台湾の謝淑薇、女子ダブルス世界1位に輝く
女子テニス協会(WTA)が12日発表した女子ダブルスの世界ランキングで、台湾の謝淑薇(シェ・シュウェイ)選手(=写真)が同選手とペアを組む中国大陸の彭帥(ポン・シュアイ)選手と並んで1位にランクされたことがわかった。台湾の選手としては初の快挙。
スペインで行われているマドリード・オープンの女子ダブルスでは先週8日、謝・彭ペアが準々決勝に出場。その際、WTAは公式ウェブサイトで謝選手がそれまでの世界ランキング2位から1位となる見通しを公表していた。
謝選手は同日、フェイスブック上でこれまで自分を応援してくれた人々や各企業に感謝したいとコメントしている。
豪華客船が2600人の日本人観光客を乗せ台湾に寄航
日本人観光客約2600人を乗せた豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」が、10日から台湾を周遊しており、乗客らは寄港地の花蓮、高雄、基隆で初夏の台湾の魅力を存分に満喫している。複数の台湾メディアが伝えた。
10日午前5時に花蓮に入港したダイヤモンド・プリンセスは、放水アーチや台湾原住民(先住民)のアミ族の踊りなどで迎えられた。約60台のバスに分乗した乗客らは太魯閣(タロコ)渓谷や花蓮市内などを観光。午後5時に次の寄港地、高雄へと向かった。
高雄では日本語を学ぶ地元の大学生15人らが観光客をサポート。交通局や港湾運営会社などが協力して無料シャトルバスや観光タクシーなどを手配したほか、高雄メトロ(MRT)でも高雄を楽しんでもらおうとグルメやショッピングが堪能できるコースを用意してもてなした。
花蓮港務分公司の梁善柏社長は、今年に入ってクルーズ船の日本人乗客が増加していると語り、観光産業のさらなる発展に期待を寄せている。
交通部長、台湾高鉄の相次ぐ故障で「台湾の実情に合わせた改善策を」
台湾・交通部の葉匡時部長は12日、立法院(国会)交通委員会で行った台湾鉄路および台湾高速鉄路の運行安全管理をめぐる報告で、台湾高鉄の設計はドイツや日本の高速鉄道とは異なるもので克服すべき課題も多く、将来の高鉄運営では地元台湾の実情に合わせて改善すべきとの認識を示した。
李昆沢・民進党立法委員(議員)は台湾高鉄では2007年の開業以来、ポイント(分岐器)の異常が60回、今年だけですでに6回発生しており、大きな遅延の頻発で国民はうんざりしているとした上で、高鉄の特別チームが定期検査を行っているにもかかわらず依然故障が絶えないと指摘した。
これに対して葉部長は、日本の新幹線は駅進入時の速度を時速80キロに制限しているが、台湾高鉄ではドイツの高速鉄道のポイントを採用しており、駅進入時は時速130〜160キロだと説明。台湾の駅と駅の間隔はドイツに比べて短く、高速のまま駅に進入するには技術が必要で、これが問題の根本的原因であり、今後は台湾の実情に合わせた改善策を考えなければならないと考えを述べた。
范志強・台湾高鉄董事長(会長)は、高鉄で使用されているポイントはヨーロッパでは安定性に優れているが、台湾では高温多湿な環境の影響が大きいとみられ、故障状況はいずれも徹底的に調査していると語った。
国共内戦の最前線 金門・大胆島等への観光、2017年に全面解禁
国共内戦の最前線として、国防上の理由から現在でも一般人の上陸が制限されている金門県の大胆島と二胆島への観光上陸が、2017年にも全面解禁される見通しとなった。
大胆・二胆両島は現在、金門防衛指揮部烈嶼指揮部が管轄しており、一時期は600人以上の兵士が駐留していたが、台湾海峡両岸の緊張が緩和したことから、近年では200人近くの軍関係者が任務に当たっている。両島は今年6月末に金門県政府へ移管されることが決まっており、4月から軍と海岸巡防署、警察の間で引継ぎ作業が行われているという。
