台北故宮博物院の名品「翠玉白菜」「肉形石」、東京での海外初公開へ“出発”
台北故宮博物院の名品「翠玉白菜」「肉形石」、東京での海外初公開へ“出発”―仏メディア
18日、東京国立博物館で今月24日から開催される台北故宮博物院の特別展に向け、門外不出の名品「翠玉白菜」などが台湾を“出発”する。写真は「翠玉白菜」。
2014年6月17日、ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語サイトによると、東京国立博物館で今月24日から台北故宮博物院の特別展が行われる。翡翠(ひすい)の色調の違いを生かし、白菜とそれに止まるキリギリス、イナゴを本物そっくりに彫った「翠玉白菜」が18日、1949年に中国本土から台湾に移されて以来初めて台湾を離れる。
特別展「台北國立故宮博物院−神品至宝−」は、6月24日から9月15日まで東京国立博物館、10月7日から11月30日まで九州国立博物館で開催される。九州では、「翠玉白菜」と並ぶ人気の名品で、瑪瑙(めのう)で豚の角煮をかたどった「肉形石」が日本で初めて展示される。
台湾当局は海外展に際し、中国からの美術品差し押さえを禁止する法律制定を相手国に求めている。日本でも2011年に差し押さえを禁じる「海外美術品等公開促進法」が成立したことで、日本展実現の準備が整った。
民進党、無所属の柯氏支援へ=公認候補擁立見送り
台湾の最大野党・民進党は18日、台北市長選(11月29日投開票)で公認候補を立てないことを決めた。無所属の医師、柯文哲氏(54)を支援する。
与党・国民党は、行政院長(首相)などの要職を歴任した連戦名誉主席の長男、連勝文氏(44)を公認候補として擁立する。同市長選は事実上、柯、連両氏の争いとなる見通しだ。
台湾・鴻海董事長、日本中小企業の中国進出支援に意欲
台湾・鴻海董事長、日本中小企業の中国進出支援に意欲
18日、EMS(電子機器の受託製造サービス)最大手の台湾企業、鴻海精密工業の郭台銘董事長は日本で取材に応じ、日本の中小企業の中国進出を支援する意向を示した。写真は郭氏。
2014年6月18日、台湾・中国時報によると、EMS(電子機器の受託製造サービス)最大手の台湾企業、鴻海精密工業の郭台銘(グオ・タイミン)董事長は日本で取材に応じ、日本の中小企業の中国進出を支援する意向を示した。中国新聞社が伝えた。
郭氏は「日本政府は大企業のビジネスモデルの転換には関心を抱いているが、中小企業までは同時に配慮できないでいる」と指摘。日本の経済産業省が提供した100社の企業名簿から28社を選んだ上で、経営者と面談し、発注やコスト削減協力、出資も含めた具体的な支援を行いたいと述べた。
24日からの「台北故宮博物院展」を前に台湾で輸送大作戦
台湾の至宝、大切な宝を、来週から日本に展示するにあたって、輸送大作戦が始まった。
薄明かりの中、慎重に運び出されているのは、中国歴代王朝の美術品などを収蔵する台北故宮博物院で最も有名な文化財の1つ、「翠玉(すいぎょく)白菜」。
来週から、東京で行われる展示会に向け、出展物を梱包(こんぽう)する様子などが、メディアに公開された。
担当者が立ち会って、状態のチェックが行われたあと、何重にも梱包された。
今回、初めて海外に持ち出される「翠玉白菜」は、スーツケースのような箱で、手荷物として運ばれるという。
台北故宮博物院展は、6月24日から東京国立博物館で行われる。
(動画)
外交部、日本の善意を歓迎 台湾のTPP参加に初の支持表明で
外交部の高安報道官は18日、台湾の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加に対する日本の支持表明を歓迎すると述べるとともに、互恵関係の構築を目指したいとの考えを示した。
18日に行われた日本外務省の定例記者会見で台湾のTPP参加に対する日本の態度について中央社の記者から質問を受けた佐藤地・外務報道官は「台湾がTPP参加に関心を寄せているということは良いことである」と答えた。日本政府が台湾のTPP参加支持を表明したのは初めて。
高安報道官はこれに対し、「台湾に対する善意の表れだ」と評価し、経済をはじめ各分野で交流が盛んな台湾と日本が、地域の繁栄に貢献できるよう今後は双方でより一歩進んだ互恵関係の構築やTPP参加などをめぐる貿易面の協力を強化したいとしている。
台湾はかねてからTPPへの参加意欲を表明しており、TPP交渉参加12カ国の国内総生産(GDP)の約8割を日本とアメリカが占めていることから、この2カ国からの支持獲得は台湾にとって重要だとされている。
故宮博物院の「翠玉白菜」、「上限額なし」の保険対象に?
