乗客団結、容疑者と対決・・・取り押さえたのは62歳男性、武術「擒拿」の使い手=台湾の地下鉄内殺傷事件
台湾・台北市内の地下鉄車内で21日午後4時半(日本時間、同日午後5時半)に発生した、男が周囲の乗客を刃物で次々に切りつけ多数の死傷者を出した事件で、容疑者を取り押さえたのは62歳男性の陳風さんだったと分かった。陳さんは、関節技などで相手を制圧する中華武術の「擒拿」を学んだことがある。陳さん以外にも事件に遭遇した多くの乗客が、女性乗客などを気づかいながら容疑者と対決したことが分かった。聨合報など台湾メディアが報じた。
電車が龍山寺駅を発車した直後に、鄭容疑者は持っていた刃物で周囲の乗客を襲い始めた。車内にいた目撃者によると、すでに切られたとみられる男性乗客が血だらけの手で傘を握って鄭容疑者と対峙して「あっちへ行け!」などと叫び続けた。その隣では白髪の男性と傘を握った比較的若い男性が鄭容疑者の前に立ちふさがった。
鄭容疑者は襲撃を続けることができなくなり、あたりをきょろきょろと見まわしていた。電車が次の江子翠駅の構内に入り速度を落とし始めると、鄭容疑者は再び乗客に襲いかかろうとしたが、傘を握った若い男性や白髪の高齢男性が阻止した。
電車が止まる間際になると、「ドアが開いたら逃げるのよ!」という女性の声が響いた。傘を持っていた男性は「前にいる人(容疑者に近い場所にいる人)はすぐには動くな。遠い人からゆっくりと車外に出て!」と注意した。鄭容疑者を不用意に刺激しないための指示だった。
自分から離れた場所で乗客が車外に脱出しはじめたことで、鄭容疑者は再び乗客に突進しようとしたが、若い男性や白髪の男性に阻止された。
犯行が発生した電車が江子翠駅に到着した時、ホームの向い側にはちょうど、反対方向行きの電車が到着していた。陳さんはその電車に乗っていた。多くの人が「人殺しだ!」、「助けて!」などと叫ぶのが聞こえた。
陳さんは乗っていた電車を飛び降り、反対側の電車に走った。車内の床にはところどころに血がべっとりとついており、7、8人の乗客が刃物を持った男と対峙していた。陳さんによると「血走った目をした男が、血まみれの刃物を振り回していた」という。
容疑者と対峙していた人は後ずさりしながら車外に出た。陳さんも共に、ホームに降りた。鄭容疑者を遠巻きにしていた。散発的に、傘で突いたりホームにあったごみ箱で鄭容疑者が持っていた刃物をはたき落そうとする人もいたが、うまくいかなかった。
鄭容疑者は、刃物を振り回しながら、改札方向に向いはじめた。陳さんは「あいつを駅の外に出しちゃいけない。街には人が大勢いる。襲うかもしれない」と思った。
そこで、鄭容疑者の前に躍り出た。鄭容疑者は陳さんをにらみつけ、「何をする。かかってこいよ!」と叫び、刃物を振りかざして陳さんに駆け寄った。
陳さんはとっさに身をかわし、鄭容疑者の刃物を持つ腕をとって相手の体の後方にねじりあげた。鄭容疑者の手から、刃物が床に落ちた。金属質の音が鳴り響いた。
周囲にいた人が殺到しようとした。陳さんは「これは、まずい」と思った。確保しているのは鄭容疑者の腕1本だけで、多くの人がぶつかることではずれてしまえば、鄭容疑者が身体の自由を取り戻し、落ちている刃物を拾って再び振り回さないとも限らないからだ。
そこで、鄭容疑を押すように飛びあがってから自分の体重をすべて鄭容疑者にあずけ、床に倒してねじ伏せた。やや無理のある動作だったが成功した。その直後に警察官が到着し、鄭容疑者に手錠をかけて身柄を拘束した。
**********
同事件は4人が死亡し21人が負傷する、台湾では前例のない無差別殺傷事件だった。台湾社会は衝撃を受けたが、多くの人が力を合わせて襲撃者に対抗したことで、社会全体としての健全さが示されたとして、人々をやや安堵させた。素手で容疑者に立ち向かい制圧した陳さんには、特に称賛が集まっている。
陳さんは中華武術の「擒拿(チンナー)」を学んだことがあるという。「擒拿」は関節技などで相手を可能な限り傷つけずに制圧する武術で、中華武術の特徴のひとつである「『巧』で『拙』を攻める、『柔』で『剛』に勝つ」という性格が色濃いとされる。
