日台鉄道フォーラムでJR東会長が安全システムを紹介
中華民国工商協進会は14日、「台日鉄道観光産業協力フォーラム」を開催し、東日本旅客鉄道(JR東日本)の清野智会長(=写真)が日本の鉄道の安全設備などについて紹介した。
清野会長は、日本の新幹線は地震観測装置と連動し、初期微動(P波)を感知した時点で走行中の列車にブレーキをかけ、主要動(S波)が到達する前に速度を時速100キロ以下に減速させることが可能になっていると説明。将来はS波が来る前に車両を停止できるよう、設備の増強や研究を行っていると話した。
また、風速計の設置で列車の運転見合わせ時間が短縮されたほか、安全管理に対する取り組みなどを強化した結果、新幹線では開業以来、乗員や乗客の死者が出ていないと成果を強調した。
清野会長はさらに、鉄道が各地の人や文化、景観、物産などと結びついて観光客の増加につながればと期待を示し、それぞれの地域に面白みのある列車を運行し、観光の振興に一役買うことができればとの考えを語った。
左ひざ手術の元阪神・林威助、日本のファンへメッセージ動画公開
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台湾プロ野球、中信兄弟の林威助が14日、左ひざの手術を受けたが、手術前に収録された日本人ファンへのメッセージ動画も同日公開され、ちょっとした話題になっている。
動画で林は、「(手術後は)しっかりリハビリをやって一日も早く球場に戻れるよう頑張っていきたい」と早期復帰を誓った。球団側の発表などによると、手術は無事に終了し、早ければ8月にも試合に出るという。
昨年まで阪神に在籍した林は今年2月、中信兄弟と2年契約を結び、打線の中核として日本球界で培った経験を活かすことになった。3月23日のデビュー戦で本塁打を打つなど、ファンを沸かせるプレーもあったものの、4月5日の義大戦で左ひざを負傷し、同月30日の統一戦を最後に戦線離脱した。それまでは26試合に出場、1本塁打、10打点、打率1割9分2厘と低迷していた。
▼ 林選手のメッセージ動画(http://youtu.be/wgtOhrzwwe8)
中華航空がベトナム発の臨時便を運航へ デモ拡大で
チャイナエアライン(中華航空)は、ベトナムで中国大陸に対するデモが拡大し、台湾企業や現地に滞在している台湾の人などにも影響が出たのを受け、15日に臨時便を運航すると発表した。
チャイナエアラインでは、15日午後にホーチミン発の臨時便を389人乗りのボーイング747−400型機で運航するほか、定期便2便も機材を大型のものに変更し、合わせて1167人分の座席を確保する。同社では15日深夜もさらに1便の臨時便を増発し対応する予定。
エバー(長栄)航空も使用機材を大型のものにすることを決定しており、今後の対応については状況をみて決めたいとしている。交通部では航空会社と協議し、ベトナムに滞在している台湾の人を迅速に帰国させることで一致した。
昨夜ベトナムから台湾に到着した人たちは緊張の色を隠せない様子で、荷物を持たず、裸足のままの子供の姿も見られた。一方で、現地へ向かうビジネスマンもおり、実際に被害状況を確認したいと話した。
総統夫人の訪日、「ぜひ実現してほしい」=台北・故宮博物院
東京で来月催される国立故宮博物院(台北市)の美術品の貸し出し展示に合わせ、馬英九総統の周美青夫人が文化交流団の名誉団長として訪日するかに注目が集まる中、同院の馮明珠院長は14日、「訪問要請をするにしても総統府の了承を得る必要がある」と明言を避けながらも、「ぜひ実現してほしい」と期待感を示した。
台湾の歴代ファーストレディーのうち、陳水扁総統(2000〜2008年在任)の呉淑珍夫人がベルリンでの台北・故宮博物院展に合わせ、2003年7月にドイツを訪問している。
台江湿原で新種の魚を発見/台湾・台南
台江国家公園管理処は14日、台江湿原(台南市)で採集された魚がハゼに似た新種の魚、台江擬鰕虎(カマツカの仲間)だと確認され、国際的な学術誌で紹介されたと発表した。
