ASUSのQ2売上高、予想外の1千億元割れ[IT]
パソコン(PC)世界大手、華碩電脳(ASUS)が発表した第2四半期の連結売上高(非ブランド事業除く)は前期比4.8%減の計954億5,900万台湾元(約3,249億円)で、1,000億元を割り込み、市場の予測を大きく下回った。部品調達の遅れによる新型スマートフォン「ZenFone」の出荷の滞りや、タブレット端末の需要減などを背景に、主力製品の出荷量が従来目標を下回り全体を押し下げた。同社の業績は前期を底に上向くとみられていたが、関係者の間では今後の業績低迷を懸念する声も強まっている。
8日付台湾各紙が伝えた。非ブランド事業を加えた第2四半期の売上高は計1,051億9,400万元。前期比では4.7%減少し、昨年第2四半期以来で最低となった。同社の6月単月の売上高は前月比で8.0%減、前年同月比で0.4%増の339億900万元。うち非ブランド事業を除いた売上高は308億3,700万元で、前月比では8.3%減った。
同社は前期比減収の要因について、ZenFoneの出荷の滞りと世界的なタブレットの需要減退、中国でのノートPCの販売台数減少を挙げている。蘋果日報によると、ZenFoneは台湾での販売好調が伝えられる一方、液晶パネルをはじめとする部品調達の遅れが表面化。従来の瀚宇彩晶(ハンスター)、中国・天馬微電子に続いて6月からは友達光電(AUO)もサプライチェーンに加えたが、生産と出荷の滞りは7月に持ち越したという。
工商時報などによると、第2四半期における同社の製品別の出荷量はノートPC(タブレットとしても使用できる変形ノートPC含む)が約460万台、タブレットが約200万台、スマホが約100万台。ノートPC以外はそろって従来予測を下回る水準となった。同社の張偉明財務長は「主力製品の出荷量が予測に届かず、売上高に影響したのは事実」としている。同期の出荷量の詳細や損益については「8月の業績説明会で明らかにする」と述べるにとどめた。
同社は非PC事業に力を入れ、PCメーカーから「モバイル機器メーカー」に転換する姿勢を鮮明にしている。中でもZenFoneシリーズを重点商品と位置付けており、沈振来執行長は5月の業績説明会で「今年は世界で計1,000万台の販売を目指す」としていた。
ただ証券筋の間には「ZenFoneは台湾での販売こそ好調なものの、他のアジア・オセアニア地域や中国では北京小米科技(小米)の『小米』をはじめとした低価格スマホとの競争が激化しており、販売台数が従来予測に届いていない」として、華碩のスマホ事業の赤字拡大を懸念する見方もある。上半期の販売台数は計120万台前後で、通年目標の達成には黄信号がともっているという。
■4G対応ZenFone発表
華碩は8日、第4世代移動通信システム(4G)のLTE(ロング・ターム・レボリューション)に対応したZenFoneの新機種「ZenFone5 LTE」と、スマホとタブレットを組み合わせて使用する変形端末「PadFone」シリーズの新機種「PadFone S」などを発表した。
ZenFone5 LTEは画面サイズが5インチで、プロセッサーには米クアルコムのクアッドコア「スナップドラゴン400」を搭載。希望小売価格は6,990元とした。PadFone Sはスマホ部分に画面サイズ5インチのフルHDディスプレーを搭載。プロセッサーにはスナップドラゴン801を採用しており、IPX2相当の防水仕様も売り。通信キャリア大手が4Gサービスに注力する中、新機種の投入でどれだけ販売台数を伸ばせるかが注目されそうだ。
スマホ事業、優勢失うサムスン
スマートフォン各ブランドが販売する機種は、仕様が各社一定の水準に達したことで差別化が難しくなり、これまでハイエンドからローエンドまで販売が好調だった韓国サムスン電子は苦境に立たされつつある。年内に予定されている、5.5インチモデルを含む米アップルのiPhone 6の発売も、サムスンのスマホ販売に大きな衝撃を与えるとみられる。
