行政院長、エルサルバドルの大統領就任式へ
行政院の江宜樺・院長が、エルサルバドルの新大統領の就任式に出席する。中華民国と正式な国交を持つ友好国、エルサルバドルは今年はじめに大統領選挙を行い、サルバドル・サンチェス・セレン氏とオスカル・オルティス氏がそれぞれ大統領、副大統領に当選した。馬英九・総統はこのほど、江宜樺・行政院長を代理特使として、エルサルバドルで6月1日行われる大統領就任式に出席させると決定した。
特使団は18人、30日深夜に出発し、6月4日に帰国の予定。往路帰路ともにアメリカのロサンゼルスでトランジットする。
外交部の柯森耀・次長は23日、江・行政院長は式典への出席の他、両国が協力して進める、エルサルバドルにおける「一地方一特産品」プロジェクトを視察、エルサルバドルの新たな大統領、副大統領および政府高官と会談すると明らかにした。
柯・外交部次長は、「江・行政院長夫妻はエルサルバドルで、新大統領、新副大統領、現職の大統領夫人、そして政府高官らと会い、双方が関心を寄せる提携事項について意見交換する」と話した。
柯・次長は、エルサルバドルの大統領就任式には、1999年に当時行政院長を務めていた蕭万長・前副総統、2004年には当時の呂秀蓮・副総統、今回は江・行政院長が出席するとして、中華民国のエルサルバドルとの関係重視を示すものだと説明した。
台湾株、9000の大台を突破 約3年ぶりの最高値
23日の台北株式市場の株価は電子や金融関係の銘柄主導で上昇し続伸して引けた。終値は前日比38.59ポイント(0.43%)高の9008.22で約3年ぶりの高値となり、取引高は961億1400万台湾元(約3250億円)だった。
主要電子銘柄のうち、光学部品メーカー大手の大立光電が急騰し、2080台湾元(約7000円)と過去最高値を付けた。上げ幅は4.79%。そのほか、電子機器の受託製造サービス(EMS)最大手、鴻海(ホンハイ)精密工業の株価は1%高、DRAMの生産メーカー、華亜科技(イノテラ)は5.2%高となっている。
金融株については台湾の大手金融グループ、中国信託ホールディング(HD)などの株価上昇はいずれも1%を上回っている。
地下鉄駅で鈍器所持の男を逮捕
台北メトロ(MRT)の台北駅で22日、指名手配中だった男が逮捕された。
逮捕されたのは、公共危険罪で桃園地検から指名手配されていた蕭容疑者。不審な行動が見られ、巡回中の警察官が職務質問したところ、本人だと判明した。
警察はまた、男が所持していた玩具の銃とみられるものと長さ50センチメートルの金属ヤスリを押収した。
台北メトロの駅や車内では、21日に起きた無差別殺傷事件を受け、警備体制が強化されている。
地下鉄殺傷事件で犯人の両親「取り返しのつかない罪」 大学側「彼は我々の一員」
21日、台北メトロ板南線の電車内で21歳の男が乗客を刃物で切りつけ、4人が死亡、24人が負傷した事件を受け、23日、犯人の両親が「息子は取り返しのつかない罪を犯した」などとした謝罪文を公表した。
謝罪文は冒頭、「被害に遭われた罪のない方々とご家族に深くお詫びしたい」とし、「息子が起こした事件に驚きうろたえるばかり。幾度申し訳ないと繰り返したところで皆様の痛みを償う術も会わせる顔もない」、「親としての責任は非常に重い。息子の罪はどんな厳しい制裁によっても償いきれるものではない」と述べ、被害者の代わりに自分たちが苦しみを受けたい思いだとし、「被害者と家族の方に深い悲しみと謝罪の意を表し、社会に不安と恐怖を与えたことを陳謝します」などと締めくくった。
一方、犯人が学んでいた台湾中部の私立大学では22日、事件に対する遺憾の意とともに被害者と家族へ向けて謝罪と見舞いの声明を発表。これと同時に全教職員と学生に向けてメッセージを発表した。
メッセージでは「皆がそれぞれ自分の身の周りにいる人のことを気にかける“天使”であってほしい」、「(事件のあった)江子翠は今はもう一地名ではなく、亡くなった人や傷を負った人たちは(犯人が在籍する)大学の者として悲しみと涙を呼び起こす魂だ」とした。
また、犯人について、「去年2年生に編入してきた一人の学生ではもはやなくなった。一夜にして、私たちの一人ひとりはその悲喜勝敗にかかわらず、同じ大学の家族(一員)だということに気づかされた。私たちは彼らを愛している。だが十分に愛せてはいなかった」とし、大学内の生活指導担当者が犯行よりしばらく前に学生と面談していたにもかかわらず問題を発見できなかったとふり返った上で、今この時から、自分のそばにいる授業に出てこない学生や下宿や寮の友人、鬱々とした表情の人に少しでも声をかけようと呼びかけている。
