HONHAIの郭台銘氏、シャープと中小型パネル提携交渉
電子機器受託生産大手、鴻海精密(HONHAI)の郭台銘・董事長は、海外メディアに対し、日本のシャープとの中小型パネル事業の提携実現に向けて、高橋興三・社長と1時間にわたり会談したことを明らかにした。モバイル端末好調で中小型パネル需要が高まっており、シャープとの提携を拡大したい方針だ。郭氏によると、会談はシャープと郭氏個人が出資する堺ディスプレイプロダクトの株主総会の後に行われた。
世界債権国番付、中華民国台湾が5位
中央銀行の発表によると、2013年末、台湾の対外資産残高は前年比10%増の1兆4,379億ドル、対外負債総額は前年より863億ドル増の5,870億ドル。両者相殺後、国際投資ポジションにおける対外純資産は過去最高の8,509億ドルとなり、5年連続で世界債権国ランキング5位となった。
国際投資ポジションは、中央銀行、銀行、政府、民間が所有する対外金融資産および負債の残高を表す統計表。対外資産残高の増加は、銀行の国外支店の預貯金、保険会社の国外債権投資増加主な理由とされている。一方、対外負債総額の増加は、銀行部門の国外からの資金増加、外資による台湾株式投資、株価上昇などの理由が挙げられている。
2013年度世界債権国ランキングの上位10位は、上位からそれぞれ、日本、中国大陸、ドイツ、スイス、中華民国台湾、サウジアラビア、シンガポール、ノルウェー、オランダ。
今にも折れそうな「女王の頭」、世論調査で6割が補強に賛成
新北市万里区・野柳の奇岩、「女王の頭」のつけ根部分が長年の風化で折れそうになっている。これを受け、その強化工事の可否について行われた世論調査の結果が14日発表され、63%の回答者が薬液の注入などによる補強工事の実施に賛成していることがわかった。
「女王の頭」は数々の奇岩で知られる台湾北東部の観光スポット、野柳地質公園にある蕈状岩(キノコ岩)群の1つ。長年台湾の人々に親しまれ、去年は台湾10大景観のうち1位に輝いた。
ところが、この「女王の頭」は年々風化が進み、その首にあたる部分が折れそうになる危機に直面している。以来、人工的に補強して劣化を食い止めるべきか、それとも自然のままにして放っておくべきかで人々の賛否が分かれていた。
このため、交通部観光局の北海岸及び観音山国家風景区管理処では昨年、世新大学(台北市)に委託、今年1月より台湾全土、新北市万里、野柳地質公園を訪れた観光客、専門家の4つに分けて世論調査を行った。この結果、全国と万里でいずれも住民の63%が強化工事に賛成だったほか、観光客59%、専門家56%も「女王の頭」の補強に賛同している。
北部台湾の水がめ、石門ダムが50歳
台湾北部、桃園県に位置する石門ダムは、台湾北部の主要ダムのひとつで、1964年6月14日に竣工、台湾においては、ダムの代名詞ともいわれる存在。
今年満50週年を迎える石門ダムでは、14日、祝賀記念イベントが行われ、呉敦義・副総統も出席した。
呉敦義・副総統は、石門ダムは国家の重大建設であり、一千名以上の技術士、一万名以上の作業員を育成し、水の供給、洪水対策、発電、観光、感慨、5つの大きな任務を背負ってきたと語るとともに、石門ダムが半世紀にわたって培ってきた基盤と、ダムを経て流れ出る水が利用価値の高い水資源となっていく様子を、「固若磐石,水之龍門(磐石の堅固さを持つ、水の登竜門)」という言葉で表現、ダムの功績を讃えた。
呉敦義・副総統はまた、馬英九・総統の母親も、かつて石門ダムで仕事をしたことがあり、石門ダムに心血を注いでいる全ての職員に敬意を表していると語り、職員の苦労をねぎらった。
50周年を記念して、14日、石門ダムの入場料が一日無料になったこともあり、大勢の人がダムを訪れ、ウォーキングやバザールなどの催しを楽しんだ。
台湾・沖縄、音楽文化交流の「2014島嶼音楽フェスティバル」開幕
台湾東部の花蓮と台東で6月14日から22日にかけて、島々の間での音楽交流をめざした「島嶼(しょ)音楽季」の第1回目が文化部所属の国立台東生活美学館によって開催され、地元や沖縄の音楽グループ3地域6組が参加する。
花蓮から出演するのは、タロコ族出身のミル・ロキン(米麓洛金)。魂を揺さぶるような透き通った歌声で故郷への想いを歌う。アミ族のモイェン(莫言)はその独特の変化に富む歌声で生命の感動と祖先から伝わる言葉を歌い継ぐ。
沖縄のjujumoは沖縄音楽とワールドミュージックを融合させ、大地に脈打つ生活の息吹を歌い上げる。Harukaze東風は日本の東北地方の三味線と沖縄の三線(さんしん)に太鼓という絶妙な楽器の構成による演奏を披露。
