台湾大規模爆発 新たに1人の死亡確認、犠牲者は28人に
台湾南部の高雄で起きた爆発事故は、2日午後、新たに1人の死亡が確認され、犠牲者は、28人にのぼる。
最初の事故現場からその奥、さらにまたその奥で、連鎖するように合計4回の大爆発が起きた。
通りを歩いていると、爆発に巻き込まれたのか、顔じゅう、水ぶくれの人とすれ違った。
また、「遺体が帰ってこない」と、怒りをあらわにする人もいた。
復旧工事が続く中、砂ぼこりから身を守るようにと、マスクを配るボランティアとも出会った。
今回の事故は、地下に埋められたパイプから化学物質が漏れたのが原因とされている。
地元メディアの報道によると、このような工業用パイプは、台湾全土で、およそ4,000kmにわたって敷き詰められているという。
ただ、その場所は明らかにされていない。
住民たちの不安を拭い去るために、今まず何よりも、事故原因の徹底究明が求められている。.
同性結婚希望者、婚姻実現に憲法解釈目指す
2日の「チャイニーズバレンタインデー」を控え、同性愛のカップル20組あまりが婚姻届を提出したが受理されず、憲法解釈を求めることに。8月2日は旧暦の7月7日、七夕で、台湾では恋人の日である「チャイニーズバレンタインデー」と位置づけられている。
これを控えた1日、台北市の戸籍事務所には同性愛のカップル20組あまりが婚姻届を提出しようとした。担当職員はしかし、戸籍システムでは男性と女性の身分証がなければ婚姻登記ができないことを理由に受理しなかった。
カナダですでに婚姻を登記したという女性のカップルは、「すでに7年間愛し合っているが、台湾で一方が入院した際、病院側は家族ではないとして、もう一方の付き添いを認めなかった」と不満を訴えた。婚姻届を拒否されたカップルのうち3組は、同性カップルも結婚できる平等の権利を得るため訴えを起こすと決定。
台湾伴侶権益推進連盟の創設を準備している弁護士、許秀雯さんは、台湾で同性の婚姻を認めていないことはすでに多くの差別と人権侵害を生んでいるとし、最終的には、政府が同性の人たちが結婚する権利を奪っていることの是非を、大法官による憲法解釈で判断してもらうと話している。
飛安会、旅客機墜落事故の調査結果を報告
飛航安全調査委員会(飛安会)が、先ごろ起きたトランスアジア航空機墜落事故に関する第一段階の調査報告を発表した。トランスアジア航空のプロペラ機、GE222便は7月23日午後、台湾南部の高雄から離島の澎湖に向かい、夜7時過ぎに澎湖の馬公空港近くに墜落。乗客と乗務員合わせて58人のうち48人が死亡した。
飛行安全調査委員会は1日、第一段階の調査報告を行うと共に、回収した二つのブラックボックス、操縦室音声記録装置CVR、飛行記録装置FDRなどのデータを分析した初歩的な結果を発表した。
飛行安全調査委員会の王興中・執行長によると、GE222便は午後7時5分44秒に自動操縦を解除、5分59秒から左にコースをはずれだし、高度も下がった。7時6分10秒に操縦士は再上昇を決定、13秒に不明の音声が聞こえてから、15秒すぎに操縦士が管制塔に再上昇を伝えた。その後、6分18秒にもう一度はっきりしない音声が聞こえ、その後は記録が途絶えている。
王・執行長は、墜落現場の民家付近で主に旅客機の残骸が残る場所および林と、このデータをつき合わせて見て、木の折れ方や、折れてエンジンに絡んだ木の枝などを考慮すると、林が旅客機の挙動に一定の影響を与えたことがわかると説明した。
しかし、王・執行長は、初歩的な調査報告は最終的な墜落原因を示すものではなく、具体的な事故原因を確定するには少なくとも1年半程度は要するとの見方を示した。
断交後初、総統夫人が日本を訪問
馬英九・総統の夫人、周美青・女史7月31日から日本を訪問している。中華民国の総統夫人が日本を訪れるのは、1972年に中華民国と日本が国交を断絶して以来初めて。
周・女史はこのほど、台湾の原住民族の子供たちによる合唱団、台湾原声童声合唱団の名誉団長として日本を訪れて民間交流に参加する。周・女史の乗った旅客機は予定より遅れ、日本時間の31日夜11時ごろに羽田空港に到着。日本における中華民国大使に相当する沈斯淳・日本駐在代表らが出迎え、周・女史は笑顔で滞在先のホテルに向かった。
