「民意は関係発展支持」=台湾初訪問の中国担当閣僚
台湾を訪れていた中国国務院台湾事務弁公室の張志軍主任(閣僚級)は28日夜、帰国した。新華社電によると、1949年の中台分断後、中国の台湾政策担当閣僚として初めて台湾の地を踏んだ張主任は「一部の異なる声はあったが、(台湾各界の)主流の民意は非常にはっきりしており、両岸(中台)関係の平和発展を支持し、両岸担当責任者の相互訪問を支持・歓迎している」と総括。今後も現在の中台平和発展路線を継続する方針を示した
中華電信4G、7月上旬に台北市全域カバーへ
通信大手の中華電信(Chunghwa Telecom)電信は、第4世代高速通信(4G)サービスが台北市全域で7月上旬にも利用可能となるという見通しを示した。同社は5月に4Gサービスを開始したものの、台北市の中でも大安区、信義区や西門町など商業地域でしか利用できなかった。同じく通信大手の遠伝電信(FAR EASTONE)は、台南、彰化両市での4Gサービスを開始するほか、夏休み開始を受けて各観光地もサービス対象地域としていきたいとしている。
台東線電化で時間短縮・輸送力アップ
交通部台湾鉄路管理局(台鉄)では東部幹線の花蓮−台東間、台東線の全線電化を受け、日本から導入した振り子式特急電車の「プユマ(普悠瑪)号」を同区間に投入、28日より営業運転が開始された。台北−台東間は片道最速3.5時間に短縮され、輸送量もこれまでの18%向上する。
全長168キロの台東線(別名・花東線)は、1910(明治43)年に花蓮−玉里間の軽便鉄道(762ミリ軌道)として運行が開始され、サトウキビ運搬線として活躍。その後1926(大正15)年に花蓮−台東全線が開通し、台東線と命名された。戦後は1982年に1067ミリ軌道に拡張され、北回線、宜蘭線との直通運転が可能となった。
それから30年以上。4年余りかかった電化工事が完了し、今年4月18日にプユマ号が初めて台東駅に到着。列車愛称の由来でもある原住民(先住民)プユマ族の年長者らに出迎えられた。そしてきょうの全線電化記念式とプユマ号の営業運転開始の日を迎えた。
台北−台東を走る特急・自強号は、プユマ号電車が途中玉里駅のみ停止する“直通”(片道3時間30分、1日往復6本で週末増便)、4駅停車の“半直通”(3時間55分、1日6本)、8駅停車(4時間5分、休日に2本)に分けて運行されるほか、気動車やディーゼル機関車牽引の列車(約5時間)が運行される。
これにより台東地方の交通難も改善され、台北までの輸送能力は平日で18%、休日で40%、南回線も20〜30%向上するという。
台鉄では今後導入したプユマ号の全列車を順次投入し、7月初めに行われる国家試験や台東バルーンフェスティバルなどに合わせて本数調整を行うとともに、7月16日から新ダイヤでの運転に移行する予定。
「花東線」電化、馬・総統は「花東建設の始まり」
在来線・台湾鉄道で、台湾東部・花蓮駅と南東部・台東駅を結ぶ「花東線」の電化が完了、台東駅では28日、電化された路線の開業式が行われた。馬英九・総統、江宜樺・行政院長、交通部の葉匡時・部長、台東県の黄健庭・県長、花蓮県の傅崐萁・県長らが式典に出席した。
「花東線」の電化には5年を費やした。台風や地震による被害や土地収用などさまざまな困難を克服してようやく営業運転が開始。台北駅から台東駅までの所要時間は最短で3時間半となり、従来より1時間短縮された。台湾鉄道は、カーブを高速で走行できる日本製の振り子式列車、プユマ号を17編成投入する。帰省時に切符の入手が難しかった、台東県民の問題が解消される他、観光客の台東への呼び込みにも大きく寄与すると期待される。
馬・総統は式典で、「台東に来る度に台東の人たちに謝っていたが、もうその必要がなくなるのでうれしい」とユーモアを交えてあいさつ。馬・総統は、「花東線」電化はスタートに過ぎず、今後台湾元1100億元(日本円約3695億円)を花蓮・台東の建設に投じて地元の人たちが他県の人たちと同じように政府のサポートを感じられるようにすると強調した。
