米カリフォルニア州(California)で27日、白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan、KKK)」の集会中、これに抗議するカウンター(対抗)デモを行った人々との間で衝突が発生し、3人が刺され、13人が逮捕された。警察などによると、刺された3人はカウンター側で、うち1人は重体だという。
AFPの取材に応じた目撃者のブライアン・レビン(Brian Levin)さんによれば、同州アナハイム(Anaheim)で正午ごろ、デモをしようと集まったKKKのメンバー6人をカウンターデモ参加者が取り囲み、少なくとも1本の角材を使って襲いかかったという。
現地警察は「KKKのメンバー6人が到着した途端にカウンターデモの参加者が襲いかかった。この最初の衝突がきっかけとなってあちこちで乱闘となり、カウンターの参加者が刺された」としている。カウンターデモ参加者らはKKKのメンバー2人を踏みつけたという。逮捕されたのはKKK側が6人、カウンター側が7人で、それぞれの側で1人ずつが女で、残りは全て男だった。
目撃者のレビンさんは、カリフォルニア州立大学(California State University)の「ヘイト・過激思想研究センター(Center for the Study of Hate & Extremism)」の所長で、第三者として現場にいたが、カウンター側が「KKKが乗ってきたSUV車のフロントガラスを割り、その時点で極めて暴力的な展開になった」と語った。
中には倒れ込んだところをカウンター側に蹴られるKKKのメンバーもおり、レビンさんは両者の仲裁に入らざるを得なかったという。「私はKKKのメンバー2人がそこから出られるよう助けた。私は、キング牧師(公民権運動指導者のマーティン・ルーサー・キング)はこんなことは良しとしない、この人たち(KKK)に危害を加えるなと叫んだ」
この後、レビンさんが、群衆の中から助け出したKKKのメンバーに対し「ユダヤ人に命を助けてもらった気分はどうだ?」と尋ねると、KKKのメンバーは「ありがとう」と答えたという。