台湾原声童声合唱団は1日夜、新宿文化センターでコンサートを開き、周・女史はこれに出席。周・女史はまた、4日に、東京国立博物館で行われる、国立故宮博物院の収蔵品の特別展、「神品至宝」展の展示品入れ替えセレモニーに出席、これら展示品を紹介する特別内覧会に参加する。この内覧会でも台湾原声童声合唱団は歌を披露する。
合唱団はまた、3日には昭和女子大学の人見記念講堂で行われる、「こどもコーラスフェスティバル」にもゲスト出演。そして4日正午12時20分からは、群馬県庁1階のホールでも歌声を披露するという。
高雄市で大規模なガス爆発、292人が死傷
台湾南部の高雄市で31日夜、ガス爆発事故が相次いで発生した。当初は午後8時40分ごろ、前鎮区でガス漏れが発生、午後10時ごろにガス管が爆発が発生したもよう。地元の消防によると、きょう(1日)午前7時30軍現在、22人の死亡、270人の負傷が確認されたという。爆発の範囲は市内2〜3平方キロに及んでいる。爆発発生の連絡を受けた馬英九総統は直ちに江宜樺・行政院長と連絡を取り、政府の関連機関に対し、速やかに救助、救援措置を取るよう指示した。政府は中央災害応変中心(災害対応センター)を設置し、江・行政院長が指揮を執っている。同中心によると、台南市および屏東県の消防局が現地に向かったほか、国軍から1500人近くが出動し、救援作業を開始した。
高雄の爆発で26人死亡、269人負傷
高雄市の道路で広範囲な爆発が起き、約300人が死傷。高雄市前鎮区の三多路、凱旋路、二聖路、瑞隆路などで7月31日深夜12時前、轟音とともに大きな爆発が相次いだ。爆発では道路が浮き上がり、自動車が吹き飛ぶなどした他、各地で火柱が上がった。爆発が起きた範囲は約3平方キロ、道路の長さは約6キロとされ、一部の人は「戦場さながら」と形容した。
中央災害対応センターが1日夜に発表したところによると、この事故での死亡者は26人。けが人は297人で、消防隊員2人が行方不明となっている。
この事故は当初、ガス漏れが原因と見られたが、経済部は工業用のパイプラインを通る気体、プロペンが爆発した可能性を指摘した。現場はパイプラインが埋設された場所に沿って、道路に長く深い陥没ができている。
馬英九・総統は1日午前のスケジュールを取り消し、台北市に設置された中央災害対応センターで事故後の救助活動の報告を受けると共に、高雄市の陳菊・市長とテレビ会議を開いて最新の状況を把握した。
陳・高雄市長は、爆発後の火災は、一心一路と光華路の交差点で残っているだけだと報告、消防隊員が現場でさらなる爆発が起きないよう警戒しているという。陳・市長はまた、中央政府に対し、人員面での支援と人命探査装置などの設備の提供を求めるとともに、経済部が工業用パイプラインの配置を見直すよう希望した。
馬・総統はこれに対し、経済部に状況を把握させて検討させると約束。そして、爆発や火災は押さえ込んだ形ながら、関連部会は人員と物資を集中して全力で救援活動に当たるよう指示。馬・総統は、「更なる支援が必要なら全力で協力する。中央と地方が団結し、連絡しあうことで被害を最低限に食い止める。また、同様の事故の再発を防ぐ」と強調した。
高雄市は台湾南部最大の都市、人口は277万人。日本の対台湾窓口機関・交流協会高雄事務所によると、高雄市在住の日本人は約1300人、日本企業は約170社が進出、日本人学校も設けられている。
行政院の江宜樺・院長は1日、爆発事故と、先月23日に起きた旅客機墜落事故とをあわせて、これらの犠牲者を追悼するため、今月5日から3日間、全国で半旗を掲げると宣言した。
日本の駐台代表、台湾へ見舞い状 高雄爆発事故で
高雄市の市街地で起きた大規模な爆発事故を受け、日本の対台湾窓口機関、交流協会台北事務所の沼田幹男代表(大使に相当)は1日、馬英九総統、林永楽外交部長、台湾側窓口・亜東関係協会の李嘉進会長宛てに見舞い状を送った。
事故では警察・消防関係者を含む26人が死亡、266人が負傷しており、沼田代表はこれに対して、「勇敢なる消防隊員を含む、多くの尊い人命が失われるとともに、数多く負傷者が出ていることは大変痛ましいことであり、深い悲しみを覚えております」とした。