台湾・台東のグアバ茶 日本で人気に
台東市の農家・温渓泉さんが生産しているグアバ茶が日本から注目を集めている。グアバはフトモモ科の植物で、果実は食用、葉は飲用に利用されている。
台湾ではグアバの実を食用とするのが一般的だが、温さんのグアバ茶は、つぼみを摘むことで実を結ばせず、普通のお茶と同じように葉だけを収穫して作るのが特徴。
また、温さんが栽培しているグアバは、食用向けのものと比べると葉や実などが小さい台東の原生品種で、特に高い健康効果がある品種。温さんによるとグアバの葉を飲用する利用方法は、中国の薬学書「本草綱目」にも記載されているなど、昔からその効能が知られているという。
温さんらのグアバ茶の生産・販売グループには、すでに10人の農家が参加しており、栽培されている樹は10万本を超えている。ここで生産されたグアバ茶の大部分は日本市場に流通する。
阿里山茶舗
台湾・故宮が7月より入館料値上げ スマホ利用の“動くチケット”も
国立故宮博物院(台北市)は27日、7月1日から入館料の改定を行うと発表した。また、同日から「AR(拡張現実)」という技術を利用したチケットの販売を開始する。
故宮の発表によると、7月1日より一般券は160台湾元(約540円)から250元(約850円)、優待券は80元(約270円)から150元(約510円)、団体券は100元(約340円)から230元(約780円)へと引き上げられる。10人以上で団体券を購入した場合は、オーディオガイドのレンタル料20元(約70円)が別途必要となる。
入館料の引き上げは2008年以来約6年ぶりのことで、故宮は入館者の倍増、開館時間の延長、維持費の上昇などを理由として挙げている。
また、同日から提供されるAR(拡張現実)の技術を利用したチケットは、「明人画入蹕図」がプリントされた優待券と「北宋定窯 白磁嬰児型枕」がプリントされた一般券の2種類。スマートフォンなどに専用のアプリをダウンロードしてチケットにかざすと、アプリの中で絵や3Dモデルが動く様子が楽しめる。
「台湾の常盤貴子」シア・ルージーがNHK「シリーズ 故宮」に出演、「日本文化大好き」をアピール!
台北・故宮博物院を紹介するNHKのスペシャル番組「シリーズ 故宮」に、モデルで女優のシア・ルージー(夏如芝)が出演した。NOWnewsが伝えた。
今月24日、東京・上野の東京国立博物館で「台北故宮博物院 神品至宝」展が開幕。28日〜29日、NHKでは故宮のお宝の謎に迫るスペシャル番組「シリーズ 故宮」を放送。第1回「流転の至宝」に、シア・ルージーがナビゲーター役で出演した。
面差しが似ていることから、「台湾の常盤貴子」とも呼ばれるシア・ルージー。子供の頃から自他ともに認める「哈日族(日本のカルチャー好き)」で、高校時代に学校で日本語を学んだ。今回の出演にあたっては、オーディションの1カ月前から日本語を猛特訓したと語る。ナビゲーション役については、日常会話では使わない難しい言葉が多いため、撮影前の数週間は日本語漬けの日々を送った。今回の大役を引き受けたことで、「故宮博物院への知識を深めることができて、いい経験になった」と話している。
日本でのテレビ出演に、高校時代の同級生からも「誇りに思う」と大きなエールを送られたという
民進党主席:張氏は善意示すも今後の注視必要
中共国務院台湾事務弁公室の張志軍・主任が25日より4日間の日程で台湾を初訪問、中国大陸の対台湾政策トップが初めて来台することで注目を集めた。張氏は27日から台湾南部・高雄市を訪れていたが、乗っていた車に中国大陸に反発する人々がペンキをかけるなどの抗議活動を「体験」。このため28日午前に予定された、同市前鎮漁港と、中部・台中市霧峰郷への訪問活動を取り消した。正午には台中市の大雅啓盲学校を訪れると共に、同市の胡志強・市長と対面。午後の彰化県鹿港訪問も取りやめて中国大陸に戻った。