初めて国外(日本)に貸し出される国立故宮博物院の「翠玉白菜」には、どのような保護措置が取られているのだろうか。このほど同院は報道陣に対し、
? 輸送時の内箱・外箱を特注したこと、
?貨物室の温度・湿度の厳格管理、
?「手袋なし」(滑落防止のため)の取り扱いなど、のポイントを説明した。
同院は「日本側との契約がある」として保険金額は明かしていないが、日本側は賠償額無制限の「国家保険」を適用しているもようだ。
第一回唐奨の受賞者はノルウェー元首相
中華民国台湾の実業家が設けた、第一回「唐奨(Tang Prize)」の「永続工程」の分野の受賞者は現在、国際人道グループ、「エルダーズ(The Elders)」の副会長を務める、ノルウェーのグロ・ハーレム・ブルントラント(Gro Harlem Brundtland)元首相。グロ・ハーレム・ブルントラント元首相は、WHO・世界保健機関の事務総長や国連の「環境と開発に関する世界委員会」の委員長などの要職を歴任し、「将来世代のニーズを損なうことなく、現在の世代のニーズを満たすこと」という持続可能な開発の概念を打ち出している。
台湾の大手企業グループ、潤泰グループの尹衍樑・総裁が「唐奨」を設ける目的は、「唐奨」がアメリカのノーベル賞に匹敵する、世界的な賞になるよう期待するため。潤泰グループは、台湾の最高学術研究機関、中央研究院とタイアップして、中央研究院によって、「永続工程」、「医療バイオテク」、「文学作品以外の漢学」、「法学」の四つの分野における優れた人材を推薦、選出され、その独創的な影響力のある研究を表彰する。
「唐奨」の審査員を務める、中央研究院の翁啓恵・院長、および総召集人を務める、李遠哲・前院長は18日、ブルントラント元首相の受賞を発表した。中央研究院の李遠哲・前院長は、ブルントラント元首相について、「ブルントラント元首相は永続工程の分野で、『ゴッドマザー』と呼ばれている。『ゴッドマザー』とは、人類社会における永続工程の進み方、およびその方向を決める人だ。ブルントラント元首相はこの分野で大きな貢献をした。現在にっても語り継がれているのは、『将来世代のニーズを損なうことなく、現在の世代のニーズを満たす』という持続可能な開発の概念だ。これは非常に重要な概念だ。なぜなら、現在、地球の負担が多すぎる。先に行くことが困難になるぐらい、人が多すぎる。消耗されているものも多すぎるからだ。」と説明した。
「唐奨」の主催機関は18日からの四日間、毎日各分野の受賞者を公表、受賞者には台湾元4000万元の賞金、および台湾元1000万元の研究助成金、合計台湾元5000万元、日本円およそ1億7500万円が贈られる。受賞者らは9月、授賞式に出席するため、台湾を訪れる。
香川県職員、台湾高速鉄道を視察 「四国新幹線の参考に」
香川県の杉峯正夫・交通政策課副課長ら一行は17日、台湾高速鉄路の嘉義駅や、駅と嘉義市の中心部を結ぶバス高速輸送システム(BRT)を視察し、「(早期整備が期待されている)四国新幹線の参考にしたい」などと述べた。
杉峯さんらはこの日、高鉄・嘉義駅の構内などを見学したほか、BRTのバスで嘉義市東部の市役所まで移動し、地元の都市開発や観光政策を担当する部門の幹部職員らと座談会を開いた。席上、同市BRTの輸送量や経営状況、高速鉄道の駅周辺の再開発などについて活発な意見交換が行われた。
台湾「唐奨」受賞の本庶佑氏 「失敗は時間のむだではない」
東洋のノーベル賞とされる2014年「唐奨」の「バイオ医薬」部門を受賞した京都大学大学院医学研究科の本庶佑教授。免疫抑制分子PD-1の発見から約20年、新たながんの治療法を発表して注目を集める本庶氏が中央社のインタビューに応じた。
医学の道を志したことについて、研究を通じて新しい治療法を見つけ出し、多くの患者を救いたかったからと答える本庶氏。PD-1分子の研究を開始した当初は予想もしていなかった成果が現れ、「夢が実現して嬉しい。非常に満足している」と話す。
