中国の安邦保険集団(Anbang Insurance Group)が、米国のホテル業界で「爆買い」している。米ホテルチェーン、スターウッドホテル&リゾート(Starwood Hotels and Resorts)に対し130億ドル(約1兆4800億円)近い価格を提示している他、米投資会社ブラックストーン・グループ(Blackstone Group)からは16の高級物件を65億ドル(約7400億円)で購入している。
2014年に米ニューヨーク(New York)のランドマークである老舗高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク(Waldorf Astoria New York)」を買収したことが大きく報じられた安邦保険集団は、スターウッドの買収候補として首位に立ち、すでに同社の買収で合意している高級ホテルチェーン大手マリオット・インターナショナル(Marriott International)に対する脅威となっている。
スターウッドは14日、10日に安邦保険集団から一方的に、買収価格128億ドル(約1兆4600億円)に相当する1株あたり76ドル(約8700円)の申し出を受けたと明らかにした。これは、スターウッドが昨年11月にマリオットから提示された現金と株式による1株63.74ドル(約7300円)の申し出を上回る金額だ。
安邦保険集団がスターウッドに接触していることが報じられる中、同集団が米高級ホテルグループのストラテジック・ホテル&リゾート(Strategic Hotels & Resorts)をブラックストーン・グループから65億ドルで買収することが、ある情報筋から確認されている。ブラックストーンは、ストラテジックを3か月前に買収したばかり。
現状を把握する人物が14日、AFPに語ったところによると、安邦保険集団とブラックストーンはすでに確定協定に署名しており、取引成立については近日中に発表される見込みだという。