台湾HTC:7−9月利益は予想上回る−売り上げは低迷
10月3日(ブルームバーグ):台湾のスマートフォンメーカー、宏達国際電子(HTC)の7−9月(第3四半期)利益は市場予想を上回った。中国企業との競争激化で売り上げが落ち込んだもののの、一時利益が寄与して黒字を確保した。
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3日の決算発表資料によると、7−9月の純利益は6億4000万台湾ドル(約22億9000万円)。ブルームバーグがまとめたアナリスト15人の予想平均(5億160万台湾ドル)を上回った。前年同期は赤字だった。
HTCの低・中価格モデルは中国で、小米や華為技術との競争にさらされている。一方、高価格モデル帯では、米アップルの最新モデル「iPhone(アイフォーン)6」が人気を博している。
金馬奨、永瀬正敏さんが主演男優賞にノミネート
台湾のアカデミー賞とされるゴールデン・ホース・アワード(金馬奨)で、日本の俳優、永瀬正敏さんが、最優秀主演男優賞にノミネートされた。
第51回ゴールデン・ホース・アワードのノミネート作品が1日に発表され、1931年、台湾の嘉義農林学校野球部が日本の甲子園大会で準優勝した歴史を描いた映画、『KANO 1931 海の向こうの甲子園』で、近藤兵太郎・監督を演じた、日本の俳優、永瀬正敏さんが最優秀主演男優賞にノミネートされた。
永瀬さん以外でノミネートされたのは、台湾の俳優、張震さん、中国大陸の俳優、陳建斌さん、香港の俳優、劉青雲さん、中国大陸の俳優、廖凡さん。
ゴールデン・ホース・アワードの執行委員会で執行長を務める聞天祥さんによると、中華圏で撮影された映画で素晴らしい演技をした俳優は、国籍にかかわらずノミネートの対象となるという。
ノミネートを知った永瀬さんは、自身のフェイスブックに、驚きと喜びを記したほか、制作スタッフ、共演者、ゴールデン・ホース・アワードの選考委員、そして台湾の人々に感謝した。
映画『KANO』は最優秀男優賞の他、最優秀作品賞、最優秀新人監督賞、最優秀新人俳優賞など6つの部門にノミネートされている。
今年のゴールデン・ホース・アワードの授賞式典は11月22日に台北市内の国父記念館で行われる。なお、今年2月に公開された『KANO』は現在、台湾各地でアンコール上映されている。日本では来年1月に公開予定。
新北市に台湾初のシルバー就業センターオープン
調査によると、台湾の65歳以上の高齢者の労働力率は8.6%で、アメリカ、日本、韓国などよりも低くなっている。労働部では2日、こうしたシルバー世代の貴重なキャリアを若い世代に伝えるため、新北市永和区にシルバー人材就業資源センターを設立した。労働部では今後、台湾全域にこうした施設をもうけ、優れた人材に引き続きそのスキルを発揮してもらいたいとしている。
労働部の郝鳳鳴・次長は、「台湾の平均定年年齢は57歳だが、皆、老いてもなお盛んだ。彼らが職場に復帰して貢献できるならば、台湾の労働力の足りない部分をサポートしてくれる。さらに最も重要なことは、経験を若い世代に伝えてもらえる」と指摘した。
労働部の郝・次長は、「このセンターの設立は、高齢者が若い人と仕事を奪い合うということではなく、新たなルートを開拓することが目的だ。高齢者が若い人たちをサポートし、引っ張っていくことにある」と説明した。
労働部によると、現在このセンターには中高年の再就職に適した800ほどの求人があり、いずれも出勤時間に融通が効く基本的なサービス業が主だという。労働部では今後、背広の仕立や漆器製作などの伝統的な技術、芸術方面に関する求人や、観光、文化ガイドの仕事を紹介できるよう努力する方針で、かつて企業で幹部職員を務めた人などには、別のデータベースもつくり、顧問としての再就職を斡旋したいとしている。
台湾、上半期、国際観光客伸び率で世界一
国連の専門機関、世界観光機関(UNWTO)の最新のレポートによると、今年上半期、海外から中華民国台湾を訪れた旅行者、すなわち国際観光客の数の昨年同時期比の伸び率が、世界50の国・地域のうちトップとなった。中華民国台湾を訪れた国際観光客は、昨年同時期比で26.7%増え、26.4%の日本をわずかに上回った。