同処では国立台湾海洋大学海洋生物研究所に委託して台江湿原の魚類の多様性に関する調査を進めた際、台江河口の淡水と海水が交わるマングローブの沼で採集された魚がDNA鑑定などの結果、新種の台江擬鰕虎(Pseudogobius taijiangensis、タイジャンカマツカ)であることが確認された。
この魚は体長が2〜4センチメートルで主として台江地区に生息するが、宜蘭県・頭城と桃園県・観音郷の河口でも採集された記録がある。
カマツカ(擬鰕虎)属の魚はインド洋や西太平洋の河口のマングローブの沼で塩分の希薄な海水に生息し、有機物や藻、小さな無脊椎動物をエサとしている。
米国の対台湾窓口トップ、「台湾放棄論」に反論
近年、米国の学者の間で「台湾放棄論」が出ているのに対し、米国在台湾協会(AIT)のレイモンド・バッガード理事長は12日、抑止と生存の能力が台湾防衛の鍵であると述べ、米台間が台湾防衛について行ってきた徹底的な議論が優れた成果を上げており、台湾は非対称戦力や装備の維持に長けていると強調した。
この発言は米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)とブルッキングス研究所が共催した台湾関係法関連のシンポジウムで行われたもの。
バッガード氏は米国の政治学者、ジョン・ミアシャイマー氏が打ち出している「台湾放棄論」について、主張の提出を歓迎しながらも、日本、英国、台湾のような島嶼は防御において有利だとして、米台両政府の役割を考慮に入れるべきだと述べた。
同氏は、これまで米台双方の政策決定者が台湾の防衛について徹底した議論を重ねており、台湾の非対称戦力や武器の保有などに大きな進展があったとした。また、台湾が自ら開発したり他国から購入する装備は、まさにミアシャイマー氏が指摘するような脅威に備えてのもので、台湾はこの方面に優れていると評価した。
バッガード氏はさらに、抑止と生存の力こそが台湾防衛の鍵だと指摘。抑止力とは北京がもし台湾に武力攻撃を行った場合、反撃の能力があることを相手に認識させて軍事行動を思いとどまらせることであり、生存力とは第三国が介入するまで持ちこたえる力を台湾が有することを指すと説明。中国大陸が軍備を拡張しつつ、台湾を目標とした訓練を行っていることに触れ、台湾が専門の部隊に十分な投資をすることが重要だと強調した。
外交部、越政府に台湾企業関係者の安全確保などを要請 デモ拡大で
ベトナムで発生した中国大陸に対するデモの被害が、現地の台湾企業に波及したことを受け、外交部の林永楽部長は、ブイ・チョン・ヴァン駐台北ベトナム経済文化弁事処代表(大使に相当)を呼び出し、ベトナム政府に対して台湾の企業関係者の身の安全の確保と被害を受けた企業への損害賠償をするよう求めた。
同国南部ビンズオン省の工業団地ではここ数日、南シナ海の西沙(パラセル)諸島付近で石油掘削を開始した中国大陸への抗議デモが発生し、暴徒化した群衆が団地内の台湾や日本、シンガポール系企業などにも影響を与えている。
ブイ・チョン・ヴァン氏はこれに対し、台湾を含む外国企業関係者の安全を確保するため、同国政府は軍や警察を動員して沈静化を図っていると説明した。
今回のデモでベトナムの台湾人学校2校が休校となったほか、教師や企業関係者ら数人がけがをしている。また、政府関連省庁の発表では、14日午後2時現在、放火などの被害に遭った台湾系企業はビンズオン省とドンナイ省の2カ所で計10社に上っている。両地域の台湾企業からなる組織「台湾商会」のデータによると、現地に進出している台湾企業は約900社あるという。
外交部は14日、両地域に対する警戒レベルを「渡航の是非検討」を求めるイエローから「不必要な渡航の回避」を促すオレンジレベルに引き上げた。
ジャパンマテリアル、台湾で特殊ガスの生産増強[IT]
半導体や液晶パネルの製造工程に使われる特殊ガスの供給装置などを手掛けるジャパンマテリアル(三重県菰野町)は今秋以降、台湾の特殊ガス充填(じゅうてん)工場の生産能力を2倍に増強する。投資額は約2億円。スマートフォン向けの半導体・液晶メーカーでの需要の拡大に対応する。
