台湾は中国への過度の依存を避けよ
1日、台北に日本、米国、台湾の議員や専門家が集まり、台湾を取り巻く安全リスクについて議論を交わした。中国市場への過度の依存を警戒する意見が出された。
米ラジオ放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語サイトによると、台北で1日、日本、米国、台湾の議員や専門家が、台湾を取り巻く安全リスクについて議論を交わした。中国市場に過剰に依存することは台湾の安全や安定を脅かすことになり、台湾は環太平洋連携協定(TPP)に加入することでリスクを軽減できると指摘された。
同志社大学の寺田貴教授はVOAの取材に、日本は原材料輸入で中国に依存したことにより苦い経験をしたと話し、中国が日本向けレアアースの輸出を停止したように、中台間で何らかの事件が起きた場合に中国が台湾に重要な製品の輸出を停止する可能性があると指摘した。
中国は台湾にとって最大の貿易パートナー国だが、貿易・経済関係が深まることに反発する台湾の市民は少なくない。台湾の蕭万長(シアオ・ワンチャン)前副総統は、台湾は米国や日本といった貿易パートナー国との間に自由貿易協定(FTA)を持たない中、中国との関係が緊密になっていることが人々を不安にさせているとし、学生運動「ひまわり運動」もそうした状況を背景に行われたと語った。
TPP加入は台湾の中国依存を軽減するとして日米ともに台湾の加入を原則的に支持しているが、米国の議員からは「より積極的な対応を取るべき」との意見も出された。同氏は取材に対し、「われわれは沈黙を続けるべきではないと感じる。台湾により多くの兵器を米国から購入するよう働き掛ける」と話した。
台北の地下鉄に「四角い頭の兄ちゃん」、彼女に振られ
台北の地下鉄に出現した、頭髪を90度の直角に整えた角刈り男性が話題となっている。インターネット利用者はこの男性を「四角い頭の兄ちゃん」と呼んでいる。
2014年7月2日、台湾の東森新聞網によると、台北の地下鉄に出現した、頭髪を90度の直角に整えた角刈り男性が話題となっている。インターネット利用者はこの男性を「四角い頭の兄ちゃん」と呼んでいる。中国新聞社が伝えた。
「四角い頭の兄ちゃん」は台湾大学附属病院の呉国任(ウー・グオレン)さんという臨床検査技師だ。大好きなガールフレンドにふられてヘアスタイルを変えようと考え、このヘアスタイルのために毎日ヘアワックスを2缶使い、2時間もかけている。
頭髪の高さは約8cmに達し、4つの角がいずれも90度の角度であるため、一目見ると忘れられない印象を受ける。台湾の有名なイラストレーター「馬来貘」さんも以前、台北の地下鉄で呉さんを見かけてその姿をスケッチしており、「頭の中は彼の姿で一杯だ」とコメントしている。
「台湾経済は内輪もめで滅びる」中韓FTA前進に焦りを露わにした馬英九総統
サービス貿易協定が台湾内部の反対で停滞しているなか、韓国が先行したことで馬総統は率直に焦りを口にした。写真は台湾の独立派ののぼり。
観察者網は「中韓FTA締結、『居ても立ってもいられない』と馬英九」と題した記事を掲載した。
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が韓国を訪問、朴槿恵(パク・クネ)大統領と首脳会談を行った。共同声明では年内の中韓自由貿易協定(FTA)締結が盛り込まれた。
この動きに「居ても立ってもいられない」と焦りを表明したのがエルサルバドルを訪問中だった台湾の馬英九(マー・インジウ)総統。中韓FTAの締結により関税が下がれば、中国市場における韓国製品のシェアはさらに上がることが予想される。韓国との競合が多い台湾にとっては大きなマイナスだ。
台湾も実質的なFTAである経済協力枠組協定(ECFA)の拡充を目指し、海峡両岸サービス貿易協定を締結したが、台湾内部で反対が噴出。今春には学生が立法院(議会)を占拠する事件も起きている。野党・民進党も反対の姿勢を貫いている。