世界観光機関の最新のレポートによると、今年1月から6月までの期間、世界全体での国際観光客の数は、昨年同期比4.6%増の、のべ5億1700万人となった。世界観光機関では今年の下半期、観光市場は国際政治情勢の影響を受け、その成長は鈍るものの、それでも年間の伸び率は4%から4.5%に達し、先に予測した2010年から2020年の長期間の伸び率3.8%は上回ると予測している。
世界観光機関によると、アジア太平洋地域の国際観光客は伸び率は今年上半期、平均で5.4%で、特に中華民国台湾、日本、韓国、香港では二桁の伸び率となっている。
近年、観光地として注目度が高まる中華民国台湾は、2013年、世界観光機関の国際観光客到達数ランキングで、2012年の39位から、37位に上昇。また、今年1月から6月までの国際観光客の伸び率は26.7%で、2位の日本を上回り、世界でトップとなった。
中華民国台湾の今年上半期における国際観光客による収入は、昨年同期比で18.5%増、この伸び率は27.5%の日本、25.2%の韓国に次いで3位だった。2013年、中華民国台湾の観光収入は123億米ドル(日本円約1兆3362億円)。
パラグアイとブルキナファソの大統領が国慶節出席
双十国慶節に、中華民国の友好国、パラグアイとブルキナファソの大統領が出席する。10月10日は、中華民国台湾の建国記念日に相当する双十国慶節で、総統府前では祝賀大会が開かれる。
外交部は2日、今年の国慶節にはアフリカの友好国、ブルキナファソのブレーズ・コンパオレ(Blaise Compaore)大統領と、南米の友好国、パラグアイのオラシオ・カルテス(Horacio Cartes)大統領が出席すると明らかにした。
また、一部の立法委員から外交関係が不穏であると指摘された中央アメリカからは、パナマの大統領夫人、ホンジュラスの副大統領が出席予定となっている。またエル・サルバドルの外相が現在、台湾を訪れているほか、ドミニカ共和国議会の下院議長は9月末に台湾を訪れている。
一方、先日終了した国連総会の一般討論演説で、中華民国台湾への支持を表明した友好国16ヶ国の元首、政府首長、あるいは代表に対して、外交部は2日、謝意を表した。
また、パナマ、ホンジュラス、エル・サルバドル、ドミニカ共和国及びグアテマラは台湾を支持する発言をしなかったことについて、外交部の高安・スポークスマンは2日、「今回台湾を支持する発言をしなかった友好国は、国連の専門機関などで我が国を支援してくれている」と述べ、友好国が台湾を支持する場は国連の一般討論演説に限らないと説明した。
今年の一般討論演説で、中華民国台湾を支持する発言を行ったのは、ベリーズ、ブルキナファソ、ハイチ、キリバス、マーシャル諸島、ナウル、ニカラグア、パラオ、パラグアイ、セントビンセントグレナディーン、セントルシア、セントクリストファーネビス、サントメプリンシペ、ソロモン諸島、スワジランド、ツバルの16ヶ国。
昨年、支持を表明した16カ国と比較した場合、ハイチが増え、断交したガンビアが減った。また、昨年も支持を表明しなかったパナマ、ホンジュラス、エル・サルバドル、ドミニカ共和国、グアテマラは今年も支持を表明しなかった。
衛生福利部、エボラ医療看護チーム組織命じる
生福利部が、台湾各地にエボラ医療看護チームを発足させるよう命じた。
アメリカ疾病予防管理センター (CDC)は先ごろ、アメリカ国内で初めてとなるエボラ出血熱の感染が、テキサス州で確認されたことを明らかにした。アフリカ以外で感染が確認された初のケースで、患者は現在テキサス州の病院に隔離され、治療を受けている。
衛生福利部疾病管制署の周志浩・副署長は2日、アメリカで感染が確認されたことは大きな警鐘だとし、疾病管制署はアフリカ地域に対する検疫レベルを最高に引き上げる他、流行が確認された国家からの旅行者に対して最高レベルの検疫措置を行うと述べた。周・副署長はまた、より厳格で効率的な感染防止作業手順を定めるとしている。