同社は1999年、台中市に全額出資子会社の茂泰利科技を設立し、台湾の顧客向けに日本国内で製造した特殊ガス供給装置の販売やメンテナンスなどのサービスを開始した。2009年には特殊ガス充填工場を新たに設け、半導体の基板上に薄膜を製造する際に使われるジクロロシランなどを製造・販売している。
ジャパンマテリアルの広報担当者によると、早ければ10月にもガス充填工場の製造設備の増強を開始する。年明けには、中国に進出している台湾企業向けにも、台湾工場で生産したガスの販売を始める計画。中国ではこれまで、液晶パネル大手の京東方科技集団(BOE)に特殊ガス供給装置を販売した実績があり、来年以降、市場開拓を本格化する。現在台湾工場の年間売上高は約7億円で、中国では年間10億円程度の販売を目指すという。
馬・総統、台湾企業へのサポートを指示(ベトナム)
ベトナムでは南シナ海の領有権問題について、反中国大陸の暴動が起き、現地で展開している台湾企業関係者に飛び火をした。多くの台湾企業の工場が破壊され、ものが奪われた。
与党・国民党の主席を兼務する馬英九・総統は14日、国民党の中央常務委員会で、ここ数日、ベトナムで発生した暴動について常に関係機関と連絡を取り、状況の把握に努めている。一部の台湾企業関係者が負傷したという情報を受けたが、命に別状はないようだと説明した。
馬・総統は外交部に対して、ベトナム政府に、現地の台湾企業関係者の人身の安全確保に全力であたるよう要求することを指示した。
一方、外交部の林永楽・部長は14日午前、中華民国台湾駐在のベトナムの代表を召喚、ベトナムでの暴力行為を強く非難すると共に、中華民国政府の強い関心も伝えた。林・部長は、ベトナム政府に対して事件の鎮静化に努め、直ちに秩序を取り戻し、台湾企業関係者の安全を守るよう求めたほか、台湾企業が受けた損害について、すべてが落ち着いてから、ベトナム政府は責任のある態度でこの問題に臨み、関連の補償を検討するよう促した。
外交部:国民を避難させる予定はない(ベトナム)
外交部の林永楽・部長が、ベトナムにいる中華民国国民を当面避難させる予定はないとしている。中国大陸は西沙諸島付近の海域で石油ボーリングプラットフォームを設置したことから、ベトナムの南東部に位置する地方自治体の一つである、ビンズオン省(ベトナム語:Tỉnh Bình Dương, 漢字:平陽省)の住民は、中国大陸への反対を示す大規模な抗議行動を行った。しかし、この抗議行動は後に暴動に発展し、現地に投資している台湾企業関係者の工場がひどく破壊された。
ベトナムでは「一つの中国政策」が実施され、中華民国台湾のことは現地ではあまり認識されておらず、台湾は中国大陸の一部と見なされている模様。
林永楽・外交部長は14日、記者会見を開き、ベトナムの政府軍や警察の努力により、ビンズオン省の情勢が次第に改善されている。ホーチミン市は暴動の影響を受けていないが、外交部はホーチミン市周辺の地方自治体にいる台湾企業関係者に対して身の安全を注意するよう呼び掛けていると説明した。
林永楽・部長は、ベトナムの公安部門はすでに中華民国政府に、今回の暴動は中華民国政府とは無関係だと説明した。現地の公安部門はすでに協調に入ると共に、ベトナムの軍隊を出動させて警察に協力して事件の沈静化に努める。それと同時に、中華民国国民の人身の安全を守ると約束したと述べた。
林・外交部長は、外交部は当面、ベトナムにいる中華民国の国民を避難させる計画は無いが、情勢の変化を注視していくとしながらも、台湾に帰る台湾企業関係者がいる場合、外交部は台湾の大手航空会社、チャイナエアライン(中華航空)とエバー航空に必要なサポートを要求すると同時に、ベトナム駐在の中華民国代表処も関連のサポートを提供するとしている。
一方、外交部の報道官である、高安・スポークスマンは14日午前、ベトナムで発生した暴力行為を強く非難すると共に、ベトナム人に対して、現地の台湾企業の工場を破壊したり、台湾企業関係者の人身の安全を害したりするなど、投資意欲や両国の友好関係を損なうような、理性的でない行為を行わないよう自制を求めた。
