訪日の李登輝・元総統、「日本は正常な国に」
日本李登輝友の会の招きで訪日している李登輝・元総統は20日、大阪で講演。21日夜には東京での講演に臨む。今回の訪日は、91歳の李・元総統にとって5年ぶり。20日、大阪で「これからの世界と日本」というテーマで日本語で講演、1600人が詰め掛けた。
大阪での講演で、李・元総統は、今年7月、日本の安倍首相が集団的自衛権の行使容認を閣議決定したことにアメリカが歓迎の意を表明したが、自分も歓迎だと述べ、このことは、戦後日本のゆがんだ状態を正常に戻し、新しい一歩を踏み出すものだとして安倍首相の決定に敬意を表すと共に、安倍首相の誕生日(22日)を祝った。
李・元総統はまた、「国際秩序は多様化しており、アメリカ主導の『G1』時代は終わり、『G20』は機能せず、『G7』は過去のものとなり、アメリカと中国大陸の『G2』は机上の理論であることから、世界は『G0(ゼロ)』」時代を迎えようとしている」という見解を示した。李・元総統はその上で、日本は西太平洋の主導権争いに直面しており、、中国大陸は軍事拡張と武力誇示で緊張を高めていることから、日米関係がより重要になると指摘、日本とアメリカはより率直に対話できるパートナーシップ関係を構築し、同盟関係を堅固にする必要があると主張した。
李・元総統は、安倍首相は集団的自衛権の行使を容認し、最終的な目標である憲法改正にまい進し、日本を真の独立した正常な国にしようとしているとの見方を示した。
さらに李・元総統は、日本は今後、フィリピン、オーストラリア、インドなどとの軍事関係をさらに強化すべきで、それは台湾にとってもプラスである他、釣魚台列島(日本名:尖閣諸島)や南シナ海における問題で中国大陸をけん制できると説明した。
講演後には、講演会に集まった国会議員や、大阪市議、府議たちが起立して拍手を送る場面も見られた。
李・元総統は、大阪での日程を終えた21日午後、大阪から新幹線で東京に入り、夜には、大手町のサンケイプラザで講演に臨む。李・元総統によれば、東京では、「日本版台湾関係法」について触れるつもりだという。
台湾新幹線の運賃、最大10%の値下げを検討=交通部
交通部の陳建宇政務次長は22日、台湾高速鉄路(新幹線)の運賃について、「必ず値下げする」と語った。具体的な値段や時期に関しては今年11月の立法院(国会)への報告後に明らかにする見込みだが、同部では約7〜10%の値下げを検討しているという。
多額の赤字を抱える高鉄の経営をめぐっては、一部メディアが交通部との間で増資や経営権の延長、2016年の株式市場上場計画などを含む話し合いがまとまったと報道していた。
高鉄の広報担当者は、話し合いは現在も継続中だとした上で、具体的なことに関しては10月に開かれる会議で正式決定するとコメント。一方で、交通部の葉匡時部長は今年5月にも財務改善計画の実施後に運賃の値下げを行う考えを示している。
高鉄は2011年、営業収支が開業以来初めて黒字に転じたが、累積赤字は522億台湾元(約1880億円)に上っており、経営状態の改善が急務とされている。昨年10月には2007年の開業以来初となる運賃の値上げを実施した。
殉職の消防士、遺体で発見か
台湾南部の高雄市では7月31日に、32人が死亡、300人あまりが重軽傷を負う大規模な爆発事故が発生した。事件から50日となる20日夜、事故現場付近の地下水路から、殉職した消防士と見られる2遺体が見つかった。
事故当日、現場で勤務に当たっていた高雄市消防局の林基澤・主任秘書と、劉耀文・小隊長の二人は事故で殉職したとされていたものの、遺体は見つかっていなかった。
