる姿勢を示している。馬・総統は会談の席上、第四原発については誰も、そしてどの政党も単独で決められるものではなく、国民全体で決める国民投票を実施することが与野党の共通認識だと述べた。
蘇・民進党主席ができる限り早期の実施を提案したのに対し、馬・総統は、今は適切ではなく、安全検査をすべて終えてから実施すべきだと主張。馬・総統は、「安全検査を終えても、当面運転はしない。燃料棒を挿入するかどうか、国民投票で決めるべきだ。安全検査も終えないならば台湾元3000億元以上費やした施設を無駄にする。これは国家財政を重視する道ではない」と述べた。
馬・総統は、第四原発は完成させ、安全検査も終えてあくまで運転できる状態にした上で、運転するかどうかを国民投票で問うならば、現在の予算内で可能だと説明。そして、第四原発をめぐる論議はすでに30年続いており、子孫のために責任感ある決定をしようと強調した。
蘇貞昌氏は、馬・総統に決断を迫ったが、馬・総統は、自分が決めては独裁と批判されるだろうとし、国民に決定を委ねる考えを示した。
なお、この問題をめぐっては、民進党の元主席、林義雄氏が22日から建設中止の決定を求めて絶食を続けているほか、文化芸術界の人々が林義雄氏を応援するとして、中正記念堂の自由広場で24日午後6時から座り込みに入っている。24日夜には台湾の著名な作家、映画監督、音楽アーティストなどが、1000近い人を前に反核を訴えた。
台経院、今年の成長率予測値を3.23%に上方修正
台湾経済研究院は輸出や消費が回復するとして、今年の経済成長率予測値を3.23%に上方修正した。
台湾経済研究院(台経院)が、台湾の今年の経済成長率予測値を3.23%に上方修正した。台湾のシンクタンク、台湾経済研究院は25日、今年の経済成長率に関する最新予測を発表した。同研究院では、欧米の景気が安定して回復していることで、アジアの景気が相対的に悪い影響が抑えられ、全体的な世界景気は強気に見られているとし、台湾の景気もこれに伴って改善、3月の輸出と輸出受注はいずれも回復の形跡があると説明した。台湾経済研究院ではまた、民間消費も強まっているとして、今年の経済成長率予測値を1月の予測値より006ポイント高い、3.23%と予測した。
台湾経済研究院はしかし、政府の投資が依然として弱い上、昨年第4四半期の企業による投資が明らかに増えたことで、年間としての比較基準が底上げされたとして、今年通年での民間投資の成長率は下方修正。
台湾経済研究院による今年の四半期ごとの経済成長率予測値は、第1四半期が2.78%、第2四半期が2.87%、第3四半期が3.69%、第4四半期が3.54%。消費者物価指数の年間上昇率は1.25%と予測した。
陽明大学、うつ改善食品への有益菌開発に成功
国立陽明大学が経済部と協力して、うつ状態を改善する食品に利用できる腸内有益菌を開発した、向こう1年以内の、「うつ解消食品」の発売が期待されている。
陽明大学腸内有益菌研究センターは経済部との2年間の提携研究を経て、アジアで初となる、精神有益菌PS128の開発に成功した。この有益菌は、マイナスの気持ちの改善やストレス解消など、うつ病の症状改善に有効だということ。
陽明大学有益菌研究センターの蔡英傑・主任は、2000種類の有益菌からPS128を選び出し、うつ状態にしたマウスに2週間与えたところ、明らかに改善されたと話した。蔡・主任は、この発見は有益菌の機能を腸の健康維持から精神面での改善へと拡大すると説明、現在はアメリカでの特許を出願中であることを明らかにした。そして、将来的には薬品での利用へと向かうが、早ければ一年以内に、まずビスケットや飲料などの食品の形にしたいと話した。
台湾初のライトレールは来年誕生
台湾南部・高雄市が建設中の軽量軌道交通(ライトレール)の第一区間がレール敷設の段階に。開業は来年末の予定。
台湾初の軽量軌道交通、いわゆるライトレールが南部・高雄市に誕生する。高雄市によると、高雄市の計画する環状軽量軌道交通の第一区間は24日、レールの敷設段階に入った。高雄市の陳菊・市長は、今年9月にはテストを始め、来年末には開業できるよう期待した。
この軽量軌道交通はレールを地中に埋めこむ形で、完成後路面は緑化され、車両は緑地の上を走っているように見える。また、海外の一般の軽量軌道交通との最大の違いは、車両の上に送電線が張られないこと。さらにノンステップバスのような床の低い車両設計で、ホームは高さ35センチ、車両の床と同じ高さで乗り降りに便利だという。