なお、ベトナムホーチミン市駐在の中華民国の経済文化弁事処の陳柏秀・処長は現在、中国大陸に反対する暴動は、ブンタウ省(Tỉnh Bà Rịa-Vũng Tàu)の南東部に位置する都市、ブンタウ(越:Thành phố Vũng Tàu/城舗淎艚)、およびドンナイ省(ベトナム語:Tỉnh Đồng Nai, 漢字:同坭省)に広がる傾向があり、代表処はベトナムの公安部門と密に連絡をとって台湾企業関係者の安全を確保するよう努力すると述べた。
花東線で試運転するプユマ号
花東線全区間の電化工事は6月末に完成する見込み。台東の先住民プユマの名前で命名された、特急列車・プユマ号(普悠瑪号)は開通に向けて試運転。台東縦谷を走行する美しい姿は台東の住民を魅了した。
台湾の東部にある花蓮と東南部にある台東とを結ぶ路線、在来線、台湾鉄道の花東線の全線電化工事の完成に伴う開通が6月末にも実現できる見通し。台湾鉄道ではそれを祝うために、6月30日から7月4日まで、スピードの最も速い振り子式列車、新自強号とも呼ばれる、プユマ号(普悠瑪号)の乗客を対象に、乗車料金の割り引き措置を実施する。
およそ7000人がその対象となる見込み。6月30日からの5日間、全区間の乗車料金は22%安くなる。なお、台湾鉄道では6月30日に予定される、電化後の花東線の全面開通に合わせて7月16日にダイヤを全面改正する。
ミクシィ、台湾でスマホ向けゲーム展開
ミクシィのスマートフォン向けゲーム「モンスターストライク」はきょう(15日)、台湾でサービスを始める。海外でのサービスは初めて。台湾ですでにゲーム事業を展開するソネット台湾法人と提携してマーケティングを行う。当初はアンドロイド端末のみだが、近くiOS向けにもサービスを開始する予定。同ゲームのプロデューサーを務めるミクシィの木村弘毅氏は「台湾の文化は日本と近いことから、最初の海外サービス展開先に選んだ」と語った。
叙勲受章台湾人男性の「日本という国を愛して」に日本人が感動
4月29日、春の叙勲が発表され、4104人の日本人受章者とともに外国籍55人の受章が決定した。その中に「蔡焜燦(さい・こんさん)」の名前があったことに、日台両国で大きな歓声が沸き起こった。台北市にある蔡氏の自宅には多くの花や祝電が届き、お祝いを伝える関係者がひっきりなしに訪れている。
旭日双光章に輝いた蔡焜燦氏は、「まだ伝達を受けていないので、喜びのコメントは正式に受章してからにしたい」と穏やかに語るが、自宅に殺到する祝電や贈花は、蔡氏の叙勲を我が事のように喜ぶ人が日台に数多くいることを物語る。
自らを親日家ならぬ「愛日家」と称する蔡氏は、現在87歳。日本の短歌を愛好する「台湾歌壇」の代表として日本文化を広く紹介してきた功績が評価され、今回の叙勲となった。
それ以上に蔡氏の「愛日家」を象徴するエピソードは、作家・司馬遼太郎との交流である。蔡氏が日本で知られるようになったきっかけは、司馬が手がけた『台湾紀行』(『街道をゆく』シリーズの第40巻)だった。同作品の取材のために台湾を訪れた司馬の案内役を務めたのが蔡氏であり、作中に蔡氏は「老台北(ラオタイペイ)」として登場する。
司馬と「老台北」の、軽快で知的な掛け合いは多くの読者を魅了した。蔡氏の著書『台湾人と日本精神』(小学館文庫)では、台湾を訪れた司馬に、日本では珍しいヘチマ料理を振る舞った時のやりとりが記されている。
司馬が「痰一斗(たんいっと)」と詠むと、蔡氏はすかさず「ヘチマの水も間に合わず」と返す。続いて司馬の「ヘチマ咲いて」には、「痰のつまりし仏かな」。そして「おとといの」には、「ヘチマの水も取らざりき」──。
いずれもヘチマを題材にした正岡子規の俳句だが、司馬に同行していた新聞記者は、蔡氏の日本文化に対する造詣の深さに舌を巻いた。司馬はそんな「老台北」を見て、台湾の“日本語族”が、同じ歴史を共有する“日本人”であることを実感し、蔡氏を「博覧強記の人」「日本語の語感が確かな人」と評している。
