ほぼ横ばい=ハイテク輸出株が下落、パネル株は上昇〔台湾株式〕(21日)
21日の台湾株式市場の株価はほぼ横ばいで引けた。4月の輸出受注が弱い数字を示したことを受け、ハイテク輸出銘柄が圧迫された一方、パネル・メーカー関連銘柄は上昇した。
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5分で落とし物突き止め 観光中の日本人記者、「忘れられぬ台湾」
日本の記者、高田さんは台北市内の総統府前でタクシーを下車したあとで、大事なビデオカメラを車内に忘れたことに気がつき、大慌てで近くの派出所に駆け込んだ。ところが警察ではあっという間にナンバーを割り出して運転手に連絡、しかもビデオカメラはとっくに届けられていた。20日付で聯合報が伝えている。
北海道帯広市の新聞社に記者として勤めている高田さんは、今回休暇で台湾に来ていたが、ビデオカメラをタクシーに置いたまま忘れてしまっていることに気がついた。
高田さんは翌日帰国の予定で、カメラは旅の思い出や取材資料が入っているばかりでなく、何といってもふだんの仕事に欠かせない道具だ。大慌てで総統府近くの介寿路派出所に駆け込み助けを求めたが言葉が全く通じない。そこで、漢字による筆談を通して警察官の葉威廷さんは高田さんがビデオカメラを失くしたことを理解した。
葉さんはタクシーを降りた位置と時刻を確認すると、凱達格蘭(ケタガラン)大道周辺の防犯カメラの映像を取り寄せ、5分ほどで高田さんが乗っていたタクシーのナンバーを割り出した。そのナンバーからさらに連絡先を割り出し確認したところ、タクシー運転手は「カメラならすでに警察広播電台に届けている」との返事。届け先は道路交通情報などを常時提供しているFMラジオ局で、タクシー乗客の忘れ物についての連絡なども昔からこの放送が担っている。
葉さんは早速パトカーでラジオ局の遺失物預かり所まで高田さんを案内し、ビデオカメラは無事高田さんの元に戻ってきた。あっという間の出来事で高田さんは信じられない表情。台湾の警察の効率の良さとタクシー運転手の素早い対応に感激し、お互い言葉は通じないものの、今回のちょっとした事件が台湾の人々の人情味とともに高田さんにとって忘れ難い旅の記憶となったようだ。
葉さんは、総統府周辺は観光ポイントも多く、国籍にかかわらず人助けに努めているが、特に外国人旅行客の皆さんに好印象を持ってもらえればとてもうれしいと話している。
台湾ドル、韓国ウォンが上げ主導〔アジア外為〕(21日)
21日のアジア通貨市場では、台湾ドルと韓国ウォンが上げを主導した。米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長の議会証言を前に、アジア通貨買い戻しの動きが広がった。
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HTC、日本向けにスマホ新機種発売
宏達国際電子(HTC)は、スマートフォン旗艦機種の新型「HTC J ONE」を日本市場に投入する。6月上旬からKDDIが全国で発売する。新機種は電子マネー機能やワンセグ、赤外線通信など日本特有の機能を盛り込んだのが特徴。KDDIが20日に東京で開いた新商品の発表会にはHTCの周永明執行長も出席し、新機種をアピールした。
台鉄とJR四国の松山駅が姉妹提携へ
交通部台湾鉄路管理局の范植谷局長はこのほど、JR四国と台湾鉄路の松山駅が10月にも姉妹駅提携を締結する見通しであると明らかにした。最近開催された2013日本物産博覧会の開幕式で述べた。范局長は「愛媛県松山市と協議し、今年の10月には松山駅と台鉄の松山駅の駅と駅の提携イベントを行なう」と説明した。
4月海外受注高は1%減、日本・欧州向け不振