日本電気硝子の「見えないガラス」、台湾で発表[製造]
ガラス製品や太陽光発電設備などの代理販売を手掛ける鼎鼎(Deniz)は22日、同社が台湾で代理販売する日本電気硝子の特殊ガラス「見えないガラス」の発表会を開いた。日本電気硝子の100%子会社で製品の販売を請け負う電気硝子建材(大阪市)の大下純夫社長も出席し、製品をPRした。
見えないガラスは、超薄板ガラスの表裏に高性能の反射防止膜を施し、ガラス表面の反射率を限りなく低下させた製品。光を反射する割合を示す「視感反射率」は、一般的なガラスが片面約4%なのに対し、見えないガラスは0.08%まで抑えた。日本国内では既に宝石店や高級ブランド店などで採用されている。
大下社長は「これまでも反射率を抑えたガラス製品は眼鏡などに使われてきた。見えないガラスは反射率をさらに下げ、大型化と高耐久性を実現したことが特長」と説明。コストがやや割高なため、まずは美術・芸術品の展示向けを主な用途と位置付けており、将来的には携帯電話などの分野での応用も視野に入れている。
鼎鼎の営業担当者によると、見えないガラスの今年の目標販売額は600万台湾元(約2,010万円)。既に台北市立美術館での採用が決まっている。今後は、台湾政府が推進する文化クリエーティブ産業の発展を商機とみて、同産業での採用拡大を狙う。
バナナ減産で価格高騰
出荷量の減少と国内市場での需要の高まりを受け、台湾南部の屏東県で生産されるバナナの産地価格が上昇した状態が続いている。
業界関係者は昨年の台風や豪雨でバナナの木が倒れて生育に影響が出るなどしたため、今年の生産量が減少しており、1キログラムあたり30〜45台湾元の高値を記録していると話す。
最近ではコンビニエンスストアでの販売も始まり、手軽に食べられるとしてビジネスマンや単身者を中心に人気なことも、価格高騰の要因のひとつとして考えられるという。
一方、日本への輸出量は減少に転じている。毎週2〜3回日本向けに出荷される量は例年の10トン以上に比べ約7トンに減っており、バナナの需要は安定していない。屏東県政府では農家に対し、価格が上昇しているからといって無計画に植えないように呼びかけている。
(1元=3.37円)
不動産の信義房屋日本法人、Q1取引総額が前年比120%増
不動産仲介大手の信義房屋日本法人が発表した1―3月期の売買成約件数は125件で、取引総額は前年同期比120%増の65億円だった。日本法人の何偉宏・社長は「統計によれば日本の不動産利回りは主要国中徳富の5.53%に達し、家賃収入をそのままローン返済に当てる顧客も少なくなく、日本での不動産購入を『日本円建て預金』と捉えている。こうした動きが日本の不動産購入の動きを加速させている」と語った。
地下鉄無差別殺傷 混乱の最中に勇敢な一般市民が活躍
台北メトロ(MRT)板南線で21日に発生した無差別殺傷事件の際、多くの勇敢な一般市民が混乱の中で犯人確保や乗客の避難などに貢献していたことがわかった。
西門町の病院に通院するため事件が起きた江子翠駅にいた陳風さん(62)は、改札口から逃走しようとした犯人の男を取り押さえた。高校の時から武術を心得ていたという陳さんは、自分よりも大柄の犯人が持っていたナイフを素手で振り払った後、首を押さえつけて動きを封じた。
非番の日に妻子と予防接種に出かけていた新北市の消防隊員、李東瀚さん(=写真)はホーム先端部分に非常口があるのを見つけ出し、運転を見合わせた対向電車の乗客ら約20人を誘導して避難させた。李さんは「火災現場などでは自分が救助する側だったが、まさか自分が被害者になるとは」と日常生活に突如降りかかった凄惨な事件を振り返る。
また、亜東病院(新北市)での講習を終えて対向電車に乗っていた看護師の林さんも、状況を知って自分の危険も顧みずに、出血していた被害者の止血や心臓マッサージなどに取り組んだ。
事件ではこれまでに4人が死亡、24人が重軽傷を負っており、現在も15人が入院している。
越が台湾の投資繋ぎ止めに6措置提示