一貫して基礎科学研究の分野で活躍するが、米国では学術界と協力した企業が利益の一部を研究機関に還元する仕組みがよくできている一方、日本は理想的な環境に恵まれていないと指摘する。唐奨では受賞者の所属する研究領域への補助金も提供されることから、関係分野のさらなる発展が期待されている。
台湾で科学博士を目指す若者が少なくなっている現状に関しては、10回の実験で1度しか成功しなかったこともあったと振り返り、失敗の中から次の実験につなぐ経験を積み重ねることができるとした上で、ポジティブに継続することが大切だと話す。
本庶氏が30歳から始めたのはゴルフ。ストレスをためないように、1週間に少なくとも1日は仕事の手を休めて没頭する。また、食事も健康に気をつかい、“腹八分目”を心がけているという。台湾には数回訪問したことがあり、食べ物がおいしいと話している。
総統:サントメプリンシペと国交は強固
馬英九・総統が、中華民国台湾とサントメ・プリンシペとの外交関係が強固だとしている。中華民国の友好国、サントメ・プリンシペの大統領はさきごろ、同国への投資誘致のために、中国大陸を訪問したことから、中華民国台湾とサントメ・プリンシペとの国交を懸念する声が上がっている。馬・総統は18日、総統府で国連駐在のサントメ・プリンシペ、セントビンセント・グレナディーン、ドミニカ共和国、およびブルキナファソの代表の表敬訪問を受けた際、中華民国台湾とこの四ヶ国との外交関係が非常に強固で、過去6年来、協力関係も拡大していると述べた。
馬・総統は、「みなさまが代表する国は、中華民国と強固な外交関係にある。過去6年、私はみなさまの国をそれぞれ訪問したことがあり、これまでの協力関係の拡大にもつながった。これも、われわれが推進している『活路外交』における重要な政策の一環だ。」と説明した。
国連について、馬・総統は、「中華民国は国連の大多数の活動に参加することができないが、中華民国は、憲法の条文の明文化によって国連が掲げている多くの目標に対する尊重を示すほか、具体的な行動でこれらの理想の実践に向けて努力している。」と紹介した。
馬・総統はさらに、中華民国台湾が地域経済統合、TPP・環太平洋パートナーシップ協定、およびRECP・東アジア地域包括的経済連携に参加したい意欲も伝えた。
台湾・故宮で人気のお土産 日本の特別展でも販売
東京国立博物館で24日から開催される特別展「台北 国立故宮博物院 −神品至宝−」では、国立故宮博物院(台北市)でお土産として人気の「翠玉白菜」などの関連商品が販売される。
会場では、携帯ストラップ、陶磁器、食器などが販売されるほか、人気となっている康熙帝の直筆の字をアレンジしたマスキングテープも購入できる。また、企業6社が故宮と共同開発した商品も展示される。
故宮の馮明珠院長は、今回東博に運ばれた約1万点以上の商品が完売した場合、売り上げは2800万台湾元(約9500万円)にのぼると見込んでいる。
台湾・故宮の「翠玉白菜」訪日、梱包作業は“素手”で
東京国立博物館で24日から開催される特別展に合わせ、故宮博物院(台北市)は18日、同日に日本へ輸送された美術品の梱包作業などの様子を映した写真を公開、目玉となる「翠玉白菜」を安全のために素手で扱う職員の姿が注目を集めた。
日本では合計231点の故宮収蔵品が展示される。絵画などを扱う職員は手袋にマスクの完全装備で作業を実施。輸送時における万が一の事態に備え、それぞれに厳重な梱包がされたほか、湿気や温度の管理にも細心の注意が払われた。
一方、国宝級ともいわれる「翠玉白菜」は、陳列ケースから職員が素手で取り出した。手袋の着用によって玉器や陶器が滑り落ちるのを防ぐためで、故宮側は「手袋をしないのがプロ」と説明している。
故宮の文物を展示する「台北 国立故宮博物院 ―神品至宝―」は東博で6月24日〜9月15日、九州国立博物館(福岡県)で10月7日〜11月30日に開催される。
故宮:総統夫人は訪日名誉団長に
国立故宮博物院が18日、馬英九・総統の夫人である、周美青・女史が、故宮博物院の日本における特別展に出席する中華民国代表団の名誉団長を務めることに同意したと明らかにした。これは1972年、中華民国と日本との国交断絶以来、両国の最高レベルの交流となる。
