台湾の潜水艦建造、米議員「アメリカは技術面で協力すべき」
米下院軍事委員会委員長のハワード・マッキーオン氏(共和党)は7日、台湾が自己防衛に必要な武器を保有することを支持すると表明し、台湾に潜水艦を自国で建造する意思があるなら、米国はこれに対して技術供与を行うべきだと述べた。
台湾の馬英九総統は7日午前、マッキーオン氏率いる米側代表団一行と会見した。馬総統は台湾は戦闘機の購入以外にも対潜能力の強化を図っており、さらに、台湾防衛力強化の一助となるとしてディーゼル潜水艦を保有することを強く望むとした。
マッキーオン氏は同日午後、中央社の取材に対し、米国は台湾に対して支援協力しており、しかも、台湾の人々は攻撃目的ではなく、防衛に必要なだけの武器を希望するとしているのであり、下院議員の大半がこの立場を支持しているとした。
そして次の段階としては、他の下院議員や行政部門を説得し、潜水艦やフリゲート艦、最新型戦闘機を含む武器の提供を加速化させるとし、台湾の政府が潜水艦の必要性に言及していることについては、「台湾が潜水艦を自国で建造するなら、米国はこれに協力して技術供与を行うべきだ」と述べた。
米国防総省が6月に今年の「中国の軍事力に関する年次報告」を発表した際、関係者が台湾の潜水艦建造への技術供与は同国の対台湾政策に基づいて対応すると強調しているが、今のところ関連の決定は行われていない。
疾管署、エボラ出血熱緊急対応チーム設置へ
WHO世界保健機関は8日、西アフリカでのエボラ出血熱の流行を「世界が関心を寄せる緊急公衆衛生事件」と位置づけ、緊急事態宣言を行った。これを受けて、衛生福利部疾病管制署(疾管署)は8日夕方に記者会見を開き、エボラ出血熱に対抗するため、「緊急対応チーム」を設置して感染防止への取り組みを強化すると明らかにした。同署ではまた、万一台湾の人に感染の疑いが出た場合の治療方法や帰国方法について外交部と検討するとしている。
WHOの提言によれば、台湾は一般の海外旅行やビジネスでの移動を禁止する必要はないが、現在エボラ出血熱が流行している場所に向かう人にはリスクを伝え、一般の人たちにも正確な感染状況や身を守るための情報を提供しなければならない。また、政府は患者の監視、調査、処置能力を高める必要がある。そして、もし台湾の人に感染の可能性があった場合、避難に協力するか、台湾にその人を移送することが最も重要だという。
行政院長、辞意の張・経済部長の慰留続ける
行政院の江宜樺・院長が、7日に辞意を表明した経済部の張家祝・部長を全力で慰留している。張・経済部長は7日夜、野党などの妨害で政務が進まず、また、台湾南部・高雄市で起きた爆発事故の責任所在などで不当な批判をされているとして辞意を表明した。
行政院の孫立群・スポークスマンは8日、江・行政院長は各種のルートを通じて、強く慰留していると明らかにした。江・行政院長は張・経済部長の手腕を高く評価、慰留することについては馬英九・総統も支持しているという。また、財界からも辞任を思いとどまるよう求める声が上がっている。
上半期、海外からの来台旅行者は26%増
海外からの来台旅行者が上半期は前年比で26%のプラスに。交通部観光局の最新統計によると、今年上半期に海外から台湾を訪れた人は延べ482万1384人で、前年比では26.69%成長した。今年の目標は延べ900万人。
中国大陸などからの「華人」旅行者は延べ255万2809人で過半数を占める。アジアからの旅行者は延べ436万2833人で、全体の9割に。前年比では18.08%増。特に中国大陸からの人は延べ196万1929人で38.45%増。観光局の目標延べ335万人を大きく上回るペースに。香港・マカオからの旅行者は18.08%増の延べ65万9487人だった。
前年と比べた成長率では韓国人がトップ。延べ26万2814人ながら成長率は79.81%。次いでフィリピン人(延べ6万9459任)も前年比で41.18%増えた。日本、インド、中東、東南アジアからの旅行者も増加、成長率は約16%から21%だった。
「八八水災」再建委員会が解散へ
2009年8月8日の台風モーラコットによる被害、「八八水災」後のコミュニティの再建をサポートしてきた、行政院モーラコット台風被災地再建推進委員会が5年にわたる任務を8日に終えた。写真は被災地に建てられた新たな住宅。仮設ではない恒久住宅。(写真:CNA)
2009年8月に起きた台風被害を受け、政府が設立した、行政院モーラコット台風被災地再建推進委員会が8日、5年近くの任務を終えた。8月末に解散し、政府各部門から出向していた職員は本来の職場に復帰する。