その上で、犠牲者と遺族への哀悼の意を表すとともに、関係者が一日も早く元の生活に戻れるよう祈ると伝えた。
台湾・高雄爆発で多額の寄付続々 自粛ムードでイベント中止も
台湾南部の高雄市で死傷者が300人近くにのぼる大規模な爆発が起きたのを受け、台湾塑膠工業(台湾プラスチック)グループが2000万台湾元(約7000万円)の寄付を発表するなど、複数の大手企業から多額の義援金や物的支援が寄せられている。
台湾プラスチックのほか、生保大手の南山人寿や食品大手の頂新国際集団、金融持株会社の富邦金融控股などもそれぞれ1000万元(約3500万円)の寄付を発表しており、受託生産大手の鴻海(ホンハイ)精密工業では義援金1000万元だけでなく、モバイル電源5000個の無料提供も決定している。
一方、事故後は各自治体で自粛ムードが広がっており、台北市では恒例の花火大会が見送られるなど、旧暦7月7日の七夕(今年は8月2日)に合わせて開催予定のイベントの中止が相次いでいる。
台湾・嘉義の小学校が夏休みの剣道合宿 児童たちが鍛錬に打ち込む
嘉義県阿里山郷の香林小学校は、同校で剣道の指導を行っている蔡朋志氏などの協力のもと、7月28日からの3日間、夏休みの剣道合宿を行った。
同校の校長によると、合宿初日に蔡氏らが行った交流試合を目の当たりにした児童たちは、剣道の持つ力強さや美しさに驚いた様子で、合宿が終わった後も名残惜しそうにしていたという。
また、最終日に防具をつけた正式な対抗戦が行われた際は、児童たちはみな、興奮を抑えきれないといった表情で、試合終了後には来年の合宿での再会を約束しあっていた。
蔡氏は剣道を学ぶのはケンカで強さを競い合うためではなく、伝統文化の中の「相手を尊重する」というスポーツマンシップを体得するためで、子供たちが集中力を身につけたり、物事に挑戦する勇気を持つことにつながると語っている。
台湾、釣魚台の無人島命名で日本に抗議
外交部は1日、日本政府が新たに命名した158の無人島の中に、釣魚台列島(日本名:尖閣諸島)の5つの島が含まれていることに対し、台北駐日経済文化代表処(大使館に相当)を通じて日本に厳重抗議を行った。
同部は、今回の行為は絶対に受け入れられないとした上で、釣魚台列島が中華民国固有の領土であることを改めて主張するとともに、日本側が自制し、台日関係を損うことのないよう求めた。
中華民国は2012年に「東シナ海平和イニシアチブ」を提唱しており、関係各方面に対して国際法を遵守し、話し合いにより地域の平和と安定を確保することで、東シナ海を「平和と協力の海」にするよう呼びかけている。
台湾先住民の児童合唱団、東京公演で震災復興を応援
原住民(先住民)児童からなる合唱団「台湾原声童声合唱団」が1日夜、同合唱団の名誉団長として日本を訪れている馬英九総統夫人の周美青氏と沈斯淳駐日代表(大使相当)の出席の下、東京・新宿文化センターでコンサートを行った。公演では子供たちの純粋な歌声を通して東日本大震災の被災者への支援の気持ちを示すとともに、最近台湾で相次いで起こった事故の犠牲者に対して祈りが捧げられた。
コンサートでは冒頭、山岳地帯に住む原住民・ブヌン族に伝わる歌謡「太陽よ早く出ろ」がブヌン語で歌われ、狩りの儀式にヒントを得た踊りが添えられた。
また、東日本大震災の犠牲者や被災者に捧げる曲として日本の復興支援ソング「花は咲く」と、台湾で1985年に発表されたチャリティーソング「明天會更好」(明日はもっと良くなる)が披露されたが、周氏の提案で同時に1日未明に起きた高雄のガス爆発事故と、先月23日に起きた澎湖の航空機墜落事故の犠牲者を悼んだ。
合唱団はこのほか「台北的天空」(台北の空)、台湾民謡の「天黒黒」、日本の「赤とんぼ」、「故郷」など日台の名曲の数々を歌い、子供たちの透き通った美しい歌声が1000人以上の観客らの心を捉え、歌が終わると大きな拍手が鳴りやまなかった。また、台湾と交流のある「男声合唱団東京リーダーターフェル1925」もゲスト出演し3曲披露した。