経済部が、ベトナムは台湾からの投資を繋ぎ止めるため、6措置を提示したとしている。経済部は22日、経済部の沈栄津・次長が率いる訪問団がベトナムを訪問、ベトナムの暴動事件で最も影響を受けたビンズオン省のSongThan工業区とシンガポール工業区などを視察したと明らかにした。ベトナム側はベトナム計画投資省のDao Quang Thu副大臣、ビンズオン省のTran Van Nam副省長らが同行し、台湾企業の被害状況の把握に努めた。また、ベトナム台湾事務委員会のVu Tien Loc主席は、ベトナムのグエン・タン・ズン首相が提示した6つの措置で、台湾企業の操業再開をサポートすると伝えたという。
経済部投資処の楊宏・副処長によると、6つの措置とは、ベトナム財務省が保険会社に対し、台湾企業の損失に対する賠償金を前払いするよう指導すること、税申告と納税の期限を最長で2年間遅らせること、輸入貨物の免税及び原材料の免税措置の拡大、外国人労働者の入境ビザ及び外国籍幹部の労働ビザの手続き簡素化と条件の緩和、被害を受けた期間の職員の賃金を社会保険基金の失業保険から給付すること。
外交部の史亜平・次長は22日の閣議後に行われた記者会見で、訪問団は23日にハノイ市を訪れ、大臣クラスに当たるベトナム台湾事務委員会のVu Tien Loc主席のほか、ベトナムの関連機関の高官と会い、台湾企業の操業再開、ニーズなどについて直接ベトナム側と話し合うと明らかにした。
経済部の杜紫軍・次長は、訪問団はベトナム側に対してすでに、省政府あるいは工業区に台湾企業のサポート、賠償の申請を受け付ける統一窓口を設けるよう求めたとしている。また、ベトナム政府が明らかにした外国企業に対するサポート措置がいつ始まるかについて、杜・次長は、Vu Tien Loc主席は21日に、台湾企業に対してはただちに実行可能であることを約束したと話した。
杜・次長は、経済部は26日あるいは27日に、技術サポート、保険、会計、財務の専門家などでからなる第二陣の訪問団をベトナムに送り込み、台湾企業へのサポートをさらに進める考えを示した。
4月の台湾からの訪日観光客、韓国おさえトップに
日本政府観光局(JNTO)は21日、4月に日本を訪れた外国人旅行者が123万1500人で前年同月比で33%増加し、2カ月連続で最高記録を更新したと発表した。このうち、台湾からの観光客は25万7900人で前年同月比で30%増加、トップだった韓国をおさえて訪日外国人旅行者のトップの座を占めた。
JNTOでは、台湾は4月は前月に引き続き訪日韓国人数を大きく上回って訪日旅行者数最多の市場となっているとし、その背景には年初からのLCCの新規就航・増便や地方路線の増便、観桜ツアーや立山黒部ツアーの好調があると分析している。
訪日旅行者のうち著しい成長をみせているのがフィリピン(前年同月比2.3倍増)やタイ(同65%増)など東南アジアで、中国大陸からの観光客は同90%の増加となった。これは3月末の羽田空港国際線の増便と関連しているとされ、昨年に比べて羽田を利用する外国人が13万人(20%)程増えたという。
訪日旅行者が台湾に次いで多かったのは、韓国(19万4000人)、中国大陸(19万600人)、タイ(9万9400人)、米国(8万5300人)、香港(7万9300人)、豪州(3万200人)、フィリピン(2万9700人)などとなっている。
訪日外国人旅行者は2013年に1036万人を記録し、初めて1000万人を突破。2020年に政府が掲げる2000万人の目標達成が期待されているが、これに対応するため観光バスやガイド、通訳などの増員・増強が急がれる。
日台観光サミット開催 今年の相互交流400万人突破に期待/台湾・墾丁
今年7年目を迎える日台観光サミットが23日、屏東県のリゾート地、墾丁(ケンディン)のホテルを会場に開催され、陳建宇交通部次長や台湾と日本の観光団体の関係者180人以上が出席。参会者からは今年の日台相互訪問者数目標の400万人突破は問題ないとする声が上がった。
頼瑟珍・台湾観光協会会長は挨拶の中で、台北で1回目の会合を催した2008年以来、台日の観光市場は世界金融危機、東日本大震災、新型インフルエンザ、円安など多くの試練を経たが、双方の努力の下で台日相互訪問者数は6年間に129万638人成長、成長率は52%に達し、相互訪問者数の目標人数は300万人から400万人となったが、その突破は絶対に問題ないと述べた。