モーラコットは台風の名称(台風8号)で、この台風がもたらした豪雨による土砂災害などで、2009年8月7日から10日にかけて、南部の高雄市などで合計700人近くが犠牲となった。台湾では「八八水災(水害)」と呼ぶ。
被災後、再建対象となった44のコミュニティのうち43ヶ所が再建を終えており、最後に残った嘉義県阿里山郷来吉村の42世帯についても9月末には完成するという。
再建推進委員会の陳振川・執行長は、同委員会の任務は終了するが、この台風被害に関する復興の記録は高雄市の科学工芸博物館で展示される他、国際的なドキュメンタリー専門チャンネル、ナショナルジオグラフィックでもドキュメンタリー番組となって放送されるとし、被災からの復興の経験がこれからもずっと受け継がれていくようにと希望した。
高雄市副市長ら辞任、李長栄化工は操業停止
台湾南部・高雄市で7月31日に発生した爆発事故の責任問題で、高雄市の呉宏謀・副市長、高雄市工務局の楊明洲・局長、高雄市水利局の李賢義・局長、高雄市新交通システム局の陳存水・局長が7日に辞意を表明。工務局、水利局、新交通システム局は、道路に埋設されたパイプラインについて十分把握していなかったことなどが問題になっている。
陳菊・高雄市長は8日になって辞任を批准。しかし、これらの辞任は今回の事故の処理が終わってから発効するとしており、現時点では引き続き事故後の処理に努力するよう4人に求めた。
なお、この爆発事故の原因と見られるプロピレンの漏洩をおこしたとされる李長栄化学工業に対し、高雄市は9日、石油化学原料の輸送の安全を確保するとして操業停止を命じた。工場の内外における石油化学原料の輸送設備と生産設備の安全性を改善する計画が提出され、それが審査をパスするまで工場の運転は再開させないということ。
元国軍情報工作員 「日本は好戦的」 日中戦争での苦労を語る
中国大陸の雲南省・騰衝に位置し、旧日本軍に抗して戦った中華民国「遠征軍」の兵士らが眠る墓地で、今年90歳になる元情報工作員・盧彩文さんが、対日抗戦(日中戦争1937〜45年)の時代に思いを馳せ、中央社の記者に対してその長い歳月の感慨を語った。
第二次世界大戦中、中華民国軍は連合国軍の要請を受けて日本軍の海上封鎖を突破、後方に補給線を確保して遠征軍を雲南省西部の騰衝などに派遣し、はるばるビルマ(現ミャンマー)に進んで作戦を展開した。また、ビルマを経由してインドに通じる道路「中印公路」を建設した。だが、戦況は熾烈を極め、多くの兵士が雲南やビルマで命を落としている。
盧さんは、日本軍の砲火が雲南に及んだ時、自分はまだ16歳で中学校も卒業していなかったが、「中国の国土を侵す日本人に抗しよう」と多くの同級生らと共に軍事学校に志願し、国軍に入隊した。盧さんは「墓地には私の同級生がたくさん眠っている。中には寝起きを共にしていた者もいる」と語る。
当時、国軍部隊「第11方面軍」に編入された盧さんは、地元・騰衝の出身である上に、若くて機転が利くとして情報部門に配属され、ビルマ語を学んだ後、ビルマ国内へ派遣され、作戦遂行や情報収集の任務に当たったという。
取材中、話が日本に及ぶと盧さんは、今でも日本の一部政治家が意図的に侵略の歴史を否定する度、当時の日本軍との壮絶な戦いや情報収集の苦労が思い返されるといい、「日本(人)という民族は好戦的で、帝国主義的な思想が実にひどい」と断じる。
一方、イデオロギーの大きく異なる中国共産党によって1949年に政権が樹立されて以来、これまで60年余りの間、国軍の対日抗戦への貢献は軽視されてきた。そのためかつては多くの元国軍兵士が共産党の政治運動に巻き込まれることになったが、これについて盧さんは多くを語ろうとしない。しかし、一人で墓地を訪れ戦友らを弔う時、「情況は好転した」、「(大陸の)指導層も配慮をしてくれるようになった」と語りかけ慰めるという。
近年、北京当局では「抗日戦争」の史料の収集・保存に力を入れており、国軍によるビルマの戦役についても調査が行われている。ミャンマーにも係員を派遣して遠征軍兵士の亡骸を探し出す事業も進められ、その骨は雲南省・騰衝の「国殤墓園」に埋葬され法要が営まれる。また、墓地のそばには「滇西(てんせい)抗日戦争紀念館」が設けられ、各種資料が展示されている。
日本の人気漫画家が台湾に 徹夜で並ぶファンも
台湾のアニメとコミックの総合イベント「漫画博覧会」で9日、日本の漫画家、夏目イサクさんの台湾初となるサイン会が行われた。