最大野党・民進党の蔡英文・主席は28日、張氏が、中国大陸資本は台湾を乗っ取ろうとしておらず、台湾の人々が自ら選択した社会制度、価値理念を尊重するとしたことなどを挙げて、張氏は善意を示そうとしたと分析した。蔡・主席はしかし、多くの問題について今後の動向を注視していく必要があると警戒を緩めなかった。
また、抗議活動に対して自治体の治安維持体制が厳重すぎたとの指摘に対し、蔡・主席は、治安維持行動は「最小の干渉」の原則に基づき、民主国家が身体の自由と言論の自由を保障することにとどめるべきだと主張した。
一方、張志軍氏と会談した、民進党籍の陳菊・高雄市長は28日、ペンキ事件について、非平和的な方式で異なる意見を示したのであり、台湾が客人をもてなす方法ではないと批判、台湾のさまざまな声と意見はより理性的な態度で表明すべきだと述べた。陳・高雄市長は、平和的な方式で異なる意見を表明することは言論の自由の一部であり、十分守られるべきだとする一方、どの自治体も客人の身体の自由を守る責任があるとの見方を示した。
なお、張氏は28日、台湾初訪問の感想として、両岸関係の平和的な発展は台湾社会に広く認められており、それが両岸の共通認識のみならず、主流の民意であることが最も印象深いことだったと述べた。そして、両岸が肉親の情と知恵を以ってわだかまりを解き、両岸間にまだ存在する問題と違いを段階的に解決し、乗り越えていけるよう希望した。
世界のパスポート自由度ランキング、台湾はアジアで7位 アジアのトップは?
台湾メディア・中時電子報は27日、国際航空運送協会(IATA)のデータに基づくヘンリー・アンド・パートナーズによる「パスポート自由度ランキング」で、台湾が25位にランクインしたと報じた。
ランキング1位のフィンランド、スウェーデン、英国はそれぞれ173か国・地域からノービザあるいは到着ビザの待遇を受けている。これに次ぐのが米国、デンマーク、ドイツ、ルクセンブルクで172か国・地域。
アジアでは日本が170がトップ、シンガポールが167、韓国が166、マレーシアが163、香港が152と続き、台湾は130でアジアの7番目、全体では25位だった。中国本土のパスポートは44か国・地域に留まった。
台湾外交当局によると、馬英九氏が総統に就任した2008年以降、ノービザ対象国拡大が重要政策とされてきた。台湾パスポートの安全性と信用力を高めたことが多くの国から評価され、対象国拡大につながった。
欧米やアジアに比べて、アフリカや中東地域地域ではノービザ化が遅れている。最も少なかったのは、アフガニスタンの28か国・地域だった。
台湾で激しい抗議に遭う中国大陸高官、一部日程中止
中国大陸の対台湾政策を主管する国務院台湾事務弁公室の張志軍主任が27日夜、高雄市内で台湾側・行政院大陸委員会の王郁キ主任委員(いずれも閣僚級)と非公式に会談したが、会談前に抗議の市民が会場の敷地内に突入し、張氏が乗っていたワゴン車や、警備にあたっていた警察官にペンキなどを投げつける騒ぎがあった。これを受けて、大陸委は28日、同市で予定していた漁港視察など一部日程の中止を発表した。(キ=王へんに奇)
警備上の理由から中止となったのは、高雄市・前鎮での漁業者との交流、台中市・霧峰での庭園見学、彰化県・鹿港での宗教行事参加で、胡志強・台中市長との面会などは予定通り行われた。
張氏は今回、25日〜28日の日程で台湾を初訪問。滞在中、台北郊外の桃園県で王氏と今年2月(中国大陸・南京)に続く2度目の公式会談を行ったほか、北部・新北市や南部・高雄市にも足を運び、現地自治体の首長、学生、企業関係者らと意見交換した。
なお、27日の非公式会談では、注目されていた馬英九総統と習近平氏による首脳会談については両氏とも話題に取り上げなかった。
金曲奨、台湾語最優秀女性歌手は黄乙玲