「台湾原声童声合唱団」では周氏が同行しての海外公演は昨年7月の米サンフランシスコに続いて今回が2度目。日本滞在中は、このあと3日に昭和女子大学で行われる「こどもコーラスフェスティバル」に出演するほか、4日は台北・故宮博物院展開催中の東京国立博物館のイベントでも歌声を披露する。
高雄ガス爆発受け8月5日〜7日、台湾全土で半旗掲揚
江宜樺行政院長は1日、高雄市爆発事故災害対応センターを視察した際、政府関係部署に全力で高雄市への支援を行うよう求めると同時に、8月5日から3日間、台湾全土で半旗を掲げ、相次ぐ事故による犠牲者に対して哀悼の意を表すと明らかにした。
台湾では先月23日に澎湖諸島での旅客機墜落、今月1日未明に高雄市市街地での大規模ガス爆発と相次ぐ事故により多数の死傷者を出した。これを受け、行政院では航空機事故から数えていわゆる「二七日(ふたなぬか)」にあたる8月5日から、ガス爆発事故から「初七日」にあたる同7日までの3日間、台湾全土で半旗を掲げて犠牲者への哀悼を捧げると発表した。
台湾では過去にも1999年9月に起きた台湾中部大地震(9・21大地震)、2009年8月の台風災害(8・8水災)の際も、それぞれの年の9月23日から(初七日前)と8月22日から(二七日前)の3日間、半旗を掲げている。
台湾観光バス運転手が中国本土客を殴打、「指定の店でお土産買わなかった!」
台湾メディアの報道によると、台東県の知本温泉近くで7月30日夜、観光バスの運転手が中国本土からの客の女性を殴打し、警察に連行される事件が起きた。運転手は客の女性が指定の店で土産物を買わなかったことに腹をたて、女性を殴打したという。中国台湾網が31日伝えた。
台湾には中国本土から多くの観光客がツアーで訪れているが、多くのツアーは低価格で、観光バスの運転手は土産物店などと契約し、客が購入してバックマージンを得ることしか、利益を出す方法がない。
事件後、現地では中国本土客が派出所を取り囲み、運転手を厳罰に処すよう求める騒ぎとなった。
ガス爆発の高雄市、パイプラインの移設求める声 当局に批判も
7月31日深夜から1日未明にかけて複数の大規模なガス爆発が起きて多数の死傷者が出た台湾第2の都市、高雄(Kaohsiung)市では、地下に通された工業用パイプラインの移設を求める声が住民から上がっている。
台湾・高雄で大規模ガス爆発 25人死亡、267人負傷(8月1日)
爆発とその後の火災で300人近くが負傷し、これまでに少なくとも26人が死亡した。爆発の勢いは非常に強く、車がひっくり返ったり、原動機付き自転車が飛ばされて5階建てのビルの屋上に落下したりしたほか、大通りは数百メートルにわたって陥没した。
高雄市の近くには巨大な石油化学コンビナートがあり、多くの人が暮らしている同市の地下を多数のパイプラインが走っている。
救助隊員らががれきに埋まった遺体の捜索を続ける中、多くの住民は、爆発の3時間前にガス漏れの通報を受けていながら、速やかにガス漏れを止められなかった高雄市当局を批判している。
地元に住むリン・チュンフア(Lin Chung-hua)さんはAFPに「私は当局の対応が良くなかったと思う。すぐにパイプラインを止めていれば爆発なんか起きなかったはずだよ」と語った。
爆発で陥没した通りに面する店舗を持っているというリンさんは、「パイプラインは何年も前、まだこの辺りの住民が少なかった頃に設置されたんだけれど、今ではとてもたくさんの人が住んでいる。当然、撤去しなければならない。危険なんだから」と話し、パイプラインの移設を求めた。
台湾紙・聯合報(United Daily News)は、「(パイプラインの)バルブをもっと早く閉めていればこれほどの惨事にはならなかった」という匿名の消防士の話を掲載した。ガスの臭いがするという住民の通報を受けて現場に急行した消防士4人が爆発で死亡し、さらに別の消防士2人も行方不明になっている。
高雄市で死傷者が出るガス爆発が起きたのは今回が初めてではない。1997年に石油会社「台湾中油(CPC Corporation)」の作業チームが道路工事のため一部区間のガス管を掘り出そうとした際に爆発が起き、5人が死亡、約20人が負傷した事故が起きている。