不動産の信義房屋日本法人、Q1取引総額が前年比120%増
不動産仲介大手の信義房屋日本法人が発表した1―3月期の売買成約件数は125件で、取引総額は前年同期比120%増の65億円だった。日本法人の何偉宏・社長は「統計によれば日本の不動産利回りは主要国中徳富の5.53%に達し、家賃収入をそのままローン返済に当てる顧客も少なくなく、日本での不動産購入を『日本円建て預金』と捉えている。こうした動きが日本の不動産購入の動きを加速させている」と語った。
中国、対日「政経分離」戦術鮮明に チャイナリスク…にじむ危機感
日本の尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化や安倍晋三首相(59)の靖国神社参拝などに反発していた中国が、政治問題と経済協力など民間交流を切り離して対日関係の改善を狙う「政経分離」の戦術を鮮明にし始めた。中国の高虎城商務相(62)が17日、山東省青島市で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易担当閣僚会合に出席した茂木敏充経済産業相(58)との会談に応じて、「日本との経済関係を重視し、関係安定と発展を望む」と述べたからだ。
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昨年12月の安倍首相の靖国参拝後、中国は5カ月近く日本の閣僚との会談には応じてこなかった。高商務相は、中国が主権を主張する尖閣問題では一歩も引かないとの原則を示しながらも、経済では関係打開の糸口を探る姿勢をみせた。習近正政権が現段階で取りうる最大限の譲歩策を示したと受け止められる。
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だが、そこには中国側の事情に基づく“危機感”がにじむ。中国商務省が16日発表した今年1〜4月の対中直接投資実行額で、日本からの投資が前年同期比で46.8%も減少したことが分かったからだ。人件費高騰や中国リスクへの冷徹な経営判断が背後にある。
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中国は密接な経済関係を築いている対日関係の悪化が、ブーメランのように自国経済にも中長期的なダメージを与えることを理解している。成長の減速が続く中国には、日本企業の“中国離れ”を少しでも食い止めたいのが本音だった。
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習政権が「政経分離」を明確にした青島での日中閣僚会談からさかのぼること1週間。日中の外交政策ブレーンが上海で10日、「両国関係の難局打開」をテーマに非公開の討論会を行った。その席で中国側の有識者が「少数の軍国主義者と大多数の日本人民を厳格に区分せよ」とする毛沢東時代からの対日政策の「二分法」堅持を習政権に対し提言すると明言していた。
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討論会には日本から宮本雄二・元駐中国大使(67)ら、中国から政治協商会議の趙啓正・前外事委員会主任(74)らが出席した。“分断工作”ともいえる「二分法」の提言だが、中国ビジネス拡大に期待を抱く日本企業や、安倍政権に反対する日本国内の勢力に“共闘”を呼びかける戦術に結びついた。
中国の有識者は、「実のところ『二分法』は1972年9月の日中国交正常化の基礎でもあり、中国は原点に戻ったにすぎない」と話した。毛沢東(1893〜1976年)や周恩来(1898〜76年)ら当時の指導者は、日本政府に台湾と断交させ、中国と外交関係を結ぶ政策を急ぐため、中国国内の反日感情を抑制しようと、「戦争責任は日本の一部の軍国主義者にあり、大多数の日本国民はむしろ中国人と同じ被害者だ」と説得した。