台湾のレコード大賞、金曲奨(ゴールデンメロディーアワード)の流行音楽ジャンルの授賞式典が28日、台北アリーナで行われ、台湾最大の方言・台湾語の最優秀女性シンガー賞は、黄乙玲が4度目の受賞を果たした。かつて日本でも、「イーリン」としてレコードデビューの経験がある黄乙玲は今回9度目のノミネート。1999年と2006年には方言部門の最優秀女性シンガー賞を受賞、2009年には台湾語最優秀女性シンガー賞を受賞。今回は5年ぶりの新作、『惦在你身辺』で4度目の「台湾語女王」に。
最優秀アルバムプロデューサー賞は、マレーシア出身の女性シンガー、ペニー・ダイ。客家語の最優秀シンガー賞は曽雅君が受賞。最優秀ユニット賞は、周岳澄と頼彦均による「光引?」が受賞した。原住民族語の最優秀シンガー賞はアミ族の男性シンガー、阿努・卡力亭・沙力朋安。最優秀バンド賞は、麋先生Mixerだった。
台湾で今年初のサンマが水揚げ 放射性物質の影響は心配なし
行政院農業委員会漁業署は27日、台湾で今年最初に水揚げされたサンマの放射性物質についての検査を行った結果、規定を満たしており安全だと発表した。
同署によると、台湾の漁船がサンマ漁を行っている海域は北西太平洋の公海で、日本の福島第1原発から720キロ以上の距離があるが、水産物の放射能汚染に対する国民の懸念を払拭するため、東日本大震災が発生した2011年以降、毎年水揚げされたサンマの抜き取り検査を行っている。これまで検査結果は全て規定を満たしているという。
台湾の昨年のサンマ漁獲量は18万トンに上り、初めて日本を抜いている。今年最初の漁獲量は1592トンだった。
台湾で日本を満喫のチャンス、今年も! 「観光・物産博」好評開催中
昨年5月に開催され大好評を得た「日本の観光・物産博」が今年も27日から29日まで台北駅1階のコンコースで行われている。
これは東日本大震災に対する台湾からの支援に感謝するための催しで、日本各地から70余りの団体が出展しており、各地のご当地グルメの試食や記念品の配布、日本舞踊の披露などがあり、来場者は地方の魅力を存分に堪能できる。
主催者側はイベントを通じて双方の観光交流拡大につなげたいとしている。
近年、台湾から日本を訪問する旅行者数が増加を続けており、日本政府観光局の統計によると、今年1〜5月だけで、昨年通年の半数を上回る113万6700人に達している。一方、昨年の日本からの訪台者数は前年比0.8%減の142万1550人だった。
馬総統 「大きくて確かな幸せ」 台東線電化・プユマ号営業運転開始で
台湾鉄路・台東線の全線電化を祝う式典が28日に台東駅で行われ、出席した馬英九総統は席上、台湾東部の交通問題が改善の一歩を踏み出したことについて喜びを語った。また、この日初運行となった特急「プユマ号」の運転を台鉄唯一のプユマ族運転士が務めた。
馬総統は鉄道の電化は1970年代の経済“十大建設”の頃から叫ばれていたが、それから40年が経ち、西部幹線は高速鉄道の時代に入っても東部幹線は電化さえ済んでおらず、就任以来、花蓮・台東の市民には申し訳なく何度も頭を下げたと振り返った。
その上で、台東線全線電化についての喜びと意義を、日本の作家・村上春樹氏の造語で台湾の流行語となった「小確幸」をもじって「大確幸」(大きくて確かな幸せ)だと表現。台東−台北間の日帰りが可能な“一日生活圏”を実現するものだとした。その一方、南回公路や蘇花公路の道路拡張工事などやるべき事はまだ多いと述べた。
この日、記念すべきプユマ号の初運転を担当したのは、台鉄で働く3000人の運転士の中で1人しかいない先住民プユマ族、麦明吉さん。1985年に軍を退役後、台鉄に入り、20年以上台湾の各路線で列車の運転をしてきた。
退職を3年後にひかえた麦さんは、台東線の全線電化を目の当たりにするばかりか、自分がそこで電車の初運転を務めることになるとは思わなかったと喜びを語っていた。
国立故宮博物院、7/1より入場料値上げ