金門県政府への移管後は島内の公共施設や埠頭の整備を行う予定で、来年7月1日〜8月31日には金門県関係者や学校などの団体を対象に試験的に観光上陸を解禁し、2017年には全面解禁する方針。ただ、中国大陸からの観光客に関しては当分の間上陸を認めないとしている。
観光解禁後も島には軍施設が残るほか、24時間全面監視システムを採用し、警察などと連携して安全管理などに務める予定。
日本統治時代からの鉄道宿舎群 取り壊し先送りに
先月に取り壊しされる予定だった台湾中部の彰化にある台湾鉄路の宿舎群の一部が、鉄道ファンなどからの強い要望により、解体が先送りされることとなった。複数のメディアが10日付で伝えた。
台鉄の彰化扇型庫に隣接するこの宿舎群は、 彰化県文化局から歴史建物に指定されている。西部幹線の要所として栄えた彰化の鉄道職員用宿舎として1922(大正11)年ごろから利用されていたもので、約40棟の建物が現存している。
文化歴史専門家と鉄道ファンなどおよそ100人は9日、彰化県政府の関係者らと話し合いを実施。県建設処の陳文慶代理処長によると、宿舎群のうち、歴史的な価値を持つ建物18棟の解体を先送りし、さらなる活用法を再検討することになったという。台鉄の所有物であるほかの建物は計画通り撤去され、駐車場と公園に再整備される。
保存を訴えるある医師は、彰化は台鉄の海線と山線の分岐・合流地点で、扇型車庫は全国から大勢の観光客を集めていると指摘。鉄道文化の特色を残すために、宿舎群も保存するべきだと語った。
台鉄の関係者は、建物の保存に反対はしないとの立場を表明した上で、県側には修復のための予算を計上し、保存と再利用、再活用に努めてほしいと呼びかけた。
児童を救助しようと殉職した日本人教師の慰霊祭が行われる
日本統治時代の1930(昭和5)年に、増水した川の中州に取り残された児童らを助けようとして殉職した日本人教師の慰霊祭が10日、台中市で行われた。複数の台湾メディアが伝えている。
今から84年前の1930年1月に東勢農林学校(現・新社高校)の教師として台湾に赴任した山岡栄先生は同年5月9日、豪雨で繰り上げ下校となり帰宅しようとしていた新社公学校(現・新社小学校)の児童7人と保護者2人が、増水した川に流されて中州に取り残されたことを知り、泳いで助けに向かおうとしたところ、濁流に流され帰らぬ人となった。
山岡先生は当時29歳。妻と2人の娘、妻のお腹の中の子供を残したまま亡くなった。遺体は住民によって現場から2キロメートル下流で発見され、同年11月に川辺には記念碑が建てられた。戦後になるとこの事故のことは次第に忘れられたが、区画整理の際に記念碑の存在が明らかとなり、2006年から毎年、地元住民の手によって慰霊祭が行われている。
今年は新社高校の生徒や教師、台中市台日文化経済交流協会などの関係者のほか、山岡先生の孫にあたる駄場美恵子さんと、中州に取り残されながらもその後救助された邱阿添さんの息子、邱湧忠さんも出席。長栄大学台湾研究所の温振華所長は、勇気ある行動を長きにわたり伝えていかなければならないと語った。
記念碑は2007年に台中県(当時)の歴史建物に登録されている。
児童を救助しようと殉職した日本人教師の慰霊祭が行われる
日本統治時代の1930(昭和5)年に、増水した川の中州に取り残された児童らを助けようとして殉職した日本人教師の慰霊祭が10日、台中市で行われた。複数の台湾メディアが伝えている。
今から84年前の1930年1月に東勢農林学校(現・新社高校)の教師として台湾に赴任した山岡栄先生は同年5月9日、豪雨で繰り上げ下校となり帰宅しようとしていた新社公学校(現・新社小学校)の児童7人と保護者2人が、増水した川に流されて中州に取り残されたことを知り、泳いで助けに向かおうとしたところ、濁流に流され帰らぬ人となった。