凶暴な巨大イノシシが民家から脱走! 警察と住民が大捕物
台湾北東部の宜蘭市で6日、民家で飼われていたイノシシ2頭がおりから脱走して市内を走り回り、警察と地元住民らによる大捕物が繰り広げられた。
宜蘭市警察によると、同市民族路付近を巨大なイノシシ2頭が走り回っているとの通報が新生派出所にあり、警察や消防、県の農業処職員などが現場に駆けつけたという。
2頭のイノシシはいずれも大きな牙を生やし、体重100キロ以上と見られる“大物”。激しく暴れていたため、万が一に備えて周辺住民に避難を呼びかけ、警察のスクーターなどで追い詰めた。
イノシシと警察側はその後1時間近くにらみ合いの状態となったが、そこに飼い主の家の近くに住むという男性が現れると、イノシシは落ち着きを取り戻し、そのまま帰途についたという。騒ぎによるけが人は確認されていない。
パオズ(包子)をエサとして与えているうちにこのイノシシたちと仲良くなったと語る男性は、本来の飼い主は脳卒中で入院しており、お腹を空かしたため脱走を図ったのではないかと話している。
現場に駆けつけた警察官の李世煌さんは、今回の大捕物は20年余りの勤務の中で初めての体験だったと振り返る。イノシシの飼い主の家族には安全のために脱走の再発防止を求めたという。
ソフトバンク、LTEサービス国・地域拡大
ソフトバンクモバイルは9日、日本で使用する自分のスマートフォンを使って海外で高速通信「LTE」によるメール送受信などが可能になる国際ローミング(相互接続)サービスを10日に台湾、11日にイタリアとバチカンで始めると発表した。これにより、海外でのLTEの国際ローミングは18カ国・地域で利用できるようになる。台湾でのLTE接続は国内の携帯会社で初めて。
エバー航空、台東農家に陳謝 金城武出演CMによる観光地化の悪影響で
エバー(長栄)航空の張国[火韋]董事長(会長)は7日、台東県池上郷の農家を訪問し、俳優の金城武を起用した自社コマーシャルのロケ地を訪れる観光客の増加で、地元住民の生活や農作業などに支障をきたしたことを陳謝した。
張氏は同地の美しい風景に魅了され、本来ロケ地ではなかった池上郷で撮影を行ったが、結果的に地元の人々に迷惑をかけ、非常に心が痛むと述べ、汚れなきこの清らかな土地を皆で守ってほしいと呼びかけた。
同社では地元への還元策として現地生産の良質米、「池上米」を台湾発の便で提供する機内食として優先的に使用すると発表。その量は毎月約2万5000キロに達し、池上米の国際的知名度向上に寄与するとされている。
また、池上郷に殺到する車を減らし農家への影響を抑えようと、今月16日から郷内の各スポットを回る観光バス10台を寄付することも明らかになった。
このほか、これらに先立ち昨年8月末から定期的に行われていた“奉茶”と呼ばれるお茶の無料提供サービスは今年も継続される。
日本の駐台代表、「台湾の多面性に感動」 離任レセプションで
日本の対台湾窓口機関、交流協会台北事務所の樽井澄夫代表(大使に相当)の離任に伴うレセプションが8日、台北市内のホテルで行われた。樽井代表は台湾の社会的、文化的、経済的多面性に触れ、「強く心を動かされ、驚かされ、感動した毎日だった」と振り返った。
樽井代表は挨拶の中で、来台間もない頃、台北メトロ(MRT)の車内で小学生の男児に席を譲られたエピソードを紹介、「東京では最近あまり見かけなくなった光景」とし、「このような台湾で仕事ができることの幸せをつくづく感じた」と述べ、2年半の在任期間、「私の最初の感動を決して裏切りませんでした」と語った。
また、石定・外交部政務次長は、東京国立博物館で国立故宮博物院(台北市)の特別展の開催が実現し、約2週間で15万人が参観したことなどに言及。樽井代表の日台関係への貢献を高く評価した。