馬英九総統は「台湾はすでに他国に後れを取っているのにいまだに内輪もめが終わらない。内輪もめが行き着く先は国民党政権の転覆ではない。台湾経済の崩壊だ」と嘆いている。
6月バイク販売1.6%増、大手は光陽のみ増加[車両]
交通部データ所がまとめた、6月の自動二輪車の販売台数(ナンバープレート交付ベース)は、前年同月比1.6%増の6万4,320台だった。大手3社のうち、光陽工業(KYMCO)が販売増となった一方、台湾山葉(ヤマハ発動機系)と三陽工業(SYM)はマイナス成長となった。
最大手の光陽工業は前年同月比13.3%増と大幅に伸びた。3日付蘋果日報は、光陽工業の女性をターゲットにしたスクーター「キュー125」の人気が高く、同社の販売増につながっていると伝えた。先月2桁増だった台湾山葉は4.3%減。販売不振が続く三陽工業は16.8%減で、4カ月連続のマイナス成長となった。
今年1〜6月の自動二輪車の累計販売台数は32万7,305台で、前年同期比3.7%増となった。
大手各社は従来のモデルに加え、女性バイク市場の拡大に引き続き力を入れており、販売競争を繰り広げている。
新竹県の温泉と日本の有馬温泉が提携・交流へ
新竹県政府は4日午後、同県・北埔の観光施設「緑世界」に県内の温泉業者と神戸市・有馬温泉観光協会の金井啓修理事長を招き、双方の文化・観光交流について話し合った。各地に特色ある温泉を有する台湾北部の新竹県では、地元を国際レベルの温泉観光地とすることを目指している。
新竹県では日本との間で連絡窓口を設け、将来は「台湾・新竹月間」、「日本月間」などのキャンペーンを通じて観光地と農業特産品を結びつけたいとしており、邱鏡淳・新竹県長は金井理事長に対し、双方の観光・経済促進のため、京都・大阪・神戸など日本の関西地方との交流拡大へ向けての協力を希望、金井理事長も尽力したいと答えた。
金井理事長は前回、新竹県内の景勝地、北埔や内湾などを訪問したが、いずれも風光明媚で魅力的な所だったと語り、地元特産の東方美人茶や擂茶(レイチャ)などは印象的で、日本で紹介すれば大変人気が出るだろうと述べた。また、有馬温泉と新竹県の温泉観光業は戦略的な同盟関係を結ぶことが可能で、地元の観光プロジェクトと結びつけながら交流強化を図ることができるとした。新竹県では台湾鉄道の支線・内湾線の沿線で鉄道・アニメ・温泉・客家文化を軸とする「内湾線一線九駅」計画が進められている。
この日、会場では活発な意見交換が行われ、中には姉妹都市締結による交流加速化を提議する声も上がった。
“ありがとう台湾”復興支援への感謝伝える自転車台湾一周の旅
2011年の東日本大震災における台湾からの復興支援に感謝を伝えようと自転車で台湾一周に挑戦していた日本の大学生ら2名が、無事3週間1500キロの旅を終えた。
台湾一周の旅に挑戦したのは大学生の山口智之さんと友人の今井啓輔さん。出発地の台北に戻ってきた山口さんらは4日、中華民国紅十字会(台湾赤十字)に出向き、茨城県北茨城市立大津小学校の児童らが描いた絵やメッセージなどを届け、同会の復興支援への協力に対する感謝を伝えた。
2人が今回の旅を企画したのは、震災で深刻な被害を受けた小学校を訪れ、絵やメッセージを募集した際、子供たちが書いた「台湾からの義捐金のおかげで私たちの故郷を元に戻すことができました、ありがとう!」などの感謝の言葉を目にして、このメッセージを台湾の人々に必ず届けなければと決意したのがきっかけだという。
山口さんは、旅の過程で台湾の人々の優しさや人情味をつくづく感じ、台湾でこの旅をしていることは間違っていないと思えたと述べ、今井さんは台湾と日本の互いへの感謝や、友好の気持ちがこれからも広がっていってほしいと語った。
台湾の新竹ビーフン、名称めぐって混乱 食品表示の新規定で
