クロマグロの漁獲量増加 日台漁業協定運用などで
台湾のクロマグロ漁はまもなく終盤に入るが、シーズンが始まった4月から7月15日までの漁獲数は全体で1671匹と、前年同期より46.5%の大幅増となった。昨年5月の台日漁業協定運用が漁獲の増加につながったとされている。
1671匹の約90%に相当する1497匹は屏東・宜蘭県に所属する漁船によるもので、両県の漁獲量は前年同期比でそれぞれ42.2%と51.6%増えた。農業委員会漁業署では台日漁業協定の存在が大きいと説明している。
協定では釣魚台(日本名:尖閣諸島)12カイリを除く北緯27度以南から八重山諸島北側までを台日共同水域としている。この合意水域内で取れたマグロの数は協定調印後、安定的に増加を続けており、2014年と2013年は2012年よりそれぞれ6.2倍、3.6倍の成長を見せている。
マグロ資源は減少しつつあることから、今月中旬から南米ペルーのリマで始まった全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)の会合では、太平洋クロマグロの幼魚保護を目的とする漁獲量の削減が勧告されており、台湾もこれを受け入れる方針。
台南で2500年前の「人獣形玉器」出土 考古学上の大発見
国立台湾史前文化博物館(台東県)は、南部科学工業園区内の三宝ヒ(=土へんに卑)遺跡で進められている考古学調査で、今からおよそ2500年前のものと推定される「人獣形玉器」が発掘されたと発表した。
同博物館によると、台湾では今回発掘されたような玉器は、これまでにも台北・芝山岩遺跡、台東・卑南遺跡、宜蘭・丸山遺跡、高屏渓・裘拉遺跡、花蓮・大坑遺跡、港口遺跡などで出土しており、中でも卑南遺跡で発掘され、同博物館に保管されているものは国宝に指定されているという。
三宝ヒ遺跡で出土した人獣形玉器は長さ約8センチ、幅約2センチ、厚さ約0.3センチ。台湾東部特産の軟玉(ネフライト)で作られたもので、緑色もしくはオリーブ色に近い。大湖文化後期の烏山頭期(約2800〜2000年前)のもので、生活面から出土しており、墓葬群がすぐ近くにあり、周囲には多くの灰坑がある。
通常の人獣形玉器では2人の人間の頭の上に猫のような動物があしらわれているが、今回出土したのは1人が立っている形。動物の形も見られないが、ひび割れなどはなく完全な形で、通常よりやや大きく腰や脚が太い。頭部には穴が1つ開けられており、糸か綱を通して何かを吊り下げるもののように見える。
現地では台湾東部の軟玉で作った玉器のほかにも、米や粟、貝殻や獣の骨が豊富に出土していることから、当時の台南地方の人々が豊かな物産を元に台湾東部と交易など密接な交流を行っていたと考えられる。台湾全土では人獣形玉器の出土はそう多くなく、この種の玉器はその地域の特殊な経済的・政治的地位を表すとも考えられており、南科園区遺跡の先史時代研究における重要性がうかがえる。
今回の重要遺跡発掘計画は、南科園区管理局の委託で行われているもので、国立台湾史前文化博物館・南科考古館が先月11日に着工されており、将来はここで保存や研究・展示が行われる。
鴻海、iPhone 6生産に中国で10万人採用計画
中国河南省の焦錦?・商務庁長は17日、鴻海精密(HONHAI)の中国子会社、富士康国際が同省鄭州市で米アップルのスマートフォン「iPhone 6」生産工場の操業を始めたことを明らかにした。鴻海精密はiPhone 6生産に対応するため、同省内で作業員10万人を採用する方針だ。4.7インチモデルは7月第3週に、5.5インチモデルは8月第2週にそれぞれ大量生産を開始する予定という。
「皆が語り部」―台湾文化相、「国民アーカイブ」参加呼びかけ
文化部が去年11月にスタートさせた国民の個人史・自分史アーカイブ企画、「国民記憶庫:台湾故事島」(台湾・物語の島)プロジェクトのPRで17日、国立台湾博物館・南門園区(台北市)でキャンペーン記者会見が開催され、プロジェクトを応援する議員やテレビ司会者、出版社代表らが龍応台文化部長と共に市民の積極的な参加を呼びかけた。