第一区間には14の駅が設けられ、高雄市の港沿いのアジア新湾エリアを走り、サイクリング道路や遊歩道と結びつく。また、各駅に料金の支払い施設やゲートはなく、ホームと車両に改札機が設けられる。片道切符が買えるほか、高雄市の新交通システムとバスなどで使用される電子マネーでも利用できる。また、ドアは自動的に開かず、ボタンを押して乗り降りする仕組み。
開業後は午前6時から夜11時まで運行、ラッシュアワーには7分半ごとに一本、そうでない時間帯は15分に一本の割合で運行される。
台湾鉄道タロコ号が定期車両検査で、プユマ号が西部幹線を代走
車両検査のために運用を離れる台湾鉄路管理局のTEMU1000型電車、タロコ(太魯閣)号の代わりに、本来は東部幹線用に導入された新型特急TEMU2000型電車のプユマ(普悠瑪)号が西部幹線を代走することがわかった。
台鉄によると、2007年から営業運転を行っているタロコ号は現在、北部と花蓮を結ぶ列車以外に、西部幹線の台北−彰化間でも毎日1往復運行しているという。しかし、今年、運用中の5編成が大規模な車両検査の時期に入ることから、今月29日から約1年間にわたってプユマ号が代走するという。
プユマ号は今年6月末に予定されている東部幹線電化のために導入された日本製の新型車体傾斜式電車。現在は17編成136両全てが台湾に到着しており、昨年の旧正月ごろから営業運転を開始している。
台湾の研究者が日本統治時代の庶民の生活を振り返る新書発表
清華大学(新竹市)大衆史学研究センターの蒋竹山主任が、新書「島嶼の浮世絵:日本統治時代台湾の大衆生活」を発表し、日本統治時代の台湾庶民の暮らしを振り返った。26日付の聯合報が伝えた。
蒋主任によると、台湾で全島中等学校野球大会が初めて開催されたのは1923(大正12)年。だが、全島で野球ブームが巻き起こるのは1931(昭和6)年に嘉義農林学校が甲子園野球大会で準優勝に輝いてからだという。
その年の大阪朝日新聞の台湾版には、嘉農の原住民メンバー、吉川武揚が盗塁しようとしている姿を躍動感溢れるタッチで描いた挿絵が掲載されている。また、台北新公園(現・二二八公園)では嘉農の活躍を伝える映画が上映された。
今年開園100周年を迎えた台北市立動物園の前身である円山動物園も日本統治時代の憩いの場として親しまれた。アジアゾウやシンガポールからやってきたマレートラが人気を集めたほか、夏には夜間営業なども行い、市民が夕涼みなどを楽しんだという。
また当時、台北高等女学校の卒業生に対して行った理想の結婚相手に関する調査では、10歳前後年上の公務員が人気で、学歴にはこだわらないといった興味深い恋愛事情が浮かび上がっている。
同書は現在の台湾語や、日常の生活習慣、建物などに面影を残す日本統治時代の台湾を36のキーワードから回顧し、約100年前の人々の様子を解説している。
考古学の文化交流 博物館で日本の茜染め体験イベント
新北市八里区の十三行博物館で、26日から日本やメキシコなどの伝統文化の紹介と関連の体験イベントが行われている。
日本文化として紹介されているのは茜染め。通常の草木染めが緑や茶色に染められることが多いのに対し、茜染めはアカネの根に含まれるアリザリンの作用で茜色に染め上がることから、一風変わった味わいが楽しめると注目を集めている。
また、メキシコでお祝いの時などにお菓子やおもちゃを入れて高いところに吊るし、“スイカ割り”の要領で楽しむ「ピニャータ」と呼ばれるくす玉作りも行われ、目隠しをした子供たちが懸命にピニャータを叩き割ろうと奮闘した。
十三行博物館ではこのほかにもさまざまな体験イベントを27日まで開催しており、休日を過ごす家族連れでにぎわっている。
日本時代の木造「日南駅」の観光施設、供用開始/台湾・台中
台湾鉄路・西部幹線の海線にある木造駅舎のひとつ、日南駅(台中市大甲区)を中心とする観光施設、「日南駅道」が完成し、26日竣工式が行われた。胡志強台中市長は野党・民進党の議員による経費確保から市政府による計画・実行まで党派を超えた協力のよい例となったとして旧跡活用プロジェクトを評価した。
日南駅は日本統治時代の1922(大正11年)に開業。日本式の建築で台中市の古跡に指定されている。「日南駅道」プロジェクトはこの日南駅を中心に皇室への御用米輸送で栄えた当時の街並みを再現しようと、周辺の旧精米工場、雑貨店などを結びつけ、歴史と文化の観光スポットにしようというもの。