樽井代表は日本への帰国後も交流協会の顧問職を務めることになっており、「日台関係に尽力する」としている。後任には、沼田幹男前ミャンマー大使が就任する予定。
台湾鉄路、分岐器の取り替え急ぐ 台中・龍井駅の作業員死亡事故受け
台鉄西部幹線・龍井駅(台中市)で軌道の保守点検を行っていた作業員2人が同駅を高速で通過する上り特急・自強号にはねられ即死した事故を受け、台湾鉄路管理局では8日、作業員の負担を軽減するため新しくポイント装置(分岐器)を購入したと発表した。
分岐器は線路を分岐させ列車の進路を転換するもの。台鉄によると、今回購入した装置はこれまでのタイプとは違い、通常は補修などが不要で点検作業の手間を省くことができるという。
台鉄では新しい装置を300組以上購入、すでに50組を更新したとしている。
台湾を駆け抜けた花形気動車、15日にラストラン
台湾鉄路の「光華号」として1966年に西部の台北―高雄間を当時最速の4時間45分で結び人気を集めたDR2700型気動車が、今月15日に営業運転を終了する。
DR2700型気動車は台鉄初のステンレス特急列車としてデビューして以来、「白鉄武士」(ステンレスの武士)などの愛称で親しまれてきた。車内に冷房は設置されておらず、昔懐かしい扇風機が取り付けられている。
1986年に縦貫線が電化されてからは活躍の場を東部幹線に移し、花蓮―台東間の普通列車として運用されていたが、台東線の電化に伴う今月16日のダイヤ改正を機に引退が決まった。
最終列車は玉里(花蓮県南部)を午後5時20分に出発する4677号列車で、花蓮まで運行される。6両編成で全車自由席。台鉄では記念品を用意しており、最後の乗車を楽しんでほしいとアピールしている。
レース用ハトを誘拐して「身代金」要求、5人を逮捕 台湾
8日の台北(Taipei)市警の発表によると、台湾北部で逮捕された5人には、レースのコースにわなを仕掛けてハトを捕獲しては飼い主に対し、1羽につき最高1万台湾ドル(約3万4000円)を要求していた疑いが持たれている。5人は逮捕された際、台北郊外の沿岸の山間部で、網やかご、小石などを飛ばす「ぱちんこ」などを使ってわなを仕掛けようとしていたとみられる。5人が実際に「身代金」として手に入れた金額は明らかになっていないが、警察はこれまでに数十羽のハトがこのグループに誘拐されたとみている。
台湾ではハトのレースは人気があり、3万を超える繁殖業者が毎年約200万羽のハトをレースに参加させているが「動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of Animals、PETA)」によれば、うち150万羽が死んでいる。またハトのレースは、違法ギャンブルやゆすり、八百長といった犯罪とも結び付いているという。
PETAは台湾で5か月をかけてハト・レースに関する調査を行った結果、ハトは遠い沖合まで連れて行かれて放たれ、数百キロを飛んで飼い主の元へ戻らなければならず、またけがをしても治療されず、悪天候などでも体を休めることができないなど「命にかかわる」レースであることが多いという。
台湾のある組織が「省政府」を占拠、日本の懐に戻ることを要求―中国紙
台湾南投市中興新村にある「台湾省政府」オフィスが7日午後、100人以上に占領された。台湾・中央社によると、自称「米国台湾政府」の団体が7日正午ごろ、「トイレに行く」ことを理由に「省政府」に入り込んだ。聯合新聞網によると、メンバーらは自分たちで作った「台湾人身分証」を携帯しているほか、「進駐声明」を発表。「われらは台湾人。台湾の主権と法的地位を主張する。米ホワイトハウスには、行政ビルに進駐することを報告してある」と表明した。午後7時40分、南投警察の警告に従い、メンバーらは占拠を解いた。