山口範雄・日台湾観光推進協議会会長は2013年は日台にとって実り多き1年で、相互交流が拡大する中、台湾から日本を訪れた人は220万人に達し、前年比50%増を達成、平均で10人の台湾人のうち1人が日本を訪問していることになるとした。一方、最近の調査では台湾が日本人の海外旅行先の選択肢のトップの座を占め人気上昇中で、訪台旅行者は増加傾向にあり、長年かけて築かれた日台の友好関係がうかがえるとした。
謝謂君・交通部観光局局長は、台日間の訪問者数は去年376万6919人を記録し、台湾から日本への訪問者数も50%成長したほか、今年1〜3月期もすでに40%の伸びをみせていると指摘。また、去年日本では円安のあおりを受け海外旅行を控える人が多かったが、その中で訪台数は成長を維持し、今年1〜3月期も成長が続いているとして今後に期待を示した。
2013年は観光局主催によるクラシックカー台湾一周イベント「ラリーニッポン」が開催されるなど日台観光交流が極めて盛んで、2014年の台湾観光大使には有名歌手・俳優の福山雅治さんが任命された。このほか、台湾観光協会は去年8月、愛媛県と友好交流・互助提携発展協議書に調印、松山市と台北市松山区の2つの松山空港同士を結ぶ直航便を正式に就航した。今年3月には台湾と香川県で友好交流協定書を締結、香川名物・讃岐うどんと台湾の牛肉麺の食を通じた交流などが進んでいる。
越発給ビザの国籍欄、Taiwanに変更
外交部が、ベトナムが中華民国の国民に発給するビザの国籍欄が、「China(Taiwan)」から「Taiwan」に改められたと明らかにした。
このほど、ベトナムで事業を展開している台湾企業関係者が、現地での反中国大陸運動の巻き添えとなり、中華民国政府はベトナム政府に、台湾企業への損害賠償を求めることになっているが、その他に、ベトナム政府が台湾を中国大陸の一つの自治体とみなしている問題にも注目が集まっている。
外交部亜東太平洋司の陳龍錦・副司長は22日、政府が再三要求した結果、ベトナム政府が中華民国台湾の国民に発給するビザの国籍欄、およびビザを申請する公式ウェブサイトにおける表示は、いずれも従来の「China(Taiwan)」から「Taiwan」に改められたと明らかにした。
陳・副司長は、「今年の3月と4月まで、ビザ発給システムの問題で、ベトナムが中華民国の国民に出したビザの国籍欄ではChaina(Taiwan)の記述が見られたが、交渉した結果、今ではすべて英語のTaiwan、もしくはベトナム語の『台湾』になっている」と話した。しかし、まだ一部に誤った表記が残っているとのことで、外交部は今後も交渉を継続する。
なお、外交部の林永楽・部長は21日夜、台湾のメディアとの茶話会で、ベトナム政府に対し、ベトナムの人々に台湾と中国大陸の間にはいかなる隷属関係も無いことを分からせるような具体的な対策をとるよう要求すると話している。
仏外相、中国警察官のパリ派遣報道を否定=「フランスにも警察はある」
台湾のニュースサイト・NOWnews(今日新聞網)によると、フランスのファビウス外相は、香港メディアが報じた「フランスが中国に対し警察官の派遣を要請する方針である」との情報を否定した。
中仏国交樹立50周年に当たる今年、中国からフランスを訪れる観光客が増えるとみられているなか、香港メディアは先日、急増する中国人観光客の安全を保障するため、フランスが中国に対し警察官の派遣を要請し、パリ市内で合同パトロールを行う方針であると報じていた。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、ファビウス外相は「フランスにも警察はあり、中国人観光客を守ることはできる。中国の警察官を派遣させることが必ずしも最善策とは言えない」と述べ、中国の警察官がパリでパトロールすることはありえないとの考えを示した。また、フランス内政部が中国人観光客向けに中国語のサービス専用ダイヤルを設置する予定だという。