疾病管制署の周・副署長は、「疾病管制署は、一定の規模をもつ病院に対して10人から20人のエボラ医療看護チームを組織するよう指示した。仮に各病院で、類似の症状の患者が発生した場合には、この専門チームが対処する。患者にとって最もふさわしいサポートを提供でき、感染防止対策も徹底できる」と説明した。専門チームは1週間から2週間以内に組織されるという。
台湾で患者が確認された場合、台湾の医療システムに対応能力があるかどうかについて、疾病管制署の羅一鈞・医師は、「2003年に新型肺炎SARSが流行した台湾は、伝染病対策でアメリカを上回る経験を持つ」と説明、現在の医療スタッフにはエボラ出血熱への対応力があり、疾病管制署でも新たなスタッフへの教育、訓練を強化していくと話した。
香港民主派デモ、国会で与野党双方から支持の声相次
立法院(国会)で3日、与野党の立法委員(国会議員)から香港の普通選挙を求めるデモを支持する発言が相次いだ。
与党・国民党の林徳福立法委員は、台湾の人々は香港のデモから大きな感銘を受けているとした上で、与野党は共通の認識を持ち、ともに香港の普通選挙の実現を支持すると述べた。
また、野党・親民党の李桐豪立法委員は、デモに参加している学生団体、香港大学生連合会(学連)が香港当局との対話を決めたことを評価し、当局と学連が心を一つにして普通選挙を勝ち取ることを望むと語った。
同じく野党の台湾団結連盟の葉津鈴立法委員も、今回のデモは民主を求めるものであり、支持しない理由がないと発言し、中国大陸・北京当局に対して「市民の声に耳を傾けるべき」と呼びかけた。
台湾ではこれまで、馬英九総統、江宜樺行政院長(首相)、最大野党・民進党の蔡英文主席などが香港のデモに対する支持を表明している。
八煙集落の関係者、岡山の“姉妹棚田”を訪問
棚田の再生取り組みなどで国際社会から評価を受けた八煙集落(新北市金山区)の関係者らが2日、棚田の提携関係を結んでいる「英田上山棚田団」(岡山県美作市)と交流する目的で日本に出発した。
八煙集落は北部台湾でめったに見られない大規模な棚田や石でできた伝統的な水利施設の[土川]が保存されているのどかで自然豊かな里山。かつては工業化に伴う人口の外部流出や高齢化などで耕作放棄地が増えていた。
しかし近年、現地では棚田の再生を目指して自然工法を積極的に取り入れた結果、見事棚田が蘇った集落が増え、取り組みは両湖集落にまで拡大。昨年はさらに英田上山棚田団と姉妹提携関係を結び、地域おこしに関する情報交換のため、双方は毎年、訪問団の相互派遣を約束している。
英田上山棚田団は今年4月に両湖集落を訪れたばかりで、地元の人々と田植えなどを競い合った。今回の訪日はその返礼で、8日まで交流が続く。
40歳以下のサラリーマン、8割がマイホーム持たず
台湾の40歳以下のサラリーマンのうち、80.9%がマイホームを持っていないことが、大手求人求職サイトの「yes123」が3日発表した調査で分かった。
マイホームを持っていると答えた19.1%の回答者も、そのうち86.5%が住宅ローンを負担に感じているという。調査によれば、毎月の返済額は平均1万6854台湾元(約6万円)にのぼる。
また、マイホームを持っていない人のうち、52.2%は家族や親戚と住んでおり、28.7%は賃貸住宅を借りているという。
Yes123は、40歳以下のサラリーマンは大多数が「自分はマイホームを持てない」と思っている一方、手に入れたいとの希望を持っている人も少なくなく、その多くが収入を増やして、購入資金を確保したいと考えていると指摘している。
この調査は9月19日から10月2日にかけてインターネットを通じて実施され、40歳以下の正社員1692人から回答を得ている。
台湾、温泉の季節到来 各地で関連イベント相次ぐ
台湾で秋の恒例行事となっている温泉体験イベント、「台湾好湯−温泉美食フェスティバル」の開会式が3日、新竹県尖石温泉エリアで行われた。会期中に大阪までの往復航空券やスマートフォンなどが当たる抽選も行われ、参加が呼びかけられている。