蔡氏は台湾が日本統治時代だった1927年、台湾中部の清水で生まれる。地元の高校を卒業後、奈良にあった陸軍航空隊整備学校に志願入隊し、終戦を迎える18歳までを「日本人」として過ごした。終戦後は台湾に戻って体育教師を務めた後に実業家に転身。台湾随一の半導体デザイン会社・ウェルトレンド社の董事長(会長)などを務めた。
そんな蔡氏はビジネスの一線を退いた今も、日台の人的交流に全力を注いでいる。訪台する日本人の政治家や学者、ジャーナリストから大学生まで、彼らに台湾を案内し、日本と台湾の歴史について意見交換する。また、夜には台湾料理を振る舞いながら、日台の将来について語り合う。そんな時、「老台北」は決まってこう語りかける。
「皆さんは私に一宿一飯の義理ができましたね(笑い)。その借りを返してもらえるのなら、日本という国を愛してください。それが私へのお返しです。日本という国は、皆さんのものだけではなく、私のような“元日本人”のものでもあるのです。日本人よ、胸を張りなさい」
蔡氏のこの言葉に感動して涙する若者は少なくない。また、日本がこれほどまでに外国人から愛されていることに驚きを覚える者も多い。蔡氏はそうした日本への思いを綴った『台湾人と日本精神』を2001年に上梓し、同書は現在まで13刷を重ね、累計8万部を超えるロングセラーとなっている。
ベトナム語で「私は台湾人」=被害防止へシール配布―台湾
台湾・外交部の史亜平副部長によると、ベトナムで発生した反中国暴動で、台湾企業も放火や略奪などで大きな被害が出ていることから、ベトナム語で「私は台湾人です」、「台湾から来ました」などと印刷したシート2万枚を急遽、現地の台湾系企業や在住台湾人に配ることにした。
史副部長は、「ベトナム民衆による抗議事件は、中国大陸が南シナ海で石油採掘のプラットフォームを設けたことが原因」と指摘した上で、「台湾、日本、韓国、シンガポールの企業にも被害が出ている。正体が確認できないグループが工場ゲートを破壊して敷地内に入り、施設を破壊している」と述べた。
ベトナムには台湾企業約2300社が進出しており、現地に滞在する台湾人ビジネスマンは約4万人。一連の襲撃で、15日午前6時までに台湾企業15社が放火され、100社以上が略奪の被害を受けたことが分かった。被害総額については調査中という。
台湾企業が襲撃されていることについては、「ベトナム人が中国語の表示を理解できないことが、大きな原因」と考えられるため、中国人や中国系企業と間違われることを防ぐために、ベトナム語による表示を広めることにしたという。
台湾政府はすでに、ホーチミン市の代表処に「私は台湾人です」、「台湾から来ました」などと印刷したシート2万枚をただちに作るよう指示した。台湾企業に渡し、使用を促すという。
台湾で、海外同胞を支援する機関である僑務委員会の陳士魁委員長は、被害を受けた台湾企業が資金を必要とする場合には、信用保証の取り付けなどで積極的に協力すると表明。現地の台湾企業の団体である越南台商総会にも、台湾企業の事業再開について、各種の援助をするよう要請したという。
台湾・総統府「馬総統の米国永住権はすでに失効」
総統府の李佳霏報道官は15日、米国在台湾協会(AIT)からの情報として、馬英九総統の米国永住権「グリーンカード」が失効していたことを明らかにした。
週刊誌「壱週刊」は14日、馬英九総統が米国留学時に申請したグリーンカードは現在も有効で、米国政府に対して税金を納める必要があるなどと報道していた。
李報道官は14日の会見で、馬総統は20数年前に権利を放棄し、その後自動的に失効したと強調。仮に税金納付の必要があった場合、馬総統は辞職する構えがあり、全ての政治的責任を負うとしていたが、15日になって馬総統のグリーンカードが無効になったことを証明するAIT側の書類を公開した。
また李報道官は、民進党幹部の蘇貞昌氏や謝長廷氏、游錫コン氏などが馬総統を「恥さらし」、「世界中の笑い者」などと揶揄したことについて、国民と総統に向けて公式に謝罪するよう求めている。(コン=方方の下に土)
中国旅行者の台湾人気、香港の「立ちション論争」が影響?