2012年には延べ140万人の中国人観光客がフランスを訪れたが、中国人を狙った強盗や襲撃事件は増加傾向にあり、不安の声が上がっている。一方で、毎年約4000人の中国人がフランスへ密航しており、2004年には中国から警察官2人がシャルル・ド・ゴール国際空港に派遣されている。
テニスの?姉妹組、仏大会で準決勝進出
台湾の女子プロテニス選手、チャン姉妹がフランスの大会のダブルスで準決勝に進出した。
WTA(女子テニス協会)のツアー大会、賞金総額25万米ドルのストラスブール国際は、17日からフランス・ストラスブールで開催されている。
21日、ダブルスの準々決勝が行われ、この大会第3シードとして出場している台湾のチャン・ユンジャン(?詠然)、チャン・ハオチン(?皓晴)の姉妹ペアが、カナダとポーランドの選手のペアをゲームカウント7-5、7-5のストレートで下し、準決勝進出を決めた。2人は23日、決勝進出をかけて準決勝で第2シードのオーストラリアのペアと対戦する。
行政院長、MRT無差別殺人の動機解明等指示
江宜樺・行政院長は22日午後、台北市内の和平病院を訪れ、MRT台北新交通システムでの無差別殺傷事件で負傷した人たちを見舞った。江・行政院長は、同様の事件の再発防止策などについて談話を発表した。
江宜樺・行政院長が、MRT台北新交通システムでの無差別殺人事件について、犯行の動機を解明し、然るべき処罰を与えるよう指示した。21日午後、台北新交通システムの車内で、21歳の男が乗客を次々と切りつけ、4人を殺害、21人に重軽傷を負わせる事件が発生。台北市の郝龍斌・市長と新北市の朱立倫・市長は、各駅の警察人員の増員及び巡邏を強化するよう指示。
内政部の陳純敬・次長は22日午前、報道陣に対し、内政部警政署が台北市政府MRT警察隊に80名の保安警察を増員した事を明らかにした。また、新北市警察でもMRT各駅での巡邏を強化しているとし、類似した犯罪の防止に努めていることを説明。
陳・次長は、江宜樺・行政院長から、公共の場所や人が多く集まる場所の治安維持や同様の事件の予防措置について検討するよう指示があったとして、内政部ではこれに迅速に取り組むと述べた。また台北新交通システムは運行区間が台北市と新北市の両市にまたがる事から、内政部は警政署が統一して指揮をとる事、また在来線の台湾鉄道、台湾の新幹線こと台湾高速鉄道と併せて、防犯へ取り組んでいくことについても検討しているという。
交通部と内政部は22日、閣議で関連の処置、対策について報告した。江・行政院長は被害者とその遺族に対して哀悼の意を表した上で、被害者の家族へのサポート、動機の解明、処罰を指示した。また、内政部、交通部には、警察人員の増員で公共交通機関の安全を確保すると共に、適切に対処できるよう職員の訓練も強化するよう指示した。
なお、新北市の地方検察署は22日早朝、新北地方裁判所に対し、容疑者の勾留、面会禁止を請求、新北地裁は午前6時20分に勾留を決定し、容疑者は台北拘置所に移送された
台湾・高雄産の最高級ライチ「玉荷包」、日本への輸出拡大見込まれる
高雄市大樹区生産のライチの最高品種「玉荷包」の日本向け輸出の拡大が見込まれている。
同市大樹区は台湾で最も有名な玉荷包の生産地で、全市の栽培面積2800ヘクタールのうち、55%が同区で生産されている。年間生産量は約2万トン、生産高は12億台湾元(約41億円)を上回る。
高雄市政府農業局の関係者によると、大阪市の青果卸売業者が22日、玉荷包の契約栽培について地元の農協と話し合ったほか、農協からの玉荷包購入も予定しており、今後の市場拡大が見込めるという。
玉荷包は5月中旬〜6月中旬にかけてが収穫の最盛期で高雄の大樹、旗山、内門で生産されるものは優れた品質と高い糖度で好評を博している。特に日本やカナダ、シンガポール、香港で人気が高く輸出量は右肩上がりで伸びている。
失業率がついに4%以下に
4月の失業率が、世界金融危機以降初めて4%を下回った。行政院主計総処は22日、最新の雇用と賃金に関する統計を発表した。4月の就業者数は1104万人で、前月比で1万3000人増。業界別では卸売および小売業で6000人増えたのが最大。