龍部長は、この「国民アーカイブ」の開始以来、これまですでに3000人余りの個人史を集めることができたとし、今後も全ての国民が年長者や家族・友人を伴って、それぞれの人生の記憶や思い出を残してくれるよう希望すると述べた。
プロジェクト立ち上げ後はボランティアたちが台湾各地に分け入り、数々の感動の物語を記録してきた。市民自らが各地にある61カ所の収集拠点に出向いて話をすることもでき、父の日などに子供たちにそれまで聞かせたことのないような自分史を語れば、最高の記念になるだろうとしている。
龍部長は、それぞれ個人がたどった歩みこそが国の本当の歴史であり、「国民アーカイブ」はその歴史に誠実に向き合おうとするもので、このプロジェクトを通して台湾2300万人が一層互いを理解し、慈しみ合うことができればと述べた。
大立光のQ2、売上高・利益ともに過去最高
光学デバイス大手の大立光電(ラーガン)は17日、業績説明会を開催した。同社の第2四半期の連結売上高と粗利率、純利益はそろって四半期ベースで過去最高を更新した。
総売上高から返品分や割引額を引いた、大立光の第2四半期の売上高は前年同期比70.3%増の99億7,500万台湾元(約337億円)で、前期比45.4%増と大幅に伸びた。粗利益は58億500万元、粗利率は58.2%で前期から2.6ポイント改善した。ただ、為替差損を3億元計上しており、粗利率は市場予想を下回った。純利益は37億2,200万元で、前年同期比82.9%増、前期比では24.1%増だった。
第2四半期の携帯電話向けレンズの画素数別出荷割合は、500万画素が20〜30%、800万画素が30〜40%、1,000万画素が10〜20%となった。
中央社によると、大立光の林恩平執行長は第3四半期の受注状況について「新商品が多く、ハイエンド向けが好調だ」と述べ、8月の売り上げは7月を上回るとの見通しを示した。今期の粗利率の見通しについては、為替の動向やオートフォーカス用ボイスコイルモーターの出荷次第との見方を示した。
林執行長はかねて懸案となっている、台湾での生産能力増強に伴う新工場の土地の手当てについて「良い結果を期待している」と述べるにとどめた。
猛暑続きで1日あたり20匹のヘビ捕獲 記録更新
暑い日が続く桃園県では、今年初めから現在まで市民からの通報を受けて行ったヘビの捕獲数が1796件に上っており、1日あたり10匹となっている。このうち5月から現在までは1448匹で、1日あたり20匹近いヘビを捕獲していることになる。
同県消防局によると、県内の観音郷、平鎮市、大園郷ではコブラにかみつかれて負傷する人が度々出ており、復興郷でもタイワンアオハブが出没して市民がかみつかれるケースが報告された。ただし、いずれも命に別条はない。同県ではシュウダ、ニシキヘビ、コブラなどをよく見かけ、被害に遭うケースが多く、屋外・屋内を問わず生活の安全上、支障が出ているという。
同局では、もしヘビにかまれたら傷口をきれいな水でよく洗い流し、指輪やブレスレット類を外し、傷口の上部(心臓に近い側)や下部を弾力のある包帯などで縛って細菌感染を避け、毒が体に広がらないようそのまま安静にして救急車を待つよう呼びかけている。
台北映画祭 来年1月から日本でも公開の「KANO」が観客賞など二冠
第16回台北映画祭の授賞式が19日、中山堂(台北市)で行われ、興行収入3億台湾元(約10億1300万円)以上の大ヒットとなった映画「KANO」が観客賞、アキラことエースの呉明捷役を演じたツァオ・ヨウニン(曹佑寧)が助演男優賞を受賞した。
「KANO」は日本統治時代の1931(昭和6)年、甲子園野球大会に初出場した嘉義農林学校の野球部が台湾勢として初めて決勝戦に進み、準優勝に輝くまでのストーリーを描いた作品。台湾の映画館では今年9月25日からアンコール公開される。
無名の新人ながら、甘いルックスと力強い目つきで観客を魅了したツァオ・ヨウニン。授賞式で自分の名前が読み上げられた時は信じられなかったと話し、メディアのインタビューでも終始手が震えていた。助演男優賞受賞の吉報に馬志翔(マー・ジーシアン)監督も思わず跳びはねて喜び、魏徳聖(ウェイ・ダーション)プロデューサーも笑みを浮かべた。