山岡先生は当時29歳。妻と2人の娘、妻のお腹の中の子供を残したまま亡くなった。遺体は住民によって現場から2キロメートル下流で発見され、同年11月に川辺には記念碑が建てられた。戦後になるとこの事故のことは次第に忘れられたが、区画整理の際に記念碑の存在が明らかとなり、2006年から毎年、地元住民の手によって慰霊祭が行われている。
今年は新社高校の生徒や教師、台中市台日文化経済交流協会などの関係者のほか、山岡先生の孫にあたる駄場美恵子さんと、中州に取り残されながらもその後救助された邱阿添さんの息子、邱湧忠さんも出席。長栄大学台湾研究所の温振華所長は、勇気ある行動を長きにわたり伝えていかなければならないと語った。
記念碑は2007年に台中県(当時)の歴史建物に登録されている。
ビビアン・スー、結婚写真撮影が公開 7月に台北で披露宴
今年2月にシンガポールの海運会社、マルコ・ポーロ・マリンの最高経営責任者(CEO)、李云峰さんと結婚した台湾出身の女優で歌手のビビアン・スー(徐若セン)が、オーストラリアで結婚写真の撮影を行い、その一部が公開された。(セン=王へんに宣)
6月29日にインドネシアのバリ島で結婚式を挙げることが決まっている2人は、最近になり3泊4日のオーストラリア旅行に出発。同地は李さんが進学のために13歳から滞在した思い入れのある場所だったことから、第2の故郷で素敵な思い出を作ってもらおうと、ビビアンに内緒で結婚写真の撮影準備が進められた。
撮影場所となったのは西オーストラリアのフリーマントルやパース、ウェーブロックなど。ビビアンは総額100万台湾元(約340万円)のドレス2着などに身を包んだほか、李さんも特注のスーツを着こなし、和やかな雰囲気の中で撮影が行われたという。
オーストラリア旅行では野生のカンガルーとコアラを見たいと期待していたビビアンだが、どちらにも遭遇することはなく、巨大なハエの群れにばかりたかられたという。口を開ければすぐに飛び込んできてしまう有り様で、「口を閉じて微笑むことしかできなかった」と振り返っている。
結婚後にシンガポールでの新生活を始めた2人は、7月23日に台北で披露宴を行うとしている。
台湾各地、母の日祝賀イベント
旧暦4月8日は、釈迦の誕生日とされていることから、仏教がさかんな台湾では、旧暦4月になると、各地で潅仏会が行われるが、一部の仏教団体は、母の日と一緒に祝う風習がある。
国際仏光会は11日、総統府前広場で「国定仏誕節及び母の日祝賀大会」を開催、馬英九・総統、外交部の林永楽・部長、新北市の朱立倫・市長、与党・国民党の呉伯雄・名誉主席ら政府要人が出席した。祝賀大会では、模範母親として選ばれた台湾各地の母親、および仏教徒たちが、歌声や潅仏会などで母の日を祝うとともに、国家安泰を祈願した。
国際仏光会の創設者である星雲法師は、開会式の中で、「みなが母親のような慈しみですべてのことに関心を示し、多くの人たちを集める過激な行動を行わず、国家や社会と対立することもしないよう」呼びかけ、3月中旬以降、台湾社会を騒がせている、中国大陸とのサービス貿易協定への反対を訴える学生運動や第四原発の建設続行への抗議活動に参加した人たちの自制を促した。
一方、、世界各国でも名を知られる、台湾の仏教団体、仏教慈済基金会も11日、台湾中部南投県の南投、草屯、埔里などで、潅仏会を開催。供物や花を供えて無病息災を祈るほか、釈迦の像の足元で甘茶に手をつけるという、慈済基金会独特の儀式で仏の恩に感謝すると同時に、母親の育ての恩にも感謝、参加者にとって、意義深い母の日となった。
世界理美容技術選手権、台湾金メダル2個
5日に閉幕した2014OMC世界理美容技術選手権大会で、台湾の選手はメダルを20個獲得し、そのうち、台南応用科学技術大学の呂雅?・選手は、初参加で個人競技で金メダル2個という快挙となった。