夏目さんは台湾の漫画博覧会にゲストとして呼ばれたことは、非常に光栄で嬉しいと語ったほか、台湾で特に印象的なものはなにかという質問に、食べ物がとてもおいしいと答えた。
参加したファンの中には、サイン会のために2日前から徹夜で並んでいたという女性もおり、「こんなに間近で夏目先生に会えて、とても嬉しい」と感動を隠せない様子だった。
出版社によれば、購入するとサイン会に参加できる限定150セットの商品は、販売開始から4分で売り切れとなる人気ぶりで、最後の1セットを手にしたファンからは「買えた!」と興奮した声が上がっていたという。
今年で15回目を迎える漫画博覧会では日台の漫画家や声優、メカニックデザイナーなど計57人がサイン会などのイベントに参加し、ファンと触れ合う。
台湾・立法院、 “ひまわり学生運動”以来のバリケード撤去
台北市警察は9日、3月の“ひまわり(太陽花)学生運動”以来、立法院(国会)の周囲に張られていたバリケードを取り払った。
バリケードは、中国大陸との「サービス貿易取り決め」反対などを訴える3月の学生運動を機に、立法院周辺で市民団体による抗議の座り込みなどが相次いで行われたのを受けて設置されていたもの。
最近は立法院敷地外のデモ活動が沈静化しており、今会期2回目の臨時国会も8日に終わったことから、市警はバリケードの撤去を決定したという。
9日午前に始まった撤去作業は通行人の目を引いたが、一部市民から「立法委員(国会議員)の“自囚”(自分で自分をとらわれの身とする)の日々がようやく終わってよかったね」と皮肉る声も上がり、苦笑を誘った。
台湾を訪れる観光客、今年上半期で482万人突破 中・韓から大幅増
交通部観光局によると、今年1月から6月までの期間に台湾を訪れた旅行者が延べ482万人を超え、昨年同期比で27%増加。特に韓国と中国大陸からの旅行者が大幅に増えているという。政府は今年の訪台観光客の目標を900万人としているが、このままいけば順調に達成されることになりそうだ。
同局の調べによると、今年1月〜6月に台湾を訪れた旅行者は482万1384人に上り、昨年同期の380万5506人と比べると26.69%の成長となっている。このうち、華僑など中華系の人々、華人が255万2809人と半数を上回っている。また、アジアからは436万2833人と約9割を占め、昨年同期比で3割近くの伸びとなった。
中国大陸から訪れた旅行客は、観光局が年間目標としている335万人の半数(167万人余り)を超えて196万1929人に達し、38.45%の増加となった。香港・マカオは65万9487人で18.08%増だった。このほか、アジアで増加が目立ったのは順に、韓国26万2814人(昨年同期比で79.81%増)、フィリピン6万9459人(同41.19%増)で、これに中国大陸が続く。
さらに、日本、インド、中東、東南アジアの旅行者が昨年同期比で16%〜21%の伸びを示したが、タイは政治情勢が落ち着きを取り戻しているものの1.45%の減少となり、アジアで唯一マイナス成長を示した国となった。
欧米から台湾を訪れた旅行者は1〜2割増え、華人旅行者が減った代わりに外国人旅行者が大幅に増加した。豪州、ニュージーランドは25%、アフリカからの旅行者は15%の成長となった。
台湾美術の“いま”を紹介する展覧会 開会式にはジュディ・オングさんも
台湾の現代美術作品が展示される「いま、台湾−台灣美術院の作家たち−」展の開会式が8日、渋谷区立松濤美術館で行われ、台湾出身の歌手で版画家のジュディ・オング(翁倩玉)さんや沈斯淳駐日代表(大使相当)などが出席した。
開会式では開始に先立ち、最近台湾で起きた澎湖の航空機墜落と高雄の爆発事故の犠牲者に対して黙祷が捧げられた。
沈駐日代表は開会式の挨拶の中で、今年はこの展覧会以外にも、東京国立博物館で開催中の「台北 国立故宮博物院 −神品至宝−」や、森美術館(東京都港区)で9月から始まる「リー・ミンウェイとその関係展」など、日台の美術交流にとって記念となるイベントの多い年であると語った。
ジュディ・オングさんは開会式終了後、今回の展覧会は日台の交流を深めるいい機会だと述べた。また、高雄で発生した爆発事故にも触れ、9日には台北で行われるチャリティー番組に出演し、義援金にあてるために自身の版画作品をオークションに出すと発表した。
「いま、台湾−台灣美術院の作家たち−」展では、台湾を代表する芸術家たちが2010年に設立した「台湾美術院」のアーティスト20人・47作品のほか、ジュディ・オングさんの版画などが展示される。開催は9月21日まで。