映画の撮影のために大学を1年間休学していたツァオ・ヨウニンだが、現在はすでに復学。映画公開時には「野球一筋」を宣言しており、この日も今後しばらくは野球に専念する考えを示したが、将来再び俳優として活躍する可能性も示唆した。
同作品は来年1月24日から日本でも「KANO〜1931海の向こうの甲子園〜」のタイトルで全国公開されることが決まっている。
空軍基地が一般開放 戦闘機によるデモ飛行も
台中市の清泉崗空軍基地で19日、空軍記念日関連のイベントが行われ、元行政院長(首相)のカク柏村氏、台中市長の胡志強氏などが出席した。(カク=赤におおざと)
この日は、イベントに合わせて基地が一般開放され、AH-64アパッチ攻撃ヘリなど各種軍用機の展示、戦闘機によるデモ飛行、空軍マーチングバンドの演奏などが行われた。
ショーには国産機の経国号(IDF)やF16、ミラージュ2000などの戦闘機が参加したが、AT-3型攻撃練習機の「雷虎チーム」による曲技飛行は特に注目を集め、各機から出される赤、青、白の3色のスモークが空を彩り、集まった市民らの目を楽しませた。
台湾鉄道 踏切の遮断棒折損、半年で117件
台湾鉄路管理局は20日、今年1〜6月までの半年間に踏切で発生した遮断棒の折損件数が117件にのぼったと発表した。1カ月に平均20件近く破損が生じている計算で、すでに地方自治体に対して安全PRの強化を要請している。
台鉄によると、遮断棒折損が最も多かったのが蘇澳鎮・畚箕湖踏切(宜蘭県)、南区・大慶街踏切(台中市)で各5件発生したほか、瑞芳区・逢甲路踏切(新北市)、集集鎮・集鹿路踏切(南投県)、潭子区・人和路踏切、中山路(一)踏切(いずれも台中市)でも各4件起きたという。自治体別では新北市、桃園県、新竹県、宜蘭県、台中市の順で多かった。
台鉄では、踏切を無理に渡ろうとせず、自動車の運転中、前に別の車両がいた場合は安全な距離を保った上で通行してほしいと呼びかけている。
台北メトロ環状線、伊製の新車両が初公開 来年10月にも台湾へ
新北市新交通システムは、台北市と隣接する新北市内に交通ネットワークを建設し、100を越す駅を設けることで、台北市だけに頼らない多角的な生活圏を実現するという構想からスタートしたもの。既存のMRT台北新交通システムとの接続で、新北市民のフットワークが大幅に改善されると期待されている。全部で8つの路線が計画されており、現在は、第一期環状線工事がほぼ半分終了、2016年の完成を目指す。
この区間は全長15.4キロ、新北市新店の大坪林駅から五股新北産業園区までに14駅と車両基地1ヶ所を設ける。
新北市交通局によると、環状新交通システムは中規模輸送用の交通手段で、無人運転システムが採用される。台北市と近郊を結ぶネットワーク網での無人運転システムは、MRT台北新交通システムの文湖線に次いで二つ目。
18日には、車両の写真がインターネットで公開されて話題を集めた。イタリアのメーカー、アンサルドブレーダが車両製造を請け負っており、ミラノで完成したばかりの一号車両は、今後各種のテストを行い、早ければ2015年10月に台湾に運ばれる予定。現在、4車両編成の列車を17編成発注しており、1編成の列車は全長68メートル、乗車定員は650人。
新型車両はフロントガラス部分が20度傾く「流線型」で、文山内湖線の列車とはこの点で大きく異なる。外の景色が楽しめるように窓が大きくとられているのも特徴。一車両の座席数は25席、シルバーシートや車椅子専用エリアも設けられ、通路の広さが1.1メートルに保てるひろびろ設計。連結部分などの安全設計にも配慮されており、より快適な乗り心地が期待されている。
栄養満点でおいしい 台湾産パイナップルは今が旬
台湾では毎年3〜7月がパイナップルの旬の時期とされており、農業委員会台南区農業改良場では、栄養価が高く消化の働きを助ける作用を持つパイナップルをこの機会にたくさん食べてほしいと呼びかけている。
台湾で生産されるパイナップルのうち、生食できるものだけでも10種類以上あるとされている。台湾全域における栽培面積は約9000ヘクタールで、主に中南部の嘉義、台南、高雄、屏東などで生産されている。
3〜4月に旬を迎えるのが、人気の高い金鑽パイナップル(台農17号)。果皮が薄く、きめ細やかな果肉が特徴で、糖度が14度以上になるものもある。台湾で生産されるパイナップルの7割以上を占めているという。