国立故宮博物院は7月1日に入場料を調整する。普通券(一般)は現在の台湾元160元から250元(日本円約840円)に。優遇券は80元から150元に引き上げられる。団体券は100元から230元となる。団体券はさらに音声ガイドのレンタル料20元が追加される。
65歳以上の高齢者および心身障害者は無料。また、中華民国の国民は国民身分証を提示することで、150元の優遇券が購入できる。
国立故宮博物院ではまた、「動く入場券」を導入。現在は、優遇券の「明人畫入蹕図巻」と普通券の「北宋定窯白瓷嬰児枕」の二種類で、スマートフォンかタブレット端末のレンズを券の正面に合わせると、「入蹕図」の中の船が波に揺られ、花火が一斉に放たれる場面などが見られるという。
台湾鉄道「南回り線」の電化、年内に着工
在来線・台湾鉄道で、台湾東部・花蓮駅と南東部・台東駅を結ぶ「花東線」の電化が完了、台東駅では28日、電化された路線の開業式典が行われた。交通部の葉匡時・部長は式典に出席し、台東駅から台湾最南端を回って南西部の屏東駅までを結ぶ「南回り線」の電化も年内には正式に着工すると宣言した。「南回り線」が電化されれば、台湾鉄道の主要路線はすべて電車が通ることになる。
「花東線」の電化により、北部・台北駅と台東駅の間は、「直通列車」(途中3駅に停車)で3時間半に短縮された。台東県の黄健庭・県長はこの「直通列車」の増便と、途中で花蓮駅に停まらない直通列車の運行を希望。これに対し、葉・交通部長は、「花東線」はまだ単線区間が残っていることを理由に慎重な見方を示した。葉・交通部長によると、「花東線」が全面的に複線化されないと難しいということで、交通部では「花東線」の全面複線化工事の計画にもすでに着手、花蓮や台東から屏東にかけての輸送能力不足と、切符の入手が難しい問題の徹底的な解決を図るとしている。
日本時代から続く台湾漆工芸の技、あすより特別展開催
嘉義市文化局は28日より「漆芸美学」台湾漆器芸術特別展を開催、100点を超える日本統治時代の貴重な漆器の数々の展示を通して、市民に台湾の漆器芸術の素晴らしさに触れてもらう。
同市文化局の話によると、台湾漆器の歴史は台湾が清の支配を受けていた時代(17〜19世紀)までさかのぼる。当時、中国大陸の福建省の泉州やショウ(=さんずいに章)州、広東省から漢人移住者と共に漆器が台湾に入ってきた。さらに1895年台湾が日本統治下に置かれると、ウルシの植樹や漆工人材の養成が始まり、第二次大戦後の台湾漆器の海外輸出の基礎が築き上げられたという。
伝統的な漆器作りでは天然のウルシ液を塗料として採取する。ウルシの樹はインドシナ半島、とりわけベトナム産が多く、しばしば「安南漆樹」などとよばれる。ウルシ液が太陽の光で乾燥してしまうのを防ぐため、通常、夜明けの2時か3時頃より採取が行われる。1本の樹からは乳酸菌飲料の小瓶で年間約2.5本分しか取れず、5年ほどで採取できなくなるため、俗に「緑色の黄金」、「液体の黄金」と呼ばれている。
今回は文化局が嘉義の骨董品収集家・葉茂雄さんに日本統治時代の漆器の提供を依頼して展示が実現した。これまで公開されたことのない逸品ぞろいで、「台湾八景」の一つ、阿里山の景色を描き込んだもの(=写真)など貴重な芸術が鑑賞できる。この他にも黄麗淑、廖勝文、楊キン(=火へんに斤)彪など漆器工芸家各氏による様々なテーマの作品やアイデアグッズが展示される。
「漆芸美学」台湾漆芸特別展は6月28日〜9月28日、嘉義市史蹟資料館で行われ、手作り漆塗りキーホルダー教室や漆器文化講座などが同時開催される。
台湾・馬総統、今夜10度目の外遊に出発へ 中米パナマなど訪問
馬英九総統は29日夜、総統就任以来10度目となる外遊に出発する。中米パナマのフアン・バレラ新大統領の就任式典に参加するためで、同国のほか今月1日にサルバドル・サンチェスセレン大統領が就任したエルサルバドルも訪問する予定。馬総統が両国を訪問するのは5年ぶり2度目。