周美青・女史の日本訪問について、故宮博物院の馮明珠・院長は、「故宮博物院は総統夫人に招待状を正式に送った。東京国立博物館の銭谷館長も総統夫人に、『神品至宝展』の開幕セレモニーに参加するよう招く招待状を正式に送った。これらの招待状はすでに届いた。数日前、夫人から喜んで参加するとの回答を受けた。夫人は、日本における故宮博物院の特別展に出席する中華民国代表団の名誉団長として、代表団と共に、23日午後1時に行われる、『神品至宝展』の開幕セレモニーに出席する。」と説明した。
馮明珠・院長によると、今回日本で展示される、231点の収蔵品は、18日に日本に向けて出発、すでに東京国立博物館に届いた。代表団一行は22日、日本に到着、23日午後、周美青・夫人と共に、開幕セレモニーに、夜には東京国立博物館主催の晩餐会に出席するという。
24日午前、故宮博物院は、東日本大震災の被災地の先生と学生70人あまりを特別展に招待する。周美青・女史は故宮博物院を紹介する本などを先生と学生に贈る。24日夜、今回の日本における特別展に協力した日本の関係者に謝意を表するため、故宮博物院と外交部との共催で晩餐会が催され、周美青・女史も出席する。代表団一行は25日、帰国する予定。
「神品至宝」は6月24日から9月15日まで東京国立博物館で、10月7日から11月30日までは九州国立博物館で開催されます。国立故宮博物院の収蔵品のアジアでの展示は今回が初めて。故宮博物院は収蔵品を231点出品する。その中には、これまで門外不出の人気展示品、「翠玉白菜」と「肉形石」も含まれる。「翠玉白菜」は6月24日から7月7日まで東京国立博物館で、「肉形石」は10月7日から10月20日まで九州国立博物館で展示される。
24日から期間限定で展示される「翠玉白菜」の記者会見は20日に行われる。それに合わせるため、「翠玉白菜」は18日、日本に向けて出発する。「翠玉白菜」と「肉形石」の二大スターは1949年、国民政府と共に台湾にわたって以来、台湾を離れることはない。「翠玉白菜」は2003年末、台湾南部の高雄市立美術館で三ヶ月展示されたため、一時故宮博物館を離れたことがあるだけだ。
台湾、アジアの大学トップ100に13校ランク入り 日韓より少なく
イギリスの教育専門誌、タイムズ・ハイアー・エデュケーションが18日発表した2014年のアジアの大学トップ100で、台湾からは13校がランクインし、日本(20校)、中国大陸(18校)、韓国(14校)に次ぐ4番目の多さとなった。
この数値は前年と比べて4校減少したが、「他国の進歩が台湾より速かった」ことが原因として挙げられており、台湾の大学の競争力向上のため、政府以外に民間企業からの資金獲得も必要だとされている。
このランキングは教育内容や研究成果、論文の引用回数など13項目に対する評価結果に基づいたもので、台湾からランク入りした13校のうち最も順位が高かったのは台湾大学で前年と同じ14位だった。
34位は交通大学(前年32位)、38位は清華大学(同27位)、44位は成功大学(同47位)、46位は中山大学、52位は台湾科技大学、54位は中央大学となり、台湾の上位7校はいずれも国立大学だった。
日本、台湾のTPP参加を歓迎
日本政府が18日、初めて中華民国台湾による、TPP・環太平洋パートナーシップ協定への参加に対して歓迎を示した。外交部の高安・報道官は、日本側が善意を示すことを歓迎すると共に、双方がさらに一歩進んで、互恵で共に有利な関係を構築し、TPPへの参与などの貿易・経済の議題について協力関係を強化し、共に地域の繁栄促進のために努力するよう期待した。
日本外務省の報道官は18日、定例記者会見で日本政府は、台湾がTPPへの参加に対して関心を示したことはいいことだと認識するとし、台湾のTPP参加に対して歓迎を示したという。
交流協会台北事務所代表が交代か
日本の対台湾窓口機関、公益財団法人交流協会台北事務所代表の人事異動が伝えられている。日本の外交筋によると、前駐ミャンマー特命全権大使の沼田幹男氏は、7月22日に交流協会台北事務所の新任代表に就任する。2012年4月に着任した現在の樽井澄夫代表は、7月14日に離任するという。