SL「貴婦人」観光列車、上り坂を上がれず後退
台湾鉄路管理局(台鉄)では8月7日〜9日の3日間、台東線の玉里−台東間で蒸気機関車CT273(日本製でC57型「貴婦人」と同型)が牽引する観光列車を運行している。7日、この列車が台東渓谷の上り勾配に差しかかったところでバックしてしまうというハプニングがあった。
C57型蒸気機関車は美しい流線形のシルエットで知られ、「貴婦人」と称されてきた。台湾にはCT273として日本統治時代の1943(昭和18)年に導入され、今年で71年と“おばあちゃん”になるが、今回の台鉄の企画はこの動態保存されている「貴婦人」と地元観光を結びつけたもの。列車は冷房平快車4両と冷房なし気動車両2両からなる。
鉄道ファンらの話によると、この日午後2時過ぎ、蒸気機関車が牽引する観光列車は池上を出発したが、10数分後、上り坂にかかった時にだんだんスピードが落ち、そのうち動かなくなった。
突然、「バックしてる!」と小さな男の子が叫ぶ声が聞こえたかと思うと、数十メートルほど後退し続け、やがて停止してしまった。列車はその後、後ろから2両のディーゼル機関車に押してもらって前進することに。
台鉄・花蓮運務段の張建暦さんはこの区間の勾配は千分の15(1000メートル進むと15メートル上がる)で、加えて雨が降っていたためレールが滑りやすくなっており、坂を上れなかったと説明。大丈夫だろうと思いつつも、もしかしたらとディーゼル機関車を手配していたという。
“カニの横断見守って” 産卵するオカガニ守るため交通規制
墾丁国家公園管理処(屏東県)は産卵のために海に向かう陸蟹(オカガニ)の保護を目的として、今月から一部の道路で交通規制を行うと発表した。
台湾最南端の墾丁では夏、夜になると卵を抱えたオカガニのメスが道路を渡って海で産卵する光景が見られる。しかし、その過程で車に轢かれて死んでしまうことも多く、その犠牲を少しでも減らそうと、公園内の道路の一部で毎年交通規制が行われている。
同管理処によると、規制は台湾省道26号線の39.5キロ地点から41.5キロ地点までの鵝鑾鼻付近の区間で行われ、両側4車線を2車線に制限するほか、10分毎に2分間の道路封鎖を行う。実施日時は8月10日〜12日、9月8日〜10日(ともに午後6時半〜8時半)、10月8日〜10日(午後6時〜8時)。
また、期間中は環境保護団体や教育団体のボランティアが、道路を利用する市民に対してオカガニ保護を呼びかけるPR活動を行う。
ミクシィ好調、「モンスト」で“ストライクショット” 収入の伸び…予測困難
会員制交流サイト(SNS)大手のミクシィが8日発表した2014年4〜6月期連結決算は、売上高が前年同期の5.9倍の127億円で、最終損益も29億円の黒字(前年同期は2億円の赤字)と大きく回復した。1000万ダウンロードを突破したスマートフォン(高機能携帯電話)向けゲーム「モンスターストライク(モンスト)」が牽引(けんいん)した。
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15年3月期の業績予想については、これまで売上高400億円、最終利益60億円としていたが、モンストの収入の伸びが予測困難で、「合理的な数字の算出が難しい」(幹部)として、未定とした。
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9月中間の業績予想は、売上高を従来予想より135億円多い330億円に上方修正。このうち約280億円をモンストが稼ぎ出す見込みという。最終利益も52億円多い80億円に引き上げた。
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ミクシィは本業のSNSが苦戦する中、スマホゲームを強化し、昨年10月にモンストを投入。手軽さや友人と一緒に楽しめることが支持され、ガンホー・オンライン・エンターテイメントのスマホ向けゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」に迫る人気になっている。
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記者会見した森田仁基社長は「モンストが非常に好調。(新たに進出した)台湾市場も積極的に伸ばしていきたい」と述べた。伸び悩んでいるSNSでは、ニュースアプリを提供する「スマートニュース」と資本提携、スマホ向けの広告事業を強化する。