中国人富豪「中国と台湾をつなぐ橋」の建設構想に246億円寄付の意向=台湾側「内容知らない」
2014年6月10日、台湾紙・旺報によると、中国の実業家・陳光標(チェン・グアンビャオ)氏は9日、15億元(約246億円)を寄付してアモイと台湾の金門県をつなぐ「金厦和平大橋」を建設すると宣言した。中国新聞網が伝えた。
陳氏は、金門県の李沃士(リー・ウォーシー)県長を受取人とした小切手を振り出したが、李県長は「内容を把握しておらず、陳氏とも面会したことがない」とこれを一蹴した。
李県長は、「県は金門に貢献してくれる方を歓迎しているが、地に足の着いたやり方でなければ受け入れらない」として、県は内容を把握していないが、今後陳氏の意向が明らかになれば適切に対応したいと述べた。
陳光標氏は9日、中国から30人余りを引き連れて金門を訪れ、各地を見学した。陳氏はその前日、アモイで「金厦和平大橋」建設のため、個人名義で台湾の指導者・馬英九、李沃士、和平大橋会社にそれぞれ5億元、計15億元の小切手を寄付すると発表した。
陳光標氏は、1997年に遊覧船で金門とアモイの海域を観光した際に、橋の建設を思いついたと語っている。構想では、橋は上下2層に分かれ、上部は自動車道、下部にリニアモーターカーを通し、ガスパイプ、電線を通すという。
台達電子、日本で太陽光発電所設置へ
電源ユニット大手、台達電子工業(Delta)の海英俊・董事長は10日、日本で太陽光発電所建設用地を購入したことを明らかにした。2015年中に操業を開始する予定。これまで同社は発電所向けに電源ユニットを提供してきたが、これにより発電所運営に参入する。発電所の規模については「過去に建設に協力した淡路島の発電所の出力2メガワットを上回る」と語るにとどめた。
トラブル続出の桃園空港トイレ 10億円かけ順次改修
台湾桃園国際空港の温永松副社長は、近年になり汚水が溢れるなどのトラブルが多発しているトイレについて、すでに3億台湾元(約10億2000万円)の特別予算を編成し、昨年から改修工事を行っていると語った。来年末までに完成させたい考え。
桃園空港によると、第1、第2ターミナルには全部で444カ所のトイレがあるという。最近は特に利用客が増加していることから、サービス向上の一環として改修が決まった。設備の更新だけでなく、空間の拡張も行われている。
また、利用者のトイレ環境に対する満足度を調査する装置を取り付けるほか、万が一の際に係員に通報できるボタンなども設置する。
一方で、利用者の中には便器にマスクや輪ゴム、生理用品などを投棄する人がおり、排水管が詰まる原因になるとして、サービス品質の維持に協力を求めている。
ユニクロ台湾、値上げの有無は7月に公表
カジュアル衣料品店チェーン「ユニクロ」が日本で今夏から発売する秋冬向け新商品の値上げを発表したが、現地法人・台湾優衣庫(ユニクロ台湾)が販売する商品の値上げの有無に関しては7月に公表される見込みとなった。
ユニクロ台湾では商品を中国大陸や東南アジア諸国にある生産拠点からドル建てで輸入しているほか、運送費や関税も各国市場で異なるため、価格を調整するかは7月に公表するとしながらも、品質維持のため、秋・冬物から価格改定を行う可能性があると示唆している。
2010年10月の進出後、多くの台湾の消費者の心を掴んだユニクロ。今月6日に台北市南部に新規開店したばかりの景美瀚星店を含め、現在の店舗数は45に達している。
行政院長:自由経済示範区を後ろ向きに見るな
行政院の江宜樺・院長が、自由経済示範区(モデルエリア)をマイナスの態度で見ないよう呼びかけた。江宜樺・行政院長、国家発展委員会の管中閔・主任委員、経済部の張家祝・部長、財政部の張盛和・部長、金融監督管理委員会の曽銘宗・主任委員、行政院環境保護署の魏国彦・署長らは10日午前、主要経済団体の一つ、中華民国工商協進会が開いた「工商朝食会」に出席、財界のリーダーたち20人あまりと意見を交わし、経済や財政に関する問題を話し合った。
江・行政院長は、輸出受注や景気警告信号、失業率などの改善で、国民は景気の先行きに楽観的になっているとする一方、台湾には地域経済統合への参与の可否や、中国大陸との経済貿易面での正常な関係を維持していくかどうか、さらには将来のエネルギー問題など、コンセンサスが必要な問題が多く存在すると指摘、政府はこのため、経済貿易国是会議と全国エネルギー大会を開催すると説明した。