沼田幹男氏は、外務省領事局長を経て、駐ミャンマー特命全権大使になり、初のノンキャリア出身の外務省局長、初の拓殖大学出身の中央省庁本省局長として知られている日本の外交官だ。
民進党で「台湾独立綱領」凍結要求が本格化・・・議題提出に必要数を大きく上回る40人署名
台湾・民主進歩党(民進党)内で、台湾共和国の建設を目指す「台独綱領」を凍結するよう求める動きが本格化した。民進党は7月20日に党の最高意思を決定する党代表大会を行う。同大会における議題提出では通常、20人以上の賛同が必要だが、「台独綱領」凍結を求めるグループはすでに40人の署名を集めた。中国新聞社が報じた。
「台独綱領」凍結要求の起草者は元立法委員の陳昭南、郭正亮の両氏、政府大陸委員会前副主任の童振源氏、美麗島電子報副会長の呉子嘉氏ら。発起人には党代表の許錦構、易錦隆の両氏がなった。
民進党代表大会での議題提出には通常、20人の賛同が必要だが、すでに40人の署名を集めた。
民進党の発足は1986年で、当初はさまざまな綱領中でも「台湾独立」は相当に大きな比重があった。しかし90年代になると環境問題や反原発、人権などを重視するようになった。99年には、「すでに主権国家であるという台湾の現状を変更するには、前住民投票が必要」とする台湾前途決議文を採択し、当初からの主張である「台湾共和国の建設」から、1歩後退することになった。
「台独綱領」凍結要求の起草者の一人である陳昭南元立法委員は、2000にも同じ提案をしたが、陳水扁主席(総統)の反対で撤回させられたという。
陳元委員は18日、「台独綱領」はすでに、票集めの道具にしかなっていないとの考えを示した。さらに、実際には2012年の総統選で国民党の馬英九候補(現総統)に敗北したことで分かるように、民主党が再び政権を奪回するための障害になっているとの見方を示した。(編集担当:如月隼人)
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◆解説◆
民進党の原点は「民主化を求める市民運動」であり、政治思想を「右」か「左」で分類するとすれば「左」に属する人も多い。その点で、日本の民主党に近い性格を持つともいえる。
また、国民党の独裁への反対勢力が結集してできた政党であるだけに、党内には事実上の派閥が多く存在する。本来は政治理念の違いにもとづく派閥だったが、現在では「ほとんど違いがない。権力争いをしているだけ」との批判もある。
民進党は、「理念を先行させるあまり、現実離れした政策を掲げる」場合もあるとされる。例として、現行の「中華民国憲法」にについて、「民主的なプロセスを経て成立したものでない」などとして、否定的な立場であることが挙げられる。憲法改正のハードルが極めて高く、国民党との勢力バランスを考えれば、少なくとも現状では不可能だ。
「憲法問題」については、同党の「重鎮」であり行政院長(首相)の経験もある謝長廷氏も「内容を見れば、人権面についても問題になる部分はない。むしろ、違憲的な動きの多い国民党に現行憲法をしっかり守らせる働きかけをすべきだ」などと述べ、同党は「憲法否定」を改めるべきと主張している。
民進党はしばしば、国民党を「非民主的」と批判するが、自らが憲法を否定しているため「憲法違反」、「憲法の精神に背いている」といった追及ができないなどで、「政治的突破力」を減じているという状況がある。
「台独綱領」の凍結についても、現状で機能していない綱領を強調していたのでは不利との考えがある。凍結要求派も、「台湾前途決議文」については言及していないことから、大陸に併呑されることを望んでいないのは明らかだ。
中国大陸側が民進党との対決姿勢を崩さない最大の理由は「台独綱領」の存在だ。台湾では2016年に総統選が実施される。仮に、「台独綱領」の扱いで現状を維持し、民進党候補が当選した場合、中国大陸側と台湾の間で緊張が一気に高まると考えられる。