ギリシャ北部の国境の町イドメニ(Idomeni)で28日、隣国マケドニアへの入国が認められず足止めされている移民・難民とその子どもたち数百人が線路上に横たわり、流入制限措置に抗議するとともに国境を解放するよう求めた。
欧州では、ドイツやスカンジナビア(Scandinavia)諸国を目指す移民の移動ルートになっている国々の間で緊張が高まっている。
オーストリアのウェルナー・ファイマン(Werner Faymann)首相は、「まるで旅行会社のように振る舞っている」とギリシャを非難。一方、ギリシャのヤニス・ムザラス(Yiannis Mouzalas)移民政策担当相は、バルカン諸国の通過制限により「ギリシャ国内で足止めされる人々は、3月中に5万~7万人に上る見通しだ」と述べ、行き場のない移民たちが3倍に膨れ上がる恐れがあると警告した。
こうした中、AFPの取材に応じた警察官によるとイドメニの検問所では28日夜、体調を崩した女性数人がマケドニアへの入国を認められたものの、約6500人が国境付近のキャンプに足止めされた状態となっている。
この日、イドメニでは数百人の難民や移民がわが子と共に線路上に座ったり横たわったりして抗議。「国境を開いてくれ。食べ物がない」「私たちは人間だ、動物ではない」などと手書きのプラカードを掲げる人の姿も見られた。
イドメニの移民キャンプは1500人が収容可能だが、マケドニアが先週からアフガニスタン人の入国を拒否しシリア人やイラク人に対しても入国規制を厳格化したため、足止めされる移民や難民が急増している。オーストリアに続いてバルカン諸国4か国が入国取り締まりを強化したことから、この状況はさらに悪化すると予想されている。