近年、食品の偽装問題が相次いでいる台湾で、果汁製品、乳飲料、ビーフンなどの飲食物について、素材100%のもの以外はその表示を「純」(純粋)とすることを禁ずる新規定が今月1日から施行された。これにともない、米100%使用の「ビーフン(米粉)」以外については、米成分50%以上なら「調合ビーフン」、50%以下は「ツェーフン(炊粉)」と表示することになった。これについて各方面から異論が出たため、衛生福利部が地方伝統の商品の場合は「ビーフン」をブランド名として認めるとの補足説明を行ったが、これが関係者の間で再び議論を呼んでいる。
炒めビーフンにしておいしい「新竹ビーフン(米粉)」として広く知られているのは本来はツェーフン(炊粉)と呼ばれるもので、粉で作った麺を蒸した後、強い季節風にさらして乾燥させて作る。口当たりを考えてトウモロコシの粉が多く使われており、用いられる米が50%以下であるため、今回の新規定に合わせ、「新竹ツェーフン」と改称されることになった。しかし、「ツェーフン」という名前は台湾の一般消費者には馴染みのないもので、販売業者などから困惑の声が上がっていた。
これを受け1日になって衛福部食品薬物管理署では、新竹ビーフンのような地方の伝統ブランドの場合、「品名」のツェーフンより小さい印刷なら「冠名」としてビーフンと印字してもよいとの補足説明を行ったが、数十万〜百万台湾元(約340万円)以上かけて新しい包装を準備していた業者からは不満の声も。
また、台湾にはビーフン製造業者が50社ほどあり、国外への輸出で年間30億台湾元(約102億円)を売り上げている。組合関係者は、百年の伝統を持つ一種の文化資産で、海外でも知名度の高い「新竹ビーフン」が「新竹ツェーフン」と名を変えては国際競争力を落とし、市場が中国大陸や東南アジアのビーフンに取って代わられる恐れがあるとして、高いブランド力を持つ伝統の名称を維持したいと主張している。
これに対して消費者団体では、純米商品でないものに「米」との表示を使うべきではないと主張。ブランド名としてなら「米」の文字を用いてよいとする政策の変更は消費者を欺く以外の何物でもないと反発、不買運動も辞さない構えだ。
この事態を受けて、食薬署では改めて関係者と議論した上で、地方伝統食品についての方針を7月中旬までにまとめたいとしている。
夢追い求め、大海原へ漕ぎ出す 年長者カヌー大会開催
台湾南東部・台東で4日午後、照りつける日差しの中、シニアのカヌー大会が開かれ、60歳以上のおじいさんやおばあさんが太平洋の海原4キロメートルのコースに挑戦した。
この大会は「一粒麦子基金会」、「蘇帆海洋文化芸術基金会」が主催。参加者は女性11人、男性24人の計35人で平均年齢65歳。70歳以上の参加者も8人いた。大会のルールは、ゴールに無事に到着しさえすれば全員“優勝者”。
小さい頃から自分のカヌーを持つのが夢だったという最年長78歳の葉瑞三さんは、今回大会の知らせを聞いてすぐに申し込んだという。2日間の訓練を経て、ついに海へと漕ぎ出した葉さんの若い人へのメッセージは、「海に親しみ、大海を抱け」。
また、72歳の女性、陳さんは泳げないため最初は緊張したが、トレーナーの先生がそばにいてくれて、しまいにはカヌーを漕ぎながら歌を歌っていたという。
「私たちは最高の情熱と勇気とを胸に、海へと漕ぎ出す。体力は問題ではなく、夢の追求こそが大切!」。安全第一を誓いながらも、太平洋の大海原へと楽しく漕ぎ出した。
史上初の7連覇達成、台湾の謝依旻女流名人 目標は“10連覇”
囲碁の「第26期女流名人戦」で勝利し、史上初の7連覇を達成した台湾出身の謝依旻さんと「森ビル杯 第52期十段戦」でタイトルを奪還した高尾紳路さんの合同就位式が4日、都内で行われた。
謝さんはすでにタイトル5連覇を達成し、「名誉女流本因坊」「名誉女流名人」を満60歳または引退後に名乗る資格を持つ唯一の女流棋士となっている。