中国本土からの旅行者の一部で香港の魅力が薄れる一方、台湾の人気は高まっている。
台湾観光局によると、労働節の連休(5月1-3日)に中国本土から台湾を訪れた旅行者の数は、前年同期比33%増の約3万2000人に上ったという。一方、香港を訪れた本土旅行者数は2%減の38万8070人となり、9カ月ぶりに前年同期から減少した。
中国の成長ペース鈍化や香港市民が本土旅行者に対して抱える不満など、香港への旅行者数が減少した理由はたくさんある。先月には、本土から来た家族連れが子どもに道でおしっこをさせた映像がネット上で広がり、香港市民の怒りが爆発。香港ではこの事件に対する抗議活動や厳しい意見が噴出した。
ウォール・ストリート・ジャーナルが最近実施した調査では、回答した中国語版読者1065人の約80%が、こうした事件は中国本土の旅行者に香港を旅行する気を失わせると答えている。
本土旅行者が香港を避ける理由がどうであれ、台湾の人気は高まっている。公式統計によると、1-3月期には前年同期比36%増となる約100万人の本土旅行者が台湾を訪れたという。台湾は今年、前年の287万人を上回る335万人の本土旅行者受け入れを目指しているが、この目標は簡単にクリアできそうだ。
ただ、台湾観光局によると、香港市民の怒りを避ける以外にも台湾が好まれる理由は数多く存在するという。観光局の職員Chi Yi-lingさんは、本土旅行者にとって台湾は生涯を通じて見聞きするなじみ深い地域だからだと話している。
Chiさんによると、日月潭や阿里山森林遊楽区など有名な観光スポットに加え、本土旅行者は宝石類やひすいなど、台湾を魅力のあるショッピングスポットとも見なし始めているという。
台北市にある超高層ビルで主要な高級ショッピングモールが入居する「台北101」の広報担当者、劉家豪氏は「高級ブランドを求める本土の消費者は、台湾が好きな商品を手ごろな価格で提供してくれ、香港だけが高級品ショッピングができる選択肢ではないと認識している」と語った。
劉氏はまた、台北101の売上高全体に占める本土旅行者の割合はここ数年20%近辺で横ばい推移だが、米ドル建てでは増加しており、台湾政府が本土の個人旅行者をより多く受け入れるようになれば増加基調は継続するとも指摘した。入手可能な中で最も新しい2012年のデータによると、本土旅行者1人当たりの支出額は1日平均で265米ドルと、台湾を訪れる旅行者全体の平均234米ドルを上回っている。
最新統計では本土旅行者の財布のひもが最も緩いという結果が示されており、旅行費用全体の6割がショッピングに使われている。この割合は、2番目に支出額が大きい香港・マカオの旅行者では3割となっている。
台湾政府が本土からの旅行客受け入れを開始したのは2008年で、当時は団体旅行者のみ台湾に入ることができた。2011年に始まった観光振興プログラムの一環として、現在では資格を持った本土旅行者であれば個人でも入ることが可能だ。このプログラムでは当初1日当たり500人の本土旅行者を受け入れていたが、現在はこれが4000人に膨らんでいる。
鴻海精密工業の第1四半期利益は過去最高、アップル向けが追い風
電子製品の受託生産世界最大手の台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業<2317.TW>が14日発表した第1・四半期決算は、主な納入先の米アップル<AAPL.O>からの需要増が追い風となり、純利益が第1・四半期として過去最高となった。
純利益は前年同期比19.5%増の195億4000万台湾ドル(6億4760万米ドル)。予想平均の181億8000万台湾ドルを上回った。
香港証券取引所で鴻海の株価は前日終値比0.3%高で終了した。
アナリストの推計によると、鴻海はアップルのiPhone(アイフォーン)など向けの部品の生産から収益の最大60%を稼ぎ出している。
