国内最大級の鉄道展示施設「京都鉄道博物館」(下京区)のオープン(4月29日)まであと2か月に迫った。3月1日には入館券の発売が始まり、地元では沿道にモニュメントを設置したり、商店街にポスターや旗を掲げたり、新名所を盛り上げる準備が着々と進められている。(白岩秀基)
JR西日本によると、同博物館は、3階建ての本館や扇形車庫などに蒸気機関車(SL)から500系新幹線まで計53両を展示。館内では、昭和30~40年代の駅舎や広場を再現。信号や踏切などの仕組みが学べる体験型施設や鉄道模型で遊べる子供向けのコーナーもある。
JR西は初年度の来館者数を約100万人と見込んでおり、2019年には同博物館近くに新駅を開設。一帯では温泉を試掘する計画もあり、地元では集客への期待が高まっている。
同博物館周辺にある23の企業・団体は昨年、「京都・梅小路みんながつながるプロジェクト」を設立。JR京都駅から同博物館がある梅小路公園入り口まで約1キロの道に、SLや新幹線などの銅製モニュメント15個を3月末に設置する。
約30店舗ある地元の「七条センター商店街」は3月から、各店に博物館のオープンをPRするポスターを貼ったり、街灯に鉄道にちなんだ旗を掲げたりする。三野輝雄会長は「人通りが増えるのは間違いない。個人商店の経営は苦しいが、みんなで知恵をしぼり、集客につなげたい」と力を込める。
同博物館に隣接する京都水族館はJR西と協力し、昨夏から特設コーナーで「発車オーライ梅小路!」と題した企画展を開催。新幹線やSLの模型を展示しているほか、模様が電車の窓に見える魚などを紹介している。
3月末までの予定だが、水族館の担当者は「地域がにぎわうよう、今後も協力してコラボイベントなどを企画していきたい」と話す。
京都市も今月中旬に周辺の散策コースや観光スポットをまとめた冊子の改訂版をつくり、地下鉄の主要駅などで配っている。