就位式で允許状と賞金目録、賞杯を受け取った謝さんは、挑戦者に勝った喜びを表すとともに、目標は10連覇と今後への意気込みを語った。「(10連覇の)自信はありますか」との問いには、私より若い棋士が増えてきており競争は激しくなっている、努力をしていきたいと答えた。
就位式には産経新聞社の清原武彦会長や日本棋院、関西棋院の関係者のほか、映画監督の根岸吉太郎氏や徐瑞湖・駐日副代表(副大使に相当)など約300人が出席し、謝さんらの就位を祝った。
日本統治時代に建立された神社の特別展開催
台湾北部の観光地、九フン(=にんべんに分)に程近く、かつて金の鉱山があったことで知られる新北市瑞芳区・金瓜石の市立黄金博物館で「金瓜石神社と山神祭」特別展が開催され、地元の金瓜石神社の模型をはじめ、日本統治時代に台湾各地で建立された神社についての資料などが展示される。
特別展ではこれまでの学術研究や調査を基に、地元・金瓜石神社の歴史や建築、祭祀などのほか、日本統治時代に台湾に建立された神社について、その分布や特色、関連の文化財や貴重な図画の展示が行われる。
中でも注目されるのが、史料に基づいて精巧に作られた金瓜石神社の50分の1の縮小模型。1933(昭和8)年に建立された金瓜石神社は現在はその跡地に建物の一部を残すのみだが、日本統治時代の鉱山一帯の信仰の要で、2007年には新北市の市定古跡に選ばれた。模型は当時の金瓜石神社の全貌を忠実に再現しており、銅ぶきの屋根、木造りの社殿、手水舎(ちょうずや)、牛像など当時の様子を生き生きと表している。
「金瓜石神社と山神祭」特別展は10月26日まで黄金博物館・金水特別展示室および煉金楼の2階特別展示室で開催され、7月7日、25日にはそれぞれ台北芸術大学教授の黄士娟さんと林承緯さんによる講演会、「金瓜石神社の建築」、「無形文化財保存と山神祭」も開かれる。
博物館側では、この展示を通して市民らに昔の鉱山の様子や台湾の神社の歴史について理解を深めてもらえればとしている。
“奇跡のピアノ”の音色、台湾でも 震災復興支援感謝イベントで
台北市内で13日まで行われている、東日本大震災での台湾からの支援に感謝するイベントで、震災で被害を受けながら、奇跡的に修復されたピアノの音色が披露された。
この“奇跡のピアノ”は震災当日、福島県いわき市豊間中学校の卒業式で演奏された後、津波の被害に遭ったグランドピアノで、泥まみれで修復不可能とされながらも、同市に住むピアノ調律師の遠藤洋さんが半年の時間を掛けて修復し、話題となった。
演奏は2013年に被災地で復興支援のコンサートを開催したこともある盲目のピアニスト、ホアン・ユィシアン(黄裕翔)さんが担当し、ミニコンサートには歌手のララ・スー(徐佳瑩)さん、普天間かおりさん、臼澤みさきさんなどのアーティストも出演する。
また、画家の淺井裕介さんが“未来”をテーマに岩手県大槌町の子供たちと制作した幅360センチ、高さ450センチの巨大アートや、写真家のハービー山口さんが同県で撮影した写真の展示なども行われている。
沖縄行き台湾・復興航空機、故障で桃園国際空港に引き返す
5日午前11時(日本時間午後0時)前、台湾桃園国際空港を出発した沖縄行きトランスアジア航空(復興航空)GE682便で機器の故障が見つかり、同機はまもなく桃園空港に引き返した。158人の乗客にけがなどはなく、同社では代替便や他社便を手配し、対応に当たった。故障の原因は現在調査中。
復興航空によると、台北(桃園)発・沖縄行きのエアバスA321型機GE682便がきょう午前10時45分、桃園国際空港を離陸後、機器の故障を発見。慎重を期して引き返し、正午に同空港に到着した。
同社ではただちにA320型機を手配、乗客らは午後2時45分に桃園を出発した。また、一部の乗客は手配された他社の便で日本に向かった。