2遺体が見つかったのは、事故現場付近の凱旋路、二聖路交差点下の地下水路。高雄市水利局の許峻源・科長によると、折から台湾に向かっていた台風16号による水害に備えようと、当該地点にあった堆積物を排除する作業をすすめていたところ、思いがけず遺体を発見することになったという。
21日午前、検察官の立会いのもと、遺族が遺体と対面。遺族は、腕時計などの遺物から二人を確認したが、遺体そのものはすでに外見からの識別が難しい状態であるため、遺体の毛髪を使ったDNA鑑定が行われる。
台風16号は東海岸線に沿って北上、死者1
台風16号は21日午前10時ごろ、台湾最南端のガランビを掠める形で台湾本島の東の海岸線に沿って北上、南部から東部に大量の雨を降らせて夜10時ごろに台湾北東部・宜蘭県の三貂角を掠めて台湾の北の海に抜けた。夜11時の時点で台風16号は基隆の東北東約30キロの海上にあり、時速19キロから25キロで北に進んでいる。
中央気象局では22日午前に陸上台風警報は解除できるとしている。台湾中部の彰化以南及び南東部の台東は暴風域から抜けた。しかし、中部の台中以北、宜蘭、東部の花蓮、中部の南投では引き続き強風と豪雨に警戒が必要。東北部、台湾本島の西部及び東部の山地でも大雨に注意が必要だという。気象局の統計によれば、19日午前0時から21日午後5時までの南部・屏東県西大武山の累積雨量は914ミリ、台東県金峰は671ミリ、花蓮県豊南では390ミリ。
在来線・台湾鉄道、台湾高速鉄道は21日午後から徐々に正常ダイヤを回復。阿里山森林鉄道は21日と22日は運休。航空各社は国内線はすべて欠航したが、国際線はほぼ正常だった。
中央災害対応センターの統計によると、台風16号による死者は台東で1人、負傷者は合計4人。
ビームス台湾2号店、10月に台北・信義で開業[商業]
衣料や雑貨のセレクトショップ大手、ビームス(東京都新宿区)は、10月9日に台湾2号店を台北市信義区にオープンする。ビームスの海外店舗は12店目となる。
台湾2号店は、書店や雑貨などを扱う複合商業施設「誠品(エスリート)」の信義旗艦店の1階に出す。店舗面積は37坪で、メンズの「ビームス」「ビームスプラス」「ビームスT」、レディースの「レイビームス」「ビームスボーイ」、雑貨の「bprビームス」などのレーベルを扱う。
ビームスは昨年6月に台湾1号店を台北市の富錦街でオープン。同社の広報担当者によると、1号店は閑静な住宅街の中にあり、ビームスのコアファンを対象とした個性的な商品ラインアップをそろえたのが特徴。市中心部にあり人通りも多い場所に開く2号店では、より幅広い客層を対象とした品ぞろえにし、1号店と異なる市場を狙うとしている。売上高目標などは公表していないが、同担当者は「1号店は予想を上回る反響があり、ビームスと各オリジナルレーベルの認知度も高まっている」とコメントした。
円安効果、紅葉シーズンの日本行き航空券が爆発的売れ行き
円安に加え、10月1日から実施される外国人旅行客の食品・薬品・化粧品等購入への免税措置拡大により、エバー航空(長栄航空)では10月の日本路線の予約数は昨年同期比で2割以上増加した。チャイナエアライン(中華航空)でも年末の訪日旅客数は10%増を見込んでおり、年末前の予約は既にいっぱいだという。チャイナエアラインでは需要に対応するため大型機への変更も検討中だ。両航空会社の日本行き搭乗率は8割以上を維持している。
法務部、食品犯罪撲滅へ決意示す
台湾では近年、食品の安全を脅かす事件が相次いでいることから、法務部は、行政機関との連携を密にして、悪質業者にしかるべき法の制裁を加えるとしている。
立法院司法および法制委員会は、22日、法務部の羅瑩雪・部長と関連部会を呼び、食品安全関連法令及び懲罰処理システムをいかにして強化するかを報告させる。