経済部統計処が20日に発表した4月の輸出受注額は前年同月比1.1%減の357億ドルだった。前年同月割れは3カ月連続。しかし米国と中国向けがプラス成長に転じ、全体の減少幅が前月比で縮小した。地域別では欧州向けが6.7%減、日本向けが20%減とマイナス幅が大きかった。
自動車産業の生産高、Q2は増加の見通し
工業技術研究院(工研院)によると、第2四半期の地場自動車産業の生産高は前期比6.3%増の約470億台湾元に増える見込みだ。新車の発売や第1四半期から続く販促キャンペーンが奏功しているという。日本や米国、欧州での需要回復により、地場自動車産業の年間生産高は前年比6.5%増の約2093億元と予想されている。
東芝、中国子会社を日月光に譲渡
東芝は20日、中国の子会社の無錫通芝微電子の全株式を、パッケージング・検査世界最大手の日月光半導体(ASE)の上海子会社に譲渡すると発表した。売却額は約11億円という。半導体製造の後工程をファブレス化することで、アナログIC事業の収益強化を目指す。無錫通芝は、東芝半導体と中国の南通富士通微電子の合弁で2010年に設立された。当初の出資比率は東芝半導体が80%、南通富士通が20%だったが、昨年12月に東芝半導体の全額出資子会社になっていた。
卓球世界選手権男子複で台湾ペアが初優勝
台湾のスポーツ選手による国際大会での優勝が一日のうちに三つ伝えられた。アーチェリーのワールドカップの今年の第1戦は19日、中国大陸の上海で最終日が行われ、女子団体では中華民国(台湾)がウクライナを破って優勝した。中華民国台湾が世界レベルのアーチェリー大会の女子団体で優勝するのはこれが初めて。
中華民国チームは、ロンドン五輪代表選手の譚雅婷・選手、並びに呉佳鴻・選手と林芳瑜・選手の三人で、平均年齢わずか20歳。呉・選手はまだ高校生。今回の大会では、準決勝で、アーチェリーが現在抜群に強い韓国も下しており、中華民国アーチェリー協会の呉聖乾・副秘書長は、「金メダルの意義はきわめて大きい」と喜んだ。
さらに、女子プロテニスでも吉報。BNLイタリア国際女子オープンのダブルス決勝がローマで19日に行われ、台湾のシエ・スーウェイ(謝淑薇)選手と、中国大陸のポン・シュワイ(彭帥)選手の「台湾海峡両岸ペア」が地元イタリアの第1シードのペアを破って優勝。シエ・スーウェイ選手は昨年、世界ランキングで台湾の選手として過去最高の25位まで上昇、現在は41位。ダブルスのランキングは21位。この大会の優勝で、優勝賞金約4万9000ユーロを手にした。
そして、台湾時間の19日深夜、フランスのパリで行われていた卓球の世界選手権、男子ダブルスで、台湾の荘智淵・選手と陳建安・選手のペアが、中国大陸のペアを破って初優勝。卓球の世界選手権に台湾は1985年から出場しているが、これまでの最高は銀メダルで、金メダルはこれが初めて。
馬英九・総統は、直ちに祝電をうち、試合では台湾の精神とも言える不屈の精神を発揮したと称えた。
「台湾茶はおいしい!」と日本人が評価してくれた
「台湾のお茶が日本で注目されている」と現地メディアが報道。取材に訪れるテレビ局があったことなど伝えた。
テレビ局「民視(民間全民電視、FTV)」は放送やウェブニュースで、「包種茶の産地として知られている、新北市の坪林(ピンリン)。この地区を好む台湾人は多いが、日本のテレビ取材も入った」と、日本人にも興味を持たれていることを取り上げた。
「2人の人気芸能人が日本からやって来て、“茶神”と呼ばれている台湾の製茶名人・蔡瑞陽氏と対面。その場で入れた坪林のお茶を飲んだ2人は、絶賛の声をあげた」とのこと。「茶葉をカップに入れ、お湯をゆっくり注ぐ。すると茶葉はまるで背伸びをしているかのように広がり、元の葉へと戻っていくのがわかる。そして茶の香りを楽しんだ後で、初めて口にする」といった、台湾茶の飲み方が説明された。
民視は「坪林は茶葉の栽培地として、最適な環境。茶道が盛んな日本から取材に来て、親指を立てておいしいと褒められた台湾の良質なお茶も、日本のお茶に負けていないのだろう」と報道を締めくくった。