続いて旬の時期を迎えるのが甜蜜蜜パイナップル(台農16号)、蜜宝パイナップル(台農19号)、牛[女乃]パイナップル(ミルク・パイナップル/台農20号)など。台湾のパイナップルは品種の多さ以外にも、生産期間が長いのが特徴だ。
農業改良場によると、パイナップルはビタミンB1、B2、C、カリウム、マンガン、食物繊維などが豊富。たんぱく質の分解を促進し、肉類を柔らかくする効果があるという。
購入時は1.2〜1.5キログラムの大きさのもので、果皮に傷がなく、香りがするものを選ぶのがよいとアピールしている。
日清戦争特別展、CG画像で北洋艦隊の結末を再現
日清戦争(中日甲午戦争、1894〜95年)が今年120年を迎えるのを受け、当時の海戦の模様を史料を基にコンピューター・グラフィックス(CG)でわかりやすく再現したイラストの特別展示が、中央軍事院校・校友総会の主催で7月18日から8月28日まで国父紀念館(台北市)で開かれる。
18日に行われた同展の開幕式では元海軍総司令官の葉昌桐氏が、日清戦争における清・北洋艦隊の敗北は清朝の失策と戦術の誤りによるものだが、その背景にある全体的な戦略が間違っていたことの影響が大きいと指摘。
一部専門家が日清戦争での敗因を、日本が国を挙げ全力で海軍建設に取り組んでいる時に、清の海軍整備が滞ったことにあるとしているが、葉氏は一国の海洋支配力の衰退はその国に望みがなくなることを意味すると断言する。
また、中央軍事院校・校友総会理事長の費鴻波氏は、優秀でありながらも壮絶な最期を遂げた北洋艦隊の将兵らが辱められるべきではなく、敗戦そのものは決して恥ずかしいことではないが、検討・反省をせず改善しないことこそ恥ずべきであると強調。日清海戦の失敗がどこにあったのかを探求する必要があると述べた。
日本のサマースイーツ商戦に台湾のかき氷業者が参入
しっとりとした舌触りで人気を集める台湾かき氷などの製造、販売を手がける台湾企業が、日本の飲食店などと協力し、日本のサマースイーツ商戦に参入を果たした。台湾に足を運ばなくても独特のひんやりとしたおいしさを楽しむことができる。
ミスタードーナツが6月末から販売を開始したかき氷「コットンスノーキャンディー」で滑らかなミルク味の氷を作り出しているのが、1970年創業の台湾企業、翔美食品(Charmy)が開発した小型かき氷機だ。
同社の製品はフジテレビ(東京都港区)で行われているイベントや東京国立博物館で開催中の国立故宮博物院特別展に合わせ、東京都内のホテルで提供された特別ディナーでも採用されている。
開発部門の担当者は、以前は大量のかき氷が作れる業務用の大型機が使用されることが多かったが、小型の機械を開発してから、設置場所が限られるコンビニなどの小さな店舗でも導入できるようになったと話す。
同社はすでに米国、カナダ、東南アジア、インドなど世界20カ国・地域、40都市に進出を果たして台湾かき氷を広めることに成功しており、日本でも新たなブームを巻き起こせるかに期待がかかっている。
台湾企業、ネコ顔認識給餌器を開発 肥満予防に一役
台湾のベンチャー企業「42ARK」が、ペットとして飼われるネコの食生活を自動管理できる給餌器の商品化を目指し、インターネット上で資金の提供を呼びかけている。
42ARKが開発したのは、世界初とされるネコ顔認識給餌器の「Bistro」。装置に搭載される顔認識システムなどで飼い猫の摂食状況を把握できるほか、スマートフォンなどのアプリケーションソフトを通じてエサや水の量を調節・記録し、飼い主同士の情報共有を可能にしたソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)も楽しめる。
16日からの30日間での集金目標額は2000万台湾元(約6800万円)で、早ければ2015年1月にも発売する見通し。
米国の団体の調査で、2013年における全米のペットのうち、54%が体重過多に陥り、イヌよりもネコのほうがその傾向が目立つとされている。Bistroの使用で、エサの食べ過ぎを防ぎ、食欲の増減や体重の変化を随時把握することができるという。