昨年4月、2011年7月に結成された前身の「台湾民政府」の一部メンバーが米ワシントンで記者会見を開き、「米国台湾政府」への昇格を宣言した。本部は米国で、台湾支部は台中にある。香港・中評社によると、「台湾民政府」は日本帝国主義を復活させようとするアジア版ナチス。台湾・東森新聞によると、1895年の「馬関条約(下関条約)」により台湾は日本に永久割譲されたとして、現在台湾を統治している「中華民国政府」は亡命政府にすぎず、自分たちは最終的には日本の懐に戻るべきだと主張している。
世界の安全な国ランキング、台湾は日本に次ぐ2位=米サイト調査
米ウェブサイト「ライフスタイル9」が同国連邦捜査局(FBI)の資料をもとに各国の安全の度合いを格付けした「世界の安全な国・地域」ランキングで、台湾は2位となったことがわかった。1位は日本だった。
発表によると、台湾の安全指数は83.74。暴力犯罪や強盗などに遭う心配がなく、全世界で最も住みやすい場所の1つとして高く評価された。また、台湾の人はみな優しく誠実だと紹介している。
このほか、台湾では外国人旅行者が手助けを求める前に、誰かが手伝ってくれるとし、女性が深夜に外出しても安全で、そこで暮らす人々も治安の良さを実感していると解説している。
1位は日本で、3位〜10位は順に香港、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)、マルタ、ルクセンブルク、グルジア、バーレーン、シンガポールだった。
金城武さんが50年代の作家を熱演 通信会社の新CMで
台湾の通信最大手・中華電信は7日に行った記者会見で、同社の第4世代移動通信システム(4G)のイメージキャラクターに俳優の金城武を起用すると発表した。
金城は11日夜から放送されるCMで、50年代の作家を演じ、人々が心の中で求めている「ゆっくりとした暮らし」を表現した。撮影は現在「宜蘭文学館」として使われている日本統治時代から残る建物などで行われた。
撮影スタッフには同じく金城が主演し、大きな話題を呼んだエバー(長栄)航空のCMで監督を担当した彭文淳さんや日本人カメラマンの伊島薫さんなどが加わった。撮影時には金城が制作会社の用意した台湾グルメを、嬉しそうに外国人スタッフに紹介する微笑ましい光景も見られたという。
「東北に復興のエールを」 台湾と日本の被災者同士が交流へ
2009年の台風8号によって発生した土石流で、400人以上が死亡し、壊滅的な被害を受けた高雄市・小林地区の住民らが結成した舞踏団「大満舞団」が今月17日、東日本大震災の被災地、岩手県山田町で慰問公演を行い、現地の人々に復興のエールを送ることになった。
8日に行われた記者会見で、行政院(政府)台風8号災害復興推進委員会の陳振川氏は、今回の訪日は小林地区にとって、各界からの支援に感謝を伝える以外に、もとの暮らしを取り戻し、ほかの被災者を勇気付けられるまで立ち直ったことを示すものだと語った。
大満舞団は政府と各界の協力によって結成され、台湾各地で公演を続けている。山田町中央公民館で行われる慰問公演にかかる費用は、全て舞団側が自ら集めたものだという。
台湾のハニートースト店が香港に上陸−待ち時間は2時間
台湾に7店舗と上海に2店舗を手掛ける台湾発ハニートースト専門店「Dazzling Cafe」が6月18日、香港1号店(Shop 22, L3, The ONE, 100 Nathan Road, Tsim Sha Tsui )をオープンした。
平均2時間の待ち時間が必要だが、整理券が配られるので店から離れることもできる。
「ゆったりとした空間で極上デザートを楽しめる」と噂になり、甘いもの好きの女性だけではなく、ビジネス用としても使われ、2010年に台湾でオープンして以来人気が続いている。香港店は台湾と同様に開店2時間前から行列ができ、平均待ち時間も2時間に及ぶ。