法務部による書面の報告によると、法務部は2005年4月に「検察機関が民生犯罪を撲滅するためのプロジェクト実施計画」をまとめ、「人命または身体に危害を与える食品、薬物、および日用品が市場に流れ、民心の恐慌を招く犯罪行為」を重点的に取り締まる犯罪と位置づけた。
報告では、2005年以来、病死した家畜の肉などが市場に流れたり、可塑剤成分が食品に添加されたり、賞味期限が切れた食品が販売されたり、無許可の添加物が用いられたりするなどのケースが相次いでおり、去年には、食用油の成分偽装事件が発生していると指摘。
法務部によれば、2011年に発生した可塑剤事件では、業者が毒性のある可塑剤を食品添加物に混入したことで、責任者は13年の懲役判決を受け、会社は台湾元500万元の罰金を科されている。また、去年10月、大手食用油メーカーが、無許可の添加物を使って成分を偽装した事件では、責任者は刑事法の詐欺罪などが適用され、12年の懲役判決を受け、会社には3800万元の罰金が科されていると説明し、法で不正業者を撲滅する決意を示している。
台湾「金城武の木」 台風接近で悲劇再発? 地元は楽観視
「金城武の木」として親しまれながらも、今年7月に台湾を襲った台風10号の影響で倒れ、その後植え戻された台東県池上郷のアカギの木が、今度は台風16号の脅威にさらされている。強風による再度の倒木の可能性が心配されるが、地元の関係者らは対策は万全だと楽観視している。
池上郷の林文堂郷長は、植え戻す際に樹木医の診察を受け、支柱を設置したほか、根元の空間を広く取るなどしたと、最近の取り組みを強調。根も成長していることから今回の台風16号の影響については「大丈夫でしょう」と豪語する。
池上郷新興村の関係者も7月の被害の後、剪定したことで風の影響を受けにくくなっているとして、「恐れることはない」と話している。
仁川アジア大会 女子重量挙げで台湾選手が世界新で金メダル
仁川アジア大会で21日、女子重量挙げ53キロ級が行われ、台湾の許淑浄が合計233キロを挙げ、世界新記録で金メダルに輝いた。今回のアジア大会で台湾が金メダルを獲得するのは初めて。20日には銀メダル1つと銅メダル2つを勝ち取っており、メダル獲計数は4つになった。
20日に行われた女子10メートルエアピストルの団体戦では呉佳穎、田家榛、杜イ依姿が1141点を獲得。中国大陸の1146点に一歩およばなかったものの、2位でメダル第1号となった。(イ=示へんに韋)
また、馬場馬術団体では張玉潔、郭力瑜、葉繍華が平均67.386%の総合得点率で銅メダル。女子チームスプリントでも蕭美玉、黄亭茵が計45秒389で日本を破り、同じく銅メダルに輝いた。
黄は、思い通りの走りができずに落ち込んだが、銅メダルを獲得できて嬉しいと喜びのコメントを発表している。
民進党のホープ「台南市長」が語る「台湾独立」問題
台湾では次期総統選の前哨戦と位置づけられる地方統一選挙を11月に控え、目下好調の野党・民進党がどこまで首長のポストや地方議員の議席を増やせるかが注目されている。現職の台南市長で、次期選挙にも再任を狙って出馬する頼清徳氏(54)は民進党の中堅のホープとされ、台湾の首長の中では最も高い施政満足度を誇り、市長の再任はほぼ確実と見られる。
その存在がさらに脚光を浴びたのが、今年6月の中国訪問だった。市長として訪問した頼氏は、中国・上海で「台湾の未来を台湾の2300万人が決定することは台湾社会のコンセンサス」「台湾独立の主張が台湾社会に存在するから、民進党の党綱領に台湾独立条項がある」などと語った。これまで台湾の政治家の訪中では、対中関係を重視する国民党だけではなく、独立志向を持つ民進党ですら中国の反応を意識し、当たり障りのない発言に抑えることが普通だった。頼氏は未来の総統候補と期待される人材だけに、その発言は中台双方に大きな反響を呼んだ。先週来日した頼氏に「真意」などを尋ねた。