OMC世界理美容技術選手権大会は、2年に1度開催される、美容業界のオリンピック。今年はドイツのフランクフルトで、現地時間3日から5日にかけて開催され、四十数カ国から、1000名以上の選手が参加した。
大学や専門学校の学生46名からなる中華民国台湾の代表チームは、金2、銀14、銅4、合計20個のメダルを獲得、世界大会に参加して以来の最高の好成績となった。
呂雅?・選手は、実家が美容院を経営しており、高校時代に培ったしっかりとした技術で、国内の技術コンテストでも好成績を納めている。呂・選手をはじめとする台湾の代表チームは12日、帰国する。台南応用科学技術大学の先生、学生、および保護者は空港まで出迎える。
台湾国際ボートショー、売上は42億元突破か
台湾南部の港湾都市、高雄市で開催中の台湾初の国際ボートショーで、取引が活発に行われている。中華民國對外貿易發展協會が10日に発表したところによると、開幕日の8日から10日までの3日間で、クルーザー32隻、台湾元10億元(日本円約34億円)の商談が成立したほか、30隻が交渉中であり、売上総額は台湾元42億元(日本円約142億円)に上ると見られている。
對外貿易發展協會によると、10日時点では、国内からはのべ4万5000人が参観に訪れたほか、日本、アメリカ、中国大陸、香港、シンガポールなどからも2000人を越えるバイヤーが訪れた。
主催機関によると、すでに商談がまとまった32隻のうち、大多数は価格が台湾元300万元(日本円約1020万円)から2000万元(日本円約6800万円)までの小型のもの。バイヤーは日本、シンガポール、中国大陸、香港から来ており、そのうち、日本のバイヤーの代表である、平湯芳裕氏による購入価格、台湾元3億3000万元が最多となった。
不動産業とレジャー産業を営む、平湯芳裕氏は過去10年、台湾のクルーザーを3隻購入、今回もう一隻注文した。平湯芳裕氏は、台湾のクルーザーの製造技術とデザインの品質を絶賛、これらのクルーザーを使って社員を海洋レジャーに招待したいとしている。
對外貿易發展協會の葉明水・副秘書長は、台湾のボート市場は、高い潜在力があるとし、埠頭、ボートクラブなどの周辺施設を同時的に発展させることができれば、アジアの重要なクルーザーの取引センターになることができると、台湾のクルーザー産業に対して楽観的な見方を示している。
鴻海董事長、関連企業の初任給を調整[IT]
EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、鴻海精密工業の郭台銘董事長は10日、液晶パネル大手の群創光電(イノラックス)や放熱モジュールの鴻準精密工業(フォックスコン・テクノロジー)、プリント基板(PCB)大手の臻鼎科技などグループ企業の台湾での現場作業員の初任給を、鴻海の基準である月2万6,000台湾元(約8万8,000円、食事手当含む)に合わせると発表した。群創の現場作業員を名乗るネットユーザーが、ウェブサイト上で賃金の低さを訴えたことを受けての措置。今月分から適用する。11日付経済日報などが伝えた。
郭董事長は8日、台湾での賃金引き上げの重要性について言及し「もし、いまだ月2万2,000元の低賃金で従業員を働かせている企業があるなら、自ら買い取って賃金を引き上げる」と発言。しかしその後、群創の現場作業員を名乗る人物がウェブサイトを通じて「群創の現場作業員だが、賃金は月2万2,000元しかない。郭董事長は実態を知っているのか」と訴えたため波紋が広がり、郭董事長の対応に注目が集まっていた。
郭董事長は10日に群創の段行建董事長、王志超総経理らと会見を開き、グループ企業の初任給の下限を鴻海の基準に合わせると発表。「鴻海の場合は現場作業員の初任給が2万6,000元以上、大卒のエンジニアや管理職は月3万6,000〜4万7,000元だ」と明らかにした上で「グループ企業の調整が、台湾の大卒者の賃金上昇につながることを願う」などと述べた。