パナマでは現職のマルティネリ大統領の任期満了に伴う大統領選挙が先月はじめにあり、バレラ氏が勝利した。馬総統は7月1日に行われる新しい大統領と副大統領の就任式典に出席するほか、パナマ運河を視察する予定。エルサルバドルでは現地の女性や子供たちとも交流する。
日程は7日間で、パナマとエルサルバドルを歴訪後は米サンフランシスコで現地華僑のイベントに参加し、ハワイにも往路と復路で1度ずつ給油のために寄港する。馬総統は今年1月の外遊で、西アフリカのサントメ・プリンシペを初訪問しており、台湾と国交を結ぶ22カ国全てに足を運んでいる。
台湾・台中BRT初の試乗会開催 7月末の開業目指す
台中市で建設が進むBRT(バス高速輸送システム)で28日、初めての試乗会が行われ、一般市民など約60人が快適な交通システムを体験した。同市の交通局では早ければ7月末にも開業にこぎつけたい考え。
この日、台中駅前には林良泰・交通局長や台湾鉄路台中駅の葉仁和駅長をはじめ、試乗会に招待された一般市民などが集結。真新しい120人乗りの連接バスが登場すると、多くの人が興奮した様子でカメラを構えた。
林局長は、専用レーンを走行し、ホームドアや中央運行管制センターを擁するなどのBRTの特徴を挙げ、台北や高雄のメトロの概念と同じだと話し、バリアフリー設計にも配慮されていると強調。鉄道ならば3カ月の期間が必要とされる試運転を1カ月で完了させたいと語った。
営業運転開始後は3〜6分に1本のバスが運行される予定で、試乗会の参加者からはBRTの導入を歓迎する声が聞かれた。
梅雨明けで台湾は「最高気温期間」に
中央気象局は27日、梅雨の季節は終わったとし、今後、梅雨明けから台風の季節の間、台湾は一年で気温が最も高い「最高気温期間」に入ると説明した。
気象局は、今年の梅雨は例年と大きく異なっていたと指摘。例年ならば主に台湾中南部の山岳部で雨が多いところ、今年は平野部で雨が多かった。5月には豪雨が2回発生(中部と北部各1回)したが、6月に入って降雨量は明らかに減少した。6月に発生した西南の季節風が台湾の南、バシー海峡を通過したことで台湾本島に雨を降らせなかったため。
気象局は、今年の天気は例年と違い、「入梅」と「梅雨明け」がはっきりしない状態だとした上で、梅雨前線は現在主に台湾北部にあるので、気象的には梅雨の季節は終わったことになるとし、これから台湾は一年で最も気温の高い期間に入ると指摘した。しばらくは天気が安定し、日中は日が差して気温が上昇、正午は蒸し暑くなるとともに、午後には雷を伴ったにわか雨が増えるという。
中国大陸高官が離台 専門家「台湾海峡両岸関係の発展に寄与」
台湾の対中国大陸政策を担当する行政院(内閣)大陸委員会の王郁キ主任委員との閣僚級会談などのため、今月25日から台湾を訪問していた中国大陸・国務院台湾事務弁公室の張志軍主任が28日に帰途についた。訪台中は高雄市などで市民からの激しい抗議を受けたため、一部の予定が中止されるなどしたが、今回の訪問は今後の台湾海峡両岸関係の発展に寄与すると見る学者もいる。(キ=王へんに奇)
訪台中、パパイヤ農園の視察や高齢者との交流、学生との座談会に参加するなど、台湾と中国大陸の友好をアピールした張氏。だが、王氏との非公式会談に挑んだ27日夜には、移動用のワゴン車や警備の警察官にペンキや葬儀等で用いられる「冥銭」が投げつけられるなど混乱が見られた。
私立淡江大学国際事務及び戦略研究所(大学院)の王高成教授は、今年3月の“太陽花(ひまわり)学生運動”から間もない時期の訪台で、中国大陸側も抗議は予測していたのではないかと指摘する。その上で、大陸委員会側と常態的な意思疎通のメカニズムを構築するなど一定の成果があったことで、今後の双方の発展に大きく寄与するのではないかと見解を話している。
張氏は離台前、「台湾社会のさまざまな声を尊重する」と市民感情に一定の理解を示している。