全国エネルギー大会について江・行政院長は、従来と異なる条件を想定することで未来のエネルギー政策を固めていく考えを示した。江・行政院長は、「これまでは第一原発、第二原発、第三原発が予定通り退役したあと、第四原発が切れ目なくエネルギー供給をつないでいくと想定していたが、第四原発が皆の意見によって稼動できない場合のことも考えなければならない。いかにして別のエネルギーを発展させ、可能な枠組みの中で将来のエネルギー政策を策定していくか。そして、我々の経済と国民の生活が必要とする、安くて安定した電力を供給していくか。これは政府の重要な責任だ」と話した。
また、江・行政院長は13日からの立法院臨時会で、行政院は自由経済モデルエリアに関する法案を優先して推進するとし、野党は後ろ向きな態度でこれを見ず、台湾の未来の発展にかかわる重要な経済政策を冷静に思考するようにと呼びかけた。
震災支援に感謝 日本人が自転車で台湾一周に挑戦
2011年の東日本大震災における台湾からの支援に感謝しようと、日本人大学生らが11日、自転車での台湾一周の旅に出発した。台湾での様子は動画撮影されてインターネット上で公開される予定で、「台湾の良さを日本の皆さんに伝えていければ」と話している。
台湾一周の旅に挑戦しているのは茨城出身の大学生、山口智之さんと東京出身の今井啓輔さん。台湾から寄せられた多額の義援金に対して「ありがとう」のメッセージを届けるため、11日早朝に台北を出発した。21日間かけて左回りで台湾を一周する。
山口さんたちが着用するサイクリングウェアには中国語で「ありがとう!被災者に代わって感謝の気持ちを伝えます」などと書き込まれている。台湾到着後にサドルを日本に忘れてきたことに気づき、急遽現地で調達するハプニングに見舞われたが、予定通り旅を開始した。
1日目は新竹まで走行。台湾を離れる際には、茨城県北茨城市立大津小学校の児童らが書いた「謝謝台湾」の寄せ書きやイラストなどを中華民国紅十字(赤十字)会に届けるという。
倖田來未、8月の台湾ライブで“完全燃焼”めざす
歌手の倖田來未が10日、8月中旬に台湾公演を行うのに先立ち、台北でPRイベントを行った。倖田は“完全燃焼”を誓うなど、精力的にステージをこなすことをアピールした。
倖田はこの日、昨年の台湾ライブでは会場の制限で“不完全燃焼”だったが、今回はパワーを全開すると意気込みを語った。また、機会があれば訪れたい台湾のスポットとして、倖田の母が勧めたという北部の観光地、九フン(=にんべんに分)などを挙げた。
2009年台北で初の単独海外公演を開催して以来、台湾での活躍が目立つようになった倖田。台湾公演は「KODA KUMI LIVE TOUR 2014〜Bon Voyage〜」のファイナルを飾り、8月16日に台北市内の南港101文創会館で行われる。5月8日にチケットの販売が開始されたがすでに7割が売れたという。
立法院臨時会、両岸服貿協定の審議は困難か
立法院臨時会(臨時国会)では、台湾海峡両岸服貿(服務貿易)協定(サービス貿易協定)は議題にならない模様。立法院臨時会は13日から3週間の日程で開かれる。
与党・国民党の立法院党団(議員団)の計画では、最初の2週間で考試院と監察院の人事同意案を処理し、その後にその他重要法案を話し合う。重要法案として国民党では、「自由経済モデルエリア特別条例」、「台湾海峡両岸協定監督条例」、高齢農家を対象とした補助金に関する条例の改正案、「長期ケアサービス法」と関連の組織法などをあげている。
今年3月に学生らによる反対運動が起きた両岸サービス貿易協定について、国民党では臨時会の議題として計画しているものの、時間に限りあるため審議は難しいとの見方。
国民党中央政策会の林鴻池・執行長は10日、「今回の臨時会は短い。また、サービス貿易協定は、まず両岸協定監督条例の審議をある程度進めないと議題に加えられない。しかし、両岸協定監督条例はまだほとんど進んでいないので、臨時会でのサービス貿易協定審議は大変難しい」と話した。
台湾の親子関係、夏休みなどの長期休暇にギクシャクしやすい?