ただ、郭董事長は「調査の結果、グループ企業に月2万2,000元で働いている従業員はいない」とも指摘。ネット上での訴えに対し、該当する名前の従業員も見つからなかったとした上で「事実ならばすぐに給与明細を送ってほしい。徹底的に調査して善処したい」と述べた。
証券筋からは初任給調整による群創や鴻準のコスト増を予測する声が上がっている。中央社によると、一部メディアは「グループ全体で人件費が約100億元増える」と報じたが、鴻海は否定している
iPhone 6、サファイアガラスはハイエンド機種のみか
米アップルは、同社が発売を予定するスマートフォン「iPhone 6」に使用するサファイアガラスをハイエンド機種だけに限定するもようだ。サプライチェーン関係者によると、価格が1台当たり約280米ドルと通常ガラスの6倍に達し、採算が合わなくなったためという。ハイエンド機種の出荷台数は1000万台程度にとどまり、販売価格は1300米ドル以上に達する見通しだ。
台湾・虎尾製糖工場で日本時代の寮が一部焼失 雲林県、積極保護へ
百年余りの歴史を有する台湾南部・雲林県虎尾の製糖工場で8日、火災が発生し、日本統治時代に建てられた貴重な寮のうち1棟が焼失した。雲林県政府では9日、残った11棟の寮について文化財保護へ向けての手続きに入るとしている。
台湾糖業公司(台糖)の虎尾製糖工場(虎尾糖廠)は日本統治時代初期の1909(明治42)年、大日本製糖株式会社の虎尾製糖所として建設されたもので、台南市の善化製糖工場と並んで今も稼働している2カ所の1つ。また、台糖・虎尾線はサトウキビ運搬車が“五分車”の愛称で知られる台湾で唯一今も運行中の製糖業専用鉄道路線。
虎尾製糖工場の敷地内には付設の寮があり、居住者が引き払って10年ほど前から空き家となっていたが、その後何度か火災に見舞われ、おととい8日に起こった火事で1棟が焼失した。
雲林県政府は現在地元消防が火災の原因を究明中だと発表。今回の寮の焼失を大変残念に思い、今後は安全確保に努めて台湾の製糖業文化の保護に積極的に取り組みたいとし、残り11棟の寮について同県で調査を進め、文化資産の認定へとつなげる考えを示した。
「キャンディ・キャンディ」の漫画家、台湾でサイン会
人気少女漫画「キャンディ・キャンディ」で有名な いがらしゆみこさんが台湾を訪れ、10日、新竹県でサイン会がにぎやかに催された。
この催しは新竹県「国際アニメ漫画芸術祭」のイベントの一つとして台鉄・内湾線の合興駅で行われたもの。
朝早くからサイン会の列に並んだ「キャンディ・キャンディ」の大ファンだという林さんは、明け方に台北を発って合興駅を目指したという。彼女は小学生の頃から大好きだったこの漫画が自分の人生に与えた影響は大きく、実際に漫画の描き方を学び始めるきっかけとなったと、いがらしさんに語りかけた。
サイン会ではいがらしさんの直筆サインが限定で150名にプレゼントされ、手にしたファンらは大喜びしていた。
テレビアニメの「キャンディ・キャンディ」が日本で初放映されたのは1976〜79年。台湾では華視(CTV)で中国語吹き替え版が「小甜甜」のタイトルで1979年に放送され、1980年代にも繰り返し再放送が行われた。孤児の少女でありながら明るく前向きなヒロインを歌った台湾版主題歌も当時有名になった。
かつて「キャンディ・キャンディ」に夢中だった台湾の子供たちも今ではすっかり大人に。この日はいがらしさんをひと目見ようと子供連れの人々が大勢訪れた。
台湾の若者、スマホ・PCなどの利用が1日5時間以上に
台湾の人々がスマートフォンなどの携帯情報端末やパソコンを1日あたり3時間近く使っていることが9日発表された調査でわかった。これによると若者が情報端末を利用する時間は1日平均5時間20分と高齢者の10倍で、情報源としての利用頻度も16倍だった。10日付で台湾の複数メディアが伝えた。
