日本に親しみを感じている台湾人 簡単に中国の懐へは飛び込まない…
台湾の独立派系シンクタンク「新台湾国策智庫」の世論調査によると、「台湾が外国から攻撃を受けた際、日本が集団的自衛権を行使して米国とともに台湾を守ることに賛成か?」の質問に対し、約60%の台湾住民が「賛成する」と答えたという。一方で、日本の集団的自衛権行使容認については62・8%が「よく知らない」と答えたと香港・中評社は伝えている。
日本の集団的自衛権は当初、北朝鮮から攻撃されたときの韓国のために行使すると考えられていた。しかし、韓国は「もし北ともめたとしても、日本なんかには助けてもらいたくない」と言っている。それどころか、日本の集団的自衛権行使容認を閣議決定したことに対してカリカリしている。
日本側も「君たちのためにと思って、アメリカと相談しながら、ここまでやったのに、『いらない』とはどういうことか!」と態度を硬化している。なかなか、両思いにはならない。
これに対し、台湾のほうは「えっ? 私たちが攻撃されたとき、日本は助けてくれるの? うれしいよね」と言っている。これはもちろん、中国の攻撃を想定したものだ。台湾の人たちは、そこまで日本に親しみを感じているわけだ。
台湾というと、中華民国の初代総統・蒋介石について、朝鮮日報が「中国で再評価の動き」と題する記事を掲載した。中国メディアの光明網が「毛沢東と蒋介石」という書籍を紹介する際、「蒋介石は良いことを3つした。1つ目は北伐を断行したこと、2つ目は抗日戦争を主導したこと、3つ目は台湾に行っても『1つの中国』という原則を守ったこと」と指摘したという。
これは腹を抱えて笑ってしまうような論理だ。蒋介石は確かに「1つの中国」と言っていた。しかし、彼の言う「1つの中国」は、国民党が中国本土を共産党から取り戻すことだ。一方、中国側も「やがて台湾を統一して、1つの中国になる」と主張している。まったく違う話だ。
蒋介石は孫文の後継者として北伐を完遂し、一時は中華民国の統一を果たした。中国共産党は長きに渡って、毛沢東と孫文が両立することを認めなかったが、この十数年、孫文が見直されはじめている。蒋介石再評価も、その流れに乗った面があるのだろう、
抗日戦争で勝利したのは当然のことながら蒋介石で、当時、中国共産党の毛沢東は揚子江(長江)の上流に逃げていた。だが、共産党はずっと「自分たちが抗日戦争に勝利して人民を解放した」と主張している。そんな中国が今回、蒋介石を再評価した背景について、香港紙の「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は、「日中関係が急激に悪化し、蒋介石の政治的価値が変わったため」と分析している。つまり、台湾も一緒になって日本攻撃をしてほしい、というラブコールだというのだ。
台湾人観光客がモラルに欠ける行為・・石垣島でレンタカー破損、放置して帰国
香港メディア・東網は5日、沖縄県石垣島のレンタカー業者に対し台湾人観光客がモラルに欠ける行為を働いたとして、業者が台湾人へのレンタル中止を検討していると報じた。
問題となった台湾人観光客は最近、フェリーで石垣島に到着、レンタカーで島内を観光中に車を破損したという。だが、レンタカー会社に賠償を支払わないばかりか、車を捨てて現場を立ち去り、そのまま船で石垣島を離れたという。
レンタカー業者がネット上で発表した声明は、台湾人観光客による非道徳的行為は今回が初めてではなく「このように無責任な人が多いのは事実」とし、台湾人へのレンタル中止を検討すると発表した。
また、レンタカー約款に列記された賠償細則は旅客が台湾に戻ってしまえば一切無効になること、フェリーによる石垣島の観光客は一時的な滞在となるために責任追及が困難であることが、レンタル中止を検討する決め手となったことも併せて伝えた。
声明はさらに「このような態度は、全台湾国民の恥だ」という厳しい調子で、無責任な台湾人観光客を非難している。
安定性抜群の3輪スクーター 来年にも一般利用解禁へ
現在は体に障害のある人にだけ利用が許可されている3輪スクーターが、来年にも一般に解禁される。関連法の一部改正で、規制緩和が見込まれており、安定性の高いスクーターの普及に各方面から期待がかかっている。
交通部では海外での実情を例に、高い安定性を持つ3輪スクーターの普及の可能性を検討していた。今年末までに運転免許取得試験、教習、整備関係の調整や法改正を進め、来年の実現を目指す。
台湾では2011年から障害者に対してのみ3輪スクーターの利用を認めていたが、市場規模が小さいことから台湾メーカー4社はヨーロッパなど海外向け製品の製造を手がけていながら、国内での販売は行っていなかった。
交通部では走行時の安全性が高まるとして広く普及させたい考え。2輪スクーターの利用者からは「障害者と間違われるのではないか」との意見がある一方で、「シニア世代向けの車種があれば、安全のために両親に乗ってもらいたい」との声も聞かれている。
中秋節、台湾各地で“月見日和” 台風14号の影響なし