湾では夏休みや冬休みなど子どもと一緒にいる時間が長くなる休暇時になると、4割超の保護者が怒りっぽくなることが児童保護団体の調査でわかった。
「台湾児童及び家庭扶助基金会」は3月17日から4月11日にかけて、小中学生の保護者を対象に長期休暇中の親子関係に関する実態調査を実施。785人から回答を得た。
これによると、88%の回答者が「冬休みや夏休みになると、より多くの時間をかけて子どもの世話をしなければならなくなる」と答えたという。また「期間中に負担感が大きくなる」と感じている人が80%、「子どもの食事準備や生活、宿題指導などのため、毎日の仕事時間が3時間余り増えた」と回答した人も約7割を占めた。
親子一緒に過ごす時間が長くなることで「怒りっぽくなった」と挙げた回答者は44%。38%は就寝時間やパソコンの使用、テレビの視聴、宿題の進捗状況などをめぐって「子どもとの衝突回数が増加した」と答えた。子どものこれらの行動を変えようと、43%の回答者が「責めたり叩いたりしている」という。
サントメの大統領が北京へも?外交部が警戒
外交部が、サントメ・プリンシペの大統領が中国大陸の北京を訪れることを警戒している。アフリカに位置する友好国、サントメ・プリンシペのマヌエル・ピント・ダ・コスタ大統領は近日中に、プライベートな身分で中国大陸の上海を訪れるとされているが、政治的によりデリケートな北京まで足を伸ばす可能性が伝えられている。
外交部の高安・スポークスマンは10日、これについて、ダ・コスタ大統領は中国大陸訪問はプライベートなもので公式な活動は無いとしているとの従来の説明を繰り返した上で、外交部は今後の動きを注視していくと強調した。
また、ヨーロッパ唯一の友好国である、バチカン市国が中国大陸と指導者レベルの対話を行うと伝えられていることに対しては、馬英九・総統と呉敦義・副総統が昨年と今年、相次いでバチカン市国を訪れている他、双方の交流は非常に頻繁だと述べて、友好的な関係を改めてアピールした。
4割強の高齢者 健康面などに懸念
台湾の高齢者のうち、6割が「高齢者は体が弱く病気がち」だと認識しており、4割超が「他人の負担になっている」と感じていることが、10日に発表された衛生福利部国民健康署の調査結果でわかった。
同署が2013年に15歳以上の2万4624人を対象に行った高齢者に対する固定概念調査によると、「体が弱く病気がち」だと答えた人は61%に達し、「自分で問題解決する能力がある」は68%、「家族や社会の負担になっている」は44.3%、「労働ができない」は48.3%だったという。
15〜29歳の若者は高齢者に対して最も楽観的に考えており、「体が弱く病気がち」と回答した人はわずか22.9%。8割以上が「自分で問題解決する能力がある」と認識していた。
ところが、高齢者は4人に1人が「体が弱く病気がち」だと思っており、健康なお年寄りでも半数近くが健康面で悲観的なイメージを抱いていた。
国民健康署の担当者は成人の9割が持病を抱えているとしながらも、それが虚弱だということではないとして、固定概念にとらわれずに老後を楽しんでほしいと話している。
父親の生まれ故郷を探す日本人 台湾・嘉義市が調査協力
日本統治時代の台湾で生まれたいわゆる「湾生」の父親の出生地を探していた北海道大学教授の馬場さんが、台湾の友人や嘉義市などの協力により、無事に出生地を見つけることができた。
日本に帰る5歳まで嘉義市で生まれ育った父親の思い出話を、幼少期によく聞かされていた馬場さん。出生地について知りたいという思いから、成功大学(台南市)の教授を通じて、嘉義市の土地を管理する地政事務所に調査を依頼した。
地政事務所は馬場さんから提供された日本統治時代の地名を元に調査を進めたが、出生地の割り出しには至らなかったため、同市の戸政事務所(戸籍管理事務所)に協力を要請し、戸籍資料から父親の生まれた場所を見つけ出した。
父親の名前は佐々木嘉郎さん。「嘉」の漢字は当時の地名である「台南州嘉義郡」にちなんで名付けられた。今回の調査で馬場さんの祖父が同地の小学校に勤務していたことも分かった。
馬場さんは嘉義市が90年以上前の資料をたよりに、短期間で父親の出生地を見つけ出してくれたことに驚きを隠せない様子で、協力をしてくれた人々に感謝し、ぜひ台湾を訪問したいと喜びを語った。