これは草根影響力文教基金会が醒吾科技大学世論調査センターに委託して今年3月、台湾各地の18歳以上1084人を対象に情報取得の習慣になどついて電話で聞き取り調査したもの。
調査によると、勉強や仕事以外の余暇時間で娯楽や情報取得にかける時間は、パソコンやタブレット、スマートフォンなどが1日平均約2時間40分。これに次ぐテレビが約2時間5分、新聞が約30分、書籍はわずか約20分だった。
年齢別に見ると、若者世代は1日に約5時間20分もの間パソコンやスマホのディスプレーの前に釘付けになっており、これは中年層の約2時間10分をはるかに上回る。一方、テレビ、ラジオ、新聞、書籍では利用時間について年齢層による大きな差は見られなかった。
ニュースを知る媒体としては、テレビが68%、パソコンやスマホが16.4%、新聞が12%弱だった。また、ネットやテレビによるショッピングの経験者はそれぞれ45%と43%にのぼった。
この調査結果を受けて専門家らは、情報が紙媒体からデジタルに移行していることを指摘。政府の政策周知にはSNSや携帯アプリなどの活用が欠かせないと強調している。
立法院長 王 金平 −台中関係のカギ握る、「台湾の徳川家康」
立法院長 王 金平(おう・きんぺい)
1941年、台湾・高雄生まれ。台湾師範大学理学部卒業。75年立法委員(国会議員)に当選。99年に立法院長に選出され、現在4期目。
3月18日、サービス貿易協定の発効に反対する台湾の学生たちが、台北の立法院(国会)を占拠した。「ひまわり学連」だ。
サービス貿易協定とは、台湾と中国の間で相互市場開放を目指すもので、経済融合のみならず、台中トップ会談とそれに続く平和協定という統一シナリオへの重要な布石とみられている。学生の反対運動にどう対応するかを決めるカギは、馬英九総統だけでなく、因縁のライバル、王金平立法院長も握っている。今回、王氏はひまわり学連を「強制排除しない」と温情的な判断をして事実上後押し。学生を流血沙汰で強制排除した江宜樺行政院長や馬総統の「冷血」と、差を際立たせた。
王氏は1999年から立法院長(国会議長)を続けている政界のドン。李登輝政権時代の有能な右腕であり、李登輝派とも呼ばれる本土派の筆頭だ。「馬英九には友がいない。王金平には敵がいない」といわれるほど、その人脈は党派を超えて広い。「タヌキ」「徳川家康よりも徳川家康的」といった老獪な人物という周辺評も。
一方で、汚職の黒い噂をまとい、国民党利権政治の典型とも言われる。2005年の党主席選挙では対抗馬の馬総統(当時台北市長)に汚職疑惑を突かれて惨敗。以来2人は犬猿の仲に。サービス貿易協定の審議が膠着したのも王院長の影響とみられ、昨年9月に馬総統は王院長排除(党籍剥奪)の政争をしかけた(9月政争)。だがこの稚拙な政争は王院長に軍配が上がり、馬総統の支持率は9%に低下した。
舞台裏では、9月政争に続く馬・王政争第2ラウンドが始まっている。その結果が今年の首長選挙、立法院選挙、ひいては馬政権の命運、台中関係、そして東アジア経済や安全保障に影響していくだろう。
中国に対する猜疑心 台湾の民意と疲れ果てた馬英九
エコノミスト誌3月29日‐4月4日号が、馬英九は精力的に中国との関係改善を推し進めてきたが、台湾の人々は中国に猜疑心を抱いており、中台和解の可能性はまだ見えて来ない、との趣旨の論説を掲載しています。
すなわち、馬政権は一貫して中国との関係改善を追求し、中国と多くの案件について合意し、経済統合を推進してきた。その結果、本土からの観光客は285万人と6年間で10倍に急増し、中台間の航空便はゼロから毎日118便になり、貿易額(香港を含む)は年間1600億ドルに増加した。