4月の失業率は3.91%で、3月に比べて0.12ポイント低下。2008年に世界金融危機が起きて以来初めて4%を下回った。
主計総処によると、2008年6月の失業率は3.95%だったが、その後は金融危機によって失業率は上昇し、4%以上が続いた。しかし、今年3月は公的機関及び民間企業の求人状況が改善したため4%を下回ったという。
主計総処は、まもなく卒業シーズンとなり、卒業生が職探しを始める事から、今後も失業率が4%以下を維持できるかどうかについては慎重な見方をしている。
なお、20歳から24歳の失業率は、前月比0.39ポイント低下の12.84%、25歳から29歳では同0.10ポイント低下の6.91%となっている。また、大卒以上の人の失業率は前月比0.18ポイント低下の4.80%だった。
また、平均賃金についても発表された。主計総処によると、景気のゆるやかな回復に加え、企業がボーナスを支給した事から、今年1月から3月までの経常性賃金の平均は台湾元3万7808元と、前年同期比で1.31%増え、過去最高となった。また、ボーナスや残業代などの非経常性賃金は、台湾元1万9774元で、前年同期比で14.69%増。この2つを合計した1月から3月の平均給与額、台湾元5万7500元は、前年同期比で5.54%増え、過去最高となった。
また、3月の工業及びサービス業で働く人々の経常性賃金の平均は台湾元3万7950元で、2月に比べて1.11%増、前年比で1.39%増となった。非経常性賃金を足した3月の平均給与額は4万2710元で、2月と比べて2.30%増、前年同期比で3.18%増となっている。
高級パイナップル、大阪へ 旬の味を日本でも
高雄市で22日、同市内門産のパイナップル500箱が日本へ向けて海路、出荷され、来週から大阪のスーパーマーケットなどに出回ることになった。複数の台湾メディアが伝えた。
今回、日本向け輸出が決まったのは、高雄市中部の内門区で生産されるパイナップルの高級品種「台農17号」。消費者には「金鑽」(ゴールデン・ダイヤモンド)のブランド名で親しまれており、ジューシーで甘い香りが特徴だ。
大果大阪青果と準大手スーパー・イズミヤの2社は今月20日、幹部職員を現地に派遣し、パイナップルの甘みなどを確認した上で出荷を決定したという。
内門区でのパイナップルの作付面積は85ヘクタールと、高雄市南西部の大樹区の819ヘクタール(2008年)を大きく下回るが、「金鑽」の栽培がメイン。同区農会(農協)では、大阪での売れ行きが好調な場合、生産規模を拡大して安定供給を目指したいとしている。
4月の訪日旅行者、台湾が最多
4月に日本を訪れた外国人のうち、中華民国台湾の人が最も多かった。写真は台湾のテレビ番組の日本ロケ。台湾のタレント、白冰冰(中央)さんら岩手県で「大食い女王」の菅原初代(左)さんらとわんこそば対決。白さんとスタッフの4人がかりでも完敗。(写真:中天テレビ提供、CNA)
4月に日本を訪れた外国人旅行者数が過去最高を更新し、そのうち中華民国台湾からの人が最も多かったことがわかった。日本政府観光局は21日、4月に日本を訪れた外国人旅行者数を公表、4月に日本を訪れた外国人旅行者は前年同月比33%増の、延べ123万1500人で、2ヶ月連続で過去最高を更新した。
3月30日、東京羽田空港の国際線が増便したことで、羽田空港を利用して日本を訪れる外国人旅行者が前年同月比で20%、延べ人数で約13万人増えた事が原因の一つとして指摘されている。
各国の旅行者のうち、延べ人数の増加が比較的目立ったのは、東南アジアからの旅行者で、昨年同期比でフィリピンからが3.3倍に増え、タイからは65%増加、中華民国台湾からの旅行者は30%増の、延べ25万7900人で最多に。これらの国々からの訪日延べ人数はいずれも過去最高を更新した。また、中国大陸からの旅行者も90%増の、延べ19万人となっている。
観光、交流を専門分野とする日本のシンクタンク、JTB研究所は、日本を訪れる外国人旅行者が2020年の目標数である、延べ2000万人に達した場合、東京の宿泊施設は1万室不足し、観光バス、通訳、ガイドなど、いずれも増やす必要があるため、関連の産業は早めに対策を練るべきだとしている。