炭酸水素塩泉や硫黄泉など異なる泉質の温泉を有する台湾。地域別にみると、北部では有名な万里蟹や日本家屋などのレトロ建築、中・南部では雄大な自然やムラサキマダラの鑑賞、東部ではラフティングなどをそれぞれの温泉エリアで堪能できる。
今年で8回目となるこのイベントは温泉とグルメや旅行を結びつけるもの。利用客は台北市、新北市、台南市、花蓮県など台湾17カ所の主要温泉エリアにある180を超える温泉・宿泊・飲食施設で優待割引や特典などが受けられる。開催は来年1月30日まで。
台湾では関係当局の取り組みで、近年温泉産業の市場規模が300億台湾元(約1073億円)まで拡大しており、台湾の温泉ブランドの確立を目指して、今後はフィットネスや美容など異分野との融合も図られるという。
終業後、上司からのLINE対応も残業扱い? 台湾の国会議員が提案
国民党所属の盧秀燕立法委員(国会議員)は2日、労働時間外に被雇用者に仕事を依頼する場合は、形式を問わず残業として扱わなければならないとする労働基準法の修正案を、立法院(国会)に提出した。
台湾では、LINE(ライン)などの無料通信アプリ経由で終業後も仕事をさせられ、過労死に至ったケースが報告されている。
盧氏は1日の国会でこの“隠れた残業”問題について質疑を行い、大きな反響を呼んでいた。市民からは、朝5時半に上司から「おはよう」とメッセージが来た場合でも部下は対応せざるを得なく、こうしたやり取りは仕事との区別が曖昧で、大きな負担になっているといった意見も出ているという。
今回の提案について盧氏は、ポイントは残業代を出すか否かではなく、労使双方が信頼関係を確立し、労働者の生活を尊重することにあると語っている。
台湾、3割近くが「全く本を読まない」 進む読書離れ
ビジネス誌「遠見雑誌」が最新号(9月29日発売)で発表した2014年における台湾の人々の読書実態調査で、約3割が「全く読書しない」と答えたことが分かった。
同調査は2年に1度、電話を利用して実施されるもので、今年は台湾20県・市の15歳以上を対象に1208人から回答を得た。
これによると、「全く本を読まない」とした回答者の割合が2010年の24.1%から27.9%に上昇したほか、読書量や読書時間、書籍の購入予算のいずれも減少傾向にあるという。
読書量は1カ月あたり1.7冊、週間読書時間は2.76時間(18歳以上)、書籍購入費の年平均は1326台湾元(約4700円)と、いずれも2010年の2.02冊、3.06時間、1461元(約5200円)を下回った。
読書離れの原因としてインターネットの利用時間増加が指摘されており、2014年では2010年比0.16時間増の1日あたり1.44時間となっている。
ビレットが中国から違法に輸入
経済部は1日、鉄鋼半製品のビレットが中国から違法に輸入されるケースが増えているとして、財政部などと協力して調査し、中国側と協議する方針を明らかにした。
経済部は、電炉メーカーの陳情を受け貿易調査委員会など同部の関係部署や財政部と合同で対策会議を開催した。メーカー側は、「合金角型鋼材」の名目でビレットの違法輸入が後を絶たないと指摘。中国側の輸出段階で関税を逃れることにより、低価格の製品が大量に流入していると訴えた。今年7月までの税関統計で、名目を偽った違法ビレットの輸入量は21万4,000トンに上ったことが判明。一方、経済部の発表によると同時期に中国から各地に輸出されたビレットは200トン超に過ぎず、輸出量の1,000倍もの製品が台湾で流通しており深刻な事態であるとの認識で一致した。
会議では対策として、税関での検査を厳格化するとともに、中国側と話し合うことを決定。政府各部署が連携して違法輸入の取り締まりを強化するとした。
経済部はこのほか、中国製の鋼材が低価格で輸入されている問題にも注目し、アンチダンピングに相当していないか鉄鋼メーカーと調査を進める方針を示した。中国産の鋼材をめぐっては、低価格製品が台湾の産業に損失を与えているとして、鉄鋼最大手の中国鋼鉄(中鋼)が法的措置も辞さないとするコメントを8月に発表している。