人気博物館世界トップ20、台湾からは故宮など2カ所がランクイン
文化や娯楽施設業界の非営利団体「テーマド・エンターテイメント協会」(TEA)が10日発表した人気博物館の世界トップ20で台湾の国立故宮博物院(台北市)と国立自然科学博物館(台中市)がそれぞれ13位と18位にランクインしたことが分かった。
これによると昨年、故宮博物院を訪れた入場者数は前年比1.2%増の延べ441万2000人で、自然科学博物館の年間入館者数は同15%増の339万6000人に達した。特に後者の増加幅は20の博物館のうち4番目に大きいもの。
世界の人気博物館トップ20のうち、イギリスとアメリカがそれぞれ6つを占めた。上位3位は順にルーヴル美術館(フランス・パリ)、国立自然史博物館(アメリカ・ワシントンD.C.)、中国国家博物館(北京)。
野球「プレミア12」、単独開催の台湾が大会成功に自信
来秋に予定されている野球の国際大会、「プレミア12」の台湾開催が確実となったのを受け、中華民国野球協会の林宗成秘書長(事務局長)が10日、大会の成功に自信を示した。
プレミア12は、2011年まで開かれていたワールドカップに代わり、国際野球連盟(IBAF)によって新設された大会で、野球の強豪12カ国・地域が対象。2015年11月開幕の初回大会を巡り、台湾と日本の共催も検討されていたが、権利問題などでまとまらず、日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は9日、開催を断念したことを明らかにした。
プレミア12の台湾単独開催について、林秘書長は「1999年の18U世界野球選手権(現・18U野球ワールドカップ)を皮切りに、この15年来10以上の国際大会を行ってきた」とアピールしたうえで、「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のようなハイレベルのものにしたい。大会を成功に導く自信がある」と意気込んだ。
ゴミだった“わら”を再利用 日本輸出で町おこしにも期待
台東県に住む若者が、米の収穫後にゴミとして捨てられていたわらを再利用し、地域でデザイン性に富むわら縄を製作したところ好評になっている。今年3月には日本市場への進出も果たした。
子供の頃から田んぼのある環境で育ち、収穫後の稲の香りに深い印象を抱いているという台湾原住民(先住民)、アミ族の蔡智豪さん(28)は、労働部が進める産業開発プロジェクトに参加し、わら縄作りに取り組んでいる。
原住民が多く住む集落では、伝統的な織物や木工産業などが飽和状態に達しており、新たな産業の育成が急務となっている。そこで注目されたのが、柔らかく加工がしやすいわらだった。地域の住民と一緒に、競争力を持つわら縄作りが始められた。
わら縄の用途は広く、農水産品や工業製品、林業などで大量に使用されるほか、ビニール製の従来品よりも地球にやさしい梱包材として注目を浴びた。現在では日本の神社で使われるしめ縄作りにも対応するなど、多様な商品を製作している。
労働部の担当者は、地域の新たな産業として就業機会と生活水準の向上につながればと将来の発展に期待を寄せている。
台湾唯一の史跡指定デパート、「ハヤシ百貨店」 メディアに公開
今月14日のリニューアルオープンに先立ち、台南市の史跡指定を受けているデパート「林百貨」が11日、メディアに公開された。
「林百貨」は日本統治時代の1932年(昭和7)年に南台湾で初の百貨店として開業。当時の台南で最高層となる6階建てだが、最上階の面積が小さいことから5階建てに見える。
日本の敗戦により林百貨は廃業したが、その建物を再利用しようと市では2010年から3年かけて修復にあたり、昨年1月に工事が終了。同年6月末から2カ月にわたって行われた一般開放期間には、約10万人が店内の随所に残る日本時代の面影に思いを馳せた。
頼清徳台南市長はクリエイティブ商品をメーンに取り扱う同百貨店は台湾で初めてで、文化首都としての市の精神を表現していると述べ、文化を重視する同市の姿勢をアピールした。
長い歴史を持つ百貨店としてリニューアルオープンする店内には、ご当地グルメやデザイン、ギフトなどのテーマを持つ18の売り場が設けられ、京都の抹茶専売店も出店する。