店ごとのテーマカラーを決める同店は、香港では海を思わせるオーシャンブルーを基調とし、「Hong Kong Ocean」と命名。もともとスイーツではなく、アクセサリーブランドとして発祥した「Dazzling」ブランドの原点を物語るように、ダイヤモンドリングをあしらったドアの取っ手やウサギの耳の形をした椅子など、店内に可愛らしさと優雅さを漂わせる。フリルの着いたエプロン姿の店員が台湾なまりの中国語で接客するため、まるで、台湾にいるような雰囲気を味わうことができる。
メーンメニューのハニートーストは全部で9種類。看板メニューはクラシカルDazzlingハニートースト「經典Dazzling 蜜糖吐司」(85香港ドル)。15センチの厚さがあるトーストの中には、自家製のカスタードクリームをたっぷり絡めたミニスライストースト、上にはバニラアイスとイチゴを飾り付ける。
同店独自の型で焼き上げられたしずく形のワッフルは、チョコレート、バニラ、イチゴの3種類があり、いずれも自家製の蜂蜜ソースをかける。ワッフルはハニートーストと同様、レギュラーとクリスピー2種の食感からお好みを選べる。
ドリンクメニューのお薦めは、新鮮なモモやリンゴなど旬の果物で作られた特製アイスティー「特調冰茶」(38香港ドル)。さっぱりとした口当たりが、濃厚なクリーム系デザートとよく合うと両方注文する人も多い。デザート以外にも8種類のパスタも提供。黒チョコにコーヒーの味をアクセントにしたソースで仕上げたスパイシーモカパスタ「辣味摩●義大利麺」(82香港ドル)は、香港店限定の新メニューという。
7月末までをトライアル期間とし、月曜〜木曜=12時〜17時(金曜〜日曜=〜20時)。滞在時間は2時間に制限されている。正式運営が始まり次第、予約も受ける予定。
●は峠のつくり。
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台北101と東京スカイツリー、今年も相互の来客誘致で提携
昨年友好関係を締結していた台北101と東京スカイツリーの運営会社は9日、今年も相互誘客に向けた取り組みを継続して実施することを明らかにした。8月にはスカイツリーで台北101の写真展が開催される。
これに合わせ、10日からは両タワーへの訪問者に来場記念切手がプレゼントされるほか、台北101では万年筆セットなど限定グッズが販売される。写真展は8月1日〜14日に実施の予定。
台北101によると、昨年の展望台の入場者数は240万人で、そのうち日本人旅行者が12%〜15%を占めた。今年は260万人の動員を目指しているが、スカイツリーの入場者は9割が日本人であることから、今回の写真展などを通じて訪台旅行者の増加につなげたいと期待を寄せている。
サムスン電子に続き…製造業の韓国代表現代自動車にも赤信号(1)
アップルの部品供給業者に成長した台湾の鴻海グループが長く叫んできた目標だ。行動も敏捷だ。アジアパシフィックテレコムへの投資で通信業の踏み台を用意した。グーグルとはロボット事業を提携中だ。ヒューレット・パッカードとクラウドサービス事業も進めている。こんな鴻海の郭台銘会長が先月16日韓国を訪問した。ITの中心地である板橋(パンギョ)を細かく視察した。翌日彼は議政府(ウィジョンブ)刑務所で崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長に会った。半月後に崔会長が保有するSK C&Cの株式4.9%を鴻海が取得するという公示が出された。双方の利害が合致したものだが後味は苦い。崔会長は借金を返済する資金が必要で、郭会長はIT分野への事業拡張を狙った。業界関係者は「鴻海の立場ではSKグループにはSKテレコムやSKハイニックスなど活用できる企業が多い。C&Cの株式取得は単純投資以上の計算があるだろう」と話した。
韓国企業が危機だ。鴻海のような追撃者に首根っこを捕まれそうだ。企業を率いるリーダーがおらず未来成長動力がないためだ。その上韓国市場は魅力まで失っている。「3無経済」だ。