勿論、中国は、中台の経済的結び付きが深まれば、統一への抵抗は弱まり、台湾は平和的に中国の自治領になると思っているが、馬は、中台関係の改善こそが中国の侵略に対する防御の第一線になると見ている。なぜなら、こうした状況で中国が現状を変更しようと一方的に非平和的手段を使えば、中国も手痛い代償を払うことになるからである。
こうした背景を考えると、今回の学生の抗議運動がなぜ馬にとって大きな問題であるかが分かる。議場の占拠は非民主的な手段であり、また、貿易協定に関する学生や民進党の主張の多くは浅薄だが、彼らの言動は、人々が馬や本土との経済統合に対して抱く不信感と呼応するものであった。また、これには、何世代も前から台湾にいた本省人と、馬のように、1940年代以降に台湾に来た外省人との間の亀裂も関係しており、抗議者たちは馬を中国の傀儡、あるいは何もわかっていない、民意に疎い人物として描いている
世論調査では民進党がリードしており、このことに、中国ばかりか、民進党政権になって中台関係が再び悪化することを恐れる米国も危機感を抱いている。
馬は、米国との関係は1979年以来今が最も良好だと言うが、これは疑わしい。米国は、アジア回帰を言いながら、台湾防衛の約束に言及することはほとんどない。一方、台湾では、米国の政治学者(ミアシャイマー)がNational Interest誌で、「台湾を捨て、中国による強制的中台統一を許す方が戦略として賢明だと米国が考える可能性は十分ある」と言っていることが注目を集めている。
馬はこうした敗北主義にも、中国との対決を標榜する民進党の冒険主義にも組みせず、賢明な中道コースを取ってきた。しかし、馬は疲れ果て、人々は馬にうんざりしているように思える。それでも、台湾の人々の現実主義と民進党の内紛により、次の大統領も国民党から選出されるかもしれない。ただ、馬が、任期を終えた時に、中台関係の安定化を達成し、歴史的調停者として世界から認められることを望んでいるのなら、それは叶わぬ夢に終わりそうだ、と論じています。
* * *
台湾での学生らによる立法院占拠事件については、発生から約1週間も、欧米の主要メディアが社説や論説を発表しないという、異常な状況でした。欧米が事態に困惑して、如何に論評すればよいのか戸惑っていたものと推測されます。
このエコノミストの論説は、 馬英九に同情的な立場から、現在の台湾の政治状況を見ています。この論説でいう馬の中道とは、現状維持であり、両岸関係の改善は、もし中国が一方的に現状維持を変えようとするならば、高い価を払わねばならないようにさせるためだ、と論じています。
しかし、この論理は若干強弁のように感じられます。学生たちが反対しているのは、サービス貿易協定成立により多量の中国人が流入し現状を変えることにあるからです。どこか若干無理をして馬を庇っている感が拭えないのです。
また、米国は台湾を見捨てるという、National Interest誌掲載のミアシャイマーの論説の引用(論説の引用の仕方はミスリーディングで、ミアシャイマーは、米中の軍事能力の格差が今のペースで縮まり追いつけば、台湾を諦めざるを得なくなる、と分析しているに過ぎない)はありますが、米国における台湾擁護論の引用がありません。しかし、台湾に関する最も最近の議会公聴会である、2011年6月の公聴会は、ウォールストリート・ジャーナル紙が「台湾よ恐れるな。議会ここにあり。」というタイトルで論じたほどであり、その後三年経っていると言っても、潜在的に米議会の台湾防衛の意思は存在すると考えてよいでしょう。
いずれにしても、台湾問題は、国民党の時代が終わる可能性を前にして、やっと動き出したばかりです。平和的統合の道筋は既についているのだから台湾問題は考えなくてよい、という精神的怠惰からは、早晩脱却せざるを得ない状況になると思います。