【ひまわり学生運動】今年3月、中国大陸との「サービス貿易取り決め」をめぐり、撤回を求める学生グループなどが立法院(国会)議場を占拠したことに端を発した一連の学生運動。
台湾桃園国際空港、“暇つぶし向け空港”トップ10入り
米の旅行情報サイト、「マタドール・ネットワーク」(Matador Network)が今月発表した時間つぶしに最もふさわしい空港の世界トップ10で、台湾桃園国際空港が世界初となる空港電子図書館で高い評価を受け、10位にランク入りした。
同空港にはエコ関連の書籍2000冊余りのほか、中国語や英語の電子書籍、子ども向けのものなど400冊余りが所蔵されている。また、搭乗ゲート近くには電子図書室が設置されており、利用者は飛行機を眺めながら電子雑誌を楽しむことができる。紙媒体の図書館もあり、中国語や英語、日本語、韓国語、ドイツ語、フランス語書籍合わせて約1000冊が提供されている。
旅行客に絶えずサプライズをもたらせるよう、まもなく供用される予定の映画をテーマとする待合室を含めて、同空港では今後も引き続き工夫をこらした各種ユニークな空間の創出に取り組んでいきたいとしている。
“暇つぶしにもってこい空港”ランキングの上位3位は順にシンガポール・チャンギ国際空港、韓国・仁川国際空港、香港国際空港で、それぞれの特色としてチューブ型滑り台、医療センター、コックピットシミュレーターなどが挙げられている。
外国人観光客に台湾の美を伝える特別写真展、台北101で開催
海外からの観光客に人気の超高層ビル、「台北101」(台北市信義区)のショッピングモール4階で、7月19日まで「2014台北101国際撮影コンクール受賞作品展」および「台湾島嶼(しょ)漫遊写真展」が開催される。
今回の写真展のうち、「台湾島嶼漫遊展」では、康村財、陳敏明、陳漢元、トウ博仁、蔡文祥、蔡顕国の6人のカメラマンがそれぞれ異なる角度から台湾の様々な風景を切り取り映し出す。(トウ=登におおざと)
152の島からなる台湾はユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界の上にあり、プレート同士がぶつかり合って頻繁に地質活動を引き起こし、台湾の複雑で多様な生態と地形が形作られたという。主催者側では写真展を通して、より多くの人々に台湾の変化に富む美しい景色と豊かな文化に触れてほしいと話す。
もう1つは「2014台北101国際撮影コンクール受賞作品展」で、国内外1300点余りの応募作品の中から選ばれた55点の優秀作品が展示される。今回の作品について審査グループは、応募者の撮影機材や色彩へのこだわりが感じられ、陰影の表現や構図の面白さなどレベルが高いとコメントしている。
20歳の男が自宅に放火。母親に歯磨きを急かされて立腹
自宅の自室に放火した男(20歳)が27日深夜2時頃、逮捕された。男の家族によれば、きっかけは、母親に「早く歯磨きをして寝なさい」と言われたことだったという。
『聯合新聞網』が伝えたところによると、事件が起こったのは、26日夜11時頃。自室にこもり、携帯電話で遊んでいた男は、母親に歯磨きを急かされたことに腹を立て、母親と口論。止めに入った父親にも暴力をふるいケガを負わせた。その後、男は家を飛び出したが、深夜1時頃家に戻ると、自室のドアの前にタンスでバリケードを作り、服や紙くずに火をつけた。幸い、黒い煙に気付いた父親がドアを破って部屋に入り、バケツに水を汲んで消火したということだ。
消火する父親に対し男は「俺のことは放っておいてくれ!」と叫んだという。事件の様子を見ていた男の弟は、兄が両親に対し危害を加えるのではないかと心配し、警察に通報。男は逮捕された。
警察の調べに対し、男は「退役後、親しかった友人が刑務所に入り、恋人にも振られてしまってムシャクシャしていた。牢屋に入りたかった」と話したという。男の父親によれば、男はこれまでにもよく家族と衝突しており、暴力を振るわれたのも今回が初めてではなかったそうだ。