指揮者の小澤征爾さんが音楽監督を務める音楽塾の喜歌劇「こうもり」(ヨハン・シュトラウスⅡ世作曲・全3幕)が18日夜、京都市左京区のロームシアター京都で開幕した。小澤さんが京都で初めて歌劇の制作拠点とした劇場で軽快に指揮し、華やかなオペレッタを披露した。
米国・メトロポリタン劇場の豪華な舞台装置と衣装を持ち込み、19世紀末のウィーン社交界を再現したホームコメディー。海外から招いた声楽家の歌声や芝居の進行に合わせ、小澤さんともう一人の指揮者村上寿昭さんが交互に、アジアの若手演奏家で編成したオーケストラを導いた。
看守を演じたベテラン俳優の笹野高史さんが新聞を読む場面で、「小澤征爾、グラミー賞受賞」とつぶやくと、16日に米国の音楽賞を受けた小澤さんに拍手と歓声が送られ、劇場は祝賀ムードに包まれた。
公演は20日の同シアターに続いて、名古屋(24日)と東京(27日)を巡演する。音楽塾は、若い音楽家の育成を目的に2000年に発足。今年1月にオープンした同シアターが今後のオペラ制作拠点となる。