台湾で報道「馬英九総統を警護する憲兵が警察官を殺害?」
台北市内で14日未明、屋台街で発生した乱闘で警察官1人が死亡した事件について、台湾では「容疑者のうち3人は総統府内の馬英九事務室を警護する憲兵」との報道があった。台湾国防部は20日夜、緊急声明を発表し、3人のうち憲兵は1人で、馬英九事務室の警護は担当していなかったと説明した。中国新聞社などが報じた。
身柄を拘束された3人は、「たまたま通りかかり、騒ぎを見ていただけ。暴力行為には加わっていない」と主張している。警察側は、その他の証言との整合性を確認するなどで真相を明らかにする考えだ。。
台湾・国防部によると、警察側からの求めを受け、調査をした。「3人とも憲兵であり202指揮部に所属」との報道があったが、「憲兵は1人。一般的な行政機関の警備を担当しているが、馬英九事務室や官邸の警備は担当していない」と説明した。
国防部は、警察側の捜査に全面的に協力すると同時に、今後は法律と規律の教育を強化し、軍規に関係する事件の発生を途絶し、台湾軍のイメージを守ると表明した。
台風16号 台湾鉄道、東部幹線などで今夜運休
軽度台風(台湾基準)の台風16号の接近に伴い、台湾鉄路管理局では21日、一部の区間で列車が運休するなどの影響が出ている。
南回線と台東線はきょう終日の運転を見合わせるほか、阿里山森林鉄路は22日までの運休を決定している。宜蘭線、北回線の座席指定列車は、台北駅を午後6時20分出発する宜蘭、花蓮方面の列車と、花蓮駅を午後8時30分に出発する宜蘭、台北方面の列車を最後に、きょうの運転を取り止める。
宜蘭線、北回線、屏東線の区間車については、風雨の状況を見て運行するという。基隆―屏東間の西部幹線は通常通りの運転。
また、通常は全席座席指定となっている特急プユマ(普悠瑪)号の一部の列車では、在来型自強号の乗車券を持つ乗客に空席の利用を認める特例措置を実施した。
ビームス台湾2号店、10月に台北・信義で開業
衣料や雑貨のセレクトショップ大手、ビームス(東京都新宿区)は、10月9日に台湾2号店を台北市信義区にオープンする。ビームスの海外店舗は12店目となる。
台湾2号店は、書店や雑貨などを扱う複合商業施設「誠品(エスリート)」の信義旗艦店の1階に出す。店舗面積は37坪で、メンズの「ビームス」「ビームスプラス」「ビームスT」、レディースの「レイビームス」「ビームスボーイ」、雑貨の「bprビームス」などのレーベルを扱う。
ビームスは昨年6月に台湾1号店を台北市の富錦街でオープン。同社の広報担当者によると、1号店は閑静な住宅街の中にあり、ビームスのコアファンを対象とした個性的な商品ラインアップをそろえたのが特徴。市中心部にあり人通りも多い場所に開く2号店では、より幅広い客層を対象とした品ぞろえにし、1号店と異なる市場を狙うとしている。売上高目標などは公表していないが、同担当者は「1号店は予想を上回る反響があり、ビームスと各オリジナルレーベルの認知度も高まっている」とコメントした。
台湾・李登輝元総統、東アジアの安定や日本の憲法改正呼びかけ
19日から5年ぶりに訪日している李登輝元総統は21日、前日の大阪に続いて東京都内でも講演し、日本が自立した正常な国になるためには、憲法を改正し戦力を保持することが必要などと主張した。
李氏は日本の集団的自衛権の行使容認について、日米関係を安定させるとした上で、日本の不正常な状態を正し、再生していくための第一歩だと再度強調。憲法改正は、戦後の体制から抜け出し、新体制を作る確かな歩みだと語った。
また、日本は十字路に立たされているとし、改革のためには日本人が団結して、自尊心と自信を持たなければならないと訴えた。その上で、日台は運命共同体だと話し、東アジア全体の安定と平和に期待感を示した。