アイフォーンなどのスマートフォン(多機能携帯電話)は先進国ではかなり普及が進んでいるため、鴻海のアップルへの依存度が高くなっていることは、同社の経営に功罪両面の影響を及ぼすとの見方も出ている。
調査会社のIDCは、スマートフォンの世界販売台数の伸び率は2014年は前年比19%と、前年の39%から鈍化し、2014─18年の平均伸び率は11.5%にとどまると予想。
販売台数が大きく伸びているのは新興国だが、こうした国では低価格モデルが主流になっている。ユアンタ証券のアナリスト、ビンセント・チェン氏は、「販売台数の伸び鈍化により鴻海の収益は将来的に損なわれる恐れがある」とし、「郭台銘(テリー・ゴウ)会長が成長の原動力を多角化する必要があるとしているのはこのためだ」と述べた。
鴻海は多角化の一環として、年内の第4世代(4G)通信事業への参入を予定。この他、クラウドコンピューティング事業向けにソフトウエア開発者を大量に採用するなどしている。
ただ、アップルが年内にアイフォーンの新機種を発売すると見られるなか、鴻海のアップル依存は当面は続くと見られている。
シティのアナリスト、ウェイ・チェン氏は、鴻海のアップルからの受注は2014年は9000万台と、「iPhone(アイフォーン)5S」の2倍近くになると予想。
同氏は、アイフォーンの新機種の画面は従来機種より大きくなると予想されているため、韓国のサムスン電子<005930.KS>などに流れていた需要を取り込める可能性もあるとし、「アイフォーン6は鴻海にとり、これまでにない大型製品となる可能性がある」と述べた。
利用者600万人超のモンスト、海外展開へ ― 第一弾は台湾
ミクシィが人気スマートフォン向けゲーム「モンスターストライク」の海外展開を図る。14日、同ゲームの海外展開第一弾として、台湾での提供を始めた。まずはAndroid版をリリースし、iOS版の提供は近日を予定。
モンスターストライクは、自分のモンスターを指で引っ張って弾き、敵モンスターに当てて倒していくゲームアプリ。1個あたり100円で販売されている有料アイテム「オーブ」を購入することでゲームを優位に進めていくことができるが、ゲーム内のミッションをクリアするなどで、購入しなくても同アイテムが入手できる仕組み。ユーザーは無課金でも遊び続けることが可能だ。2013年10月にiOS版、12月にAndroid版の提供を開始。現在の利用者数は600万人超。
台北メトロ環状線・板橋駅、いよいよ着工へ
新北市政府がこのほど発表したところによると、2016年末に開通が予定されている台北メトロ(MRT)環状線の板橋駅が今月末にも着工される。太陽光発電を取り入れた斬新な駅舎で、台北駅と並ぶ大台北エリアの新しい交通ネットワークの中心となることが期待されている。
新北市板橋区の都心部に位置する台北メトロ板橋駅は環状線第1段階14駅の1つ。フランス人建築家のエマヌエル・ムホー氏が手がける駅舎は、外壁が銀白色のLEDを使ったガラス張りで金属が美しい構造物を織りなす。台湾で初となる建物一体型太陽光発電(BIPV)が採用され、屋上部分394平方メートルに設置される42キロワットの太陽光パネルは1日平均2時間の日照時間で年間3万1400キロワットが発電でき、毎年18.9トンのCO2が削減可能だという。
新しい板橋駅が完成すれば現在の板橋駅と合わせて、台湾高速鉄路(高鉄)、台湾鉄路(台鉄)、台北メトロの板南線、環状線の4路線のほか、市内バスや長距離バスの65路線を結ぶ。環状線は他の台北メトロ8路線と接続しており、1度乗り換れば台湾桃園国際空港へもアクセスできるなど、大規模な旅客輸送ネットワークの中心となることが期待されている。
環状線の板橋駅は5月末に起工され、新埔駅までの文化路−民生路の一部区間などで交通規制が行われる。