“ツートップ”から揺れている。サムスン電子は第2四半期業績を通じ隠れていた素顔が表われた。現代自動車の第2四半期業績見通しもみすぼらしい。現代自動車系列会社のHMC投資証券まで現代自動車の第2四半期営業利益を昨年第2四半期より8.7%減の2兆2000億ウォン(約2200億円)と予想する。証券業界の既存見通しより4〜5%低い。大信証券アナリストのチョン・デチョン氏は、「新車効果が為替相場にひざまずいた。通常賃金関連の労使問題まであり当分不確実性が続くだろう」と評価した。これだけではない。SKグループではハイニックス半導体を除くと利益を上げている会社がほとんどない。SKイノベーションは第2四半期の赤字が確実視されている。スマートフォン競争で押されたLGは依然として追い上げに忙しい。ロッテは第2ロッテワールド事業が足止めされこれといった新事業をできずにいる。
「反日」で韓国に続き台湾取り込みを狙う習主席
日中戦争のきっかけとなった「七七事変」(盧溝橋事件)77周年に当たり、中国の習近平国家主席が抗日戦争時の国民党の功労を認める趣旨の発言を複数回したことが分かった。中国共産党の最高指導者が国民党の功績を評価するのはほとんど前例がない。1980年代まで中国の教科書は国民党と蒋介石同党総裁を「土匪」(盗賊)と書いていた。
中国紙・北京青年報は8日、「習主席は7日、中国人民抗日戦争記念館の広場で演説後、記念館を見学し、国民党について2回質問した」と報じた。記念館の案内員が「抗日戦争で戦死した将軍295人の名前が14の石碑に刻まれている」と説明すると、習主席は「国民党(の将軍)も共産党(の将軍)もみんなここに入っているのか」と尋ねた。さらに、日本軍が中国で降伏した十数カ所の戦区について説明を聞いたときも、習主席は「降伏させたのは全て国民党だったのか」と尋ねた。国民党政府は45年8月、日本が敗戦すると、中国を10以上の戦区に分け、日本軍を降伏させた。
習主席は7日の演説でも「(日本と)正面から戦うときも、敵の後方から戦うときも、数多くの愛国志士が死を恐れずに血まみれになって奮戦した」と語った。北京の政界消息筋は「抗日戦争時、国民党軍は日本軍と正面から戦い、共産党は後方からゲリラ戦を行ったケースが多かった」と話す。
49年に政権を執った共産党は、抗日戦争を共産党が主導したかのように宣伝している。しかし、37年の盧溝橋事件をきっかけに日中戦争が本格化したとき、共産党は「大長征」を終えたばかりの状況だった。十数万人で出発した共産党軍は1万5000キロメートルに及ぶ行軍の間に約8000人にまで減った。国民党が前方から日本と戦おうとして大きな被害を受けた一方で、共産党は後方で戦力を蓄えたという話もある。これにより共産党は「国共(国民党と共産党)内戦」を勝利に導くことができたというわけだ。北京の外交消息筋は「習主席がこれまで言及したことのない国民党の抗日戦争での功績について公の場で語り始めたのには、『反日カード』として韓国に続き、台湾も取り込もうという意図があるとみられる」と指摘した。
台湾紙「聯合報」によると、台湾の国民党に所属する馬英九総統は「七七事変」77周年記念行事で「台湾は日本軍の従軍慰安婦歴史博物館を建設する」と述べたという。また、中国紙「人民日報」海外版は同日「台湾の公演団が6日、台北で抗日闘争をたたえる音楽劇を上演し、共産党軍歌『義勇軍行進曲』(現在の中国国家)を演奏した」と報じた。49年に中国から追われ台湾に行き着いた国民党(台湾の与党)勢力は反日感情が比較的強いといわれている。しかし、台湾生まれの民主進歩党(台湾の野党第一党)勢力は日本の植民地支配を経験してはいるものの、日本に対して友好的な感情を持っている。これは、台湾の先住民が「帝国主義時代の日本は台湾の近代化に力を注いだが、中国は台湾から搾取した」と考えているためだ。