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オバマ米大統領は20日、大統領専用機でキューバの首都ハバナに到着した。現職の米大統領としては88年ぶりの同国訪問となった。
米国とキューバは昨年7月に国交を回復。オバマ氏は今回の訪問を、キューバにさらなる人権状況の改善や経済開放を促す機会とし、同時に敵対国との関係改善を図る外交政策の成功例として記憶に残したい意向だ。
オバマ氏はミシェル夫人と夫人の母、2人の娘とともに、大統領専用機でキューバ入り。降り続く雨の中、傘をさして空港に降り立った。機内からツイッターでキューバ国民にあいさつの言葉を送り、「皆さんと直接お会いして話を聞くのが楽しみだ」と書き込んだ。
米政府は昨年来、キューバとの渡航、通商制限の緩和を進めてきた。ただ、キューバ政権が人権改善や経済開放に動く気配はほとんどみられない。
米議会では大統領選に向けた共和党の候補者指名を争うマルコ・ルビオ上院議員やテッド・クルーズ上院議員を中心とするキューバ系議員らが、融和路線は改革に消極的なキューバ政権を利するばかりだと主張。対キューバ経済制裁の解除がオバマ氏在任中に実現する見通しは立っていない。とはいえ、米大統領専用機のハバナ着陸は5年前なら想像もつかない光景だった。
オバマ大統領は訪問に先立つCNNとのインタビューで「今後の歩みには時間がかかる。これはその始まりであって終点ではない」と強調した。
キューバに到着したオバマ氏はまず、ハバナ市内に最近改めて開設された米大使館を視察。22日までの滞在中、ラウル・カストロ国家評議会議長との3度目の直接会談に臨むほか、歓迎式典や公式晩餐会に出席する。国営テレビでの演説や反体制派との面会、旧市街の散策、野球親善試合の観戦なども予定している。