台湾を旅する時、中国茶を味わいたいと希望する日本人は多いだろう。数ある中国茶の中でも台湾原産の茶葉は質が良く、さまざまな味・色・香りを楽しめる。気軽に入れる茶芸館も所々にあり、日本語可のスタッフがいる場合もあるのでありがたい。日本でも中国茶を味わえる店や機会が増えてきたが、台湾に行った際も本場の美味しいお茶をゆっくりと楽しみたいものだ。
市民の57.8%「政権交代望む」、与党支持17.4%
馬英九総統が就任5週年を迎える20日を前に、民間シンクタンクの新台湾国策智庫は19日、台湾市民の57.8%が次期総統選挙での政権交代を望んでいるとの調査結果を発表した。ただ、最大野党の民主進歩党(民進党)の政権担当を信頼できないとの答えも44.3%に上った。
調査結果によると、与党・国民党の政治に「満足している」との回答は17.4%で同シンクタンクの調査では過去最低を記録。また、40.9%が馬総統の解職要求行動を支持、さらに6割近くが次期総統選での国民党の下野と政権交代を望んでいると答えた。
20日付自由時報によると、新台湾国策智庫の呉栄義董事長は「馬総統は2008年の選挙で、清廉と経済を旗印にしたが、今や完全に失敗した」と述べた。調査結果によると、経済政策に対する市民の信頼度は国民党は24.9%で、民進党の31.5%を下回った。国民党と民進党のどちらが腐敗しているかとの問いに、国民党との回答は38.5%で、民進党との答えの15.9%を大きく上回った。
16年の総統選挙で国民党の下野を求める市民は、民進党支持派で88%、国民党支持派でも31.7%に上った。呉董事長は「与野党どちらの支持者も、現在の国民党政権には不満を感じている」と述べた。
一方で、民進党に対する不満も多く、44.3%が同党による政権担当に信頼を置けないと答え、信頼できると答えた41.6%を上回った。信頼できない理由としては、名前だけの幽霊党員問題が極めて深刻なことや、重大問題で具体的な政策を掲げていないことを挙げた。
パッケージング・テストの日月光、東芝の無錫通芝微電子を買収
パッケージング・テスト大手の日月光(ASE)は20日、同社の中国子会社である上海日月光封測が、東芝の中国関連企業である無錫通芝微電子の株式100%を取得したと発表した。
無錫通芝微電子は、東芝の中国子会社である東芝半導体(無錫)の子会社。上海日月光封測は7000万人民元で無錫通芝微電子の100%株式を取得した。
温泉業者の75%が違法営業、7月2日から未取得業者に対し罰則施行
経済部水利署保育事業組は、温泉法の規定により温泉標章を取得していない温泉業者に対して7月2日から罰則を施行すると発表した。最高で30万台湾元の罰金が科されるほか、違法状態が続く業者に対しては、建物取り壊しなどの措置が採られる。
台湾では、温泉の泉質、温泉施設の安全性、衛生面などを審査し、基準を満たした業者に温泉標章が発行される。しかし、台湾全土にある537件の温泉業者のうち、温泉標章を取得しているのは130件のみとなっている。特に、宜蘭県の礁渓温泉地区や台東県の知本温泉地区では取得業者が少なく、礁渓温泉地区では147件のうち9件、知本温泉地区では50件のうち5件にとどまっている。
台湾では2003年7月、温泉法の公告により、温泉を経営する業者に対し温泉標章の取得が義務づけられた。取得に関しては7年間の猶予期間が設けられたが、取得業者があまりに少なかったため、3年間延長された。
交通部観光局の調査によると、業者全体のうち建築許可を取得しているのは349件で全体の65%だった。さらにそのうち、温泉標章を取得している業者はわずか130件で全体の24.2%しかいなかった。
フィリピンが台湾側調査団の乗船に同意、台湾漁船射撃事件で司法協力に進展