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本心がどこにあったかは別として、「二分法」を方便として対日強硬派を抑えて、80年代の改革開放路線以後、日本企業の相次ぐ工場進出や雇用創出、技術供与に加え、巨額の政府開発援助(ODA)を引き出して、日中関係が発展する原動力になったのは事実。
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いま再び、軍部も含む習政権内部の強硬派の“主戦論”をなだめ、経済面で日本から実利を引き出すためには、毛沢東の名まで引き合いに出す「二分法」による「政経分離」を掲げることが得策との判断が働いたようだ。戦術を理解した上でどう反応すべきか。駆け引きのボールは日本側に投げられている。
元中日のチェン、7回途中5失点で6勝目ならず
大リーグ、オリオールズのチェン・ウェイン(陳偉殷)投手が22日、地元ボルチモアで行われたインディアンス戦に先発登板し、6回3分の2を5失点で6勝目はならなかった。
初回を三者凡退に抑え、上々の立ち上がりを見せたチェンだが、2回に本塁打を浴び1点を先制されると、続く3回にも暴投などで2点を失い、リードを広げられた。6回にそれまで沈黙していた打線が5点を奪ったことで白星はつくかと期待されるも、7回は同点を許し途中で降板した。5勝2敗、防御率4.08だった。
試合はオリオールズが延長13回の末、7−8で敗れた。
中国大陸・福建でバス事故、台湾からの団体客2人死亡・5人不明
中国大陸の福建省漳州で23日、台湾からの団体客らを乗せた観光バスが川に転落し、乗客乗員26人のうち、2人が死亡、19人が負傷、5人が行方不明となった。
一行は23日昼頃、福建省の世界遺産「華安土楼群」からアモイに戻る途中、同省漳州市華安県内の利水村沙坑口付近でバスが大雨によりスリップ、九龍江に転落した。乗車していた26人(大陸人運転手とガイド含む)のうち、19人が病院に緊急搬送されたが3人が重傷を負っている。地元の関係当局は現在も不明者の捜索を急いでいる。
この旅行ツアーは22〜25日の日程で金門、アモイ、福建省の「永定土楼群」などを回る予定だったが、永定土楼群の所在地では連日集中豪雨による土砂崩れが発生したため、目的地は「華安土楼群」に変更され、その復路で事故が発生した。
交通部観光局の統計によると、台湾が大陸への親族訪問を解禁した1987年から2013年4月までの間、現地旅行中に事故などで死亡した台湾市民は計110人。特に1990年10月に広東省・広州白雲空港で起きた航空事故による死者数が最多で、犠牲になった128人のうち31人が台湾からの旅行者だった。
ウナギ稚魚の国内仕込み量と取引価格の推移
高騰を続けてきたウナギの価格が今年は低下しそうだ。冬から春にかけて取れるウナギの稚魚(シラスウナギ)の不漁が続いていたが、今年は漁獲高が大幅に回復。日本鰻輸入組合によると、国内の(養殖池で育てる稚魚の)仕込み量は前年比約2倍の約25トンに達した。安い稚魚を育てたウナギが出始めるのはこれからだが、供給が大幅に増えるのは確実だ。昨年まで値上がりしていたスーパーのかば焼きやウナギ専門店のうな重が今夏、一斉値下げに転じる可能性がある。
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◆極度の品不足解消
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乱獲などにより稚魚は昨年まで4年連続の不漁で、30トン近くあった国内の仕込み量は12トンまで激減した。ウナギの生態は謎が多く、漁獲高が増加に転じた理由は不明だが、今年は前年比で倍増した。中国でも約14倍の約41トンと急増しており、台湾、韓国なども含めると70トンを超える豊漁となった。
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稚魚の取引価格も、仕込みが始まる前の昨年11月に1キロ当たり300万円台だったが、漁獲高が増えるにつれて下落。極度の品不足が一転し、稚魚の動向を調査している水産庁の予測では「平均価格は100万円を下回る」(栽培養殖課)見通しだ。