台東・大武のパイワン族、ダカノウ&サウニャウは伝統のメロディーに加え、自然との共生を歌い込んだ創作曲で大地への尊重を呼びかける。また、台湾の金馬奨・金音奨・金曲奨の3賞受賞を果たした実力派のスミン(舒米恩)はその歌声を通してアミ族の生活の知恵の現代生活への融合を歌う。
「2014島嶼音楽季」は6月14日〜15日は花蓮文化創意産業園区で、6月21日〜22日は台東・鉄花村で、それぞれ島嶼音楽会1回とワークショップ2回が開催される。
台湾産リキュールが国際コンペ金賞
台湾産リキュール「ライチ蜂蜜酒」が、酒類の国際的なコンペティション、「ブリュッセル国際ワインコンクール(Concours Mondial de Bruxelles)」の2014年蒸留酒部門(Spirits Selection)で金賞を獲得した。
ブリュッセル国際ワインコンクールは、世界で最も権威があるとされるもので、毎年一回開催される。2013年からは、初めて蒸留酒部門とワインに部門を分けて開催、初回の蒸留酒部門コンペ開催権は、台湾の高雄市が獲得した。2014年度の蒸留酒部門コンペは、ブラジル・サンタカタリーナ州の州都、フロリアノーポリスで、6月6日〜8日の日程で開催された。
行政院農業委員会農糧署では、2014年ブリュッセル国際ワインコンクール蒸留酒部門のコンペは、ドイツ、フランス、アメリカなどの四十数カ国から600種類が参加しており、その中から台湾産蒸留酒が選ばれたことは非常に得がたい結果だと喜びの色をあらわにしている。
「ライチ蜂蜜酒」は、2011年、高雄国立餐旅大学が技術開発し、中部の霧峰産ライチと竜眼蜂蜜を原料にして醸造されたリキュール。ライチと蜂蜜の配合比率が難しく、度重なる試験を繰り返してやっと完成させたという。2013年からは、霧峰ワイナリーで量産を開始、台湾農業の競争力を高めるスター商品として注目されている。
2013年の平均初婚年齢、男女とも過去最高に
台湾での初婚年齢の平均が年々上昇し、2013年は男性32歳、女性29.7歳といずれも過去最高となったことが内政部の統計でわかった。
10年前の2003年に比べて、初婚年齢が男性は0.8歳、女性は2.5歳も上がっていることになる。また、女性の第1子出産の平均年齢も右肩上がりで、2012年に30.1歳と初めて30歳台に突入した。
一方、「晩婚を避けたい」との気持ちの現れか、お見合いイベント参加者の若年化が指摘されている。14日付の中国時報によると、お見合い・婚活サイト大手「セン媽媽華人姻縁網」の会員の平均年齢が過去5年の間に3歳も下がっており、女性会員の場合、特に22〜24歳の増加が目立っているという。
台湾鉄道採用試験 「安定した職」依然人気
2014年度の台湾鉄路管理局採用試験が14日に行われた。多くの受験者が参加する中、5年前に高待遇の仕事を辞めて台鉄に入局し、車掌として勤務する胡詠芝さんも昇級試験に挑んだ。
胡さんは台鉄でも珍しい女性車掌の一人。2009年の入局以来注目を集め、新制服のお披露目や新商品の発表会などに姿を見せるなど、台鉄の広告塔としても活躍している。だが、以前は半導体関係の企業に勤務し、駐在員として中国大陸の上海に赴任していたこともあったという。
当時の年収は100万台湾元(約340万円)以上。しかし、万が一の際にはいつでも対応しなければならない過酷な労働環境だったことと、台湾に残る家族への思いが募ったため辞職を決意。台鉄職員の月収は3万4000元(約11万6000円)からだったが、安定した職に就こうと採用試験を受験し、見事合格した。
胡さんは毎日多くの人と接する車掌業務が好きだと語る。現在は家族と共に過ごす時間も増えたほか、交通大学(新竹市)の大学院で物流に関する研究も始めた。高待遇の仕事を辞めたことについて後悔はしておらず、「楽しむことが重要」と話している。
エバー航空CM「I SEE YOU」が賞獲得
2014年度優秀渉外広報賞の授与式が13日に行われ、金城武さんが出演したエバー航空のイメージ広告「I SEE YOU」がブランド普及賞を獲得した。エバーグループの聶國維・広報執行長は、エバー航空が今年用意している新しい広告にも期待してほしいと語っており、金城武さんの後に起用されるのが誰なのか、注目が集まっている。
優秀渉外広報賞は、広告業界で二年に一度開催される業界の一大行事。財団法人公共関係基金会が主催している。今年は、合計9項目の賞が設けられ、エバー航空のほかに、台湾IBM、フォードなど、知名度の高い企業が受賞した。
エバー航空は、昨年、スターアライアンスに加盟し、人気スター、金城武さんをイメージ広告に起用、ロケ地になった台湾東部の台東に、多くの観光客が詰め掛ける大成功となった。金城武さんが自転車で颯爽と走った道や、一休みした木陰などは、すでに台東の人気観光地になっている。