台湾とフィリピンは、台湾漁船「広大興28号」へのフィリピン取締船による射撃事件で、事件調査への協力が合意に達した。フィリピンは、台湾側調査団が事件を起こした漁業局の取締船「MCS-3001」に乗船することに同意した。
フィリピンのデ・リマ司法相は20日、フィリピンと台湾は広大興28号事件について平行調査を行うことで合意したと表明した。双方はそれぞれの法律に基づいて調査を進める。双方が相手方に資料を提供して突き合わせる。また、来月には台湾の調査団が再びフィリピンを訪れる見込み。双方による合同調査については、すでにフィリピン側が断っており、再検討しない。双方は相手方の調査を妨害しない。
また、この調査期間中、フィリピンのアキノ大統領は特使を台湾に派遣しない。
台湾漁船銃撃事件、「調査協力で一致」=外交部
台湾の漁船(=写真)がフィリピン公船に銃撃され1人が死亡した事件で、台湾とフィリピンが調査協力の調整を進めている。台比間では4月に刑事司法協力協定を結んでおり、双方の窓口機関を通して相手方調査チームの受け入れなどの準備を急いでいる。
先ごろ台湾のチームが合同調査のためマニラ入りしたが、フィリピン側が対応を拒み18日にいったん帰国。事前のすり合わせ不足との指摘もあったが、外交部は台湾側の厳しい姿勢をフィリピンおよび国際社会に伝えることができたと評価、交渉を続けてきた。
外交部の高安報道官は21日、事前の了解はあったがチームの現地入り前日に台湾が制裁に踏み切ったため相手側が引き延ばしに出たとの見方を示した上で、「主権に関わるため合同での調査は受け入れられない」とのフィリピン側の主張は台湾と同じであり、双方の独自調査に協力するのが協定の精神だと強調した。
台湾の漁船、違法操業で日本に拿捕 協定後2件目
屏東県小琉球の漁船、瑞明発号(37.07トン)が21日午前7時頃、無許可操業の疑いで日本に拿捕されたことについて、外交部の高安報道官は同日、船長は容疑を認め罰金支払いの準備を進めており、早期釈放を希望すると述べた。漁船は台日漁業協定の対象外となる八重山諸島南側で操業していた。違法操業での台湾漁船の拿捕は協定運用後2度目。
マグロ、カジキ、サメ漁を行う瑞明発号は13日に屏東県西南の離島・小琉球漁港から出港、21日午前7時頃、石垣島の東約41カイリで日本の取締船に拿捕された。船長の陳瑞明氏は違法操業を認め、船主は430万円の罰金支払いに同意した。
協定調印後、双方の漁船取り締まりは厳しくなっており、行政院・農業委員会漁業署では漁業関係者が対象水域を超えて操業しないよう呼びかけている。
4月10日に結ばれた台日漁業取り決めでは、釣魚台(日本名:尖閣諸島)12カイリを除く北緯27度以南から八重山諸島北側までを共同水域としている。
成功大教授、“緑の魔法学校”で日本アジア国際賞受賞/台湾・台南
環境に優しい“緑の魔法学校”を実現したとして国立成功大学(台南市東区)建築学科教授の林憲徳さんが、台湾初となる日本空気調和衛生工学会の第3回「井上宇市記念賞・アジア国際賞」の受賞者に選ばれた。同学会は1917年の成立、会員1万7000人余りで、空調衛生技術分野で貢献のあったアジアの出身者に「アジア国際賞」を贈っている。
成功大学「孫運セン(=王へんに睿)グリーン建築研究ビル」(=写真)、別名“緑の魔法学校”は林憲徳さんが設計した台湾初のCO2ゼロ建築。これまでにも国内台湾やアメリカのエコ建築のプラチナ認証などを取得しており、今年イギリスで出版された書籍では“世界でいちばんエコな建築”として取り上げられている。林さんの授賞を決めた日本建築設備技術者協会ではこのビルが数あるZEB(ゼロエネルギー建築)の中でも学術的成果と美しさを伴ったものと高く評価している。
(孫運セン(1913−2006年)は1970年代より経済部長・行政院長を歴任し、経済十大建設、新竹サイエンスパーク設置を推進した政治家。