中央気象局は7日、台風14号が発生したと発表した。台湾の北東の海上を時速19キロで北東へ進んでいる。台湾への直接の影響はないとみられ、8日の中秋節には各地で“月見日和”となりそうだ。
台風14号は7日午後2時現在、中心気圧は995ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は20メートル、瞬間最大風速は28メートル。今後日本の南の海上を北東へ進む見通し。
一方、中秋節連休の中日となった7日は午前中に晴れとなり、台北で35.6度、新北市板橋で35.3度の最高気温を観測するなど、各地で30度以上となった。ただ、午後にかけてはにわか雨が降る恐れがあり、大雨、落雷、突風、河川の増水に注意を呼びかけている。
8日は各地で曇りのち晴れとなり、東部の一部をのぞいて全台湾で月が観賞できるとみられている。
先住民の島にコンビニ進出、台湾で論争
蘭嶼にある先住民ヤミ族の伝統家屋「地下屋」。居住者がいる家屋もあるが、観光客の見学専用になっているところも
台湾南東部の先住民が住む離島、蘭(らん)嶼(しょ)へのコンビニエンスストアの進出計画をめぐり、芸能人らが「伝統文化を破壊する」と反対し、論争になっている。先住民文化の尊重か島民の利便性の向上か。間に立たされた企業側は8月上旬の開業を延期し、開店のめどは立っていない。(台湾・台東県蘭嶼 田中靖人、写真も)
蘭嶼は太平洋に浮かぶ約50平方キロの小島。コチョウランが自生することから戦後、この名が付いた。熱帯雨林気候に属し、島の大半は山岳地で、火山島特有の奇岩や青い海が観光客の目を楽しませる。
登記上の人口は約5千人で、約9割がフィリピン北部から来た台湾唯一の海洋民族ヤミ族(別名タオ族)だが、島外への出稼ぎが多く、居住者はさらに少ない。島への主な交通手段は、繁忙期で1日計4便の連絡船か、同8便の小型機(約20人乗り)に限られる。
島にはトビウオ漁など伝統的な農漁業と民宿を中心とする観光業以外に目立った産業はない。島全体が先住民の「保留地」に指定され、法令上、部族の同意なしに開発できない仕組みになっている。
ヤミ族は海沿い6カ所の集落に分かれて住み、東部には伝統的な木造の半地下家屋「地下屋」に住む人もいる。他の集落はコンクリート製の2階建て家屋が中心だが、1本しかない島の周回道路上には放牧のヤギが群れをなし、のどかさを感じさせる。
この島の西部に、台湾で「セブンイレブン」を展開する企業「統一超商」がフランチャイズ方式での進出を発表したのは7月11日。自身もヤミ族で蘭嶼郷公所(村役場)の事務統括者、鐘馬雄秘書(65)は、「魚を取って夜中の1時、2時に港に帰る島民にとり、24時間営業のコンビニ店ができるのは良いことだ」と進出を歓迎する。かつては悪天候時に島内の商店から品物がなくなることもあったといい、大企業の物流網に加わることへの安心感もあるようだ。
だが、若手俳優の宥勝氏(32)が、フェイスブックで、「蘭嶼が文明化すれば、台湾(本島)同様、何の特徴もない社会になる」と反対を表明。作家の劉克襄氏(57)も、毎月末の「信用払い」に象徴される共同体文化が破壊される、とする文書を発表し、報道で相次いで取り上げられた。
これを受け、先住民政策を主管する行政院(内閣に相当)の「原住民族委員会」は、「部族の人々の決定を尊重する」と地元との協議を促す声明を発表。統一超商は開店の延期を決め、現在も開店時期は「未定」としている。
コンビニ店の共同出資者で、台湾本島から移住してきた漢民族の李明発氏(46)は「蘭嶼の住民なら話し合って説得もできるが、なぜ島外の人間が反対するのか」と憤りを隠さない。「先住民もスマートフォン(高機能携帯電話)を持つ時代。台北で享受できる生活を蘭嶼でしてはいけないという理由はない」と開業を目指す考えだ。
台湾東部の東華大学でヤミ族の文化を研究する楊政賢准教授は「かつて物々交換だったヤミ族も現在は貨幣経済に組み込まれ、そのこと自体は逆戻りできない。ただ、ヤミ族のことはヤミ族自身で決めるべきだ」と話している。
廃油原料の食用油出回る 台湾で回収騒ぎ
台湾で、廃油や皮革製品の製造過程で出た油脂などからとって再利用された油が食用油として出回っていたことがわかり、大規模な回収騒ぎになっている。食品薬物管理署は7日、食品大手や加工会社など約1200の業者がこの食用油を仕入れていたと発表した。パンや月餅(げっぺい)など様々な製品に使われていたという。
問題の食用油を出荷していたのは、南部・高雄の企業。別の不法業者が廃油などから異物やにおいを取り除き、この企業に原料として納めていた。台湾メディアのまとめによると、782トン作られ、374トンが回収されたが、408トンはすでに消費された恐れがあるという。健康被害は確認されていない。
台湾では昨年、食用油の原材料の大規模な偽装や、違法添加物を使った「毒でんぷん」の流通など、食品安全問題が相次いだ。廃油を使った油については、中国で3年ほど前、排水溝などから回収した「地溝油(どぶ油)」として社会問題化していた。