「I SEE YOU」の成功で、エバー航空のファンページには1.4万人のファンがアクセス、搭乗率は3%上昇し、営業収入は20億元から30億元まで増加、台湾とエバー航空の両方を巧みに世界の舞台に押し出すことに成功している。
エバー航空は、6月に新型旅客機、ボーイング777-300ERを購入、最新の空中WiFi機能を導入するなど、つぎつぎと話題を提供して注目を集めている。
戦前の「ハヤシ百貨店」特産品販売施設として再生
日本統治時代の1932(昭和7)年に台湾南部・台南市で開業したデパート「ハヤシ百貨店」が復元され、14日に商業施設「林百貨」として再びオープンした。ビルは5階建て(一部6階)で左右対称のアールデコ様式。南部で最初に設置されたエレベーターも復元されるなど「昭和モダン」の趣を随所に感じさせる。
この日は和服や昔の学生服姿の若者らが店頭前をパレードし、訪台した創業者の子孫らと共に開業を祝った。
ハヤシ百貨店は山口県出身の実業家、故・林方一氏が創業した。エレベーターを地元の人々は「流れる籠」と呼んで珍しがり、遠方から乗りに来る客が絶えなかったという。一帯は「銀座通り」と呼ばれた。ビル屋上には神社の遺構が残り、戦時中の米軍の空爆による外壁の銃弾跡も戦争を伝える資料として保存されている。
戦後は製塩会社や警察施設などに使われた。86年以降、放置されていたのを台南市が8000万台湾ドル(約2億7000万円)かけて復元した。新たな店では台湾特産品などが販売されている。
汚職で逮捕の県副知事に愛人3人
台湾北部の桃園県で5月末、県主導の住宅建設をめぐり、大手ゼネコンから賄賂を受け取ったとして、副県長(副知事に相当)が逮捕された。副県長が中央政界との関係が深かったことや、上司の県長(知事)が与党、中国国民党の名誉主席の長男であることなどから、台湾メディアは連日、醜聞として報道。2016年総統選の前哨戦となる年末の統一地方選に影響を及ぼしかねない情勢となっている。(台北 田中靖人)
■トカゲの尻尾切り
台北地検特捜部などは5月30日、桃園県での公営住宅建設の入札をめぐり、台湾の大手ゼネコン「永雄集団」から賄賂約1800万台湾元(約6100万円)を受けとったとして同県の葉世文副県長を、贈賄側として永雄集団の会長と仲介役の元大学教授らをそれぞれ拘束した。
永雄集団は台北市内で数々の高級マンションを建設し、ホテル経営も行う台湾有数のゼネコン。桃園県の公営住宅は、台湾初の地方当局主導の低所得者向け住宅として計画され、永雄集団が4月、13億台湾元で建設事業を落札していた。葉氏は入札審査部門の責任者だった。
葉氏はもともと、中央で公共事業を担当する内政部(内務省)の営建署(建設計画庁)の署長(長官)で、低所得者向け住宅の事業を主導していたが、昨年6月に署長を退任し、桃園県の副県長に就任していた。地元紙は、呉志揚県長の強い“引き”があったためだとしている。
葉氏は営建署の署長時代から業者との癒着が指摘されており、その悪評が今年3月に江宜樺行政院長(首相)の耳にまで届いていたと報じられた。中央政界との関係も深く、葉氏の逮捕後、報道で関係を指摘された元閣僚らが、慌てて記者会見を開いて釈明する場面もあった。
逮捕を受け、呉県長は直ちに葉氏を解任。自身のイメージ悪化の「出血を止める」(地元紙)ため、入札に関与した県の幹部5人の職も解いた。その後の報道は、葉氏に愛人が3人もいたことや、賄賂の受け渡し場所が台北市内の高級日本料理店だったことなど、葉氏の豪遊ぶりを相次いで伝えている。
■父は名誉主席、中央政界に波及
事件は葉氏の醜聞にとどまらず、中央政界へも波及しつつある。報道の中には、呉県長が国民党の呉伯雄名誉主席の長男であることから、中国で共産党や政府幹部の子弟が特権をほしいままにする「官二代」と同じだ、と批判の矛先を呉氏親子に向けるものも出てきた。
呉敦義副総統は3日、次期総統選の前哨戦にあたる年末の統一地方選への影響を聞かれ、「必ずある」と強調。呉県長は桃園県から直轄市に昇格する予定の「桃園市」の市長選への出馬が見込まれているが、一部報道では、国民党が敗北を恐れて別の候補者に差し替えるとの観測が流れた。国民党の報道官は直ちに否定したが、情報のリーク元は国民党筋だとして党内の派閥争いを指摘する声もある。
また、最大野党、民主進歩党系シンクタンクの幹部は、「呉氏の“再選”を許すかどうかで、腐敗に対する台湾人の価値観が問われる」と指摘しており、今後の地方選で、野党が「反腐敗」を旗印に与党を攻撃する格好の材料となる可能性もある。