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三河湾に面し、養殖ウナギの生産高で長年日本一の町として知られた愛知県旧一色町(現西尾市)。取引価格が全国の価格に影響するといわれる「一色うなぎ漁業協同組合」で今月中旬、昨年12月に仕込みを始め、今年初めて池揚げされたウナギの取引が始まった。注目された価格は1キロ(4匹)当たり5000円前後。2000円前後で推移した例年に比べると価格は約2.5倍だった。
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稚魚が豊漁だったにもかかわらず高値で取引されたが、漁協担当者は「天井に向かう相場だった昨年の最需要期である7月ごろの価格と今年の初値がほぼ同じ」と説明。その上で「安い価格で仕入れた稚魚から育ったウナギが今後入ってくることを踏まえると今が高値。6月以降はかなり下がる」と予想する。
ウナギの養殖事業者は、冬から春にかけて日本や中国などで収穫した体長5〜6センチの天然の稚魚を、ビニールハウスで覆った養殖池で水温を約30度に保って、1匹250グラム程度になるまで育てる。早いものでは約半年で出荷される。
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ウナギの供給量が本格的に増えるのは1〜2カ月先だが、既に先安観は強い。スーパーの仕入れ価格は「3月以降、前年比で3割程度下がった」(日本鰻輸入組合の森山喬司理事長)。
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高値で取引された稚魚が原料となっている中国産かば焼きをもつ卸業者などが値崩れに巻き込まれないよう販売を急いでいるからだ。実際、5月の大型連休明け以降、都内のスーパーでは1匹1000円を切る中国産かば焼きが出始めたという。
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◆専門店は一安心
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相場下落に一安心しているのは、高騰に苦しんできたウナギ専門店だ。例年なら1キロ当たり2500円程度だった仕入れ価格がここ1〜2年、5000〜6000円に跳ね上がったものの、価格転嫁し切れない専門店もあり、廃業が相次いだ。東京鰻蒲焼商組合では160あった加盟店が90まで減った。「みんな四苦八苦してきた。仕入れ価格の反転で赤字の商売から抜け出せるといい」と三田俊介理事長は期待を寄せる。
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三田さんが経営する老舗ウナギ専門店「渋谷松川」(東京都渋谷区)は一昨年、最も安いうな重の「菊」を300円値上げした。現在は2268円だが、今夏以降の値下げを検討している。三田さんは「経営は苦しいが、値段が高くて食べ控えているお客さんのためにも仕入れ価格が下がってきたら(値下げで)期待に応えたい」と話す。
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とはいえ、消費者のウナギ離れは深刻だ。「高いイメージが定着して人気が低く、スーパーの売り場が縮小している。楽観視できない」(全国鰻蒲焼商組合連合会)との声も多い。
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総務省の家計調査によると、「土用の丑の日」がある7月に、ウナギのかば焼きを買った家庭は03年の54.6%から13年は31.7%に落ち込んだ。スーパーなどでの値上げが相次いだ影響もあって、10年前に半数超だった購入家庭は3分の1以下に減った。
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価格の下落を追い風に消費者のウナギ離れに歯止めをかけるには、「価格競争を警戒するスーパーがタイミング良く売り場を拡大するかどうかだ」と森山氏は指摘する。
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今年の土用の丑の日は7月29日。暑い夏を乗り切るスタミナ食の代表としてウナギが復権を果たすことができるか。丑の日を前に、消費者が値下がりを実感できるかにかかっている。