胡市長は挨拶の中で今回のプロジェクトを例に取り、「与野党の協力があってこそ台湾は進歩する」と強調。今年6月末までに大甲から后里までの山・海両路線の環境事前調査を終えることになっており、将来は環状鉄道網の開通で大甲はますます発展するだろうと述べた。また、2期工事を進めて台鉄との協力で貴重な日南駅とその周辺が整備され、さらに多くの観光客が呼び込めればと期待を示した。
民進党の立法委員で日南駅資産活性化委員会の蔡其昌主任委員は、日南地区は台中市の中心部から遠く、各種施設の建設や大型イベント開催、交通整備によって地域の活性化を図る必要があるとし、交通部と市政府ができるだけ早く環状鉄道を建設することで大台中エリアの“一日生活圏”が形成され、周辺地域が取り残されることがないよう希望すると述べた。
この日、「日南駅道」の竣工・供用開始を記念して台湾鉄路管理局が走らせた蒸気機関車CK-124(日本のC12形と同型)が日南駅構内にゆっくりと入って来ると市民らが競い合ってシャッターを切っていた。
台湾の呉副総統、バチカン市国に出発 元法王の列聖式参加で
イタリア・ローマで27日行われるヨハネ23世とヨハネ・パウロ2世の「列聖式」に出席するため、呉敦義副総統は26日午前、訪問団を率いてバチカン市国に向けて出発した。
呉副総統は出発前、空港で今回の訪問を契機にバチカンとの友好関係がさらに強固なものになり、双方の協力関係が深まればと期待を表明した。
同国はヨーロッパで台湾と正式な外交関係を持つ唯一の国で、双方は1942年に国交を樹立している。1998年、台湾の単国璽・高雄司教がヨハネ・パウロ2世によって枢機卿に任命されるなど、半世紀以上にわたり両国間の友好関係が続いてきた。
台湾の副総統としてバチカンを訪れるのは連戦氏(国民党)と呂秀蓮氏(民進党)に次いで呉氏が3人目。一行は30日に帰国の予定。
台湾で相撲の世界選手権大会、競技の人気上昇と底辺拡大に期待
相撲の世界選手権大会が今年8月末、台湾南部の高雄市で開かれることになり、23日、中華民国相撲協会と世界相撲連盟の間で開催契約の調印が行われた。複数の台湾メディアが25日までに伝えた。
世界選手権のほか、アジア選手権など合わせて6大会の同時期開催となり、世界30余りの国・地域から250人近くが出場する予定。
調印式に出席した日本相撲連盟の大野孝弘専務理事は、2009年のワールドゲームズ高雄大会と、台北で2011年に開かれたアジア選手権を通して「日本の国技に対する台湾の人々の関心の高さを肌で感じた」とふり返り、今回の大会も成功裏に終わればと期待を寄せた。
台湾には、いわゆる日本語世代を中心に熱狂的な相撲ファンが多く、2006年に大相撲巡業が初めて台北市で催され話題をさらった。また、昨年5月には日系企業の協力の下、同市の天母野球場の敷地内に台湾初となる常設土俵が完成し、競技人口の拡大に向けて大きな一歩を踏み出した。
日本のアニメ企業が無料でソフト配信、違法配信や海賊版対策に「損して得取れ」
日本のアニメやキャラクター関連企業はソフトを無料配信することで、海外で横行する違法配信や海賊版に対抗する戦略を打ち出した。写真は中国山東省で売られている人気キャラクターを無許可で模した商品。
台湾メディア・聯合網によると、日本のアニメやキャラクター関連企業は海外で横行する違法配信や海賊版に対抗するため、ソフトを無料配信する新戦略を打ち出した。環球時報(電子版)が伝えた。
日本のアニメや漫画、ゲーム、玩具などは海外での人気が非常に高く、違法配信や海賊版が横行している。そこで東映アニメーションは無料でソフトを配信し、サンリオは人気キャラクター・ハローキティなどの版権を低価格で海外に供与することにした。
東映アニメやバンダイナムコホールディングス傘下のアニメ制作会社サンライズが運営する無料サイト・DAISUKI(ダイスキ)は、2013年5月から日本の人気アニメの無料配信をスタート。今年3月末までに10数カ国130万人がユーザー登録している。今後5年間で3000万人にまで増やす計画だ。
DAISUKIは広告収入と関連グッズのネット販売で利益を得る。これにより、海賊版ビジネスに大きな打撃を与えることになる。サンリオも08年にキャラクターのライセンス供与へ経営戦略を転換したことにより、これまでに2500社以上と契約。14年3月期の海外事業の営業利益は209億円で、5年前に比べて130%増となった。